ダンジョンに英雄を求めるのは間違っているだろうか   作:空太郎

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Pixivで投稿しているものをこちらでも投稿しようと思いまして、初投稿です。


1話『村人E少年の語り』&2話『魔法使いE少年の語り』

 

ヘスティア・ファミリアはまだまだ弱ファミリアで、もしもランキング的なものがあれば末端に属していることだろう。

 

 

僕はその一ファミリアの団長としてこのオラリオに住んでいる。

 

 

田舎もんな僕は昔から都会からちょくちょくくる奴らの言動がわからない。

 

 

だから、僕以外の奴がもしヘスティア・ファミリアに入るとしたら、それは多分俺とそこそこ似通った田舎もんが来ることだろう。

 

 

初めて、オラリオを目の当たりにした時はこんなものかと達観した。

 

 

普通は逆であろうことに、僕は内心イヤイヤイヤ?これがオラリオだよ。どーみてもすげーだろオイ。と首を振ったが、もともと妄想癖のようなものがある僕は期待値が高かったせいか、半分以上残念感のある感想をオラリオ全てにこぼしてしまったのである。

 

 

最悪ではないが、最高ではないことには舌打ちをしてしまう。

 

 

もともと捻くれ者体質であるとお師匠様に指摘されたことがあるが、今更ながら理解できたような気がする。

 

 

神さまがいることはなんやかんや、お師匠様が僕がちっさな頃に教えてくれたからまあ知ってた。

 

 

けど、ほとんど見た目が同じなせいで、後は若干変な装いだなとしか思えなかった。

 

 

しかも神さまなんかよりも一番驚いたのは種族の多さだ。

 

 

森の奥でお師匠様と暮らしていれば他の奴らとの接触など起きずに世を去ることなんて容易かった。しかし、それでは自分の中の世界がどうも狭いような気がしてこんな遠いところまで出てきてしまった。

 

 

森を抜けて村に行くと僕と似通った姿形の種族がおり、そこでは結構長閑な生活が育まれていた。

 

 

魔物がちょいちょいおりてくること以外は平和そのものだった。

 

 

村にくる旅人がなんか時々頭に変なものをつけているのはただの毛むくじゃらな髪飾りなのだと思っていたが、どうやら違ったらしい。

 

 

獣人というものらしい。

 

 

僕はその中でも猫や犬を初めて見た。

 

 

エルフという種族もなんか耳が変てこりんだ。

 

 

それでも聞けば博識で、しかも僕のお師匠様と同じように魔法が得意なそうで、僕がお師匠様に送る尊敬の念の一部分のカケラ程度は尊敬はした。

 

 

僕はどこにでもいるズブだから得意と聞くと単純にすごいと思ってしまう。

 

 

ていうか今更だが神さまなんかよりもとかどれだけ夢みてたんだ僕は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_______♢♢♢♢♢♢________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒーラーとは元来、清いものとしてどこかしこでも良い扱いを受けていたそうで、お師匠様は僕にヒーラーの資質があると知ると、あまり見せたことのないような表情で祝福の言葉を貰い受けた。

 

 

僕は魔法使い(ヒーラー)だ。

 

 

魔法を扱う職業の人のことを指す役職名で、僕はこの役職にとても憧れを抱いていた。

 

 

だから、13の頃…お師匠にやっと魔法使いとして認められた時は嬉しすぎていつもは手抜きをしていた自杖をそこそこの出来までにしたのを覚えている。

 

 

未だ一人前なのかは自分の中では納得の出来ていない状況ではあるが、それでも半人前以上なのはとても誇らしい。

 

 

だから、ヘスティア・ファミリアにもう1人仲間が増えて、その仲間から「魔法使いなんですか?!」と驚かれて、その驚愕が憧れだということに気づいたときは本当に誇らしくて誇らしくて偉そうに「まあね?」と言ったのは黒歴史ですらある。

 

 

今日もそんな初心な後輩であるベル・クラネル少年と一緒にオラリオ最大観光名所的な場所ですらあるダンジョンに赴いている。

 

 

理由は至極真っ当ではあるが、ダンジョン探索である。

 

 

ヘスティア・ファミリアは農業的なファミリアでも漁業的なファミリアのような生産系のファミリアでなく、冒険者を輩出するれっきとしたファミリアである。

 

 

弱小ではあるが。

 

 

僕は魔法使い(ヒーラー)だ。

 

 

そして年齢は同じといえど後輩である彼、ベル・クラネル少年は短剣をよく使う。

 

 

短距離と長距離でいい塩梅であろう。

 

 

そして2人して当たり前ではあるがLv.1でもある。

 

 

つまりズブ共同体だ。

 

 

僕はヘスティア・ファミリアの団長だ。

 

 

何があっても団員を見捨てないし、ていうかヘスティア・ファミリアの団員が2人だけなのに助け合いの1つもしないのはとてもアホらしい。

 

 

僕は、僕は、僕は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕はヘスティア・ファミリアの団長で、後輩であるベル・クラネル少年より先に入団した。

 

 

そして、もしもベル・クラネル少年に危機が訪れた時は必ず僕は囮にでもなるくらいの腹づもりでその危機の目の前に立つ。

 

 

でも一先ず……命ある限り逃げようと、僕は思う。

 

 

背後から脅威的な走りを見せる第三走者は第一走者に引っ張られている第二走者のもう一歩手前まで来ている。

 

 

あの闘牛のような二足歩行の牛を僕は知っている。

 

 

ベル・クラネル少年と共にアドバイザーとしてダンジョンや魔物の知識を与えてくれたエイナ・チュール女史にまだ行かないであろう今いる上層よりも幾ばくか下にある中層に位置する地域に生息している魔物。

 

 

その名もミノタウロス。

 

 

完全に厄日と化してしまった今日の日は、いつも通りの日常であったと思う。

 

 

それが崩れたのはいつからだっただろうか?

 

 

朝の神さまからの「いってらっしゃい」を言われた時から?

 

 

いや違う。

 

 

ベル・クラネル少年と話し合いながらダンジョン手前まで来た時から?

 

 

いや違う。

 

 

ならば、ダンジョンに潜って、そして幾ばくか時間が過ぎた頃に5層にいた時から?

 

 

そこら辺だろう。

 

 

そんなことを考えると、唐突に噎せる。

 

 

どうしよう。先程から息は上がっていたが、どんどん視界も暗くなっていく。

 

 

手を引いているベル・クラネル少年は後ろにいる魔物への恐怖心か手が震えているのが僕まで伝わってくる。

 

 

体力、もうちょっとつけとけばよかったな……

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