俺のドラゴンなボールが無い転生   作:DB好き

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交渉は俺に任せろー!

 衝撃の重力30倍と生理でふて寝しとると、次の出撃の命令の連絡が来た。今度はどこだといつものようにルート確認すると、ナメック星まで2日ほどの距離だった。

 

 うっしゃ! 遂に来たで、この時が! 今回は訓練を軽めにしよってターレスにも言うとこ。まぁ、今の訓練は先々の相手を想定しとるのが中心やし、神精樹の実を食べへんと、もうボロボロになって回復しても力が上がらへんからそこまで追い込んでやってないけれどな。

 

 そんじゃあ早速ターレス誘って行こうかな、俺は部屋から出てターレスの部屋に入る。お、寝とるやん。

 

 OK、これはイタズラしてもええって事やな。今回は何しよっかなー? ボディプレスは昨日やったから今日は歌おっか。じゃあ早速ギターを持ってきて……っと。

 

 ターレスは寝ぼけ眼で「今度は何すんだよ?」と笑いながら言うが関係なし! 俺の気分は今歌うべきだと言っているので準備をする。生前カラオケやライブで鍛え、つべで動画アップして今のフリーザといい勝負出来る100万再生の歌声を聞きやがれ! この曲好きやってコイツ言うてたしな!

 

「この世界に敬意とぉ! 俺の魂を込めてぇ! 俺はぁ! 歌います! 行くぜSuper Survivor!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 歌い終わってセンキュー、センキューと言ってとっくに出発の準備を終えているパチパチと拍手をしとるターレスと握手をする。

 

 

「やっぱり歌上手いな。それに何回聞いても良い曲だぜ」

「だっろ~?」

 

 俺はニシシと笑ってドヤ顔をすると「調子乗るんじゃねぇよ」と頭をワシワシと撫でてくる。この曲はドラゴンボールのゲームの中で1番良い曲やと思っとるからな、何というかドラゴンボール以外に似合わんって感じが好きやねん。

 

 

 それにしてもデカなったなコイツ、185位あるやんけ。これは俺の料理のおかげやな! 料理にハマり始めてから栄養バランス計算して作っとって、今じゃノート35冊あるわ。後もうちょっとでDBが完結した42巻に届くな! それにしてもその身長ちょい羨ましいわ、ポルンガに5cm位上げて貰おっかな?

 

 

 俺はギターを自室に直し、そして技術部に借りたとある装置を持ってターレスと談笑しながらいつもの道を通ってポッドに乗り、惑星から飛び立つ。帰ってくる時は願いを叶えた後やろうな、俺とターレスがどうなってんのか楽しみやわ。

 

 今回も食事を作る約束をしてターレスに侵略を丸投げし、俺は終わるまでナメック星でどういう行動をとるか考えておく。

 

 ナメック星人はこれからの事を考えて、敵対せぇへん方がええからな。まずは話し合いしてから、長老達が出す試練をこなしていくのがベストやな。

 

 そんであいつらは何か特殊能力か知らんけれど、邪悪な気を感じるから渡さへんってベジータに言うてたな。と言うことはだ、悪なターレスなら渡さへんってなるかも……。

 

 そん時は俺だけが使うって適当吹いといて、俺が代わりにターレスの願いを叶えればええか。っつーか、邪悪な気ってどんなんや? そんな感じはこれまで無かったけれどなー。フリーザでも強い気を感じるなぁ位しかわからへんし、むしろ近寄って「オッス! 元気か!?」って友達みたいに肩叩いて挨拶したい位やもん。悪党達に囲まれてるから邪悪な気を感じる能力がマヒしてるかもしれんな。

 

 

 あれこれ考えている内にポッドから薬剤が噴き出し、コールドスリープの準備が整い始めて俺は目を閉じて眠気に身を任せた。

 

 

 

 

 

 

 惑星に到着してからパパっと侵略が終わり、ナメック星のドラゴンボールについて軽く説明をターレスにしてやると「何で今になって言いやがる?」何か企んでんのか? って疑いの目で見て来やがる。

 

 

 企んどるに決まっとるから今言うんやんけ。まだ誰にも注目されてないこの時期だからこそ俺とお前で願いを独占できるやん。

 

 

「あのなぁ、この事はギリギリになってから言うから意味があるんやんけ。もしかしたらお前に言った弛みで俺とか、お前が酔って誰かにポロッて言うかもしれへんやん。ドラゴンボールの事はなるべく余計な奴等に知られたないからな」

「ほー……じゃあよ。お前がこれまで歌った歌詞の中にドラゴンボールが入ってたのは何なんだよ?」

「ん? うーん……んへへへへへ」

 

 俺は頭を掻きながら笑って誤魔化すと、ターレスは「またそれかよ、いい加減お前はどこでそんな事を知ったか話せよ」とジト目で見ながら言って来る。

 

 オーウッ! やってもうた!! いや、まぁどうせコイツの前でしかドラゴンボールの歌は歌って無いし、言うつもりやったからええやろ。出し物の時は別の歌でサイヤ人の身体能力ゴリ押しのアカペラやったから問題無いしな!

 

 

「めっ、女々しい奴やのお前は! まだ教えたらへんわ!! まぁ、そんな事よりもだ! ナメック星人とは今後のお付き合いというものがあるからな! 絶対に無理矢理奪ったり、敵対行動は控えろよ? 絶対だぞ!?」

 

 俺は絶対だからな! と念を押し、釘を刺すの2コンボでターレスに注意をするが「どうどうどう。はいはい、わかった、わかった」と俺をじゃじゃ馬扱いしやがる。この野郎……噛みついてやろうか。

 

 喉を鳴らしながら睨んでいると、何を思ったのかターレスは猫じゃらしに似た植物を取って俺の目の前で「ほれほれ、取れるか?」と猫じゃらし擬きを揺らして挑発してきよった。

 

 

 

 …………………………はぁ~あ、25にもなってそないな小学生みたいな事をするかいな。俺は前世ある分なぁ、後もうちょっとで五十路やぞ! だけど目の前でやられるとウザいからさっさと取って大人の余裕をもって注意し、大人とはこうあるべきだという規範を見せたろうやんけ。

 

 

 俺はちょっとだけ気を高めて取ろうとすると、ヒョイッと避けられて空ぶる。……もうちょい気を高めよか。またしても空ぶる、空ぶる空ぶる空ぶる―――――。

 

 

 

 

 …………ターレスと目が合うと、イタズラ小僧のような笑みを浮かべたので、俺も笑い返してやると「うおっ!? 怖い怖い」とビックリした表情をした後に、肩をすくめながらほざきやがった。

 

 ほーう、普通に笑っただけやのにそないな事を言うんかお前は……。ククク、いいだろう見せてやる! こいつがお望みのフルパワーだっ!!!! 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 ビナスは一瞬で10m程後退し、体を前傾にしてダラリと両手を下げると、表情が獰猛な笑みになり瞬時に彼女は自身が持つ最高の戦闘力となった。

 

 

 ターレスはそれを瞬時に悟り、彼もまた獰猛な笑みになりながら猫じゃらし擬きを口に咥えて戦闘力を限界まで上げ、気弾や組技を警戒して手を少し開いたムエタイの構えをする。

 

 

 これだ――、この緊張感を待っていたんだ。とターレスは歓喜に震え、ビナスにはまだもう1段階先があると油断無く構える。

 

 

 ターレスはビナスの攻撃を捌きながら思い返す。最近はビナスとは本気で戦っておらず、やる事と言えばスタミナが無限で気弾を吸収する相手、大柄で攻撃が思うように効かない相手。風船のように殴っても元通りになるような相手、ワープをして剣を使う相手。大猿程巨大でしかもワープするような相手。切り傷を負ったらアウトな相手。少し前までは飛ぶのを禁止し、どんどんと崩れていく足場を想定とした立ち回りを何度もやった。

 

 

 ビナスは理由は詳しく話さなかったが、これは必要な事だと頑として譲らなかった。ターレスにとっては最初は新鮮で面白く、穏やかな気分になっていたが、それでも面白さと緊張感はビナスとの戦いには数段劣ると感じていた。

 

 

 それもその筈、彼女との戦闘は1年ほど前からは正に命懸けだったからだ。

 

 

 

 ゴッ! お互いの攻撃が当たり、衝撃波で地が割れる。両者は示し会わせたように1度距離を取置き、ターレスは口の端から血を流しているビナスを警戒しながら呼吸を整え、防御した自身の腕の具合を見る。

 

 そこには筋肉部位の隙間へと正確に打ち込まれた1cm程の紫色に変色した打撲傷があった。

 

 

「――流石だぜ、ビナス」

 

 

 お前はおぼっちゃまを戦闘の天才だと言っていたな……確かに俺もそう思う。だが、プライドが高すぎるせいで戦い方が正直な分、予測が出来てやりやすかった覚えがある。俺はお前こそが戦闘(何でもあり)の天才だと思うぜ。気弾の類も何とかケイシとかお前が言う方法で逸らしやがるしな。まぁ、それでも……負けてやるつもりはねぇけどなっ!!

 

 

 

 ターレスは自身に活を入れ、改めてビナスを見ると四足獣のように手足を地に付けて凄まじい殺気を放っていた。

 

 

 来やがった!! 

 

 

 ターレスはビナスがもう一段階先になったと瞬時に理解し、彼もまたこの時のビナスのために考案した構えを取る。左手を前にした半身、そして右拳を腰だめにする。それは一見空手の正拳突きを放つような様相だが、1つ違うのは右膝を地に付ける寸前まで落している事だ。

 

 

 ターレスは緊張をほぐすため、知識があったわけではなく、そうした方が良いという本能に従って空手の呼吸法をする。そしてビナスもまた自分にあった呼吸法をして余計な力が入らないようにした。

 

 

 

 恐るべきはサイヤ人の遺伝子だ。ビナスが『彼』だった時は喧嘩等した事が無く、格闘技の経験も義務教育で柔道を少し囓った程度のお粗末なもので、知識は動画でプロや達人達がやっているのを見ていただけだった。

 

 本来ならば戦闘力が互角になった時点で筋力や、体重と身長差によりターレスに殆ど勝てなくなっていただろう。だが、『彼女』は見ただけで技を見切り、真似が出来るベジータや悟空と同じ民族だ。故に、生まれたその日から達人だったのだ。

 

 

 そしてターレスもまたビナスを通して現代武術を吸収して達人の域に達している。

 

 

 

 

 

 かぁっ!!

 

 

 

 

 ビナスが周辺の地を声だけで吹き飛ばす程の気合いを入れると、髪が逆立ち始めてユラユラと揺れる。ターレスはビナスを自分の呼吸音以外は聞こえない程集中し、ゆっくりと獲物を狙う獣のように時計周りに移動するビナスの出方を伺う。

 

 ターレスの額から既に汗が流れ始める。このまま汗を拭かなければ左目に入るだろう。しかし、拭けば自分の腕によって視界が一瞬遮られて致命的な隙を作り出してしまう。彼はそのまま汗が入ることを受け入れた。

 

 

 ビナスはこれを狙ってやがるな、なら逆に利用してやる

 

 

 

 ターレスは汗が目に入るの時をじっと油断なく待つ……、そして汗が目に入り左瞼を閉じた。

 

 

 瞬間ビナスがかき消え、爆発音が鳴り響く。ターレスは左に回り込むビナスを右目の端に捉えながらビナスの動きを予測し続ける。そしてすぐ近くで地を蹴り上空から向かって来る濃密な殺気の塊を感じて空に向かって渾身の右拳を放つ。

 

 

 

 

 だがそこにはビナスの姿は無く、ターレスの拳圧によって引き裂かれた雲があるだけだった。 

 

 

 

 何だと!?

 

 

 

 ターレスは視線を下に落し驚愕した。確かにビナスは地を蹴って空中に居た……気配を消し僅か数㎝の所に。ターレスが拳を放った相手は残像拳の応用で作り出したダミーだ。

彼は瞬時に切り替え、空ぶった時の保険に拳を放った勢いのまま右足で蹴りを放つが、ビナスは器用に体を回転させて避ける。

 

 

 そしてビナスは口を大きく開けてターレスに向かった。

 

 

 噛みつく気だ――。理解したターレスは「うおぉぉお!?」っとつい情けない声が漏れ、猫じゃらし擬きを口から零している事に気が回らない程焦って回避行動に移る。

 

 ガンッ!! 鉄を叩きつけたような音が顔があった場所から鳴り、ターレスはぞっとしながらも自分の反応速度に感謝しつつ、ビナスから距離を取って仕切り直す。だが、すぐに向かって来る筈のビナスからは反応が無く、彼女から殺気が消えている事に気付いた。

 

 

 

 訝しながも警戒を怠らずにいると、ビナスはくるりとターレスに向き直って上機嫌で口を開く。  

 

 

 

「イエーイ! どやターレス! 俺がほんのちょっとだけ、ちょーーーっとだけ本気出せばそんなん軽ぅく取れんやぞ!!」

 

 と、両の人差し指で口に咥えた猫じゃらし擬きをターレスにアピールする。ターレスはビナスの子供のようなその仕草に毒気を抜かれ、完全に戦いの意識を霧散させて体を楽にする。

 

「いやいや、完全に本気だったじゃねぇか」

「ウヒヒヒヒヒ。本気じゃないもんねー! その証拠を見せたるから今度はお前がこれを取ってみぃや!!」

 

 ほれほれとビナスは猫じゃらし擬きをターレスの目の前で振るが、彼は「はいはい」と軽く流しながら名も知らぬこの惑星を去るためにポッドのリモコンを操作する。それを見たビナスは「おい! お前の番やぞ!」と猫じゃらし擬きを鞭のようにターレスの太ももをピシピシと叩く。

 

 

 いてえ、いてえと棒読みのターレスにもうやる気が完全に無い事が分かったビナスは「ふんっ!!」と思い切り猫じゃらし擬きをターレスに投げつけてブツブツと小声で文句を言いながらポッドが来るのを待った。

 

 

 

 

「ナメック星人達の交渉は俺に任せろ! くれぐれも! くーれぐーれもっ! 暴力行為は慎めよ!? いいな!!」

 

 

 ポッドが彼等の元に到着し、乗り込む際にビナスは不機嫌な口調で再度ターレスに向かって言いい、ターレスは手をヒラヒラと振って返事をした。

 

 

 どうしても叶えたい願いはターレスにはあるが、ビナスが心配しなくとも彼はナメック星人達が攻撃を仕掛けない限りどうこうするつもりは無かった。今の彼の頭の中にはドラゴンボールが眉唾だった時や貸して貰えない場合はどう言いくるめようかという考えだけだった。

 

 

 そして考えを終えて、薬剤に眠る寸前まで今日の戦いの反省をしながらほんの少しの違和感にターレスは気付いた。

 

 

「ん? あいつの髪の色……前より赤くなったか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして2人がナメック星に降り立った1時間後…………。

 

 

 

 

 

 

「………おいおい、マジかよ」

 

 

 そこには若干引き気味のターレスと――地に唾を吐き、呻きながら倒れているナメック星人を足蹴にして汚い暴言を吐いているビナスの姿があった。

 

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