ドリーム☆アームズ!プリキュア   作:萊轟@前サルン

4 / 6
4.推理(すいり)探偵(たんてい)

 某平日の朝8時、叶は目を覚ました。学校には8時半までに行かないとならないが、8時に起きてしまった為、叶が今から支度や食事を済ませてから行くとすると遅刻寸前の時間に学校へ着いてしまう。

 

「うわぁぁ!もうこんな時間!?急がなきゃ!」

 

 叶は支度を数分以内、食事を食パン一枚で済ませて夢見学園へと向かっていく。そしてそれから約20分後、叶は学校へ着いた。

 

「はぁはぁ…ギリギリセーフだ…!…ってあれ、隣のクラスの二木君、何やってるんだろう?」

 

 叶が校内への入り口の左横に目をやるとそこには綺麗な花が並んだ花壇をジーっと見ている隣のクラスの二木がいた。

 

「あの…二木君?もう朝礼始まっちゃうよ〜?」

 

「僕はこの花を枯らした犯人が知りたいんだ!今は犯人ねや手がかりを掴む為に花を調べてるんだ!だから僕に構わず教室へ行ってくれ!」

 

「あ、えっ…うん」

 

 二木の言葉を聞いた叶は困惑しながらも二木を置いて教室の中へと入っていく。叶の席は教室の窓際の方なので教室の窓からは二木がいた花壇が見える。教室に入り、席に着いた叶が花壇を見てみると二木が教師2人に捕まえられて校内へと連れていかれていた。

 

「はぁ…二木君、もったないな〜あんな事で遅刻扱いされちゃうなんて…」

 

 と、叶が1人で呟いていると隣の席の空野が二木について話し始める。

 

「二木の夢は探偵なの。だから、探偵になる為の一環としてあんな事をしてるの」

 

「なるほど…ってか空野さん二木君の事について詳しいんだね」

 

「別に詳しくはないわ。夢は隣のクラスの廊下に貼られた自己紹介カードを見て知っただけ」

 

「そっか」

 

 叶と空野が二木について話していると、担任が教室内へ来て朝のSHRが始まった。朝のSHR後、叶はクラスの男子に二木が本当に探偵になりたがっているのかを聞く。

 

「ねぇ、二木君って本当に探偵になりたがってるの?」

 

「なりたいらしいぜ…全く、"夢を持つ事を禁止する"が校則にないとはいえ、変な夢を持つよな〜」

 

「夢に変なものはないと思うんだけどなぁ…」

 

「まぁ音鎧は夢の事には人一倍敏感だからそう思うんだろうな…」

 

 叶は二木の"探偵という夢"に対して偏見的なイメージを持つクラスの男子に夢に変なものはないと言った。クラスの男子は"音鎧は夢の事には敏感"だから夢に変なものがないと思うんだろうと叶に言い、教室を出ていく。

 

「男子って何で人の夢をすぐに変なもの扱いするのかな〜」

 

 叶はそう呟きながら先程のクラスの男子と同じ様に廊下へと出ていく。廊下には窓越しに外を眺めている空野がいた。

 

「空野さん、どうしたの?」

 

「……ここから見えるドリームインベーションの傷痕を眺めていると、ドリームインベーションに巻き込まれて行方が分からなくなった友達の事を思い出すの」

 

「友達が…」

 

「…で、その子の名前は美羅井 明日奈(みらい あすな)って言うの」

 

「美羅井……明日奈!?ここに転校してくる前に私が通ってた学校にそんな名前の子いた気がする!!」

 

 叶は前、通っていた学校に美羅井 明日奈という人物がいたような気がする!と空野に言う。それを聞いた空野は叶に急接近し、両手で叶の両肩を掴み、叶に前、通っていた学校の事を聞く。

 

「あなた!前の学校の名前は何??」

 

無零(むれい)学園だよ!」

 

「無零学園!?あそこはドリームインベーションで消えたはずじゃ…?」

 

「えっ、無零学園も被害にあったの?私、知らないな〜」

 

「(おかしい…あんな膨大な被害を受けた無零学園が5年で建て直されているわけない…!無零学園の裏には何かありそうだな…)」

 

「空野さん?急に考え込んじゃって…何か悩み事?」

 

「いや、何でもない…とにかく、私は無零学園に行ってくるわ!」

 

「えっ…ちょっ、今いくの!?」

 

「あなたはまた怪物が現れないかどうかここに残って見ていて!」

 

「わっ、わかった…」

 

 空野は叶にそう言うと、駆け足で無零学園の方向へと走っていくのだった。1人残された叶が教室に戻ろうとした時、駆け足で玄関の方へ向かっていく二木の姿が見えた。叶は五分休憩なのに外へ出たら次の授業に間に合わなくなるよと注意するべく、二木を追いかけていく。

 

「はぁ…はぁ…やっと追いついた!二木君、花が気になるのも分かるけど、次の授業間に遅れちゃうよ?」

 

「いいんだ…僕は授業よりもこの花だけが枯れた理由が知りたい…!だって僕の夢はたんていだもん!」

 

「二木君…!でも、夢を叶えるにはある程度段階を踏む必要がある…授業も踏む必要のある段階の一つだよ?」

 

「…なら、出るよ。次の授業だけ」

 

「よし、それでこそ探偵を目指す人だ!んじゃ、私と一緒に学校の中に行こうか!」

 

 

 その頃、二木の夢に偏見を持っていた男子達のうちの1人がトイレから出ようとするとトイレの3番目の個室から歩合 善也が出てきてその男子に声をかける。

 

「ねぇ、君の他人の夢を否定する力…活かしてみない?」

 

「だっ…誰なんだよ!?アンタは…!」

 

「そんなことはどうでもいい…さぁ、楽しい時間の始まりだ…!」

 

 歩合はそう言いながら、盗という漢字一文字が表面に書かれたドリームバッテリーのようなものを男子の身体に装填していく。男子はみるみるうちに怪盗のような姿に変わっていった。

 

「カイトウ・オミクロン!行ってこーい!!」

 

 そして叶と二木がそれぞれの教室へ入ろうとした時、校庭から崩壊音が聞こえてきた。

 

「なっ何事だ!?」

 

「また怪物が…!二木君、教室にいて!」

 

「アンタはどうするの!?」

 

「外の様子を見てくる!」

 

 叶は二木にそう言い、近くのトイレの個室に入り、制服の内側に隠していたドリームチェンジャーを取り出し、左腕に装着する。そしてマイナー・ドリームバッテリーをチェンジャーに装填し、チェンジャーのトリガーを引いて変身する。

 

【ドリームーブ!】

 

〈夢、掴ムーブ!キュアアームド・マイナー!!〉

 

「そういえばこの剣、名前つけてなかったな…よし、アームドスラッシャーに決定!!」

 

 変身した叶は持っている剣に命名してから外にいるであろう怪物の元へと向かっていく。

 

 そして校庭に行くと、そこには怪盗の姿を怪物がいた。皆は教室の窓から怪物を見ている。

 

「このままじゃ皆が危ない…!早く終わらせなきゃ!」

 

 叶は怪物に気付かれないうちにアームドスラッシャーにリズミカルビート・ドリームバッテリーを装填し、必殺技を放つ。

 

〈リズミカル・ムーブメントスラッシュ!〉

 

 必殺技を放った瞬間、アームドスラッシャーから無数の音符が出て、怪物へと向かっていく。だが、左足に当たった一発以外は全て弾かれてしまい、必殺技は決まらなかった。

 

「何っ!?」

 

「ヴォォォォ!!!」

 

 必殺技を耐えたカイトウ・オミクロンは叶に二枚のカードを投げつける。叶はカードをキャッチし、そのカードの絵を見る。

 

「エクスプロージョン…?…まさか!!」

 

 カードには爆破を表す絵が描いており、その横にはエクスプロージョンという文字が入っていた。文字を見た叶はカードを手放そうとしたが、時すでに遅く、カードは爆発し、叶は爆発に巻き込まれてしまった。

 

「リズミカルビートが通用しないなんて…!」

 

「叶、二木から夢の力を借りてくる!彼から夢の力を借りればきっと新しいドリームバッテリーが出来上がるはず!」

 

「分かった、それまで粘ってるよ!」

 

 ムドリンは叶にそう言い、二木の元へと向かっていく。叶はムドリンが新しいドリームバッテリーを作るまでカイトウ・オミクロンの攻撃を避けて続けていた。

 

「君、力を貸してくれ!」

 

「えっ…何!?」

 

「君の夢の力が必要なんだ!さぁ、自分の頭の中に夢を思い浮かべて!!」

 

「よく分からないけど…やってみるよ」

 

 ムドリンの言葉を聞いた二木は頭の中に自分の夢である探偵を思い浮かべる。その瞬間、二木の身体から膨大な夢の力が溢れ出す。

 

「よし、これならいける!」

 

 ムドリンはそう言いながら、二木から出ている膨大な夢の力の一部を空のドリームバッテリーに注ぎ込む。空だったドリームバッテリーは夢の力を得て正式なドリームバッテリーへと変化した。

 

「叶、新しいドリームバッテリー出来たぞ!」

 

「早くちょうだい!!」

 

「分かった!」

 

 ムドリンは出来上がったクイックディテクティブ・ドリームバッテリーを叶に渡す。ムドリンから新たなドリームバッテリーを受け取った叶はドリームチェンジャーからリズミカルビートを抜いた後、クイックディテクティブ・ドリームバッテリーをドリームチェンジャーのバッテリー装填口に装填する。そしてチェンジャーのトリガーを引いてフォームチェンジする。

 

【ドリームーブ!】

 

〈reasoning but fast!クィックディテクティブ!!〉

 

 叶はキュアアームド クィックディテクティブへとフォームチェンジした。フォームチェンジ後、戦い始めた時からの敵のデータが叶の目の前に表示され、敵の弱点やどういう攻撃をすればより多くのダメージが与えられるかなど書かれていた。

 

「弱点は左足かぁ…確かに、さっきの攻撃で左足だけダメージが入った気がするな…よし、左足狙いでいこう!!」

 

 叶はデータを元に敵の弱点である左足へ向かっていく。カイトウ・オミクロンは自分に向かってくる叶にカードを数枚投げつけるが、叶は向かっている間にも戦い始めてからのデータを元にカードが飛んでくる場所を予測し、華麗に避けながらカイトウ・オミクロンとの距離を詰めていく。

 

「よし、距離は充分に詰めた!さぁ、あなたに私のフル夢サーチ見せてあげる!」

 

 叶はカイトウ・オミクロンにそう言いながら、チェンジャーの右サイドにあるボタンを押して必殺技を発動させる。

 

「プリキュア・クィックサーチ・ブレイク!!」

 

 叶が必殺技を発動させると、カイトウ・オミクロンの左足の周りに無数の照準が現れ、叶が必殺技名を言うとともにその照準から浄化能力を持ったビームが放たれる。弱点である左足に必殺技を受けたカイトウ・オミクロンは浄化されて怪物と人間に分離する。そしてその後、怪物の方だけ爆発と共に消え去っていった。

 

 カイトウ・オミクロンとの戦いが終わった後、叶は変身を解かないまま二木の元へと向かった。

 

「二木君、その夢力…大切にね!」

 

 叶は二木にそう言った後、皆に気付かれないように教室へ戻る。教室内は先ほどの戦士と怪物の話をしている人で溢れているのだった…

 

 

 そして夢見学園のすぐ近くには奈那がいて、夢見学園が禁じられている行為である"夢を持つ事"をしているのを見てこう言う。

 

「これは国で禁じられている"夢を持つ事"から生まれる夢力……」

 

「主犯は音鎧 叶。彼女を捕まえれば夢力が湧き出すこともなくなる」

 

「音鎧 叶は私が捕まえる……って派生(はせ)!?いつからいたの?」

 

「うーん…ちょっと前から!」

 

「……で、アンタは何をしにここへ?」

 

「ドリーム・インベーションの事を探りに来たの!でも、この様子だと音鎧 叶を取り締まるのが先そうね」

 

「うん、私は必ず音鎧 叶を捕まえる…!!」

 

 奈那は派生にそう言い、ドリムポリスの方へと歩いていってしまった。派生は少し遅れて奈那についていくのだった…




NEXT「夢零(ドリームレス)狂戦士(バーサーカー)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。