目が覚めたらダークライ。そしてトレーナーは可愛い女の子。   作:ただのポケモン好き

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50話 ダグトリオ山脈での出来事

 僕たちはアメコミタウンを後にして南西にある山にいた。通称ダグトリオ山脈。僕たちはここを超えてデウスシティを目指す。しかし問題はダグトリオ山脈。実は三ヶ月の修行でナナの登山嫌い一切克服出来てない、つまりナナがテレポートでデウスシティに行きたいと駄々をこねはじめたのだ。しかしメアがそれを許さない。一度決めたルールはしっかり最後まで通すべきだという。

 

「ていうかナナ。いま思ったんだけどシノノタウンから北に真っ直ぐ行ってルルタウンのジム戦をすれば良かったんじゃない? それで西の方から攻めれば……」

「レジよ。レジ達がルルタウン周辺にいたのよ。だから東から攻めることにしたの」

「なるほど」

「まぁとりあえずお昼にしましょう!」

 

 ベアルンの提案に二人とも二つ返事で答える。今日は天気が良いから外でバーベキューだな。ナナもメアもボールから全てポケモンを出す。ベアルンもブーバー、ゴンべ、バニプッチと全てのポケモンが出てくる。それじゃあ昼に……

 

「ダグ! ダグ! ダグ!」

「あら……野生のダグトリオ。まぁダグトリオ山脈の近くだし当たり前か」

「そうね……って! ダグトリオ! これはマズいわ! ここのダグ……」

 

 ナナがボールを握って僕たちを戻そうとする。しかし足元に大穴が開き、一気に飲み込まれる。突然のことの誰も対応出来ない。しかも中は複雑なトンネルで落下中にみんなとはぐれてしまう。そんな中でナナの声だけが聞こえた。

 

『ここのダグトリオはいたずら好きだと……そしてダグトリオ山脈の頂上に集合』と。

 

 それから数十分トンネルで回されて地面に落ちる。恐らくダグトリオの掘ったトンネル。たしかナナの話だとダグトリオの穴はダグトリオ山脈の内部に通じている。つまり道なりに進めばダグトリオ山脈に出るわけだ。そしてナナは言った、頂上で待つと。それなら……「いったー。もう最悪!」

 

 そんな時だった。忌々しい声が聞こえる。なんでよりによってこいつと同じ場所に落下するんだよ。あのメアのニンフィアと同じ場所なんて……

 

「おい。僕は一刻も早くここから出たい」

「私も同感。こんなジメジメしたところ御免だわ」

「……仕方ねぇ。今だけは強力するか」

「強力してくださいの間違いでしょ?」

「あ? お前が強力を仰ぐ立場だろ」

「品のないポケモンと組みたくはないわ」

 

 そんな時だった。地響きがする。気が付いたら目の前にバンギラスが現れる。しかも荒れている。恐らくダグトリオにいたずらされたとかいうオチだろ。

 

「ニンフィア。あいつは悪タイプ。お前のハイパーボイスで倒せるよな?」

「もちろん。ダークライはダークホールで足止め出来る?」

「当たり前だろ」

「それじぁあ頼んだわよ」

 

 僕はダークホールを飛ばす。本能的にヤバいと感じたのかバンギラスは穴を掘ってダークホールを避ける。これが戦闘開始の合図だった。バンギラスは僕の真下から飛び出て襲い掛かってくる。僕は一歩下がって回避。カウンターのシャドークローでバンギラスの腹を切り裂き、怯ませる。その隙にニンフィアがバンギラスを後ろ足で蹴り飛ばす。僕は飛んでくるバンギラスを避けてニンフィアの後ろに回る。そしてニンフィアがハイパーボイスでバンギラスにトドメの一撃を叩き込んで戦闘不能に追い込んだ。

 

「……ダークライ。なんでダークホール外してるの?」

「お前こそ穴にハイパーボイスを叩き込むくらいの工夫はしろよ」

 

 少し口喧嘩をしてると天井がグラグラと揺れ始めた。これはヤバいな。ニンフィアのハイパーボイスの衝撃で少し倒壊が始まったか。

 

「……まずは逃げるか」

「そうね。生き埋めは御免だもの」

 

 僕とニンフィアは走り始める。しかし途中で大きく洞窟が崩れ始める。これはマズいと感じた僕はナイトメアシフトを5%でやってニンフィアを抱えて一気に駆け抜ける。だけど目の前を大岩が道を塞いでいた。それに素早く気づいたニンフィアが周りに影響を与えないくらい小さなハイパーボイスで見事に岩だけを破壊する。岩を破壊して先に行くと上に繋がる穴があった。僕はニンフィアを抱えて真っ直ぐ上を目指した。結果から言うと九死に一生を得る形で間に合った。ナイトメアシフトをしたせいでごっそりと体力が持っていかれたが無事だ。しかし仮想戦闘祭の時より体が重くない。間違いなく5%に体が慣れてきている。恐らく今なら常時2%くらいなら出来るだろうな。しかし、これなら近いうちに最大出力を8%くらいに上げても問題ないか?

 

「……ありがとう」

「こっちもハイパーボイスで岩を破壊してくれたのは助かった」

 

 上に来たら壁が土から石に変わった。恐らく本格的にダグトリオ山脈に迷い込んだのだろう。しかし見た感じだと完全に人の手がまったく入ってない天然の洞窟だな。そういえばナナが基本的にダグトリオ山脈は岩山で外は内部は天然の洞窟を進むと言っていた。そして中のダグトリオは見かけたら迷わず戦闘不能に追い込まないと大変なことになるとも……

 

「ダークライ。これからどうしようか?」

「とりあえず上を目指す」

「私が言いたいのは上を目指す方法だよ。正直に言うと上に行く道を探して……なんてやっていたら日が暮れると思うの。だから天井を壊したりとかね?」

「それはやめといた方がいい。洞窟が倒壊したら危険すぎる」

「そうだよね……」

 

 しかしニンフィアの言う通り正攻法で攻略したら日が暮れるよな。なるべく早く行かないとナナも心配しているだろう。そんな日が暮れるまでなんて待てない。行くなら最短距離だ。だけど最短とは……

 

「ダークライ。ごめんね……私のせいで……」

「いつになく弱弱しいな」

「もしもダークライ一人なら通過で頂上まで一瞬で行けるよね? だから……」

「馬鹿言うな。お前一人残して行ったら僕が怒られるだろ。出る時は二人一緒だ」

 

 壁抜けも不可能ではない。しかし途中で空腹で力尽きたら最悪だ。出来るだけリスクは背負いたくない。

 

「ダークライ……」

「なぁ考えたんだが、最短距離を知ってるやつがいるだろ。そいつに吐かせるのはどうだ?」

「あ……」

「そうだ。ダグトリオなら知ってるんじゃねぇか。ここら辺の地理は」

 

 そんな時だった。爆走で走り回るポケモンがいる。それに傍迷惑なことに地面を炎で焼きながらだ。しかも目を凝らすと見たことのあるポケモンだ。あいつら一体なにをしてるんだよ……

 

「よっ! ダークライ!」

「ムンナ……ウルガモスに乗ってなにをしている?」

「いや、ウルガモスと会ったから二人で上に行く道を探してるんだ」

「その通りだ。ちなみに私は地面を熱してダグトリオの炙り出しを狙っている。あいつらにはお仕置きしなければ気が済まぬ」

「いや、意味ないと思うぞ。地中深くに潜られたら熱は届かねぇし」

「不覚……」

「しかしダークライ。これからどうするんだよ? 俺はまだナナと旅をしたいぞ」

「頂上に行くしかないだろ」

「……ねぇ思ったんだけどウルガモスに乗せてもらって外から頂上を目指すのはどうかな? もっともブーバーを見つけた方が早いとは思うけど……」

「その手があったか!」

 

 それなら問題ない。上に続く道を探すより出口を探した方が手っ取り早い。こればかりはニンフィア、ナイスアイディアだ。

 

「でも全員が離れるのは不安が残るな……テレポートの出来るブーバーはともかくスピアー、ルンパッパ、ゴンべ、バニプッチは無事に頂上まで行けるのか?」

「しかしナナ達と合流してる可能性もある。一度合流してからナナ達と一緒に探した方が確実ではないか?」

「それもそうだな……」

 

 そんな時だった。綺麗な歌声が聞こえた。それに美味しそうな匂いもする。一体なにをなんなのだろうか?

 

「……罠だろ」

「罠だね」

「俺も罠だと思う」

「いや、誰が罠を仕掛けるんだよ」

 

 今回の一軒は野生のポケモンによるものではない。罠が仕掛ける人はいない。だから安心してもいいだろ。それになにかあってもこの面子ならどうにかなるだろ。

 

「それじゃあ罠じゃない?」

「罠じゃないと思うぞ」

「俺も罠ではないと思う」

「それじゃあ行くか」

 

 そして匂いのする方に行く。ジュゥゥゥゥとなにかが焼ける音。聞いただけで唾液が止まらない。それに綺麗な歌。それが僕達を魅了する。もしもこの歌を聞きながら食事が出来たらどんなに良いか……

 

「……ってお前らかい!」

 

 僕は顔を上げてツッコミを入れる。歌の正体はメロエッタ。そしてスピアーがタコ焼きを焼いている。近くではゴンべが椅子や机をセッティング。バニプッチが近くにいるダグトリオや先程のバンギラスにタコ焼きを振る舞っている。

 いや。待てよ。なんでダグトリオが普通に客としているんだよ。

 

「あー久しぶり! 地底湖でタコが採れたからタコ焼きの屋台をやってるよ! 鉄板や他の材料はゴンべが拾ってきてくれたの!」

「さぁ食え食え!」

「味は塩だれとタレだよ~」

「とりあえずメロエッタ! 歌います!」

 

 心配して損した……なに吞気に屋台を開いてるんだよ。ていうかポケモンが屋台を開くとか前代未聞だろ。色々とおかしいだろ。マジで。

 

「あ! ダークライ! ムンナ! 無事でよかった! それとタコ焼き食べる?」

「ニンフィアとウルガモスもどう?」

 

 そして座席に座ってナナとメアも普通にくつろいでるし……しかもよく見たら近くにベアルンとブーバーもいる。頂上で待つってなんだったんだよ……

 

「……タコ焼き食べ終えて一息付いたらブーバーのテレポートで頂上に行くつもりだったわよ」

「でも彷徨ってたらベアルンのゴンべが私達のポケモンとタコ焼き屋やってるからビックリだよ」

「ゴンべは味見係ですが、僕の助手で料理を手伝ってもらってますから」

 

 しかしスピアーよ。手の針でタコ焼きをひっくり返すとは随分と器用だな。ナナ達が普通に食べれているということは毒が入ってるとかはないだろうが……

 

「さぁとりあえずタコ焼き食べてダグトリオ山脈を抜けよう? ダークライ」

 

 ナナが僕の口にタコ焼きを投げる。それはムカつくくらい美味しかった……

 

 

 

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