ゼロの使い魔×ポケットモンスター 仮題名『メタモン物語』 作:蜜柑ブタ
vs仮面の男。
ワルドと手合わせをした、その夜、ハルケギニアの二つの月がひとつになった夜。
メタモンは、キュルケの姿でベランダから月を眺めていた。
「ちょっと、その姿はやめて。」
そこへ、ルイズがやってきて不機嫌な声でそう言った。
メタモンは、顔をルイズに向け、ルイズの姿になった。
ルイズは、ホッとすると、メタモンの横に来て、月を眺めた。
「ねえ、メタモン…。」
どこか愁いを帯びた横顔に、メタモンは、首を傾げた。
「私…、ワルドから結婚を申し込まれたわ。」
ルイズは、それを言った後、チラッとメタモンを見た。
メモタンは、キョトーンとした顔をしていた。
「……やっぱり…ショック?」
恐る恐る聞くと、メタモンは、ハッとし、ふるふると首を横に振った。
「嘘。あんた、あんなに嫉妬してたじゃない。」
それを言われメタモンは、ギクッとし、シュンッと項垂れた。
ルイズは、そんなメタモンを見て、クスッと笑った。
「嘘付けないところ…、可愛いわね。」
ルイズがメタモンを可愛いと思っているのは、本当だ。
「ねえ、メタモン、聞いてくれる?」
ルイズがそう聞くと、メタモンは顔をあげた。
そこからは、グチグチとルイズの愚痴が始まる。
アンリエッタの無茶な任務のこと。
キュルケの家との因縁のこと。
学院のこと。勉強のこと。
そして…、魔法がまともに使えない自分が結婚したらワルドの立場が悪くなるかも知れないという不安。
ルイズの口から次々飛び出す、愚痴やら不安の言葉をメタモンは、時折相づちをうちながら聞いていた。
ひとしきり喋った後、ルイズは、ハ~っと、スッキリしたように息を吐いた。
「メタモン…。あんたがいてくれてよかったって、ホントにホントに思ってるんだからね?」
急にそんなことを言われ、メタモンは、キョトンとした。
「だからね……、約束して欲しいの。これからも、ずっとずっと一緒だって。」
ルイズがメタモンを見た。
ルイズに変身しているメタモンは、少しだけ困ったような顔をしたが、やがて優しい微笑みを浮かべ、頷いた。
ルイズは、その時のメタモンの表情に何かを感じた。だがその違和感のようなものの正体は分からなかった。
「ありがと。メタモン。」
ルイズも微笑み、お礼を言った。
だが、次の瞬間。ハッと表情を変えたメタモンが、ルイズを庇うようにした。
「なに? えっ…?」
見ると、見覚えがある巨大なゴーレムがいた。
そして、その肩には…。
「なっ…、なんで!?」
「親切な人がいてね。」
土くれのフーケだった。
「私みたいな美人はもっと世の中のために、役に立たなきゃいけないって言って、出してくれたのよ。……素敵なバカンスをありがとう。お礼を言いにきたんだよ!」
そしてフーケが操るゴーレムの拳がメタモンとルイズがいるベランダに振り下ろされた。
メタモンは、ルイズを抱えて部屋の中に飛び込み逃げた。
「1階に逃げましょう!」
メタモンに降ろされ、ルイズは、メタモンと共に1階へ降りた。
だが、1階も1階で修羅場だった。
どうやらワルド達を、ラ・ロシェール中の傭兵達が襲ってきたらしく、多勢に無勢に状況らしい。
このままでは、精神力が尽き、敵が一斉に襲いかかってくるだろう。そこでワルドが言った。
キュルケ、タバサ、ギーシュに、陽動をしてもらい、その隙にワルド、ルイズ、メタモンが船着き場へ向かってアルビオンへ向かうという作戦を。
それを聞いてルイズは、ギョッとする。一応は同じ学院の生徒である彼らに犠牲になれと言っているのだから。
それを聞いたキュルケらは、少しばかりつまらなさそうにしたり、ここで死ぬのはなぁ…っとか、早く行けっと言ったりそれぞれ反応。しかし、作戦そのものに異論はないらしい。
そして、ルイズ達が走り出し、弓が飛んでくるのがそれをタバサが風の魔法で防いだ。
背後で派手な破壊音が聞こえだし、陽動作戦が始まったことを知らしめる。
ルイズ達は、とにかく走る。
やがて、桟橋へと着く。
そして階段を登り、丘の上へ。そこに生えた巨木の中に入り、階段を駆け上る。
その時。
『ユビキタス・デル・ウィンデ!』
「メタモン? きゃっ!」
階段を登りながらワルドに変身したメタモンが、風の偏在の魔法を使い、偏在がルイズを抱えて移動した。
その瞬間、ルイズがいた場所に風の衝撃波が打ち込まれた。
そして、上部から白い仮面を顔に付けた男がひとり飛んできた。
デルフリンガーを抜いたメタモンは、襲いかかってきた男を相手に立ち回る。
剣のように杖を振り回す相手が、メタモンと戦いながら呪文を唱える。それとほぼ同時にメタモンも同じ呪文を唱えていた。
「ライトニング・クラウド!」
『ライトニング・クラウド!』
両者が放った風の最強の魔法がぶつかり合う。
だが変身してるとはいえ、しょせんは擬態。メタモンの能力に依存するため、威力で負け相手のライトニング・クラウドが半分以上相殺されているものの、相殺しきれなかったものがメタモンに浴びせられた。
「メタモン!」
メタモンの風の偏在に抱えられていたルイズが悲鳴じみた声をあげる。
ガクンッと膝をついたメタモンに向け、仮面の男がトドメだとばかりに杖の先端を振り上げた。
そこにワルドがエア・ハンマーを放ち、仮面の男を弾き飛ばす。
「だいじょうぶか!」
ワルドに駆け寄られ、メタモンは、辛そうに顔を歪めながらも頷いたが、疲れたように変身を解き、元の軟体生物の姿へ変わってしまった。
ワルドは、メタモンを抱え上げ、階段上の方に先に行ったメタモンの偏在とルイズを追った。
「メタモン! メタモン…。」
ルイズは、ワルドからメタモンを受け渡され、バッテン目のメタモンを労った。その頃には、メタモンの偏在は消えていた。
「なるほど…、姿や技を真似できても、身体能力や精神力は同じにできないのか。」
ワルドは、ルイズの腕の中で、キュウ…っと力無く溶けそうになっているメタモンを見てそう呟いた。
そして二人と一匹は、巨木を登り、巨木の枝に吊るされた船に向かった。
船員達を叩き起こし、風石が足りないから無理だと言う船員達に自分が風のスクウェアのメイジだと言って、無理矢理に出港させた。
船が風石の力で浮き上がり、空へと舞い上がる。
ルイズは、甲板から、メタモンを抱えたままラ・ロシェールを見おろした。
宿の位置辺りから煙が上がっている。キュルケ達は無事だろうかと心配になった。
すると、ルイズの腕の中でメタモンがモゾモゾ動いた。
「メタモン…、だいじょうぶ?」
メタモンは、ルイズの腕の中でコクコクと頷いた。
そしてスルリとルイズの腕から抜け出て、甲板の上でルイズに変身した。
ほら、だいじょうぶ!っと言いたげに手を上げてポーズを取るが、直後にふらついて倒れた。
「ダメじゃない! 大人しく休んで!」
ルイズに抱き起こされ、メタモンは、ウ~っと、悔しそうに小さく呻き、変身を解いた。
そして、夜が明けていき、ワルドの力を加えて飛んでいる船が雲をかき分け、やがて、雲よりも高い位置にある、巨大な大陸、アルビオンが見えてきた。
メタモンの能力は、あくまで擬態と技のコピー。
なので、ステータスは、メタモンがもっているモノに依存するため相手と同じステータスにはならない。
なので同じライトニング・クラウドを撃ち合っても、負けてしまう。
しかし……?って展開にしようかと思ってます。