目が覚めたらダークライ。そしてトレーナーは可愛い女の子。   作:ただのポケモン好き

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5 ゴゥー団との決戦
53話 ゴゥー団掃討戦


 ナナが国際警察に連れてこられた場所。そこはどこか分からない。理由は簡単でテレポートで連れてこられたから。そしてベアルンには悪いが街に残ってもらった。集まった場所には多くのトレーナーが集まっていた。それに国際警察側にはボルノもいる。

 

「ナナ! 来てたのか!」

「ノエル! あなたも来たのね!」

 

 そこにはノエルもいた。それに辺りを見渡すと仮想戦闘祭で戦ったウルトラや四天王のメグなど知った顔もいる。しかし前回チャンピオンのポポやチャンピオンのカナタはいないな。ここに来てない強者もいるということか。

 

「久しぶりね。ナナ」

「キンラン先生!」

 

 ナナの師。そしてジムリーダーのキンランさんもいる。こっちは相当強い面子だな。それに対して相手は幹部が三人とボスと国際警察は考えている。幹部の一人は前に僕達で倒した赤いスーツの男、ラティ兄妹を使う女、そして三人目は不明。ボスはラルムだが恐らくいないだろうな。もっというならば今回アジトの情報を国際警察に流したのがラルムだと考えてもいいくらいだ。国際警察にゴゥー団を潰させるために。

 

「みなさん。忙しい中で集まってくれて感謝する。私の名前はブルール。そして一つだけ最初に詫びをしなければならない」

 

 周りがざわつく。一体なにを詫びるというのだろうか?

 

「この件はミカエルが受け持つはずだった。しかし我々の独自調査によりミカエルが国際警察として相応しくない方法で皆様方を集めたことが判明した。そのためミカエルは本件から外れ、私が担当することになったというわけだ。この一件に関しては国際警察の管理の甘さが招いた事態だ。本当に申し訳ない!」

 

 ブルールが頭を下げる。謝罪するだけなら誰でも出来る。辺りがガヤガヤとざわめいてくる。そしてキンランが隣にやってきてマイクを奪って演説を始める。

 

「……でも戦力が欲しいのは事実よ。そもそも本来ならこういう場合はチャンピオンのカナタが代わりに引き受ける。でも今はカナタがいないのよ」

 

 そういうことか。本来ならナナのお兄さん一人で済む案件なんだ。しかし今はカナタがアローラに行っていていない。だから一般トレーナーに声が……

 

「自分のポケモンを傷つくことが怖いのはよく分かる。だけどゴォー団を野放しにしたら被害は増えるばかり。もしかしたら旅をしてたら一人の時に襲われるかもしれない。そうならないために私達は討つ必要があるの! もちろん無理にやれとは口が裂けても言えないし、嫌だという人がいるなら逃げても誰にも笑わせない。ただ、それでも安心に日々を過ごすために私達に力を貸してほしい! もしも国際警察が信用できないと言うなら私に力を貸して!」

 

 そしてキンランが頭を下げる。もちろん帰りたいというトレーナーは多くいた。その人はブルールさんがテレポートを使って帰していった。そんな中でナナは帰ろうとしなかった。

 

「ナナ? 帰らないの?」

「大丈夫よ。この場にキンランさんがいるなら私達に危険はないわ」

 

 ああ。キンランさんを信頼してるからか。まぁたしかにあの人がいるなら間違いなく安全だな。

 

「それにキンランさんも言ってたけどゴォー団を放置して私達だけの時に襲われたら? そうなる前に叩いてしまった方が得策よ」

「たしかに。メロエッタにダークライ。奴らが欲しがりそうなポケモンを持って旅をしてる身としてはそっちの方が安全か」

 

 最終的に約六割。人数にして八人のトレーナーが残った。それから細かな作戦が組まれている。テレポートで四人一グループの三手に分かれて侵入。そして迅速に動き、幹部とボスの捕縛を最優先として動く。そして僕達は第三チーム。メンバーは……

 

「私とナナ、ブルール、ノエルね」

「お願いします。キンランさん」

「ええ。とりあえず雑魚はナナのダークライで眠らせて基本は無視。私達は例のラティ使いを討ちにいくと」

「ああ。このチームは基本的にラティ兄弟に相性で有利を突けるグソクムシャ、レジアイスを使うノエル。同じくダークライ、スピアーを使うメアで構成している」

「合理的ね。ただラティ兄妹は相当強いわよ……それに彼女の腕にはキーストーンがあった。もしかしたらメガシンカする可能性すらある」

「把握している。もしもメガシンカしたら適うのは最強のジムリーダーのキンランさんだけだ。だからメガ個体をキンランさん。メガしてない方を私とノエルとナナの三人で倒すことになるだろう」

「なるほど。このチームはラティ兄妹を倒すことを最重視したってことね。でも、それなら私とメグの二人で組ませた方が得策だわ。メグと私の二人なら誰にも負けないもの」

「ああ。それも候補にあった。しかしそれだと三人目の幹部にやられる」

「三人目の幹部。誰なの?」

「……三人目の幹部は人間じゃない。異様に知能が発達したカラマネロが務めている」

 

 全員が衝撃を受けた。ポケモンがゴゥー団の組織の幹部だと!

 

 そんなことってあるのかよ!

 

「待って! カラマネロが相手にメグは危険すぎるわ! それこそカナタが来るまで先延ばしにした方がいいわ!」

「……キンランさん……あのカラマネロですよね?」

「ええ。ポケモンで一番強力な催眠術を使うとされてるカラマネロよ。洗脳を得意として悪事に利用する組織が後を絶たない」

「でもポケモンですよね?」

「だからヤバいのよ! ポケモンなのに幹部を務めているということはそれなりの知能があること。つまりなにをしてくるか分からない!」

「……そうだ。しかしカラマネロは野生。つまりモンスターボールで捕獲が出来る。だから捕獲することで無力化する。それにメグは四天王だ。彼女に勝てないなら誰に任せればいい?」

「違うのよ! メグは強い! だからカラマネロに洗脳されたら取り返しがつかない!」

「ならどうすればいい? カナタが来るまで待つか? それまでにどのくらい被害は増える? そしてカナタ以外で任せられるのは誰だ?」

「……なるほど。賭けをしないといけない段階まで追い込まれてるのね」

「そういうことだ」

「腑に落ちないけど、これが今の最善手ね」

 

 作戦の説明が終わる。そしてゴゥー団掃討戦が本格的に始まろうとしていた。

 雲行きは怪しい。それでもやるしかないのだ。


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