ゼロの使い魔×ポケットモンスター  仮題名『メタモン物語』   作:蜜柑ブタ

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メタモン、本物のワルドと出会う。


アルビオンへの道中。


メタモンと、ワルド

 

 アンリエッタからの密命を受けた翌日の早朝。

 

 ルイズは、ゲッソリしていた。

 

 緊張のせいで眠れなかったのだ。

 逆にぐっすり寝ていたメタモンが心配している有様だ。

「おいおい、君がそんな状態でどうするんだい?」

「うっさいわね…。」

「馬から落ちないでくれよ。そうだ、僕の使い魔を連れていっていいかい?」

「あんたの使い魔?」

「出ておいで、ヴェルダンデ!」

 すると、モコモコと土が盛上がり、ボコッと大きなモグラが出てきた。

「ジャイアントモール?」

「そうさ! 青銅の二つ名を持つ僕のために宝石を持って来てくれるとびっきり素敵な相棒さ! ああ、ヴェルダンデ! 今日も可愛いね! ドバドバミミズをいっぱい食べてきたかい? うん、そうかい!」

 ギーシュは、それはそれはヴェルダンデを可愛がっていた。

 するとヴェルダンデが、ヒクヒクと鼻を動かしてルイズに近づいてきた。

「な、なによ…。キャッ!」

 そしてヴェルダンデに飛びつかれ、身体をまさぐられた。

「いや! やめてやめて! 助けてメタモン!」

 ルイズが悲鳴を上げて助けを求めると、ルイズに変身していたメタモンがヴェルダンデの首根っこを掴んで引き離そうとした。

 だが、力が強く中々引き離せない。

「いやぁ、いくらヴェルダンデが美しい宝石に目がないとはいえ……。むむ? ああ、なるほど、ゼロのルイズ、君が指に付けている指輪だね。」

「へっ?」

「ヴェルダンデは、君の指輪に反応していただけさ。」

 ギーシュがなんのことはないと言っていると、突然風の魔法が飛んできて一瞬にしてヴェルダンデが吹っ飛ばされた。

「ヴェルダンデ!」

 ギーシュが慌てて駆け寄り、無事を確認すると、先ほど魔法を使ってきた相手を睨んだ。

「貴様…、よくも僕のヴェルダンデに!」

「あ…あなたは…。」

 

「すまないね。僕の婚約者が襲われていたので手を出してしまったよ。」

 

 見覚えがある羽帽子。そして、立派なマントと杖。

 その男は、ルイズの婚約者であるワルドだった。

 ワルドは、ルイズに近づくと、その手を取り、軽々と抱き上げた。

「ああ、僕のルイズ。君はとても軽いね。まるで羽のようだよ。」

「わ、ワルド様…。」

「ところで、僕のルイズ。そちらにもうひとり君にそっくりな子がいるけれど…、君には妹がいたのかい?」

「あ…。違うんです…。私の使い魔ですわ。」

「ほう? 変わった使い魔を召喚したとは人伝には聞いていたが、君が…そうなのかい?」

 ルイズに変身していたメタモンは、ジーッとワルドを見つめていた。

 そして、ルイズの姿から、ワルドの姿になって見せた。

 ワルドは、それに驚いて目を見開いた。

「あ、あくまでも、擬態ですわ…。」

「これは、驚いたな…。人相や姿形を変える魔法は存在するが、それを一瞬でやれる生き物は見たことがないよ。ルイズ、君はやはり他のメイジとは違う。すごい生き物を呼んだんじゃないのかい?」

「そ、そんなこと…。」

『レビテーション。』

「キャッ!」

 不意にメタモンがレビテーションを唱えて、ルイズがワルドの手の中から浮き上がり、そのままワルドに変身しているメタモンの方に浮いていってその腕の中に収まった。

「め…メタモン?」

 メタモンを見上げると、メタモンは、ぷうっと頬を膨らませて、いかにも機嫌悪そうにしていた。

「おやおや? メタモンくん、嫉妬かい?」

 ギーシュが聞くと、メタモンは、ウンウンと頷いた。

「メタモン! その顔でそんな顔しないで! 色々とイメージが! あと、降ろしてよ!」

 ルイズは、ジタバタ暴れるが、メタモンは、ギュッと抱きしめて放そうとしない。

「ずいぶんと、懐かれているようだね?」

「違うの、違うんです! こら、メタモンってばーー!」

「それはそうと、早く出発しないかい? 時間が無いんだ。」

 そう、アルビオンの状況は刻々と悪くなっているのだ。

 早くしないと船で渡ることすらできなくなるだろうと、ワルドが言い、ハッとしたルイズがメタモンを諭し、やっと放してもらった。

「私の…姿でいなさい。」

 ルイズは、メタモンにそう命令する。

 そしてメタモンは、ルイズの姿になった。

「さあ、僕のルイズ、僕のグリフォンに乗ろう。」

「えっ、で、でも…。」

「それとも僕と一緒はイヤかい?」

「そんなことは…。」

 ただ心配なのは…。

「ねえ、メタモン…。あなたひとりで馬に乗れる?」

 ルイズがそう聞くと、メタモンは、ぷうっと頬を膨らませつつ頷いた。

「だいじょうぶみたいだね。じゃあ、早く出発しよう。」

「メタモン…ごめんね。」

 ルイズは、そう謝罪しつつワルドに手を引かれてグリフォンに乗り、グリフォンが先頭を走った。

 ギーシュも慌てて馬に乗り、メタモンも、頭から頭巾を被って馬に乗って馬を走らせた。

 

 

 ワルドのグリフォンは、馬よりも早い。

 そしてスタミナもすごい。

 そして、それを操り、グリフォンの隊の隊長であるワルド自身も慣れているので速度を維持しつつスタミナも切れない。

 休憩無しの速い遠乗りにギーシュは、へばり、メタモンも変身を維持するのがやっとだった。

「ねえ、ワルドさま! ギーシュもメタモンも限界だわ。」

「頑張ってくれって励ましてやってくれ。今日中には、ラ・ロシェールに着きたい。」

「そんな…。」

 ルイズは、振り向き、必死に着いてきてくれている、ひとりと一匹を見た。

「メタモン頑張って! ギーシュもよ!」

 そう声援を送ることしか出来なかった。

 

 

 馬を何度も乗り換え、やっとラ・ロシェールに着いたのは、夜の夜中だった。

 

 

 やっと一息ついたところで、崖の上から松明の炎が降ってきた。

「うわ!?」

 その炎に驚いたギーシュの馬がギーシュを振り落とした。

 そこへ、矢の雨が降り注ぐ。

 瞬時にメタモンがデルフリンガーを抜いて、ギーシュに向かって飛んできた矢をたたき落とす。

「すまない! ありがとう!」

「まさか、アルビオンの反乱軍の貴族!?」

「いや、貴族ならば武器など使わないさ。」

 グリフォンから飛降りたワルドがメタモンに加勢した。

 すると、崖の上で風が小さな竜巻となって上にいる者達に襲いかかり、何人もの人間が落ちてきた。

「風の魔法か!?」

「あれは…、タバサのシルフィードだわ!」

 

「メタモンちゃーーん! あと、ついでにルイズーー。」

 

 風竜・シルフィードには、タバサとキュルケが乗っていた。

「きゅ、キュルケぇ!? なんであんたが…。」

「助けに来てあげたのになによ、その言い方?」

「誰が…。」

「ま、あんたは、つ・い・で。私はね、メタモンちゃんを助けに来たのよ。」

「なんで…、メタモン? あんた…。」

 ルイズが訝しむと、メタモンは、ブンブンと首を横に振った。

「ま、ホントのところは、朝方からあんた達が出て行くのを見ちゃったからなのよ。ねえ、何か面白いことしてんの?」

「あのね…、この旅はお忍びなのよ…。」

「なんだ~、つまらないわね。それならそうと教えなさいよ。」

「教えたらお忍びにならない!」

 わざとらしく残念がるキュルケに、ルイズがガーッと怒った。

 

 その後、崖から落とされた夜盗達を尋問したら、ただの物取りだと分かり、崖の上から落とされて何人も怪我をしていたが、放っておいて、ラ・ロシェールで一泊することになったのだった。

 

 

 

 

 




メタモンがお気に入りのキュルケ。それに付き合わされるタバサ。
なお、メタモンは、別にキュルケと何かあったわけじゃありません。

そして、ワルドにちょい嫉妬するメタモンでした。(大好きなご主人取られたと思って)
あと、メタモンには、性別はありません。(※原作のポケモン)


次回は、アルビオンヘ。に、なるかな?
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