目が覚めたらダークライ。そしてトレーナーは可愛い女の子。   作:ただのポケモン好き

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7 VSウルトラビースト
81話 オープニング


 豪華客船に乗船して初日の夜。ナナはいつもより派手に装飾された黒いロリィタ服を着ていた。なんでもドレスコードがあるとか…… 

 そこでナナは愉快に様々な人と会話していた。その面子は大手企業の社長とかポケモンリーグの運営や政治家に遠くの地方の博士といった大物揃い。まるで貴族の食事会のような雰囲気。そしてナナも怖いくらいそこに馴染んでいる。

 

「ナナ殿。我が社と契約して専属トレーナーに……」

「そういうのは間に合っております。私の既に二ロロノクス社から多額の援助を受けておりますから」

「ほうほう。いくらくらいの……」

「それを聞くのはマナー違反ですよ」

 

 しかしナナに接待術のスキルがあったとは。ナナのことが気になる人は多く先程から質問攻めにあっている。その中でも大きく話題になるのはドラミドロによる地殻変動の話である。はたしてナナが一人でやったのかと。ナナはそれに関してはノーコメントとしており、参加者の間で様々な推測がなされていた。ナナは基本的に他人に自分のことを多くは語らない。そのためナナという人物は世間では多くの謎に包まれている。

 世間では『チャンピオンの妹であり、バトルタワーで百人斬りをして、地殻変動すら容易く行う銀髪黒服の美少女であり、ダークライという未知のポケモンを使う』ということ。これだけ聞くとたしかに話題になるなという方が無理な話である。

 

 何故このようなことになったのか。これは偶然の産物によりものである。まず第一にナナが乗った豪華客船で偶然にも貴族たち食事会が予定されていたこと。そして第二にナナがなにを思ったのか話しかけた人が食事会の主催者だった。そこからナナは意気投合して食事会に招かれることになったのだ。しかしナナがどうして参加したのか真偽は不明のままだ。

 

「そういえばナナ殿。ダークライというポケモンはどこで手に入れたのかね?」

「どこだと思います?」

「ナナ殿のポケモンは闇を使うと聞く。つまり闇の中……」

「ご想像にお任せしますよ。メルテラス卿」

 

 そんなナナの回答。それによりナナの話は大きく膨張されて伝わることになる。まったく人騒がせなことだ……

 

「しかし空が不気味だ。このデトワール地方の未来はどうなることやら」

「そうですね……特になにもないといいですね」

 

 ナナは空にまるで無知であるかのように振る舞う。これは面倒な会話を避けるためということが見て分かる。そんな中で一人の老人が言う。それはナナを誘った主催者の老人だ。なんでもデトワール地方の政治家の一人とか……

 

「しらばっくれるのもやめんか。メルテラス卿」

「なんのことかな?」

「あの空はウルトラホールが開く兆しということはここにいる誰もが承知のはず。無論そこの悪夢姫も」

「私は知らないとは一言も言ってませんから」

 

 なるほど。たしかにここにいるのは大物揃い。そういう表舞台に出ない情報にも精通しているというわけか。

 

「お主はアルセ博士の教え子。ウルトラビーストに関しての最先端の知識がある。それで気付かないわけがない」

「ええ。あれは誰がどうみてもウルトラホール。しばらくしたら大量のUBがデトワール地方に放たれますね」

 

 それと同時にナナがボールを投げる。それにより僕が外に出される。会場の空気が一変して張り詰めたものとなる。ナナはその中で静かに言う。

 

「あなた達はなにを考えているのですか? どうして落ち着いているのですか?」

「対策があるからだよ。ウルトラビーストに対抗できる戦力をぶつける」

「……?」

「ゴゥー団が作り出したダークポケモン。野生のポケモンを全てダークポケモンにすればウルトラビーストにも対応できるとは思わないかね?」

 

 随分と警戒心が薄いのかペラペラと喋る。そんなに口が軽くていいのだろうか。

 しかし、なんてことを考えているのだろうか。そんなことが許されていいはずがない。僕は少しだけ体の底から沸き立つ怒りを隠せずにいた。しかしナナだけは冷静にいた。まるで知っていたかのように。

 

「そんなことは誰もが思いつく。まるで名案だという風には言わない方がよろしいかと。ご自身の価値を落とすことに繋がりますから。そしてあなた達はUBを舐めている」

「それはどういうことかね?」

「その程度では焼き石に水。UBには意味が無い。無駄な犠牲を出すだけ。ただちにやめなさい」

 

 まさかナナはこの計画を阻止するために豪華客船に乗ったのか。しかしどうしてそのことを知っていたのだろうか……

 いやナナは知っていたのではないな。恐らく人格トレースで理解したんだ。この偉い人達を人格トレースして計画の中身を予測した。なんて荒業を……

 

「そんなやってみないと分からないだろ」

 

 そして老人がボールを投げる。現れたのは禍々しいオーラを放つバンギラスだった。間違いなくダークポケモン。それに関してはナナは挑発するように言う。

 

「他の方はポケモンを出さないのですか?」

 

 その声に釣られて様々なダークポケモンが出てくる。その数は18近くいる。また多くがドラゴンポケモンという強力なポケモンが揃っている。

 

「バンギラス、はか……」

「ダークホール」

 

 老人が指示を出すより僕の方が速かった。僕は闇の大玉を作り、そこからマシンガンのように玉を発射する。その玉に触れたポケモンは全て深い眠りに落ちていく。ナナは静かに言う。

 

「私のポケモンに手も足も出ない程度のダークポケモン。それが戦力になると本気でお考えですか?」

 

* * *

 

 しばらくしてナナが事前に連絡していた国際警察のボルノがやってきて、全員が逮捕ということで終わりを告げる。しかしここにいるのは大物ばかりで恐らく権力ですぐに釈放されるだろうとボルノは言っていた。だがナナは既に興味がないようだった。

 

「しかしよく気付いたな。大手柄だぞ」

「偶然よ。それよりボルノ。国際警察の方でUBはどう対応するつもり?」

「ああ。こいつを使うつもりだ」

 

 ボルノはナナに一つのボールを見せた。それは歪な形をした青いボールであり、初めて見るものだった。ナナもそのボールは初めて見るようで頭にクエスチョンマークを浮かべていた。

 

「これはウルトラホール。UBを捕まえるためだけに作られたボール。これをチャンピオンや四天王にジムリーダーなど信用できる人物にだけ渡して捕獲してもらう。そして捕獲したUBは全て国際警察で管理する」

「たしかにUBは普通のボールじゃ入りにくいという研究結果があったものね」

「そしてナナにはこれを……」

 

 そんな時にナナに紫色のボールが渡された。これは僕でも知っているボール。モンスターボールの中でも最強。どんなポケモンでも捕まえるという……

 

「これはマスターボール。ありとあらゆるポケモンを確実に捕まえる」

「ボルノ! そんなものどこで!」

「前に任務で悪の組織と抗争した時の戦利品。オラは使い道がないがナナなら……」

「ありがとう! 大事に使うわ!」

 

 いや、それはナナに渡してはいけないだろう。ナナは『ボールをポケモンに当てられない』という致命的な弱点持ちだぞ。いや投げなければどうにでもなるのだが……

 

「それとナナ。巷で話題の覆面の少女の話だ」

「あの悪党狩りの……」

「それがメアって話なら知ってるわ」

「それだけじゃない。ドクソノ含むマリアの言っていた五人が全て彼女によって捕縛された。一時的な精神崩壊状態で」

「一時的?」

「ああ。一週間くらいで戻るんだが、その間は発狂し続けるんだ。まるで心が壊れたかのように」

「メロエッタの歌は人の感情を操る。使いこなせば人の心を壊すくらい可能か……」

 

 メロエッタってそんなこと出来るのかよ。随分と怖いポケモンだな。

 

「そしてオラもメアと戦った。結果は一体も倒せず惨敗……」

「ウソでしょ! 一体も倒せずボルノが負けた?」

「そうだ。どんなにダメージを与えてもメアの歌で傷が治る。そして身体能力も上がってく。まるで異能力……」

「私と同じことが出来るというわけね」

 

 メアの歌。まさかレベルを更に上げていたとは。もしも相手するとなると恐ろしいな。下手したら四天王クラスの強敵。それにナナも言わないがメアのそれは……

 

「ナナ。メアに勝てるか?」

「どうかしら……正直に言うと厳しい戦いになると思う。話を聞いた限りだと今のメアはそれほどまでに強い。だけどメアとは私が決着をつける」

 

 それだけ言うとナナをボルノは別れた。豪華客船一日目は少し荒れて終わりとなる。ナナは自分の部屋に戻ると真っ先にベッドに戻ってダイブする。

 

「疲れた! なんで偉い人ってああなのかしら!」

 

 先程までの態度が嘘のようだ。それからはナナの愚痴は止まらない。そして数十分の間マシンガンのように愚痴を言うとナナはシャワーを浴びて眠りについた。

 

 時は深夜。僕も眠りについていると、とても綺麗な歌声で起こされた。僕は寝ぼけながら誰もいない甲板に行く。誰もいないはずの甲板にはメロエッタがいた。明るい月光がメロエッタを照らす。その姿はとても可愛らしく目を奪われそうになる。

 しかし瞬時に我に返って僕は戦闘態勢をとる。メロエッタはメアのポケモン。ここにいることはつまり!

 

「なにもしないわよ。ダークライ」

「信じていいんだな?」

「ていうかボールから出ていいの? 周りに悪夢を見せるんじゃない?」

「その心配はするな。特性がきずなへんげに変化したみたい」

「なんそれ? サトシゲッコウガじゃあるまいしそんなこってあるの?」

「サトシ?」

「アニメのピカチュウを連れたキャラクターよ。ここの世界ではいないけど転生者の貴方なら分かるでしょ?」

「ああ。そういえばアニメの主人公の名前はサトシだったな」

 

 この世界にいると忘れそうになる。自分が前は人間で別世界にいたこと。そしてポケモンの世界がゲームだったということを。メロエッタは唯一の同郷で話も分かるんだよな。

 

「あれからどうだった?」

「ギラティナに襲われて死ぬかと思った」

「うそ! ギラティナいるの!」

「四天王のポケモンだけどな。なんでもウルトラホールの先の世界で捕獲したとか」

「ああ。そういえばウルトラサンムーンでもウルトラホールの先で全ての伝説のポケモンを捕まえられたっけ。この世界でもそこは同じなんだ」

「それ初耳なんだが」

「ほんとに知らないのね……USUMで全ての伝説のポケモンが捕獲出来るのは有名よ」

「それでメロエッタの方は?」

「メアの指示で色々な悪い人を倒したわ。そして……ラルムがコスモッグに罪滅ぼしをしたいと言い出した。そして私はコスモッグの望みがウルトラホールの先の世界に帰ることだと知った。そしてつきのふえを国際警察から奪って、メアの持っていたいようのふえを使って……」

 

 いや、国際警察から奪っていたのかよ。随分とザルだな。ていうかチャンピオンもそれを把握してないだろ。報告、連絡、相談が出来ていないな。マジで。

 

「コスモッグはルナアーラになった。そしてルナアーラは世界を滅ぼそうとウルトラホールを開こうとしている。そして今はメアとラルムが一睡もしないで戦っている」

「随分とマズいことになってるな」

「メアは巻き込んでゴメンって言って私を逃がした。だから私は野生に戻った」

「メロエッタはどうしたい?」

「メアの元に戻りたいしメアを助けたい。しかし今の私には無理。だからここに来たの」

 

 しかしメアを助けたいか。そのためにはルナアーラを倒さなければならない。どうしたものか。

 

「状況は?」

「最悪。戦ってる場所はウルトラホールの先の世界。そしてルナアーラだけじゃなくて大量のUBもいる」

 

 もしメアとラルムが負けたらUBがこちらの世界に流れ込んでくるってことか。それはとんでもないことだな。もう既に戦いはゴゥー団との対決ではなくUBとの対決に形を変えているのか。

 

「捕まえても強引にボールから出る。そして生きてる限りウルトラホールを開こうとする。つまりルナアーラをどうにかしない限りは……」

「厄介だな」

「だけど、それなら一つだけ方法がある」

「どんな?」

「記憶操作。ルナアーラの記憶を奪えばいい」

「ユクシーを連れてくるというの?」

「それしか……」

 

 そんな時だった。欠伸をしながら一人の少女がやってきた。その姿は間違いなくナナだった。まさか僕が無断でいなくなったことに気付いたのか……

 

「そういうことならオーベムね……あのポケモンは記憶操作できるから」

 

 ナナが寝ぼけながらメロエッタを気にも留めることなく言う。まず普通に会話の内容を理解してることにツッコミを入れたいがナナの場合は分析が出来るからな。恐らくその類だろう。

 

「オーベム! その手が!」

「ただオーベムなんてどこにいるのかしら……とりあえず私はオーベムを連れていけばいいのね」

 

 なるほど。つまり今後の課題はオーベムの捕獲か。ユクシーを捕まえるよりは現実的になってきた。しかし記憶操作って恐ろしい能力だな。

 

「それとメロエッタ。ウルトラホールには行けるのかしら?」 

 

 ナナも段々と目が覚めてきたようで受け答えがしっかりしてくる。たしかにウルトラホールに行けるかどうかは大きな問題だ。

 

「分からない。私を出して穴は閉じたから……」

「なるほど。それならオーベムの捜索は国際警察に任せましょう。私達はウルトラホールの開き方を探すわ。それとメロエッタ。私の傍を離れないでね」

「え?」

「あなたを欲しがる輩は山のようにいる。もしも変なトレーナーに捕まったらメアに合わせる顔が無いわ」

 

 そしてナナはメロエッタを保護するつもりらしい。トレーナーは原則としてポケモンを6体までしか連れて歩いてはいけないという法律がある。そのため今のナナがメロエッタを捕まえた場合、ナナは自分のポケモンを一体どこかに預けなければならなくなるのだ。

 つまり保護と言ってもメロエッタをボールに入れるのは不可能だ。

 

「……ダークライ!」

 

 そんな時だった。ナナが血相を変えて僕の名前を叫んだ。それとヒビの入っていた空が大きく割れて穴が開く。そこから一匹の白いゴキブリのようなポケモンが素早く飛び去っていくのが見える。あれは恐らくウルトラビーストだ。僕は考えるより先に体が動いていた。飛ぶUBの前に立ちふさがり、あくのはどうで吹き飛ばす。しかしそのポケモンは空を蹴り、華麗に回避。そのまま甲板へと降り立った。ポケモンを見てナナが静かに言う……

 

「UB02ビューティー。正式名称フェローチェ。厄介な相手ね」

「かぶりん!」

 

 そしてフェローチェは理解できない鳴き声を発した後にナナに飛び掛かった。

 




The補足 メロエッタについてPart1
前世:女子大生(19)
好きな色:水色
趣味:歌,ポケモン
夢:とくになし

・前世で持ってたROM
三世代
ルビー 欧州版ルビー サファイア 北米版サファイア
エメラルド ファイヤレッド リーフグリーン
四世代
ダイヤモンド2つ パール2つ プラチナ2つ
ハートゴールド2つ 北米版ハートゴールド
ソウルシルバー2つ 韓国版ソウルシルバー
五世代
ブラック4つ 北米版ブラック
ホワイト4つ 北米版ホワイト
ブラック2×3 北米版ブラック2
ホワイト2×3 北米版ホワイト2
六世代
X3つ 北米版X Y3つ 欧州版Y
オメガルビー5つ 北米版オメガルビー
アルファサファイア5つ 欧州版アルファサファイア
七世代
サン6つ 北米版サン ムーン6つ 欧州版ムーン
ウルトラサン8つ 北米版ウルトラサン
ウルトラムーン8つ 欧州版ウルトラムーン

~メロエッタから一言~
「まずジラーチ乱数するためにルビサファの海外ROMは必要。それに6Vメタモンの海外産をやるために海外のHGSS。韓国語が欲しかったから一つ韓国版。それで同じ理由でブラホワの海外版。また対戦で準伝確保のためにROMリセ用に複数は絶対必要よね。それでXYはビビヨンの関係で欧州版も買って、あと配信個体を複数受け取るためにROMも多く必要なんだよね。それでSM以降はTSVの関係で(ry」

PS
設定や伏線の確認がてら一部を読み返していたのですが5章辺りで『ゴゥー団』の表記が『ゴォー団』になっています。正しくは「ゴゥー団」です。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。

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