ゼロの使い魔×ポケットモンスター  仮題名『メタモン物語』   作:蜜柑ブタ

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アンリエッタ登場。


そしてアルビオン編へ。


メタモンと王女様

 

「思い出したわ! わたくし達が、ほら、アミアンの包囲戦と呼んでいる、あの、一戦よ!」

「姫様の寝室で、ドレスを奪い合ったときですね。」

 

 ルイズと、美しい女性が思い出話に浸っているのを見守りながら、メタモンは、フア~とあくびをした。

 

 

 時は、少し遡る。

 

 ルイズが夢で見た若い頃のワルドの姿に、メタモンの顔状態になっているメタモンが、すっかり学院中に知られた頃の授業中だった。

 ルイズは、姿が元通りの軟体になれずにいるメタモンを教室の後ろに立たせ、暗く沈んでいた。

 若い頃のワルドは、背が高く、そのため、いくら擬態で再現している帽子のツバで隠しているとはいえ、顔が下から見えてしまう。なので、一見整った姿なのに、顔だけ間抜けなので笑いのネタになっていた。

 

 なんで、あんな夢を見てしまったんだと……、ルイズは今日ほど自分を呪ったことは無い。

 

 ギトーの授業は、いつもつまらないのだが、なぜか妙に着飾ったコルベールが乱入してきて授業は中断された。

 

 なんと、トリステインの王女である、アンリエッタが、学院に来ると言うのである。

 ゲルマニアからの帰りにこの学院に来ると。

 歓迎式典を急遽行うため、生徒達、そして教師達も正装してくるようにっと言い渡したのである。

 ルイズは、青ざめた。

 とてもじゃないが、今のメタモンを見せれない!

 なので、授業中断後、即部屋に帰り、正装しながらメタモンに、部屋から出るなと口を酸っぱくして命令し、ドアに厳重に鍵をしてアンリエッタの馬車を迎えるため学院の広場に向かった。

 そこでルイズは、思わぬ人物を遠目に見ることになる。

 

 グリフォンに乗り、アンリエッタが乗るユニコーンの馬車を守る存在。

 

 グリフォン隊隊長となった、自身の婚約者、ワルドがいたのだ。

 

 すっかり立派な男に成長し、立派なヒゲも生やしたワルドの横顔を見て、ルイズは、ボーッとした。

 

 その後、その夜、心ここにあらずな状態で部屋に帰ると、メタモンは、すっかり元の軟体生物の姿になっていた。

 

 どうやらコルベールの推測は正しかったらしく、本物のワルドを見たことでルイズの無意識の欲求が満たされ、メタモンがワルドの姿でいる理由も無くなったため元に戻ったのだ。

 ルイズは、そのことに、単純な自分が恥ずかしくなり、そのままベッドに寝転がった。

 メタモンは、どうしたの?っと言いたげに、ルイズの姿になってルイズを眺めた。

 しかし、ルイズは、壁の方に顔を向けていて、メタモンを見ていない。布団を抱きしめて寝転がっている。

 すると、扉が外から叩かれる音がしたので、ルイズを起こそうとメタモンが、ルイズを揺すった。

 何度か叩かれる。まるで何かの合図を表わすように、リズムを刻む。

 その音に、ルイズは、ハッと起き上がり、慌てて扉を開けた。

 

 扉の外にいたのは、頭から黒いローブを纏った女性だった。

 顔は見えない。

 そして部屋に入ってきたその人物は、杖を手に、ディティクト・マジックを使い部屋を調べ、その後、外に音が漏れないよう、魔法を使い、扉を自ら閉めた。

 そしてルイズに向き直り…。

 

「お久しぶりですね。ルイズ。」

 

 そう言って頭に被っていた黒いローブの部分を外した。

 そこから現れたのは、アンリエッタ王女。その人だった。

 

 

 そこから始まったのは、幼なじみであるルイズとの思い出話。

 しかも、かなり芝居がかった感じで……。

 渦中の外の、メタモンは、ルイズから軟体生物の姿になり、話が終わるのを待った。ひたすら待った。夜なので眠たいな~っと思いながら。

「あらあら、お話しが長くなってしまいましたわね。ルイズ、あなたの使い魔がとても眠たそうですわ。」

「ちょっと、メタモン!」

 メタモンがとうとうウトウトとしだしたあたりでやっと気づいたアンリエッタがそう言い、ルイズは、そんなメタモンに怒った。

「それにしても、可愛らしいですわね。」

「どこがですか? あの間の抜けた顔が…。」

「飾りっ気がないのが良いのでしょう。ところで、先ほどもうひとりルイズがいたような気がしたのですが…?」

「えっ、あ、あれは…。」

 ルイズがしどろもどろすると、メタモンが目を擦り、ルイズに変身して見せた。

「まあ! すごいわ! こんな一瞬で! ルイズ、あなたは一体どんなすごい生き物を召喚したのです?」

「それは…。」

 よく分からないとは言えない…。

 ルイズに変身しているメタモンは、眠たそうにしながら、ジッとアンリエッタを見つめ、やがてアンリエッタに変身して見せた。

「まあ! 今度はわたくしに!」

「やめなさい、メタモン!」

 ルイズが叱るが、メタモンは、もう眠気が限界なのか、そのままコテンッとベッドの上に倒れてクウクウと眠りだした。

「せめて変身を解きなさーーーい!」

 ルイズは、アンリエッタ姿のメタモンを掴んでメチャクチャ揺すった。

 アンリエッタは、ツボに入ったのか、口を押えて笑いを堪えていた。

 ルイズに揺すられまくって、メタモンは、目をバッテンにして、変身を解き、ぐったりした。

 ルイズは、ハーハーっと荒い呼吸を整え、アンリエッタに向き直り、何をしにわざわざお忍びで来たのか聞いた。

 すると、アンリエッタは、一転して悲しい顔をして、芝居がかかった仕草で嘆く。

 

 ……簡潔にまとめると、今ピンチのアルビオンにいる従兄弟のウェールズが持つ、アンリエッタからの手紙がレコン・キスタの手に渡る前に、ウェールズから返してもらってきてほしいという密命を頼みに来たのだった。

 

「わ…私に…ですか?」

「あなたは、見事土くれのフーケを捕えたと聞いていますわ。」

「あ、あの、あれは…。メタモンの協力があって…。」

「まあ、それほどに頼りになる使い魔を! ならば、余計にあなた達しかいませんわ!」

「で、ですが…。」

「お願い…、ルイズ…。このことは、マザリーニにも、母上にも言えないことなのです。わたくしは、あなたを頼るしかないのです。」

「姫様…。」

 アンリエッタは、必死に懇願する。

 ルイズは、紛争状態のアルビオンがどれほど危険なのか想像しただけで、汗が垂れた。

 しかし、この密命を無事に成功させなければ、ゲルマニアとの同盟も危うく、トリステインの未来が危ないのだ。

「もちろん…、タダでとは言いませんわ。」

「い、いえ! そういうことでは…。」

「この水のルビーを…。これがあなたがわたくしが送り出した大使である証明になりますわ。そして、もしお金が足りなかったら、売って路銀にしてください。今、手持ちの物がありませんので…。」

「ですが、これは、王家に伝わる…。」

「ええ…。王家に代々伝わる、水のルビーですわ。」

 ルイズは、手渡された水のルビーの指輪を見つめ、ますます汗をかいた。

 ここまでされたら、断るわけにはいかない状況である。

 しかし…、本当に自分にそんな重い任務がこなせるのか?という不安がのしかかる。

 

「ひとりで背負い込もうとするから、いけないのだよ、ゼロのルイズ!」

 

 そこに、ギーシュ。

 そして扉を開けたらしいメタモンがいた。

「あなたは?」

「姫様! 僕は、グラモンの元帥の子息であります! どうか、僕をその任務の一員として…。」

「まあ、グラモン元帥の…。」

 アンリエッタは、嬉しそうに顔を緩めた。

「あなたも、この不幸な姫の力になってくれるのですか?」

「はい!」

「ルイズ…。どうか…お願いできないでしょうか?」

「…ぅ…う…。わ、分かりました。」

 もはや断ることはできない。アンリエッタが涙を浮かべて懇願する顔に、もはやルイズには逃げ場は無かった。

 足が自然と震えるルイズの肩を、メタモンがルイズに変身し、安心させるように叩いた。

 ルイズがメタモンを見ると、ルイズの顔をしたメタモンが、優しく微笑んでいた。

 その顔が…まるで『だいじょうぶ。僕がついてるよ。』っと言っているような気がした。

 ルイズは、そんなメタモンにグッと泣きそうになるのを堪え、耐えるように唇を噛んで抱きついた。

「お願い…、一緒に来てね、メタモン…。」

 そう小さく懇願するルイズに、メタモンは、ルイズを抱きしめ返し、ウンウンと頷いた。

 

 

 国の未来を賭けた、重い任務の旅が翌朝始まることとなった。

 

 

 

 

 




原作読むと、メッチャ長話……。

そして、なぜホイホイ承諾したし、ルイズ…。
っというわけで、このネタでは、ルイズは、すぐに承諾しませんでした。頼れる人間が他にいないとはいえ、なぜ落ちこぼれの自分なんだっという劣等感や、死への恐怖などから。


ワルドは、次回。
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