俺のドラゴンなボールが無い転生   作:DB好き

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意志疎通と確認の大事さ

 ベジータにボコられてから3週間。まあその間も何回かちょっかい出してボコられたけれど、技術部から「重力訓練室の見積もりが出来たから来てね」と連絡が来た。

 

俺は技術部に行く前に身嗜みを整える。ん? まだ子供だからかな? 髪を光に当てたらちょっと赤っぽいわ。まっ、大人になったら黒くなるから気にせんでええやろ、俺は意気揚々と技術部の所に行くとおったまげた事が待っていた。

 

「……え? マジで? 18億?」

「うん。あ、それは最低それ位って事だからもっと高くなるかも知れないよ? でも、実際作ってみたらもしかしたらほんの少しは安くなるかも」

 

俺はその額に呆然とした。何たって18億、ちなみに俺の月給が300万で惑星を期日までに墜としたら難易度によるけれど1千万~5千万。

 

当り前の話やけれど、そんなにしょっちゅう行ける訳がなく、空白期間……ってか休息期間がある。

 

 それを踏まえた上で俺の去年の年収は1億2千万。単純計算すると15年だ。まさかそんな高いとは思わへんかったわ……。

ブルマとかブリーフ博士が簡単に作ってるから高くてもてっきり1億位かと……。友達価格としてもう少しまけとく言うても端数切り捨てる位で、億単位を減らす事なんてせえへんやろうな。こいつ等も飲み会の時に金欲しい言うてたし……。

 

「……ハハハハハッ。お金貯まったら頼むから気長に待っといて」

 

 俺はそう言って出て行こうとすると「ちょっと待ってビナス」と声を掛けられる。

 

お? もしかして美幼女が落ち込んでいるのを見てられんからタダでやったるわ! って漢気言うつもりかな? 俺は上目使いで媚び媚びの猫なで声を出す。

 

 

「え? な……なあに?」

「はい、これ」

 

 スッとUSBみたいなやつと1枚の紙を俺に渡してくる。何やろ? 俺はよくよく見ると請求書と書かれている事に気付いた。

  

「え、えーっと、これ何ですか?」

 

思わず素に戻ってもうたやん。

 

「あぁそれ? 今回の重力訓練室の図面と見積もり書を作るに掛かった人件費の請求書」

 

 せやった……。忘れとったわ、どこの世界に何日も掛かる見積もり書や図面の作成をタダでやってくれる聖人がおんねんって話やわな。

 

誰だって請求する、俺だって請求するわ。

 

 

「――――ああ、うん。 帰ってから決済するからちょい待って下さい」

 

 

大人の世界はそんな甘ないって事を改めて思い知らされたわ……。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は自室に帰る途中、ベジータと同じ位大きな気が1つこの星に来たのを感じた。まぁ、ちょっと前にもギニュー特戦隊も来たしもう誰が来てもええけどな。今は真っ直ぐ帰る事にする。

 

でもちょっとワクワクして来たやん。どんな奴なんやろ? そして自室に戻ってパソコンで見積もり書の決済を済ますと、その値段にさっきのワクワクが吹っ飛ぶほどおったまげる事となる。

 

「うっげ、150万!? マジで? ボッてんじゃねーだろうな!?」

 

こんなん高すぎやわ、いやこれが普通か……。重力を何倍にもするやつなんか作った事無い言うてたし、ゼロからの見積りやからしゃあないんか。

 

 俺は諦めて素直に払うことにし、ついでに貯金が今どれくらいあるのかを調べる。

 

「えーっと、ん? 500万? えっ、嘘、えっ? 何で?」

 

俺はハッキングでも受けたのかと思って調べるけれど、そんな怪しい履歴は無く、ログをある程度見てみると何で金を使っているか、すぐに分かった。

 

食費だ。

 

「マジで? 1回3万いってるやん! 酷いときには10万かよ……。うっそやろ!? 800万の月もあるやんけ!」

 

 そう言えば確かに食ってる覚えあるわ。1回数十品位頼んどるわ。最初は過食症かな? と思って心配になって医療室に行って言われたな。

「アナタはサイヤ人なんだから大食いなのは当り前でしょ」って……、そこから特に意識せんと食ってたけどメッチャ金使っとるやん。

 

 そりゃチチとかキレて働け言うわ……、ブルマもブチキレはせえへんかったけどベジータに働いて欲しいってアピールはしとったな。ブルマが言及するって事は、世界一のお金持ちが気にするほどの食費が掛かってたって事になるよな。

 

え~……、俺今5歳でこんだけ食うってなったら大人になった時どん位食うねん。20~30位で腹八分目やなって感じやなのに……。

 

 節約、禁欲、断食――断食絶対無理。自炊……めんどいわ! やった後の洗い物がホンマめんどい。生前でもめんどかったのに、今だったら洗い物どんだけしなあかんねんってなるわ! でも重力特訓のためにはしなあかんのかな~、とりあえず視野に入れとくか。

 

 俺は気分転換のついでに昼食を取るため食堂に行く……、その前に隣のターレスの所寄ろうっと。一応スカウターも持って行ーこう。

 

 ホンマ個室貰えて良かったわー。まぁ、個室を貰うためには戦闘要員しか知らんけれど、最低3回は惑星侵略に行ってしっかり手柄を立てて無事に戻って来ないとあかんからな。

 

四肢欠損とかしてしまったら、一生上になる事は無い後方部隊の雑用員だ。這い上がるにはそこで金を貯めて義肢を作ってもらうか、勉強をして研究員になるしかない。ちなみにサイヤ人ならよっぽど優秀じゃない限りベジータ王の命令で裏で暗殺される。いや~厳しいね、名誉の負傷ではなく恥として捉えとるんやね。

 

 

 だったらもうお前が全部行ったらええやんけってツッコミたいけれど、もうおらんからしゃあないね。

 

 

 

 ターレスの部屋に気を消してからノックもせずに入る。お、やっぱ寝とるやん。しかも寝相が悪くて大の字になって布団をベッドの下に落しとる。

 

ちょっとケガしてんのか絆創膏貼っとんな、でもサイヤ人からすればこんなんカスリ傷にも入らん。

ってことはだ、これはイタズラしてもええとターレスからの無言のメッセージやな。俺はこういう時の定番であるボディプレスをする事に決める。しかも伸身宙返りで。

 

「ん~~よっ! ターレッぐおっほぉっ!?」

 

 

こいつ当たる直前に膝を曲げやがった! おかげで吐くかと思う位腹に綺麗に決まったやんけ! 

 

 

「ったく、人が気持ちよく寝てるってのに騒がしい奴だぜ」

 

ターレスは気怠げに靴を履きながら体を起こし、スカした顔でやれやれって仕草する。 クソッタレがーッ! 

 

 

「~~~~ッ! 何すんねんっ!」

「お前が何してんだよ」 

「俺はただ一緒に飯食おうやって起こそうとしただけやぞ!」

「普通に起こせばいいだろが……って、何だその心底理解出来ないって顔は?」

「いや……普通だとお前に失礼かなーっと。まぁええわ、腹減ったから飯行こうぜ飯」

「失礼じゃねぇから普通に起こっ!? おい引っ張るな!」

 

話の途中やったけれどターレスの腕を引っ張って食堂へと向かう。途中でターレスが照れとるんか振り払われたけれど。

 

 俺は食堂に入ると壁際のファミレス席に座る。よっしゃ、ちょっと早めに来てホンマ良かった、俺達が1番やん。俺は立てかけてある液晶パッドを操作して、取りあえず腹持ちが良さそうな10皿をパパッと頼んでターレスに手渡す。ターレスは少し迷ったのか時間を掛けて頼んでいた。

 

めっずらしい、いつもならコイツもすぐに注文すんのに……。ダイエットかな? それとも金欠か? まぁ俺も金を計算しながら頼まないとアカンから人の事言えんけどな。

 

「なぁ、気付いていたか? 王子と同じ位の戦闘力がこの惑星に来たのをよ」

「勿論。それがどないしたん? どんな奴か見に行くつもりか?」

 

 ターレスは不敵に笑って「おう」と言う。ほんじゃあ俺も行こうかなー、ギニュー特戦隊来た時も遠目に見たし、今回も一応見とくか。スカウターあるから正確な数値わかるし、気を読む練習にもなるやろ。まぁ多分キュイ辺りやろうな、ベジータと長らく互角って言ってたし。

 

 

 

 そこからしばらく他愛の無い話をしていると、食堂に人が集まりだして賑やかになってくる。この時間帯は戦闘員が中心なので話し声がデカい。

研究員達はそんなデカイ声がイラつくのと、戦闘員達とのトラブル回避のために食事の時間帯ずらしている。これは規則ではなく自然とそうなったらしい。

 

うん、気持ちは凄くわかるぞ。だって戦闘員と研究員の戦闘力差5倍が普通やもんな。運悪く酔った奴に絡まれて暴力でも振われたら下手すりゃマジで死ぬからそりゃ避けるわ。

 

「お待ちどうさん」

 

 また暫くボーッと待っていると、配膳係が俺達の料理が乗っている台車と空の台車を持ってくる。ターレスが頼んでいる物を見ると、俺と同じような腹にたまるようなのばかりだった。

 

んふふふー、もうしゃあない奴やなー、コイツ俺の事好きすぎやろ。俺が微笑ましくターレスの事を見ているとよりによって「何気色悪い顔してんだよ」と宣いやがった。

 

 

……許さん。慰謝料としてコイツが頼んだ丼物を引ったくって食い始めてやる。

 

 

「ちょっ、てめぇっ! そっちがその気なら!」

 

 ターレスも負けじと俺の頼んだ料理を食い始める。ここの食堂は先払いで食ったもん勝ちやからな、負けへんぞ! 

 

お互いが自分が頼んだ物を一切手を付けず頼んだ料理を完食した丁度に、ベジータ達が食堂に入ってくる気配を感じて見ると、満席でどないしよってキョドッてる風に見えたので手招きをする。

俺達に気付いたベジータは少し身構えた後、眉をひそめながらも俺達の席にナッパとラディッツを連れて来る。

 

 何を身構えてんねん。1週間前に何時でも来い言うたのもう無しやぞってお前が言うてから仕掛けてないやんけ。

 

でも、ドドリアに戦果報告しとる時に殴り飛ばしたのは痛快やったな。その後仲裁に入ったドドリアに事情を話したら真面目な顔をされて「何時でも来いって言ったのはそういう意味じゃないと俺は思う」って言われたな。

 

ベジータもこれ幸いとめっちゃ俺の事ボロクソ言いまくってたけど、その時のベジータの必死の顔がおもろくてつい笑ってもたわ。

 

それでキレたベジータが俺の事殴り掛かろうとしたけど「気持ちはわかるけれど落ち着け!」ってドドリアに止められてたのも笑けたわ。

 

その後仲良うなったんかちょくちょく談笑してるの見かけた時は意外やったわ。

 

「よう王子達、一緒に飯食おうで」

「……チッ。いいだろう、今は我慢してやる」

 

 いっつも思うんやけれどコイツって喋る時舌打ちから入るよな。こいつにとっては舌打ちが枕詞かいな? 

 

ベジータは俺とターレスを見比べるとターレスの方に座り、ナッパは「おう、ワリィなお前達」と気のよさそうな笑顔を浮かべて俺の横に座る。ラディッツは少し戸惑いながらナッパの横に座った。

 

 体型的にナッパは2人分使ってるからベジータの横の方が広いけれど、王子の横は気まずかったみたいやな。そこん所めっちゃ弄りたいけれど、やったら王子のラディッツに対する心象が悪なりそうやからやめとこ。

 

 俺達が食べた空の皿をラディッツが台車に置いていく間にベジータとナッパは注文を済ませる。俺はそれを見るとまた腹が減るのを感じた。ターレスを見ると頬杖をつきながら窓の外を見ていた。コイツも腹減ってる筈やのに何で我慢しとるんやろ? ラディッツも注文を済ませ暫く待っていると頼んだ料理が来た。

 

あかん、また腹減ってきた。10皿とか全然足りんやん。ターレスも来た料理に目線を移しとる……。俺と目が合うとイライラした様子でまた窓の外に視線を戻した。

 

「何だお前等、食わねぇのか?」

 

 ナッパはそう言うと肉汁が滴る上手そうな骨付き肉を大きな口を開けてかぶり付く。それを見て俺はある決心する。

 

……元々15年丁度で重力訓練室を作ってもらうなんて無理な話やってん。原作開始まで25年あるって事は10年、修行期間差し引いたら8年位は余分だって事になる。

 

つまり少なくとも9億6千万余る……いや、成長すれば仕事も楽に終わらせて行けるから、出世してもっと稼げるようになるって事やろ。

 

と言うことはだ、余裕って事やん!

 

よっしゃ、俺は追加で10皿頼む事にした。そして俺は来た料理をガツガツと食べていると、ターレスが生唾を飲み込むのが見えたので2皿程渡してやり「お前も食え、食え」と言ってやる。周りが食ってるのに1人だけ腹減ってるのに食わへんとか可哀想やからな。

 

 ターレスは宇宙人を見るかのような目をした後、警戒して恐る恐る皿を受け取った。

お前は警戒した猫かい、前世の友達の猫そっくりやわ。ターレスは小さく「ありがとよ」言った後食い始める。

 

 

可愛い奴やのーツンデレにも程があるやろ。でも貸し5やで!

 

 

 

 

 皆が食い終わり、俺はターレスにその傷は誰にやられたんだと聞くとベジータがニヤリと笑い「俺がやった」と言った。

 

何やターレスもベジータにボコられたんかい、王子に挑むのがサイヤブームになっとんのか? ラディッツとナッパは王子に挑んでないのかと聞くと「冗談じゃねぇよ」と苦笑いしていた。

 

「ククク、こいつはお前をやった後にいつも俺に挑んでくるんだ。友情のつもりか? 下らん」

「笑わせんじゃねえよ。お前等の動きを見てから行けそうだと思ったからやってるだけだ」

 

ほえ~、ターレスは多分俺が言うてたサイヤ人のドM特性のためにやっとるんやろうな。ついでに俺とベジータの戦いを観察してあわよくば俺達より上に行こうってか?  中々こすい事やるやんけ。

 

よし、どん位強なったか久しぶりにターレスと手合わせしよう「まぁ、お前等が何人束に掛かろうと俺の敵ではないがな」

 

 

…………あ゙?

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「まぁ、お前等が何人束に掛かろうと俺の敵ではないがな」

 

 ナッパはベジータの物言いが癇に障り、一瞬目つきが細くなるがそこは年長者の余裕としてスルーし、ラディッツは軽く笑った。ターレスは睨みながらも現時点ではベジータの言う通りだろうと冷静な判断をし、近い内に絶対に超えてやると闘志を燃やしていた。

 

肝心のビナスはベジータの挑発を流せるわけがなく、目が充血し、顔中に血管を浮き上がらせながら獰猛な笑みを浮かべていた。そして一口水を飲み、付けていたスカウターをいじりながら口を開く。

 

「あっはっは。爆笑もんのギャグを言うやないか王子様。じゃあ俺達全員を相手にしてもまだおもろい事言えるか試したろか?」

 

 それを聞いたターレスは少し訝しげにビナスを見てから立ち上がり「おもしれえ、相手してくれるんだろ? 王子様」と言った。ベジータは「何時で……いや、いいだろう」と不敵に笑い了承した。

 

つい『何時でも来い』とベジータは言おうとしたが、本当に何時でも来る頭のイカれた奴がこの場にいる事を思い出し、言葉を選んだ。

 

戦意を高揚させている2人に当てられたのかナッパも「じゃあベジータ、俺も参加させてもらうぜ」と好戦的な笑みをする。

 

 ラディッツは何を馬鹿を事を言ってるんだ! と声を大にして言いたかった。ベジータは現在1万3千の戦闘力、対してこっちの合計戦闘力は1万2千。

 

ただ単純な計算でも勝てないと言うのに、1人ずつ潰されたらあっという間に負けてしまう。勝つ可能性があるのならばともかく、確実に負ける戦いをするなど、ただの理性の無い獣と同じじゃないかとラディッツは3人を少し蔑んだ。

 

 

 

 

「じゃあ1時間後に外でやろうや」

 

 

 

外で戦おうと言うビナスにラディッツとナッパはサッと顔を青ざめ、ターレスは驚愕の表情をする。

 

 

 

 戦闘員達の用語で『外』と『中』の言葉があるのだが『中』という意味はトレーニングルームに行こうという事。つまり飛び道具無しの殴り合いだけの訓練という意味だ。

 

そして『外』という意味は加減の難しい気弾ありの勝負なので、殴り合いの時よりも死亡率が格段に上がるのだ。

 

「ばっ、馬鹿かお前はっ! タダでさえ勝負にならないと言うのにエネルギー波をありにするなんて何考えてるんだ!」

「……クククク、ハーッハッハッハ! こいつはお笑い草だぜ! 何度も自分を負かした相手の実力がわからない馬鹿が存在するなんてな!」

 

 ラディッツはビナスを非難し、ベジータは侮蔑をする。ナッパは「さすがにそれは止めておいた方がいいぜ」と窘める。ターレスはこれも超サイヤ人になるために必要な事なのかと考え、ビナスの動向を注視する。

 

 

「ビビッとるなら来んでもええよ。俺が王子の負けっぷりを特等席で見とくだけやからな」

「……ほう、その発言はもう取り消しが付かんぞ? いいだろう、外でやってやる」

 

ビナスの発言がベジータの怒り触れ、ベジータは事故としてビナスを殺す事を決意した。ベジータとしてはビナスの事が人として嫌いな部類であり、そんなやつとの結婚など御免被りたかった。

 

しかし、ビナスが死ねばサイヤ人を復興させなくともいいし、変な気を回さなくてもいい。そうベジータは考えた。

 

ビナスは立ち上がると、他の3人も席を立ち食堂から出ていく。別れ際にラディッツとナッパは今回は辞退をするとベジータに言い、別れ際に謝るなら今の内だとビナスに言うがビナスはこれを拒否し、両名を呆れさせた。

 

「じゃあ、1時間後な。王子もう一回確認するで、全員で構わへんねんな?」 

「くどいぞ、全員で構わん。最も……既に2人が脱落したがな。おいターレス、お前はどうするんだ? 逃げ出すなら今が最後のチャンスだぞ?」

 

 ターレスはベジータの問いに返答する前にビナスの方を向き「勝つ自信はあるのか?」と尋ねる。

 

「ある。お前も辞めたいなら別にええぞ」

 

ビナスは自信を持って答えた。それを見たターレスは最悪、惑星ベジータが爆破される前に練習していた太陽拳と気円斬を使ってベジータを殺そうと決意した。

 

 

 

「いや、俺は参加させてもらうぜ」

 

今ビナスを殺させるわけにはいかない、自分にとってベジータよりビナスの方が利用価値が遥かに上だからだ。

 

それに、ビナスの念を押すような確認を確めたいのと、馬鹿なこいつと馬鹿やってる時は退屈しないしなとターレスは思った。

 

「ククク、自殺願望がある奴がもう1人いるとは恐れいったぜ。じゃあ1時間後……楽しみに待っておくぜ」

 

そしてベジータが去って行き、ビナスはターレスに「俺はこれからやる事があるから」と自室に帰っていった。ターレスは1時間後に向けてウォーミングアップを訓練室でやる事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 そして、1時間半後の外の訓練所……。ベジータはボロボロの体で戦っていた。

 

「くそったれがぁーっ!! ビナス!! 貴様だけは、貴様だけは絶対に……絶対に許さんぞぉーっ!!!」

「おいおい、どこへ行く気だクソガキ?」

 

べジータは怒りに任せてビナスに殴り掛かろうとするが、そうはさせまいと立ち塞がる星人……、キュイがいてビナスだけを見ていて隙だらけのベジータを蹴り飛ばし、地を滑らせる。

 

「ぐ……くっそぉー!」

 

 地を掴み悔しがるベジータだが、嫌な殺気を感じてすぐに空へと避難する。するとベジータが居た場所に無数の気弾が着弾した。

 

「ようベジータちゃん! 今度は俺と遊んでくれよ、安心しな、殺しゃしねえからよ」

 

空に逃れたベジータを今度はリクームが迎え撃つ。ベジータは何故こうなった!? と思いつつも元凶であるギニュー特戦隊の横で笑って見ているビナスを睨み、吠える。

 

「あ、あのクソヤローがぁーっ!!!」

 

 

 

 

 

 何故こうなったかと言うと、それはビナスがターレスと別れて自室へと帰った時間まで遡る。

 

ビナスはまずバソコンを起動し、スカウターで録音していたデータを取り込み、生前に自分が音楽をネットでアップする前にしていた編集のスキルを悪用した。

 

その内容は1度目と2度目にベジータに言った「俺達全員を相手に」の部分を「俺達フリーザ軍全員を相手に」とし、スカウターで全員に向けて放送した。

 

その後時間通りにベジータと戦い、ある程度ビナスがやられ、ターレスがベジータを殺すために太陽拳をしようとした時にぞろぞろと腕の覚えがある者や、ベジータに腹が立っている者が集まりだす。

 

それを見たベジータとターレスは、ギャラリーがこれだけ居る中で殺すのは不味いと思い、殺すのを諦めた。そしてそこから数分後に場の空気が一辺する。

 

フリーザが現れたのだ。

 

 ベジータはフリーザが現れた事に動揺し、ターレスは悪党の笑顔をしているビナスを見て察した。ベジータはターレスの反応を見てビナスが仕組んだ事だと推測し「どういう事だ!?」と怒鳴る。

 

「え? 何言ってんねん。お前全員で構へんぞ、掛かってこいって言ったやん」

 

 私は何も悪くございません。貴方が100%悪いんですよと言ってるような態度のビナスに、ベジータは眩暈がして倒れそうになった。

 

「ほっほっほ、ベジータさん。少し私と遊びましょうか、勿論殺しはしませんからご安心を」

 

フリーザはビナスが公開したベジータの発言を聞いて、最初は行く気など毛頭無かった……が、将来ベジータ王と同じく増長して帝王である自分の実力を甘く見てしまい、また反乱を起こされては気分が悪い。

 

ならば今の内に思い知らせてやるのも一興か、それにベジータ王子は既に親を超える戦闘力を保持し、それを子供扱いすれば、部下である他のサイヤ人も自分に逆らうような馬鹿な事はしないだろうと考えた。

 

そしてベジータを指1本で弄び、デコピンで吹っ飛ばした後フリーザは引き、用は済んだとばかりに悠々と帰っていった。

 

その後2時間後……ベジータはフリーザ軍の強者達と戦い力尽きて気絶する事となった。

 

 

ベジータは薄れ行く意識の中で、ビナスが倒れた自分に侮辱的な発言と今回の借りをきっちり返してやると思いつつ、ビナスの事をまだ甘く見ていた事を理解した。あいつは本当に頭がイカれていて、常識というものが全く無いと再度思った。

 

言葉通りの意味をまさかまたそのまま実行するとはベジータはビナスの事を知らなさすぎた。

1番付き合いが長いターレスでさえ、その可能性は考えたが、まさかそんな馬鹿な事はしないだろうと思っていた。

 

 勿論ビナスの日本人としての考えはそうじゃないと分かってはいたが、発言の内容をそのまま行った方がおもしろいだろうとサイヤ人として行動し「俺達全員を相手に」の意味が席に座っていた4人の事ではなく、惑星フリーザNo.79に居るベジータ以外…、つまりフリーザ含めた全員で相手にしていいんだなとビナスは行動した。

 

ビナスが外でやろうと言ったのも、室内では人の制限があるが、外ではそれがない。大勢でベジータをリンチするための布石であったのだ。

 

 

その後傷を癒したベジータは、ビナスに10回きっちり丁寧にお礼参りをしてからこう言った。

 

 

「もうお前とは戦わん」と。

 

 

そしてベジータはこの時の出来事がナメック星に行くまで悪夢となって悩まされる事となり、外の訓練所で気弾の連射をしてストレス解消をする事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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