恋をしたありふれた職業は世界最強 作:見た目は子供、素顔は厨二
前回二話は一万字更新したのですが、今回はたったの1500程度。
でもこの話、一回丸ごと描き直したの。
許して…。
【一節】オープニング、始まりの瞬間
ーー???side
その少年は何でもない、凡人だ。
天職は非戦闘職である【農民】。ステータスもレベル1の時点でオール20と平均より多少上程度。技能は“土壌改善”の一つのみ。
この世界のあらゆる人間は生まれ持った才能、地位で全てが決定する。より希少な天職を持つほど恵まれ、より高い地位にいるほど幸福にありつける。逆に何ともない天職であればその他大勢に埋もれ、低い階級であれば搾取される。
それがこの世界の『当たり前』。努力なんて名前ばかりで、生まれ持った才能は覆せない。誰もが己の限界をすぐに知り、いつしか夢を諦める。
少年だって諦めていた。かつて憧れた英雄譚、それは遠く離れた幻想だと押し入れの奥にしまった。誕生日に親が削って作ってくれた木刀も部屋の飾りになっている。
だから、それは衝撃だった。
それは聖教教会が担うアーティファクトこその一つ、広範囲映像転写機:シュタイガーンの映像だった。
画面に映るのは【勇者】と【無能】。本来ならば相対する筈もないほど与えられた才能が開いている。
かたや一世紀に一人でも生まれたならば素晴らしいとまで言われるほどの逸脱した才能。王国と教会の信頼を一身に背負う最強職の一つ。
かたや十人に一人はいる【農民】以上の凡人。国を裏切った唯一の『使徒』であるとまで言われ、全てから責め立てられる存在。
放送を見る前、全ての者が頭に描いたであろうワンサイドゲーム。【勇者】が裏切り者を公開的に排除する万全のショー。それを見てまた【勇者】への信仰が高まる。教会はそう夢見ていたし、周囲もそうだと思っていた。
しかしそうはならなかった。
シュタイガーンによって空に浮かぶ映像を少年は釘付けになってそれを見ていた。しかし全ての者から褒め称えられる【勇者】をでは無い。
映像の先の時刻は黄昏時。本来ならば空は朱と藍が広がっている筈だ。だというのに、映像のその先は『蒼』かった。
まるで空をも覆う様に『蒼』は広く、自然に広がる。澄み渡る空と似ていて、優しい魔力光。まるで映像の先で『不夜』が訪れたかのようだった。
その光景を生み出すのはたった一人の【無能】。無傷の【勇者】とは異なり、傷と泥まみれの少年は今も自分の周囲から嘲笑を向けられる。戦いを始めてから数十分も逃げ惑う臆病者だと。
だが不思議だった。
画面に映る少年は画面の向こうでも数多くの人から嗤われて、見捨てられているはずだ。才能のない奴が調子に乗るなと言う眼が痛い程叩きつけられているはずだ。
それが怖くて少年は英雄譚も木刀も捨てたのだ。
だと言うのに画面の彼の眼は爛々と輝いていて、楽しげで、一切折れていなかった。痛そうな傷を負ってなお、【勇者】へと向かって駆け抜けた。
【勇者】の銀剣が横薙ぎに振るわれる。しかし彼は地を這うように低く走り、剣を避けるとガンレットをはめた拳で横腹へと一発放った。
絶望的な差がステータスにあるはずだというのに、【勇者】は苦悶の声を上げて数メートル後退した。この戦いにおいて初めて【勇者】がダメージを喰らった瞬間だった。
先程までニヤニヤと見ていた者達から動揺が伝わった。一方で自分の口角が上がったのが自覚できた。同時に一瞬の頭痛が起こり、弾け飛ぶ。思考がクリアになり、改めて画面上の【無能】を見つめた。
『お前は! お前は何なんだ!?』
【勇者】が狼狽しながらも叫ぶ。驚愕がありありと見え、剣を彼へ突き立てるように構えながら目を見開いた。
その一方で彼は、臆することなく自分の名前とその背負わされた天職を告げた。まるで勲章を掲げるように高らかと。天まで届けと言わんばかりに。
『ーー【錬成士】、南雲ハジメ』
少年はその名をきっと忘れない。
もう一度引き出した英雄譚と木刀を握りしめて、憧れの眼差しで南雲ハジメの一瞬一秒を目に焼き付けようとした。
さて、ここにいくまでに二回大きな戦闘を終えねばなりません。
さあ、俺よ。文章書く速度は十分か…。(でもここは先に書きたかった)
ちなみにこの農民くんは後に結構大成します。
さてさらっと出てきたアーティファクト、シュタイガーンですが単純に言えば空に浮かべるプロジェクトマッピングです。
こちらもまたエヒト神の加護の元でしか使えません。
また何十人もの国家魔法師が連携して初動する必要があります。
燃費は悪いですが、情報媒体としてはかなり優秀。
王国が有する領地全部に映像と音声を流せるアーティファクトはかなり強いでしょうよ。
ハジメの『蒼』もかなりの性能ですよ。
ヒントはドラゴンボールの悟空。
それでは次回!
次回はほんわか回…だと思う!
再・ヒロイン投票
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香織オンリー
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香織&優花
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原作通りのキャラハーレム