ゼロの使い魔×ポケットモンスター  仮題名『メタモン物語』   作:蜜柑ブタ

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やっとガンダールヴの話題。


後半は、メタモンと、ワルドの手合わせ。


メタモンとガンダールヴ

 

 ラ・ロシェールで一番高い宿、女神の杵(きね)で、一泊することになった。

 

「あらあら、メタモンちゃん、どうしたの? そんなにむくれて。」

 1階の酒場でくつろいでいた一行だが、今は、ルイズとワルドがいない。二人は、アルビオンへの船を手配するために出ているのだ。

 メタモンは、本当はルイズについていこうとしたが、ルイズに、待ってなさいと命令され、渋々宿に残ったのだ。

 それからというもの、ずっとルイズの姿でほっぺたをぷうっと膨らませているのだ。

「酷いわね~、ルイズも。こんなに慕ってくれている使い魔がいるのに、やっぱ婚約者の方が大事って事かしら? ねえ、メタモンちゃん、いっそ私の使い魔になる?」

 キュルケが膨れているメタモンのほっぺたをツンツンとつつきながら聞くと、メタモンは、イヤイヤと首を振った。

「うーん、やっぱり、ルイズにはもったいないわねぇ。」

 キュルケは、席につき、フォークを弄びながらため息を吐く。

「なぜ?」

 タバサが聞いた。

「だって…、相手を見ただけで相手が使える魔法まで使いこなすのよ? どういう目をしているのかは分からないけど、ルーンの五感共有でも夢を通じてその記憶情報から、その人物に変身するし、もしスクウェア・クラスの使い手の使い魔だったらどうなるかしら?」

「…フレイムは?」

「フレイムは、私の自慢の使い魔よ。でも、なんで使い魔ってひとりに一匹なのかしらね? もっといてもいいと思うんだけど。」

「理由。知らない。」

 タバサは、そう手短に言うと出された料理を食べるのを再開した。

 キュルケは、肩をすくめ、フォークとナイフで、肉を一口大に切ると、フォークで刺し、メタモンに与えようと目の前に差し出した。

「メタモンちゃ~ん、ほら、あ~ん。」

 しかし、メタモンは、ぷいっとそっぽを向く。

 キュルケは、楽しそうにフォークの肉をメタモンの前に移動させる。その都度、イヤイヤとメタモンがそっぽを向くのでしつこくしていると、やがてメタモンが観念して、口を開いて肉を食べた。

「美味しいでしょ?」

 無理矢理食べさせられた肉料理は確かに美味しい。メタモンは、ムグムグと噛みしめて頷いた。

 

「メタモン?」

 

 そこに聞こえてきたのは、ルイズの声。

 ハッとしたメタモンが、振り向く。

「あら、ルイズ。遅かったわね。」

「キュルケ…。私のメタモンに何してたの?」

「あら? 気になるの? 放っておいたくせに?」

「あのね! あんたには、あんな立派なサラマンダーがいるじゃない!」

「そうね。でも、メタモンちゃんも欲しいのよ。ねえ、メタモンちゃん。ルイズのところが嫌になったら私の所へいらっしゃらいな。」

「キュルケーーー!」

「落ち着くんだ。」

「けど、ワルドさま!」

「キュルケ…くんといったね? 使い魔を連れて行かないでいいと言ったのは僕なんだ。ルイズを責めるのはお門違いだよ。」

「あら、そうでしたの? でも、放っておいたのはルイズの意志ですわ。私がつけいる隙を与えたくなかったら、連れて行くべきでしたのに。それとも、なに? 一々、嫉妬するからうっとおしかったのかしら?」

「ち、ちが…。」

「可哀想に~、メタモンちゃん。ルイズのこと大好きなだけなのにね~。」

 キュルケは、ルイズの姿のメタモンを抱きしめてヨシヨシと頭を撫でた。

 カッとなったルイズは、メタモンを奪い返そうとした。

 すると、メタモンが軟体の本来の姿になり、キュルケの後ろに隠れてしまった。

「メタモン! こっちに来なさい!」

 しかし、メタモンは、プルプルと頭と首らしき部分を横に振る。

「命令よ! こっちへ来なさい!」

 しかしメタモンは、イヤイヤと首を振る。

「一言謝ればいいのに。」

「なんで、私が!?」

「あんたが、置いて行っちゃったからでしょ?」

「ぅう…。」

 しかしプライドが邪魔して謝罪の言葉が出ない。

「すまないな、メタモンくん。僕が置いていけって言ったばっかりに。ルイズを許してやってくれないかい?」

 ワルドがメタモンに目線を合わせるように膝を折ってそう言った。

 メタモンは、ジイッとワルドを見つめ、そして目線をルイズに戻し、ルイズに変身して、ルイズに駆け寄り抱きついた。

「も…もう…。もういいわ。好きにしなさい。」

 自分の姿で人前で抱きつくなと怒りかけたが、ワルドが自分に代わって謝罪したのもあり怒鳴れなかった。

 しかし、ぎゅうぎゅうとあんまりにも抱きしめてくるので、苦しくなったルイズはさすがに我慢できず怒ったのだった。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 アルビオンへ渡るのは、明後日となっている。

 理由は、空中にある大陸であるアルビオンが、一番トリステインに接近する時が明後日だからだ。

 で……、宿での部屋割りだが、ワルドは、ルイズに大切な話があるからと、メタモンに部屋を外して欲しいと言った。当然だが、メタモンは、ガーンっとショックを受ける。

「メタモンくん…、貴族の婚約者同士の大事な話なんだ…。主人の将来のためなんだから、我慢するんだ。」

 ガーンガーンっとショックを受けているメタモンに、ギーシュがそう慰めた。

「じゃあ、私と一緒に寝る?」

「ダメよ!」

 すぐにメタモンに言い寄るキュルケに、ルイズが速攻でダメと叫んだ。

「すまないな、メタモンくん。許してくれ。」

 ワルドが苦笑しながらそう言った。

 メタモンは、ショボーンと落ち込んで床に溶けるように広がった。

 ルイズは、罪悪感に胸を痛めた。

 

 

 そうして、結局、メタモンは、ギーシュと同じ部屋に行き、ルイズは念のため、メタモンに、若い女に変身するなと命令しておいた。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 翌朝。

 ギーシュと同室になっているメタモンは、戸を叩く音に気がついて目を覚ました。

 ギーシュの姿になり、戸を開ける。

「おや? ……違うな。メタモンくんだね。」

 ワルドだった。

 ワルドは、少し間を置いてギーシュの姿になっているメタモンだと見破った。なお、本物のギーシュは、グースカ寝ていた。

「メタモンくん、少しいいかい?」

 メタモンは、不思議そうに首を傾げた。

「君は、ガンダールヴだろう?」

 そう言われてもなんのことやらで、メタモンは、分からないと首を振った。

「少し…確かめさせて欲しい。来てくれるかい?」

 ワルドがメタモンに外に行こうと誘う。

 メタモンは、分からないまま、デルフリンガーを持ってワルドに案内された。

 

 

 やがて古い練兵場らしき場所に来た。

 そこには、ルイズがいた。

「ワルド? どういうつもり、こんな朝早くに…。」

「いや、なに。少し確かめたいことがあってね。君には審判をしてほしい。」

「まさか…メタモンと…。」

「ああ、その通りさ。」

「だ、ダメよ。」

「だいじょうぶさ。少し手合わせをするだけだから。傷つけはしない。それとも、僕の腕を疑っているのかい?」

「そ、そんなことは…。」

「では、メタモンくん。少しで良いからその剣を手にして僕と戦ってくれるかい?」

 言われたメタモンは、困った顔をした。だが戦わないとワルドが引かないと考えたのか、渋々デルフリンガーを抜いた。

「……身体が軽くなる感じはしないかい?」

 そう聞かれ、メタモンは、目をぱちくりさせた。

 言われて見れば、デルフリンガーを手にすると、身体が妙に軽くなる気はする。

「もし、君が伝説の使い魔であるガンダールヴならば、あらゆる武器を使いこなせたはずだ。その証拠に君の左手のルーンが光っているだろう?」

 言われてルイズもメタモンは、メタモンの左手のルーンに驚いた。確かに光っていたからだ。

「き、気がつかなかったわ…。」

「今まで武器を使わせてなかったのかい?」

「ええ…。あの剣を持たせたのも最近だから…。」

『全然俺のこと使ってくれねーから、言うに言えなかったんだよな。相棒が使い手だってことによぉ。』

 そう言ったのはデルフリンガーだった。

「む? インテリジェンスソードか。」

『相棒も娘っこも聞きな。ガンダールヴってのは、あらゆる武器を使いこなせる達人にする力を持ったルーンだぜ。神の左手とも言ったっけな?』

「メタモンが…。」

『たぶん、だからこそ、パチモンの武器を一瞬で見分けられたし、あの武器屋じゃ俺が一番だってのも見分けられたんだろうよ。なにせ、そういう生き物に、あらゆる武器を一瞬で使えるようなる分析・解析能力が付与されたんだからな。で、よぉ、そうと分かってて戦うってのかい?』

「ああ、だからこそその力を知りたいんだ。ぜひ、お手合わせ願う。」

『だとよ。娘っこ、審判!』

「えっ…。」

 ルイズが戸惑いつつ、試合の合図を出すことになった。

 その瞬間、メタモンの姿がワルドの姿へと変わる。

「ほう? 僕に変身した方が戦いに適していると踏んだのかな?」

『そうだぜ。な?』

『……ユビキタス・デル・ウィンデ。』

 デルフリンガーがメタモンに聞くとほぼ同時に、メタモンが呪文を唱えた。

 その瞬間、メタモンの左右隣に、ワルドに変身しているメタモンの分身が作られた。

 ワルドは、それを見て目を見開いた。

「なんと! 僕の魔法を…。」

 ワルドが驚いていると、メタモンが二人の分身と共に飛びかかってきた。

 ワルドは、後ろへ飛び退き、素早く魔法を杖に纏わせ、斬りかかってくる3人のメタモンを相手にする。

 ワルドは、的確に本体であるメタモンを狙ったが、ワルドが突き出した杖の先をメタモンがしゃがんで避けると同時に、メタモンの姿がルイズへと変じた。

「!」

『エクスプロージョン!』

 ワルドの腹部に向けて向けられた擬態の杖から、爆発の魔法が放たれ、ワルドが吹っ飛んだ。

 地面に叩き付けられたワルドは、腹部を押え呻いた。

「ワルド! もうやめて、メタモン! 勝負あったわ!」

「うぐぐ…、まさか…手加減したとは言え、そう来るとは…、完全に油断したよ。」

 メタモンは、風の偏在を消し、今度はアンリエッタの姿になって、ワルドに近づいた。

「む? 今度は姫様に?」

 そしてメタモンは、水の魔法を唱え、ワルドの腹部の傷を癒した。

「……ガンダールヴの力を確かめたかっただけだが…、変身能力の方に驚かされたな。ルイズ。君はすごい使い魔を呼んだんだね。」

「え、ええ…。」

 ワルドを助け起こしたルイズは、少し戸惑いながら返事をしつつメタモンを見た。

 アンリエッタの姿からルイズの姿になったメタモンは、ニコッと微笑みながらコテッと首を傾げた。

 

 

 




確か、アンリエッタは、水の魔法(回復)が使えるんでしたっけ?


次回は、やっとアルビオンへ、かな?
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