叶がカイトウ・オミクロンとの戦いを終えて一息つこうとした時、夢見学園の正門から銃声が聞こえてきた。
「黙秘を続けてはや2週間。夢見学園が真相を言うのを待つ必要はない…行けっ、あんた達!夢見学園強行突入よ!」
奈那は武装部隊にそう言い、正門を壊して夢見学園の敷地内へと突入させていく。
「叶、ドリムポリスの奴らが学園内にまで侵攻してきてる!」
「嘘でしょ!?」
「いや、本当だ。とにかく、早くドリムポリスの奴らがいる場所まで行こう!」
「うん!」
叶が学園の玄関から一歩出ると、そこには多くのドリムポリスの兵がいた。そしてその集団の中心には奈那と派生がいた。
「音鎧 叶…今回はこの学園に隠された真相を暴くと共に夢を持つお前を捕まえに来た!!」
「待ってよ、何で夢を見るのがダメなの?」
「そんなことは知らない」
「何で!?」
「夢を見るのがダメな理由を知ってしまえば夢の意味を追求し、やがて夢を見てしまうからだ!」
「そんな"こじ付け"だけで夢を見る事を禁じるな!!」
「こじ付け……か。そう思うならそう思えば良い…私は、いや私たちは国の指示を受けて動くドリムポリス!国に逆らう輩は全てこの手で捕まえる」
奈那はそう言いながら、プロトドリームチェンジャーを取り出して左腕に装着する。そしてホークアイパトロール・ドリームバッテリー、チェンジ・ドリームバッテリーの二本をチェンジャーに装填し、チェンジャーのトリガーを引いて変身する。
【プロトドリームーブ!】
〈Lock on the enemy!キュアガード・ホークアイ…!!」
「どうやら戦うしかないみたいだね…」
言葉では奈那に伝わりそうにないと感じた叶はドリームチェンジャーを取り出して左腕に装着する。マイナー・ドリームバッテリーをチェンジャーに装填し、チェンジャーのトリガーを引いて変身する。
【ドリームーブ!】
〈夢、掴ムーブ!キュアアームド・マイナー!!〉
「奈那、私も加勢するわよ?」
「派生、お前は先に進め!先に進んで夢見学園の秘密を手に入れろ!」
「……分かった」
奈那は派生を加勢させずに先に校内へと進ませる。叶は校内へと歩みを進める派生を止めようとするが、目の前にいる戦闘態勢に入った奈那を放って逃げるのはこの学園の被害の拡大に繋がると思い、奈那の相手をする事にした。
「来なさい、音鎧 叶!!」
「うぉぉ!!」
叶は奈那が言葉を言うのと共にシューターのトリガーを何回も何回も引いて多くの光弾を奈那へ放つ。
「フン、最強の防御を誇る私の前ではあなたの放つ球は全て無駄弾…」
奈那は叶が放った光弾を全て叶へ向けて弾き返す。叶は弾き返された後段に当たってしまい、大ダメージを受ける。
「ぐっ……」
「これが私の力。あなたは私に勝てない」
「なら、これで!」
叶はそう言いながら、マイナー・ドリームバッテリーを抜き、リズミカルビート・ドリームバッテリーを装填し、チェンジャーのトリガーを引いてフォームチェンジする。
【ドリームーブ!】
〈コミカル、ケミカル、リズミカル♪リズミカルビート!!〉
リズミカルビートにフォームチェンジした叶は奈那の周囲に音符をばら撒き、その音符を足場にしながら奈那の隙を伺う。
「くらえっ!私のフル夢リズム!!」
叶は奈那の僅かな隙を見つけ、チェンジャーの右サイドにあるボタンを押して必殺技を発動させる。
「プリキュア・リズミカル・ブレイク!!」
叶は奈那の真上に無数の音符の流星群を降らせる。その後、足場にしていた音符全てを右手の拳に込め、奈那に向けて放つ。
「いっけぇぇ!!」
「攻撃が甘い…甘いんだよぉ!!!」
奈那はそう言いながら、叶の放った音符を右手のひらでかき消す。当然、ダメージは少しも受けていない。
「嘘でしょ!?私の攻撃が全く効いていない…」
「次はこっちの番だ!」
奈那は夢見学園の校舎の壁を使い、あちこちを素早く動き回って叶を翻弄し、隙を生ませる。
「これが下らない"夢"とかいうものに浸らない者の動きよ。見えないでしょ?」
「(全く見えない…これじゃまともに攻める事が出来ない)」
「隙だらけだ!」
叶がどう動けば良いのか分からずにその場で身動き取れずにいると、素早く動き回っていたはずの奈那がいきなり自分の背後に現れた。叶は素早く守りの構えをとろうとしたが、奈那の攻撃が早すぎて守りの構えをとることが出来なかった。
「ぐわぁ…!!」
「フン、楽すぎるわ。貴方、そんなんで本当に夢を守るつもり?」
「守るさ!守って想いや期待、繋がりを未来へ継ぐ!!」
「想い、期待、繋がり…夢にそんなものがあるからあの事件は起きた!!」
「えっ…?」
「ドリーム・インベーション……人の想いや期待、繋がりみたいな夢に関する力が溜まりすぎたせいで起きた!」
「そんな事があるわけ……」
「あったのよ…ソリード・アルマからの報告書を見た。報告書には夢に関する力が溜まりすぎた影響で大規模な爆発が起きたと書いてあった」
「でも、夢の力を溜める建物なんかないよ?」
「あるわ…いや、正確にはあったと言った方がいいかもしれない。貴方は知らないと思うけど、旧・ドリムポリスと呼ばれる守衛学園の少し奥に夢の力を溜める巨大なタンクがあったの」
叶は旧・ドリムポリスと聞いた瞬間に奈那の大切な人や物を失ったという事を完全に察した。
「……でも、全てを知らないのに悪いのは"夢"っていう決めつけは良くないよ?」
「決めつけなんかじゃない……全て夢の力のせいなんだァァ!!」
奈那は止めていた手を急に動かして叶の左肩を殴ったり、右足に強烈な蹴りを入れたりする。奈那の攻撃を受けた部位の装甲は砕けてしまい、そこから小さく青紫に染まった斑点の目立つ肌が露出する。
「駄目だ…またやられちゃう。何か打開策はないのかな?」
「これで終いよ、音鎧 叶!!」
と、奈那が叶にトドメを刺そうとした瞬間、誰かが奈那の右脇腹を思い切り蹴り、近くの鉄製のフェンスまで奈那を吹っ飛ばしていく。
「空野さん…!と……明日奈!?」
「叶、久しぶり!…あれ、どうしたの?その痣…」
「たった今、受けた攻撃で出来たの。すごく痛い……」
「そうなのか…あ、そうだ。はいこれ!」
明日奈と叶は久しぶりの再会をした。再会早々、叶の痣を見た明日奈は戦いの優劣の状況を察して叶にバーニングトリガーを渡す。
「これは?」
「これはバーニングトリガー!短時間でいつもの倍くらいの夢力を使えるの!ただ、変身解除した後の負荷もいつもより多くなるけど……」
「使うよ。私はこの学園を守る、そして夢の自由を取り戻す為の一歩を踏み出す!!」
叶はバーニングトリガーの副作用を聞くも迷わずバーニングトリガーを使うことを決意する。それほど叶の夢に対する想いは強いのだろう。
『Burning Dream!!!』
叶は早速、バーニングトリガーを起動させてドリームチェンジャーのもう一つの空きスロットに装填する。
「私の夢力よ…炎のように燃え上がれ!!!」
叶はそう言いながら、チェンジャーのトリガーを引いてバーニングマイナーへとフォームチェンジする。
〈夢、絶対!掴ムーブ!キュアアームド・バーニングマイナー!!〉
「姿が変わっただと!?」
「叶に宿る夢の力が多いからこそ変身できる姿……叶、那奈の相手は私に任せてあなたは学園内にいるドリムポリスの相手を頼むわ!」
空野からの指示を受けた叶は学園内へと入っていき、さっきまで那奈と一緒にいた派生を探していく。
「さてと、始めましょうか。私とあなたの戦いを…」
「前回邪魔が入ったせいでドローになった分、暴れさせてもらうわ」
学園内に侵入した派生を追う叶、そして那奈と戦いを始めようとしている空野。2人は夢見学園を守り切れるのか…!?
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