俺のドラゴンなボールが無い転生   作:DB好き

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いつ通りな日々、いつも通りな関係。後は探し物が1つ

 俺とターレスは帰ってくるといつも通り担架に運ばれて治療ポッドに入れられる。ポッドが降下中に既に担架用意されてるのを見てちょっと笑ってもうたわ。「今回もボロボロですね」って隊員に半笑いで言われて、やっぱりいつもボロボロやからわかりますか? って聞いたら「ある意味有名ですよ」とちょい声のトーンが落ちた。

 

その感じからしてある意味って悪い意味っぽいなぁーって思って、言いたくなさそうやったから隊員に突っ込まずに「ふーん」と流してたら通りがかったキュイが答え言うてくれたわ。

 

 

「フン。いつもボロボロに帰って来やがって……、今度はどんな星に行ったんだ?」

「ナッツ星です。それがどうしたんですか?」

 

キュイはそれを聞くと腕組みをして俺達を蔑んだ目で

 

「あんな戦闘力の低い星でそのザマかよ……ザコ共が」

 

ヒュ~、キザだねぇ。ターレスの方を見ると完全無視して眼中ありませんって感じやわ。

 

「それはどうもすいません。早くキュイ先輩のように強うなって無傷で帰って来れるよう精進しますわ」

 

 しゃーないから俺がターレスの分も代わりに下手に出て答えると鼻で笑って「出来損ないの猿が俺みたいに強くなれるかよ」って言って笑いながらどっか行った。ベジータと互角の力があるからか? こういう高慢な態度そっくりでおかげでちょっと笑ってもうたわ。

 

ターレスにもその事を言ったら

 

「クックッ……、笑わせんじゃねぇよ全く」

 

やっぱお前も思ってるんやないか。隊員にもその事を言ったら「ノーコメントです」と半笑いで答えた。これはちょい思っとるな。

その後、談笑ついでにベジータ達の事を聞いたら、何でもベジータが気弾を撃つのが早いってラディッツが褒めたら急にベジータが不機嫌になったとか……。何でや、不機嫌になる必要ないやろうに。グミ撃ちはお前の代名詞やろ。

 

 

 治療室に入ると運んでくれた隊員が「気にしない方がいいですよ」って俺とターレスを気遣いながらポッドに入れてくれた。さっきのキュイの物言いの事やろうな、俺は全く気にしてへんけれどな。ターレスも完全無視しとったから気にしてへんやろうな。

 

 他の連中は知らんから俺とターレスは目的があって毎回喧嘩してボロボロになってるとは思わんもんな。まさかボロボロになって復活したら、パワーアップをある程度まで繰り返す何て想像出来ひんわな普通。知ってても抑えとるせいで他人の目から見たら8000で成長が止まったってなってるやろうね。

 

 ザーボンに仕事の報告する時も「サイヤ人は瀕死から回復すればパワーアップすると聞いていたが……、思ったより伸びないのだな」って言われたしな。まあ、今の所俺達の思惑通りに進んどるな。

 

 

 ボーッと考え事をしている間に隊員達が俺達の着替えとタオルを用意して部屋から出て行き、そこから20分後、俺の傷が完治したと知らせるブザーが鳴って薬品が排出され扉が開く。

 

お、気が利くやん。俺の着替えとかはターレスに見えないようにポッドの中から取れるようにしとる。着替え終わり、ターレスの方を見るとまだ治療中やった。

 

 意識してなかったけど、回復力は俺の方があるんやな。俺は部屋から出て行くフリをし、いつも通りターレスのポッドにいたずらするために超スピードで近づき強化ガラスを叩く。

 

俺がニシシって笑うと、呆れた様子でターレスは軽く殴る素振りをして早く行けと手を振る。じゃあお言葉に甘えて先帰らせてもらいますわ。

 

 俺はいつもやっている、通り過ぎる奴達が自分より強いという前提で頭の中で戦うシミュレーションしながら自分の部屋に戻った。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 ビナスが部屋から出て行ってから10分後、ターレスのポッドが治療を完了して扉が開く。そしてターレスは手早く体を拭いて着替え、目を瞑って深呼吸をしながら以前の自分との変化を調べる。

 

「……よし」

 

――ナッツ星に行く前より強くなっている。

 

 それを実感したターレスは含み笑いをして喜びを噛みしめる。ビナスから聞いてはいたが毎回瀕死からはほど遠いとは言え、サイヤ人の大怪我からの復活によるパワーアップがこれほどとは正直思わなかった。超サイヤ人の変身に耐えうる300万付近か、伸び代がある限り戦闘力は上がっていくと言っていたが、このまま無限に続くのでは? と勘違いしてしまう位だ。

 

「はっ、それは流石に甘い考えか」

 

 ターレスは自嘲気味に笑って考え改める。そしてターレスは自室に帰るまでの道すがらナッツ星でビナスとの戦いを振り返る。昔は戦闘力の差のせいで勝てなかった、15歳までは先にビナスが成長期に入り、身長差故に勝てなかった。身長差が逆転してある程度は勝てていたが、ここ最近ではまた急にビナスに勝てなくなった。

 

その理由は戦い方がガラリと変わったからだ……、とターレスは感じた。前までは足を止めてからの大振りの攻撃だったのに、今ではフットワークを駆使し、ここぞと言う時にしか強い打撃をして来なくなった。

 

中でもあの一撃は脳の芯まで響きやがった、おかげで数秒動けず勝負の決め手になった。と、ターレスは右脇腹を軽く撫でる。自室に戻り、空想の相手を頭の中で作り出してビナスの動きを再現していく。

 

 ターレスは想像の相手が打ち下ろすような右ストレートを掻い潜り、体を捻って左の掌底を下から脇腹に向かって打つ。これは相手が自分より上空に居る時か、背が高い奴に効果的な技だなと思い、次は防いでやると思った。

 

ナッツ星での2回目の喧嘩が終った後に、気になったターレスはどこで覚えた技なんだと問い詰めれば、ビナスは「テレビとネットで見ただけやねんけれどな、それだけで出来るなんて流石サイヤ人やな」とまるで自分がサイヤ人ではないような発言をした。

 

 ビナスは時々自分がサイヤ人ではないようなおかしな事言う。ターレスはまた始まったと思って気にしないようにした。更にビナスが言うには、今回決め手となった技は本来脆い1番下の肋骨を折って肺に刺す狙いがあるのだが、試合に使う場合は折らないように気を使っていると……。

 

ギリッとターレスは歯ぎしりして悔しさを滲ませる。気を使っているという事は手加減をしている他ならない。だが、単純な力比べならば勝っている。だからこそアイツは技を使い出したのだ。自分が技を覚えればすぐに追いつき追い越せるとニヤリと笑う。

 

 そして一通り受けた技を反復練習して軽く汗を流した後は、コンピューターを操作して貯金を調べる。8億の数字が見えて、ターレスは後もう少しの辛抱だと思いながら技術部から渡されたデータを見る。そこには地面に5m程埋め込んで操作すれば、縦30m横15mのドーム型に広がる重力装置の説明があった。

 

「へっ、あの時は高い買い物だったぜ」

 

と思わず独り言を呟く。当時の貯金は300万だったのにデータは150万もしたのだ、あの時は痩せる覚悟をしたものだがビナスが奢ってくれたり、1番最初はリャーシー星人よりマズイ料理を食わされたものだ……。

 

それを指摘したら「うっそやろ!? マジで? 味見してへんけれど匂いはそんな感じせぇへんけれどなぁ」とふざけた事を言い出した。

味見しろよこのクソアマと思って、一口食べさせたら星人の腕を食べた時より盛大に吐きやがって後が大変だったし、処理した後はまたポッドに入る位大喧嘩したなと今では懐かしい思い出だ。

 

「まっ、最近のアイツの料理は食堂と同じ位うめぇから今夜の食事が楽しみだぜ」

 

ターレスはシャワーを浴び、ビナスが部屋の中に入るまで穏やかな気持ちで一休みした。

 

 

 

 

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「まだ4億しかないやんけ……」

 

 俺は思わず現実を認めたなくて、机に突っ伏す。給料そない変わってないのに18億まで貯めるなんて無理やんけ。18号やないぞ、18億やぞホンマまじで。戦闘力8000の枠内で仕事をしとるからあんま金貯まらんわ。

 

もう戦闘力隠さずに仕事したろっかなー、と一瞬思たけれどそれしたら今までの苦労は何やってんってなるからせぇへんけれど……。

 

 あ、せや。今思い出せば悟空って重力装置で訓練したのってナメック星に行くまでの1週間ほどやったな。って事は……無理にしなくても強うなるって事かいな。なーんや! 今すぐ必要って訳でも無いし、地球に行ってブルマかブリーフに頼めばええやんけ! そうと決まれば今夜はパーティーや! あっでも、ここまで必死に貯めたんやからあんま使わんとこ。

 

 俺は食材売り場に行き、今夜は肉料理中心と予め決めていたので手早く買い物を済ませる。そして1時間で料理を完成させる。俺の料理は本当に“手”料理やからな。気の扱いが自分でも上手いと思う位出来るから包丁なんていらんもんな。焼くのだって気でやっとるし……、でも煮込むのだけは一定時間付きっきりになるから火を使っとるけれどな。

 

最近は盛り付けも拘りたなってもうたわ、ターレスを呼ぶ前に綺麗にしてっと……。しゃあ完成や! 俺はターレスを呼ぶため部屋に入る。お? また寝てるんかいな……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これはイタズラしてもええっていう無言のメッセージやな! よっしゃ、その気持ちに俺も応えたるわ! 前は防がれたけど今ならどうや? 俺は伸身宙返りをしてボディプレスをターレスにする。

 

「起っきろ~、ターレッぐぅえふぅ!?」

 

こっ、こいつまた昔と同じように膝を曲げやがった! や、やるやんけ……。

 

「お前、だから毎回普通に起こせって言ってんだろ」

「か……、考えといたるわ」

 

 

 考えるだけかよ……と呆れた様子のターレスはほらよと手を俺に差しのばし、俺はその手を取って起き上がる。そして俺はターレスを部屋に案内し、今日の料理は自信あるで! っと言ったら「そうかよ」と軽く笑ってから俺のイスを引いて座れよと目で合図する。

 

ほえ~、おいちゃんビックリ~。ターレスが紳士的でビックリ~。俺は行動に甘えて先にイスに座る。ちょっとだけ座る瞬間にイスを引いてこかそうと企んでるんちゃうか? と思ったのは内緒や。

 

それから談笑しながら料理を完食し、俺がやらんでええよと言っているのにターレスは皿と鍋を軽く洗って洗濯機くらいの大きさの40万もした自動食器洗い機にセットして帰って行った。

 

俺は食器洗い機が洗っている間に風呂に入る。そして下着を確認するとやっぱり1着無かった。裸のまま部屋の隅々まで探したけれどやっぱ無かった。

 

「やっぱ無いやんけ、もうええわ」

 

諦めも肝心やね!

 

 


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