目が覚めたらダークライ。そしてトレーナーは可愛い女の子。   作:ただのポケモン好き

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87話 7つ目のジム戦

 あの探索の翌朝。メロエッタも特になんともなく、それどころか異様なまでの回復を見せ、既に元気に動き回っている頃。いつものあれが起きていた。

 

「七つ目のジムバッジに挑む挑戦者は悪夢姫ちゃんでよろしくて?」

 

 そう。毎回恒例のジム戦である。

 

「ええ。ルールはフルバトルですよね。ルピナスさん」

「もちろん」

 そうして青髪の女性はボールを投げる。それと同時に現れたのはニョロトノ。そしてスタジアムに水が注がれ始める。このジムは時間経過と共に水が注がれていくギミックがある。一応、浮島がいくつか設置されているものの、足場が限られていては戦いは不利になる。

 

「そしてルピナスさん。勝ったらホントに教えてくれるんですよね?」

「もちろん」

 

 さて、なぜ呑気にジム戦をしているのか。理由は簡単で彼女がマナフィについて知っていると述べたから。つまりナナはマナフィのポケモンの情報を入手するために戦うことになったのだ。そしてナナは最初になにを出すのか……

 

「行きなさい。ムシャーナ」

「ムシャァ(おうよ)」

 

 ムシャーナがボールから出される。しかし先発にムシャーナとは珍しい選択だな。ナナはなにが狙いなのか。そして同時に雨が降り始める。

 

「ニョロトノの特性あめふらしですか」

「ご名答。もう待ちくたびれたんだから……はやく狩らせてちょうだい」

 

 それが合図だった。ニョロトノは自慢の脚力を活かして、カエルのように遥か上空へ飛び立つ。それを見てナナは同時にムシャーナに指示を出す。

 

「トリックルーム!」

 

 そう。新たに習得した技を。アリスのギラティナと戦う時に覚えた大技。その技により、フィールド全体が正方形の部屋に包まれる。そしてニョロトノはそのままムシャーナに向かって軽く叩いて、ボールへと戻っていく。

 

「とんぼがえりですか。ニョロトノが本来なら覚えない技を使いますね」

 

 しかしジムリーダーは少し不愉快そうな表情を見せていた。そしてナナのムシャーナには多少のダメージはあるが、大事には至っていない。

 

「あなた……完全にとんぼがえりを見切ってたわね。なぜ?」

「あなたのニョロトノの足の筋肉の付き方。あれなら『とんぼがえり』を使えると判断したのです」

「見事ね」

「そしてあなたが使いたかったポケモンは恐らく特性『すいすい』等の雨の時に素早いポケモン。もしくはゲッコウガ等の元々速いポケモン。それで雨により火力の上がった水技を素早く打つことでケリをつける予定だった」

「そこまで読まれていたなんて。でも一つ良いことを教えてあげる。ジムリーダーは予想外の事態にも即座に対応出来るのよ」

 

 そして彼女はボールを派手に投げる。現れたのはアシカのようなポケモン。しかし見た目から受ける印象は人魚。その姿は大変美しく、無意識のうちに目を向けてしまう。

 まるで高貴なお姫様だ。ここまで上品で美しいポケモンがいるだろうか……

 

「そうきましたか……」

「ええ。このポケモンはアシレーヌ。とても遅いポケモン。トリックルームがある今ならどのくらい速く動けるかしら?」

 

 そしてアシレーヌが一気にムシャーナの前に現れた。あまりに速い動き。しかしムシャーナも負けないくらい速く、アシレーヌから距離を取る。

 

「さてショータイムよ! 私のアシレーヌの美しさをご覧あれ! ただのジムリーダーと思うなかれ! うたかたのアリア!」

 

 辺りに泡が舞う。それに合わせてアシレーヌが歌い始める。その様子をみて慌てたのはナナの方だった。たった一手。それだけで大きく局面は逆転してしまった。

 

「Laaaaaaa」

「ムシャーナ! まもる!」

 

 ナナの指示に従い、ムシャーナは全力で防御態勢を取る。それと同時に辺りの浮島もまとめて全てが吹き飛んだ。まるで小規模の爆発が各地で起こったようだ。

 

「もう一度うたかたのアリア」

「Laaaaaaa」

「ムシャーナ!」

 

 再び辺り一面に謎の爆発が起こる。それにより今度はムシャーナが吹き飛ばされてしまう。そして吹き飛ばされた先でも爆発が起こり、ムシャーナを連続的に襲う。ムシャーナは苦痛の表情を浮かべながらボールのように扱われる。そして数秒が経った時には戦闘不能になっていた。ナナは下唇を噛みながらボールに戻す。

 

「ムシャーナ。ごめんなさい」

「まずは一体目」

 

 あれはなんなんだ。どうやって攻撃している。フィールド全体の攻撃。あんな技を防ぐ術はあるのだろうか。まずカラクリが分からない。そしてナナが二体目のポケモンを出す。

 

「お願い! ドラミドロ!」

「ドラァ……(ああ……)」

 

 出されたのはナナが使う唯一のドラゴンタイプのポケモン。そのポケモンはトレードマークと言いたげに変わった眼鏡を身につけている。

 場に出されたドラミドロは不安そうな表情を見せていた。今までのジムリーダーとは格が違う。キンランさんに限りなく近い実力といっても過言ではないかもしれない。さすが二番目に強いジムリーダー……

 

「辺りに浮いてる泡。あれ一つが小さな水の爆弾。それを歌で拡散させて攻撃する全体技。回避は困難……」

「マイナーな技なのによく知ってるわね。だけど実際に見るのは初めてでしょ? どう対処するのかしら?」

 

 ナナもカラクリは分かっているようだった。だったらなんの問題もない。ナナは軽く息を吸い、次の指示を大声で出した。

 

「ドラミドロ!! ヘドロウェェェェェェェブ!」

「ドラァ(了承した)」

「アシレーヌ! ひかりのかべ!」

「レェェヌ(任せて!)」

 

 そして毒の波を吐き。それがフィールドを覆う。水は毒に染まり、紫色へと変色を遂げていき、泡も全て砕かれる。アシレーヌだけがひかりのかべで攻撃から身を守る。

 

「なんて威力なの……」

「私のドラミドロ。攻撃力はトップクラスよ」

 

 想像以上にエグい攻撃。地形を変えるりゅうせいぐん。辺りを毒に染めるヘドロウェーブ。まるで固定砲台。適当に技を放つだけで場面を制して、圧をかけられる。

 

 純粋なパワーによる悪夢。圧倒的な火力で全ての戦術を打ち砕いていく。

 

「てきおうりょく……こだわりメガネ……威力だけに全てを注ぎ込んだ育て方……」

「さすがジムリーダーね。一撃で見事に分析してくるなんて」

 

 そういうことか。ナナのドラミドロの特性はタイプが一致する攻撃技を大きく上げる。それに更に道具を持たせてパワーアップをさせてるわけか。さすがだ。

 

「……だけど今までの私とは違う。今の私は模索するんじゃなくてさせる。それはジムリーダーが相手でも同じよ」

「……戻って。アシレーヌ」

 

 ジムリーダーはアシレーヌをボールへと戻す。それをみてナナも警戒する。まるでいつポケモンが出ても瞬時に一撃を浴びせられるように。

 

「行きなさい! ブルンゲル!」

「ヘドロウェーブ!」

 

 ボールから飛び出した風船とクラゲの二つの印象を持たせるピンク色のポケモン。そのポケモンにヘドロウェーブがダイレクトのヒットする。しかし大したダメージは受けず、そのポケモンは余裕の表情を浮かべていた。

 

「これが解答よ」

「ブルンゲル」

「ひかりのかべもある。毒技はいまひとつ。さらにブルンゲルは特殊技に対する防御も高く、並大抵の攻撃じゃ動じない。そしてあなたのドラミドロはこだわりメガネの影響でヘドロウェーブ以外使えない。さらにスピード自慢のダークライもトリックルーム下じゃ満足に動けないのでしょ?」

「ブルン(あらあら)」

 

 再び形勢逆転。しかし凄いな。秒で有利不利が変わっていく。ナナが有利かと思えば数秒後には不利になっている。それに二人共動揺を見せながらも的確に対応していく。そしてナナは無言で構えている。そしてナナは僕のボールに手をかけた。

 

「信じてるわよ。ダークライ」

「ブルンゲル。おにび」

 

 出てくると同時に怨念の炎が僕の身を包んだ。それにより体が焼けていく。しかし我慢できないほどではない。それよりも問題は異様なまでの体の重さ。まるで重りがついているかのように体が動かない。技を避けるのは間違いなく無理だ。

 

「さぁ次はな……」

 その時だった。ナナのZパワーリングが光った。まさかZワザか。あまりに早く切り札を使う。少し不安はあるが、僕はナナの動きを信じるだけ。恐らくこれが最善手なのだろう。

 

「ブルンゲル! ねっとう!」

「ブルンッ(そいや)」

 

 グツグツと沸騰した熱湯を浴びせられ、体が赤く腫れる。あまりに痛い。威力こそはないが相当な痛みがある。なんて非人道的な技なんだ。しかしこれで……

 

「全て終わらせてあげる。この勝負は私が勝つ。ブラックホールイクリプス!」

 

 ブラックホールを作り、それは一気にブルンゲルを飲み込んだ。作られたブラックホールはブルンゲルの体を蝕み、一撃で戦闘不能に追い込んだ。ひかりのかべすらも貫通して一撃で倒す威力をみせた。しかしZワザはもう打てない。

 

「随分と早いですね。Zワザを使うのが」

「ええ。ブルンゲルさえ倒せばドラミドロのヘドロウェーブで勝てますもの」

 

 ナナが悪女のように笑う。そうか通しか。前に聞いたことのある戦術の一つ。遠しとは相手の止められるポケモンを倒して。自分のポケモンを動かしやすくする戦術。

 今の一手により、ブルンゲルは倒され、ドラミドロのヘドロウェーブに耐えられるポケモンがいなくなり、ひたすらヘドロウェーブを撃つだけで勝てるポケモンバトルになったのだ。見事な采配だ。

 

「こういうのはどうでしょう」

 

 そしてジムリーダーがボールを投げる。すると今度は青色のブルンゲルが現れた。おかしい。ブルンゲルは先程倒したはず……それなのに……

 

「……」

「同じポケモンを二体使ってはいけないなんてルールはない」

 

 その時だった。ナナが笑った。まるで全て計画通りだと言いたげに。それをジムリーダは負け惜しみだと判断して、小馬鹿にした表情を見せる。そしてナナは僕に言う。

 

「ダークライ。悪いけどここで退場してもらうわ」

「……あなた。なんのつもり?」

「勝つために必要なことなのよ」

 

 なるほど。ナナの思考を完全に理解した。しかしブルンゲルは耐久寄りのポケモン。それを相手にやられろというのも至難の業だ。つまり戦闘不能になれという指示ではない。そしてひかりのかべにトリックルームがある現在で僕は満足に動けない。

 下手したら起点にされかねない。

 これは仕方ない。いつもとは一味違った戦い方、そして場から退場させてもらおう。

 

「ダークライ。かみなり!」

「ブルンゲル! じこさい……」

「……と見せかけてダークホール!」

 

 黒い闇の玉。それを雨のように降らせていく。ブルンゲルは遅い。さらにそれだけじゃなくて『じこさいせい』を使う準備をしていた。そして僕は最初からナナの指示がブラフだと伝わっていた。ナナは間違っても『かみなり』なんて今の僕に使えない技を指示に出さない。電気技なら『10まんボルト』を指示する。つまり完全に相手を騙すための演技。

 そして闇の雨に飲まれ、ブルンゲルは眠りにつく。それと同時にトリックルームのターンも切れて一気に体も軽くなる。しかしナナは僕を瞬時にボールに戻して次のポケモンを出した。

 

「頼んだわよ! ミミッキュ! つるぎのまい!」

「しまった! まさかドラミドロの超火力もダークライのZワザも全て……」

「ええ! あの火力を見たらあなたは必ずドラミドロで私が攻略しようとしてると思い込む! そしてZワザを使うことで他にブルンゲルの突破手段がないと判断した! だけど全て違う! これらはミミッキュに繋げるための演技よ!」

 

 そしてミミッキュが舞う。相手も瞬時に反応して指示を出す。予想外の一撃。それに動揺しつつも指示を忘れない。改めて強いジムリーダーだと認識させられる。

 

「ブルンゲル! おにび!」

 

 しかし彼女の声は届かない。ブルンゲルは既に眠っているから。そこでナナはさらに『つるぎのまい』を命じて攻撃力を上げていく。そして眠ったままのブルンゲルにシャドークローの一撃を叩き込み、ブルンゲルが戦闘不能。それと同時に雨も上がった。

 

「ゴフッ……(次は?)」

「やるじゃない……眠らせることでおにびを封じて火傷を受けないようにしたということね」

 

 これで相手のポケモンは二体倒れた。残りは四体。そのうち二体はニョロトノとアシレーヌだと割れている。そしてこのクラスのジムリーダーにメガ枠がないとは考えづらい。そもそも彼女のネックレスがキーストーンだ。間違いなくメガシンカは使用する。

 

「どんなピンチも好きなポケモンと一緒なら乗り越えられる。頼んだわよ! ニョロトノ!」

「ニョロ!(ああ)」

「れいとうパンチ!」

 

 そしてニョロトノが現れる。ニョロトノは出てくると同時に地面を蹴り、瞬速でミミッキュと距離を詰めた。そして冷気を纏ったパンチでミミッキュに殴りかかる。それをミミッキュはナナの指示無しの自己判断で小さなシャドークローを出して受け止める。そしてナナもミミッキュならそうすると分かっていたのか、明らかにそれを前提とした指示を出した。

 

「じゃれつく!」

「ニョロ!(な!)」

 

 それによりニョロトノはミミッキュに付きまとわれて、フルボッコにされる。たった一撃。それでニョロトノを倒したのだ。そしてナナの目からは強い意志を感じさせる。技を当てたら必ず倒すという。今のナナはまるで戦いの鬼だった。そんなナナに一瞬の隙もない。

 

「ありがとう。それじゃあ悪夢姫。もう一度だけとびっきりのショーを見せてあげる! いくわよ! アシレーヌ!」

「レェェヌ(任せて)」

 

 それと同時にミミッキュの爪から電気が走る。初めて見る動き。一体ナナはなにをする気だ。ナナがミミッキュガールとの戦闘の後にミミッキュになにか指示しているのは知っている。恐らくそれ関連。あれでナナはミミッキュについてなにか気付いてるはずなんだ。

 

「ミミッキュ。育て方次第で戦い方が大きく変わるポケモン」

「アシレーヌ! うたかたのアリア」

「一気に斬りなさい! 電撃のシャドークロー!」

「ゴフッ(おう)」

 

 二秒もかかっていないだろう。ミミッキュはアシレーヌがうたかたのアリアを使う前に間合いに入り、一気に首をシャドークローで斬った。しかもただのシャドークローではない。電気を纏ったシャドークローだ。それにより泡は弾け飛び、アシレーヌは白目を向く。

 

「今のは……」

「電気を纏ったシャドークロー。キンランさんの元で学んだ電気技の性質。そして世間一般では知られてないけどミミッキュは『10まんボルト』と使える」

 

 炎の技を主体とするミミッキュ。ナナはそれを見た。火をみごとに扱うというイレギュラーなミミッキュを見た。そこからナナは考えたのだ。雷でも同じことが出来ないかと。

 

「そういうこと……悪夢姫。ミミッキュに電気を出させてシャドークローに纏わせたのね。だけど今の速さは……」

「でんきエンジンって特性を知ってます? 電気で体の筋肉を刺激させて活性化。その要領と同じです。ミミッキュは自身の電気を使って体を刺激した」

「そんなの無理よ! どのくらい些細なコントロールが必要だと思ってるの! それに指導するのにも電気の知識、ミミッキュの知識。どちらも一級品のものが……」

「どちらも私にはある。それだけですよ」

 

 そういえばナナは『トレース』が出来たな。それによりキンランさんという電気のエキスパート。ミミッキュガールというミミッキュのエキスパート。二人の知識を詰め合わせたというわけか。改めてナナの凄さが思い知らされる。

 

「だけど悪夢姫。私のポケモンを舐めないことね。その一撃でやられるほどぬるい鍛え方はしていない! うたかたのアリア!」

 

 ナナは下唇を噛む。ミミッキュに指示を出すもミミッキュは痺れていて動けない。自身の電気で痺れているのだ。明らかに荒業。まったく反動がないわけがない。

 

 痺れている隙を突いてミミッキュの周りに泡が浮かぶ。これ一つでも触れたら最後。ミミッキュは吹き飛ばされてボールのように遊ばれる。もう完全に身動きが取れずにいる。そしてミミッキュの痺れも取れて、ついに動けるようになる。

 

「まるで水のステルスロックですね」

「良い表現をするわね。あの技にはヒヤリとしたけど私のアシレーヌは耐えた。そしたミミッキュは動けない」

 

 ばけのかわ。それはダメージを無効にする。それだけで衝撃はダイレクトに伝わる。つまり吹き飛ばされるということだ。これは泡で作られた牢獄だ。遠距離攻撃が出来ないポケモンを詰ませる陣。そして恐らくポケモンを交代しようものなら出てきた瞬間に……

 

 そうでなければナナはステルスロックなんて表現を使わない。

 

「アシレーヌ! れいとうビーム」

 

 そして氷の光線がミミッキュを襲う。すぐに飛んで回避しようとするが上空にある泡が爆発してミミッキュを吹き飛ばす。そしてミミッキュは毒の海へと叩きつけられる。本来なら水だったもの。それはドラミドロの一撃で触れたものを毒で飲み込む沼へと変わった。触れれば毒がじわじわと体力を奪い、やがて戦闘不能になる。

 

「ミミッキュ!」

 

 しかしミミッキュは毒の沼から脱出して睨むようにアシレーヌを見ていた。戦闘不能になるまでカウントダウン。だけどまだ動ける。少なくともミミッキュは諦めていない。

 

「もう一度いくわよ。電撃シャドークロー!」

「ゴフッ(おう)」

 

 電気を纏うシャドークロー。それは稲妻が駆けたようだった。爆発するよりも速く動き、アシレーヌへと距離を詰めていく。そして遂にアシレーヌとの間合いに入り、弧を描くような一撃がアシレーヌに襲った。しかしアシレーヌは体を逸らして回避。そして尾びれでミミッキュを叩き、戦闘不能に追い込んだ。

 

「お疲れ様。あなたの頑張りは無駄にはしないわ」

「次はドラミドロかしら?」

「ええ。出さない理由がない」

 

 そしてナナはボールを投げた。出てくるのは藻類のようなドラゴン。その龍は宙を舞い、凛々しく、威厳を放ちながらアシレーヌを見つめていた。

 これがナナの使う龍。ナナが大きく信頼しているポケモン。最大火力を放つ逆転の一手だ。ドラミドロに水の爆発が襲う。しかし彼女は眉一つ動かさず堂々と爆発を受け止めた。

 

「なんですって!?」

「いくわよ! ヘドロウェーブ!」

 

 ナナのポケモン。残り四体。

 ジムリーダーのポケモン。残り三体。

 

 フィールドは浮島と毒の海。そして天候は雨。相手の場にはひかりのかべ。

 

 そんな状況で今までの中でジム戦は続く。


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