恋をしたありふれた職業は世界最強 作:見た目は子供、素顔は厨二
戦わねばならぬ時が今
場所を選んでプレイしよう
からかわれたって
らーめんの匂いがしたって
逃げることは許されない
げんかいを超えて
るんるんと進め
なー、それにしてもどうやってextra1ターンクリア出来るんです?(最低2ターンでしか倒せない)(実は周回嫌い)(根本的にゲームに向いてない性格)(でもFGOもグラブルもキャラが好き)
さてそんな感じで更新ですが、前回の部分すみませんが少しミスってしまいました。
前回なのですが一点だけ修正を…。
修正前『派生特殊技能“解析”…能動的技能アビリティ。指定した範囲間に存在する凡ゆる物の構造、性質、状態を理解する事ができる。ただし“解析”の深度は発動者の集中力に比例する。また範囲は“錬成”の有効範囲と同様となる』
↓
修正後『派生特殊技能“解析”…能動的技能アビリティ。指定した範囲間に存在する凡ゆる物の構造、性質、状態を理解する事ができる。ただし“解析”の深度は発動者の集中力に比例する。また範囲は自由に拡大、縮小、選択が可能であり、上限はない』
これがエグいぐらい酷いミスだったんですよね…。
ごめーんね!
つーか、コナンってなんか新蘭とコ灰がどっちも良質で困る。(紺青の拳を金曜ロードショーで観た際のコナンと灰原さんのやり取りがあまりにもタイプ過ぎた)(でも新一と蘭さんの関係性も好き)(いっそのこと高校生と小学生で分離して二人を幸せにしろ、主人公)
ーーヘリーナside
王宮は【ハイリヒ王国】という国において最上級とも言える位の者しか利用出来ないような、下の者達にとってはそれこそ夢にまで見るような憧れの場である。
ここに辿り着くにはそれこそ才能、出自、努力、名声…凡ゆる物が必要となる。その為、ここにいる者と言えばそれは誉れとなる。ーーある例外を残して。
その例外の一人、すなわち王族である彼女が廊下を渡るならば、侍女たちは彼女の気品溢れた歩みにほぅと頰を赤らめ、恭しく頭を垂れる。騎士たちは国でも指折りの美貌に見惚れ、膝を折って傅いた。識者は若き歳に見合わぬ才媛さに感服の意を表す。
そして彼女はその全てに微笑みを向けて、後にする。そのあまりもの完璧さに彼女を知る者は王族への敬意を新たにする。
ーーリリアーナ・S・B・ハイリヒ、齢十四にして凡ゆる方面に優れる完璧なる王族。同時に民衆への慈悲も深く、時折街に降りては交流を交わし人々を魅了するカリスマ。
それこそが人々に慕われる王族たる彼女の姿であるーー!
「うへへへ…仕事が終わりませんわぁ」
「リリアーナ様、休まれて下さい。いい加減にしなければ健康に支障を及ぼします」
そんな彼女は幼馴染とも言える侍女のヘリーナの目の前で山程の書類に目を通しながら、とっても危ない笑顔をしていた。それはもう「見せられないよ!」と放送禁止になるぐらいには危なかった。
ちなみにこの書類というのは大体“使徒”関連である。本来の政治や経費といった面は現王たる父や王妃たる母が行なっている。しかしリリアーナは“使徒”全体との交流が深く、「彼らの為に何か出来ないか」と自ら“使徒”関連の書類全般を引き受けた訳である。
その結果がこちら。見事に社畜のような姿へと成り果てていた。どうやら二次創作であろうと彼女の
そんなメタはさて置き、ヘリーナに忠言されようと聞く耳を持たず、羽付きペンをスラスラと動かしながらアヘアヘするリリアーナさん。ヘリーナさんの目の温度が下がりつつも、それにすら気付こうともしない。精神的な疲労はまだしも、体がそれに追い付いてはいなかった。
ヘリーナは溜息を吐きながら、「このダメ姫、どうしてくれようか」と恭しくも頭を覆う。
ただこれだけリリアーナが熱心に仕事を全うするのも仕方がない話なのである。
リリアーナは“使徒”の召喚に責任を感じている節がある。他の者達は「エヒト様に呼ばれたのならば使命を果たすべき」と彼らの“使徒”としての役割を当然の事としている。
しかしリリアーナは知っている。リリアーナは彼らと“使徒”としてではなく、一個人として接している。だからこそ痛いほど、彼らの殆どはただの少年少女なのだと、本来は戦いなどとは程遠い環境だったのだと理解している。
だからこそリリアーナのこれは償いだ。せめて彼らが迷宮以外で過ごす時は苦痛から遠ざけようと、疲労困憊な自身の体に鞭を打っている。“使徒”の誰一人として不自由な思いをさせたくは無いと願っている。
小さい時からを共に過ごすヘリーナはリリアーナのそんな思いをよく理解している。ただそれは兎も角も現在のリリアーナは無理をし過ぎているとも感じている。
ヘリーナからすれば、薄情なのだろうがなによりも第一優先はリリアーナだ。
侍女として、そして一人の人間としてヘリーナは己が全てをリリアーナへと捧げている。それは全世界が敵になろうが、創造主たるエヒト神に歯向かうことになろうと、自分の身を犠牲にすることになっても変わりない。
だからこそヘリーナは今は必ずリリアーナを休ませねばならない。どうせベッドに放ってもリリアーナの責任感が冷めず、アンデッドの如く机に帰ってくるだろう。だから一旦心を落ち着かせてから寝させるのが良いだろう。
そんな訳で何とかリリアーナを落ち着いて昼食をさせるため、庭まで導いた訳だが…。
「(もぐもぐもぐもぐ)」
「…な、南雲様? 何故、雑草を漁っていらっしゃいますの!? 食費は!? 最低限まで減らされてもその給料で食堂は利用できるはずなのに!? これは今すぐ経費の方を確認してーーいえ、それだけではこのあまりにもひもじい生活はどうにもならない!? なれば私の懐から一部を捻出しーー」
「(もぐもぐも…)あれ? 王女様?」
まさかその庭のど真ん中で雑草を漁っている男がいるとは思いもよらなかった。しかもその男がある意味、リリアーナの注目の的たる一人であったなんて。
そして当の本人こそは平然とした顔で雑草を食んでいる。きょとんとした顔でリリアーナとヘリーナを見つめている。
「何故…こうなったのでしょう」
優秀な侍女であるヘリーナはこの時ばかりは心中嘆かずにはいられなかった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ーーリリアーナside
「つ、つまり南雲様に渡していたお金は全て鉱石に使い切ってしまったと…」
「工房の鉱石も好きに使える身分でもないですからね…好きに弄るのには自分用に買う必要があるんですよ」
「それでも食事はちゃんとしてくださいまし。健康に関わりますのよ?」
「今は兎に角“錬成”の技術を上げたいので…」
ハジメが雑草を食んでいたのがまさかの鍛錬に金をかけ過ぎたというのがよく分かり、リリアーナはある意味ハジメの異常度のランクを上げた。わざわざ雑草を食ってまで鍛錬に集中するような人間はまず平常とは言わない。
なおヘリーナは何故かリリアーナに冷ややかな目を向けている。ひしひしと「お嬢様も同類では?」と伝わるが社交界で鍛えられたスルースキルにより無視した。確かに仕事の為に五徹するリリアーナはハジメと同類なのだろうが、リリアーナ自身は知る由もないだろう。
南雲ハジメ、彼は“使徒”の中で唯一の【裏切り者】として有名である。
召喚された存在であるにも関わらず平凡なステータスであり、技能も“言語理解”程度しか特殊なものは無い。天職など十人に一人が発言させる【錬成師】というあまりもの【無能】。
その上で迷宮内で“使徒”を罠に嵌めたものの、【勇者】天之河光輝等の活躍により敗れ、今現在優しさに漬け込み城内で暮らしているとされている。二ヶ月前、工房に入れたのもメルド団長の配慮によるものであり、決して実力などではない…とまで言われる男である。
ただリリアーナはその反面、友人である香織やら雫やら優花やらからも話を聞いている。
香織曰く「誰よりも優しくて強くてカッコいい」とベタ褒めであり、聞くリリアーナの舌が非常に甘くなった。あとランデルの機嫌が非常に悪くなった。
雫曰く「精神が多分鋼で出来てるぐらい折れない人」と半ば呆れながらも、確かな尊敬の念が雫から見えた。
優花曰く「迷宮で二度も助けられた相手」と言っており、ついでにどのように感謝すればいいか聞かれた。一応アドバイスはしておいたが、なんだか
またハジメが入った工房の棟梁であるウォルペンはコネとかそんな物はまるっきり無視するような性格だとリリアーナはよく知っている。むしろ彼が「“錬成”の腕がいいから工房に入れた」と王宮の者達の意見を聞かず、問題児を王宮に入れた回数など数知れない。その度に父が頭を抱えるものだからよく覚えている。なのでメルドの一声だけで入れるような工房などではないことはよく分かっている。
よってリリアーナからすればハジメは「よくわからないけど何故か女性にやけに好かれてる人」という印象である。少なくとも香織と優花からはそんな感じがした。姫の直感がそう言ってる。だから間違いない。
そうして今日、リリアーナはようやくハジメと話す場を得ることが出来た。本来は気休めとかそんな目的だったような気がしなくもないが、そんな目的は既に蚊帳の外。兎に角目の前の南雲ハジメという人物が如何なる者なのか見ておきたいというのが彼女の心中である。
当然、彼は勝手に召喚された被害者。如何なる人物であろうと見放すなどということは毛頭もするつもりはない。
されど警戒はする。リリアーナは心優しい少女であると同時に国を愛する姫君である。国に害を及ぼすとなれば最悪牢に入れ、向こうの世界への道が開くまで閉じ込め続けることも視野に入れねばならない。
(今は兎に角見極めなさい、リリアーナ・S・B・ハイリヒ! 先入観も今は何もかも捨てて、彼の本質を見抜くのです!)
だからこそここで会えたのは幸運。今この時にこそリリアーナは南雲ハジメを見極めようとする。
「ところで南雲様、今お時間はございますでしょうか? せっかく会えたのですしお話させて頂きたいのですがよろしいでしょうか?」
「えーっと、昼ごはん食べながらでいいですか? お腹減ってるので」
「ええ、むしろ私もお昼ご飯を食べる予定でしたから。…ただ目の前で草を食べられている中、私だけ豪勢にするのは如何なものか…もし宜しければ南雲様のお昼ご飯も私が御支払いたしましょうか?」
「いや、いいです。そこまでしてもらったら悪いですし。…ただ出来れば塩胡椒が欲しいですね。すみませんが塩胡椒を食堂からいただけないですかね?」
「…そんな物でよろしければ」
どんだけ雑草を食べるのに慣れてしまったのか…そう思うとつい涙が出てしまうリリアーナである。ちなみに今現在、塩胡椒は王宮ではそこまで高値で取引される代物ではない。環境を支配するレベルで植物栽培ができる天職【作農士】たる畑山愛子がいる現状、普通に栽培されている。ので、もはや塩胡椒は当たり前の代物になりつつある。
こうして若干リリアーナが罪悪感を胸にしながらハジメとのマンツーマンでの会話が始まった。
「改めましてご挨拶させて頂きますわ。私はこの国【ハイリヒ王国】の王女、リリアーナ・S・B・ハイリヒですわ。よろしくお願いいたします」
「えーっと、僕は【ウォルペン工房】の下働きの南雲ハジメです。まさか王女様が僕の事を知ってたなんて驚きました」
「仮にも私は王族、“使徒”様方の名前と顔は全員覚えておりますから」
これは紛れもない事実である。その根拠にリリアーナは城内の者殆どが覚えられていない遠藤の顔をしっかり覚えている。…一ヶ月前から行方不明となって、会えはしていないが多分大丈夫である。
「そういえば南雲様は工房に入られたようですが、この頃はどのような事をされておられるのですか?」
「あの…すみませんけど、その前にその『南雲様』って言うのはやめて貰っても良いですか? 慣れてないので」
どうやらハジメは下から来られるのに慣れていないらしい。頰を掻きながら、リリアーナにそっと頼み込んでくる。
こういう時に無理に硬い呼び方に固執するとむしろ嫌われるだろうし、この際に呼び方で距離感を近づけるのも良いだろう。その判断でリリアーナは承諾する。
「それでは南雲さん、でよろしいでしょうか?」
「はい、それなら何とか…」
「ただ代わりに私のことはリリィとでも呼んで下さいまし」
「…ふぇ?」
ただしその分、リリアーナはハジメにかなり酷な注文もするのだが。
「ですから『王女様』なんて呼ばずにリリィと呼んでください。第一、未だに“使徒”の中で私の事をそんな風に呼んでいるのは南雲さんだけですわよ?」
「……リリアーナさん、で許してください」
「まぁ、それなら良いでしょう。…それで南雲さん、工房では何をやっていらっしゃるのですか?」
「そうですね…基本的には注文された品の量産をしてます。注文品を作り終わったら後は工房の皆んなで武器を作りあって、その批評会を開くといった所です」
「あら、南雲さんは【錬成師】となってから僅かだったと記憶していましたのですが…失礼ですけどその批評会に参加出来ますの?」
「何とか食らいついてるのが現状ですけどね。ですけど先輩方は惜しみなく披露してくれるのでとても勉強にはなります。お陰で新しく技能も発生しましたし」
「まぁ! よろしければなのですが、その技能について教えて頂けますの?」
「えーっと。“錬鉄”といった技能なんですけど、“錬成”を敢えて頼らない鍛治を行うことで発現する技能です。この技能は対象の鉱物の性質や硬度をより強くする魔法技能ですね」
新しい技能の発生、それは決して珍しい物ではない。ただ当然ながら後天的に発生させるには一定以上の努力は必要となる。それはつまり、ハジメ自身が真摯に鍛錬に励んでいる証明に他ならない。
聞けば先輩の助言に従ってハジメは手作業による鍛治を行い、その技能を目覚めさせたらしい。一応工房の中でも険悪な関係性でないことが伺え、一先ずほっと息をついた。
そこからハジメは工房のメンバーについて話し始めた。彼等がどれだけ破天荒な人物であるか。はたまたどれだけオリジナリティーに溢れた人々であるか。どれだけ自分へ熱意を持って教えてくれるのか。リリアーナから見てもそれはもう楽しそうに話していた。
リリアーナは自身の頰が少し緩んだのを自覚する。ハジメの雰囲気があまりにも明るいくて、その陽気に当てられたかのようだった。今町で言われている話はハジメの耳にも入っているだろうに、気にしてもいないような雰囲気だった。
それがあまりにも不思議で、リリアーナはつい尋ねてしまった。
「…南雲さん、貴方は今世間では【裏切り者】と言われています。その噂に関しては何も思われないのですか?」
すぐにこれは失言だったとリリアーナは自覚した。数十人が言う程度なら兎も角、ハジメのそれは人族ほぼ全員によるもの。気にせずにはいられないもののはずだ。
あまりもの失言にリリアーナは一度視線を逸らした。しかし尋ねた己が逃げるのも卑怯な気がして、恐る恐るとハジメの顔へと視線を戻した。
「はい、最近は特には気にしてないですね」
そして唖然とした。何故ならハジメの顔はなんの変哲もない、平然とした顔をしていたのだから。
「二ヶ月前ぐらいは気にしてはいたんですけど…最近は慣れましたね」
「慣れ!? 慣れるものですの!? 四六時中、周りから罵詈雑言を吐かれるのですわよ!?」
「あー、正直最近
「そ、その程度!?」
一瞬強がりかとも疑ったがどうにもそんな風には見えない。心底どうでもいいと思っているとしか思えない。しかもまだマシな方と本人は思っているようだ。
ふとハジメの瞳が見えた。それはまるで『リリアーナ・S・B・ハイリヒ』を俯瞰し、観察するかのような無機質な眼。己の全てが暴かれるかのような確信を感じさせられる。
だからか、リリアーナは震えた。単なる実力差だとかそんな単純な話ではない。生まれて初めて感じるタイプの恐怖だ。
「おーい、ハジメっちー! 休憩時間終わったすよ! とっとと工房に戻って来いってウォルペンの旦那、カンカンっすよー!」
「あ、リーン先輩。分かりましたすぐに行きます。ーーというわけでリリアーナさん、お話の途中ですけど失礼させていただきます」
「は、はい…」
だが、そんな錯覚も一瞬ですぐにハジメは優しげな元の雰囲気に戻った。そしてそのまま席を立ち、工房の先輩らしき男を追いかける。
(何ですの、今一瞬感じた感覚は?)
いつの間にか握られた掌は汗で濡れていた。呼吸は数段早くなっており、リズムが乱れている。ヒュッと喉から擦れるような音が鳴っている。
明らかにリリアーナは恐怖していた。
だが実際に戦ったとしてもきっとリリアーナが勝つ。恐らくは完封勝ちとなるだろう。だからこそ、この恐怖は生存本能が打ち鳴らした恐怖ではない。
まるでそれは未知のものを見たかのようなーー。
「…やはり疲れていますのね。ヘリーナ、私は少し部屋で寝ますわ」
「は、はい。リリアーナ様」
結局リリアーナは己のそんな感情を馬鹿馬鹿しいとし、ハジメは単に優しげな人間だと断定した上で自室へと進んだ。
「何故…あの距離で気がつくのでしょうか…」
だがそんなリリアーナは、先程までハジメがいた席を戸惑いながらも見つめるヘリーナには気がつくことは無かった。その呟きも。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ーーハジメside
「…八人か、やっぱり僕って信頼されてないのかなぁ」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ーー檜山side
「おい雇主。この二ヶ月間何もねぇが、いったい何のつもりだ?」
檜山は苛立ちを隠せずにいた。はやる気持ちを抑えきれず、貧乏揺すりが段々と強くなる。
「あはは…いやぁ、そう言われても僕は忙しいんだよぉ? あっちこっちとコンタクト取って、色んなアーティファクト融通してもらって、情報交換とかも何回も。あと実験したりもしたしねぇ、二ヶ月ちょっと前ぐらいに実験体手に入って良かったよねぇ。それにしても一ヶ月経ってようやく行方不明扱いとか…流石は遠藤くんだよねぇ。ふふ」
一方で怪しく卑しく嗤う彼女は二ヶ月経っても得体が知れない。一体何を目的で動いているのか、何を企んでいるのか、未だに一片たりとも掴めない。
だが少なくとも檜山以上にタガが外れているのは確かだ。彼女は人を人として見てはいないのだろう。実際に彼女に捕らえられてしまった遠藤がどんな目にあっているのか。少なくとも
いつ己も『駒』として使われるかも分かりはしない。下手すればそれは『捨て駒』としてかも知れない。
そこまで分かっていながら彼女を裏切る事をしないのは檜山自身も狂っているからに他ならないだろう。自身の死よりも万が一つの可能性に縋わらずにはいられない。
「で? 次、俺は何をすれば良い?」
「んー、君はとりあえずステイ。今回は偶然手に入れた捨て駒を使うことにしたから」
「はぁ? 捨て駒ぁ? そんな奴いたか?」
「直接会ってはいないんだけどね。ただ『友達』に教えて貰っただけだよ?」
「『友達』ねぇ…」
ついつい『友達』なんてそんな生温い相手じゃないだろうに、と皮肉な笑みを浮かべる。
「そんで? ソイツは一体誰なんだよ?」
「聞いた感じ中々面白いよ? 私達も無関係って訳じゃ無いし…まさかヴィーゲン・リートが全く効いてないのが他にもいたなんてねぇ…」
けらけらと彼女は面白くて堪らないとばかりに嗤う。果たしてその笑みは馬鹿にしているのか、褒め称えているのか曖昧だ。
そんな邪悪な笑みで彼女は言った。
「君も知ってるよ? 何たってクラスメイトのーー」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ーー???side
その日は新月。故に夜を照らす光は無い。
ソレを一匹の魔物が見たのは偶然に過ぎない。ただ巣にいる子供の分まで餌を取ろうとして遥々遠くまで来ただけだ。
だからこそその魔物はとてつも無く不運であった。それだけなのだ。
ーー何百という魔物の群れの行進と出逢ってしまったのは。
この魔物はかなり強い部類に入る。一体だけならば楽に倒せたかも知れない。五十ぐらいならばまだ生存を賭けた戦いにもなった。
しかしこの数は、あまりにも不条理が過ぎる。
「〜〜〜〜〜〜」
すると
不快な歌だ。頭の内がみるみる潰されるような、そんな歌。
吠えて止めようと思えど、止まらない。ならば元を断とうと牙を剥き出しにすれど、その前に魔物達に押し付けられた。
まともに動くことすらできず、ただその魔物は歌を聞き入れた。苦しみながら、争いながらも。
やがて魔物の動きは止まった。幾度かの痙攣を繰り返し、ついに静止する。だが次の瞬間、歌を歌っていた者が手を上げると、それに釣られるようにその魔物もむくりと起き上がる。
そこにもはや子を助けようとした魔物の知能は無い。ただただ参列の内に加わった災害の一部分となる。
森の中を再び進む。歌に乗せて。黒いフードの男は鼻歌を歌いながらも、笑った。
ちなみにこの話中にさりげなく言ってるけど、この話は全話から二ヶ月経っております。
そんだけでハジメ強くなるとかおかしくない、と思われる方もいらっしゃるでしょう。
冷静に考えてください。
ハジメは“不屈”の技能によりあらゆる時であっても眠れません。
そのため、ハジメは草を食むか水浴びするか(そこら辺の滝)以外の時間は全て鍛錬です。
つまり常人のおおよそ二倍程度には練習してます。
迷宮組も迷宮以外は割と遊んだりしてるので下手したら二倍以上です。
それに対して仕事時は“錬成”の鍛錬ですし、仕事じゃなくても大体オリジナルの練習してます。
しかも“解析”は範囲は小さくても二十四時間ほぼ出しっぱです。
たまに工房メンバーと飲み会に行く時もありますが正直ガチ錬成オタク共の集まりなので全員が“錬成”の仮説やら新たなるアプローチ法やら武器の設計図を面白おかしくワイワイする会議になります。
そのため、技術と知識の蓄積速度がヤバいことになってます。
正直頭おかしいです、コイツ。
ただハジメくんはその分、他の知識に関してはおおよそ図書館での知識しかない。
だからギルドとかよくわかってないし、社会構図も大まかしか知らない。
戦闘経験値もかなり低い。
ちなみにこの二ヶ月間に勇者と皇帝のお話があるわけなんだけど、それを入れるかどうかで悩み中。
でも多分入れる。
次話辺りに閑話として入れる。
何故ならばユエもシアもティオも正統的に出せるから。
再・ヒロイン投票
-
香織オンリー
-
香織&優花
-
原作通りのキャラハーレム