俺のドラゴンなボールが無い転生 作:DB好き
「クッヒョ、ほのふそハーレス」
「……あに言ってんのは、わはんへぇよ」
横にいるボコボコにしたったクッッソタレのクソターレスのおかげで口が痛くてまともに喋る事も出来へんし、右目も痛くて途中までしか開かへん。
しかし、俺は勝った! 俺が上でお前が下っ! 俺が立っててお前が倒れている。んー実にシンプルで良い気分だ。俺はガクガクに震える膝を休ませるためにガレキに腰掛ける。
クソッ、座り心地悪すぎて尻痛ぇ。そしてついでに手近にあった割れたガラスを拾って自分自身の顔を見る。
……おい、大分腫れとるやんけ。マジでシャレにならん。後遺症が残らないよなこれ? 俺はそのひどい惨状に青ざめ、冷や汗がドッと出る。
「……ポッドに入らは、んなの治っかろ」
そっか、そうだった。昔両親にメタクソにボコボコにされた時、前後不覚になりながら、これもう二度と治らないんやなぁーと思いながらポッドの中でふてくされてたら見事に完治したからな。しかも何カ所か開放骨折していたのに凄すぎるわ。
でも、あまり時間が経つと傷跡が残るって説明があったな。……おい、ここ片道1ヶ月やんけ。アカンやん。
いや、コールドスリープで細胞が眠った状態でなんとかかんとかでポッドに入ればまた傷痕も無く完治するかもしれん。いざとなったら神龍で治してもらおう。うん、そうしよう。
それにしてもターレスは何でポッドで治るなんて言い出したんだ? もしかして気を使ったのか? ……絶対あり得ん。
そもそも気を使う位なら顔なんか殴んなやボケって話やし、まぁええわ。
俺は座り心地が悪いガレキから地ベタへと腰を下ろすと、右耳からノイズが聞こえ始めて俺は顔をしかめる。
液晶部分は跡形も無いけれど、奇跡的に通信が無事だったスカウターからだったので、俺は通信を合わせる。
下らん用事やったらターレスに代わって貰おうと思って応答する。
「ほいほい、なーんれすか?」
「フリーザ様からサイヤ人全員に伝令だ。急いで惑星ベジータに帰還せよとの事だ」
「わはりました。ふぐ行きまふ」
珍しい、フリーザが直接命令を下すなんて何考えてるんやろ? 理由はギニュー特戦隊とかが出張ってる状況でいい惑星を見つけたけれど、現地民全員が結構強くて戦闘が得意な部隊じゃないと侵略出来ませんって感じやろ。
……まぁ、どうでもええわ。今はとにかく傷と体を治したいからさっさとポッドに乗って帰ろ。俺はターレスに事情を言いい、そして俺のポッドをリモコンで操作して呼び出してから動けないターレスをポッドにゴミのように放り込む。
「どうら? おへは優しひだほ?」
「……ぐぅ、てめぇ覚えへろ」
幸運な男だ。この俺の優しさを1番に味わえれるとはな……、しかも感動しているのか震えていやがる。ターレスはまだ自分でポッドを操作する程回復してなさそうやけれど、あんまり甘やかして癖になったらアカンから放っといてええやろ。
そう考え自分のポッドに乗り込み、帰還スイッチを押す。
閉まっていくドアを見ながらどうやれば早くスーパーサイヤ人になれるか考える。やっぱサイヤ人の特性での瀕死から復活すれば戦闘力が上がるというドM戦法しかないんかな?
前世ドMやったけれど、それは殴られる対象が可愛い女の子だから成立する事であって、男に殴られるとか誰が嬉しいねんって話やわ。それに今はドS気質やから出来れば遠慮したいんよなー。
原作のフリーザ戦までにはスーパーサイヤ人には成れるようにならんとな。ほんでフリーザと戦って、ギャグ漫画みたいな爆破オチみたいに爆殺しーよう。
ん? 爆破? …………あっ! サイヤ人全員集合させた後フリーザにまとめて爆殺されるのすっかり忘れてた。フリーザの前に俺が爆破オチするやんけ!!
俺は閉まりかけのドアに思わず手を入れてしまい、あっと思った時には既に遅かった。
「げっ、ちょっ、いだだだだだっ!?」
ポッドは俺の指を挟んでも、ん~聞こえんなぁ? と言わんばかりに俺の指を締め続けていやがる。俺は反射的に立ち上がって指を引き抜こうとするが、生憎ここは狭いポッドの中であり頭をぶつけてしまった。
「ごっ!? いったっ! いってっ! ふおおッ!? ひだだだっ!」
くっそ、頭をぶつけた反動で尻餅ついたせいで指を引っ張ってしもうてメッチャ痛い! しかも頭を打ったところターレスに頭突きされた所やんけ。ちょ、これ安全設計どうなってんねん!? 普通何か異物を挟んだら開けるよう普通設定するやろ! ん? なんか浮遊感が――っておいコラ! 浮いて惑星から出て行く準備しとるやん!
俺は停止ボタンを押してポッドを止める。あっぶなー、このまま飛んで行ってたらマジで死んでたやん。
着陸し、ドアが開くと俺は戦闘力を抑えた状態でポッドに八つ当たりする。
何やねんこれホンマ! 欠陥設定のせいでTikTokに出てきそうな動きしてもうたわ! これは技術部にクレーム入れたら。匿名でそろそろ帰る準備しようかなっていう時間帯狙って電話したるからな! 新卒で5年間社会の波に揉まれたからそこら辺分かってるからな、覚悟しとけよぉ。
俺が陰湿なクレーマーになろうと決意すると、パンパンと手を叩く音が後ろから聞こえ、振り向くとそこには体を震わせているターレスが居た。
「……ククククク。ブアッハッハッハ! も、もう限界ら! 笑ひを堪えるこほが出来へぇ!」
――――そうだよな。うん、そりゃあこいつから見て真っ正面だから俺の体を張ったコント見られちゃうわな。そう言えば悟空が幼い頃は手を付けられない程の悪童だったけれど、頭を強く打ったせいで生まれ変わったようにいい奴になったんだったな。
よし、ターレスよ。突然だがいい子いい子したるわ、ついでにちょっとだけ記憶が無くなって人格が変わるかもしれんけれどこいつなら許してくれるやろ。確か悟空もそのおかげで強なったし感謝してる言うてたし。
俺が無言で笑いながら近づいていくと、ターレスは不敵な笑みで両手を挙げる。
「ぷっ、くくっ。降参ら、降参。誰にも言ひゃあしへぇよ。ほれより何でポッホから降りはんら?」
「……まぁ、まふは傷をいやひてから言うわ。ほのははじゃあ喋りにふふてはなわんわ」
俺はまたポッドに戻り瞑想し、傷の箇所を意識するように気を集めていく。こうすると傷が治るスピードが段違いだからだ。
フリーザが死んだらダーウィン賞に載るような事になった時、悟空の気を貰って気弾を撃つ位まで回復したからな。
事情を話したらついでにスーパーサイヤ人の成り方教えておくか。そう思い俺は回復に専念するのだった。