ゼロの使い魔×ポケットモンスター 仮題名『メタモン物語』 作:蜜柑ブタ
そして、ルイズの態度が……?
タバサの風竜・シルフィードに乗り、ルイズ達はトリステイン城へ来た。
中庭に着陸したのだが、当然だがいきなりの侵入者に兵達によって包囲される。
ルイズがアンリエッタに取り次いで欲しいと伝えたが、聞いて貰えるはずもなく……、全員を束縛しろと命令が下ろうとしたとき、アンリエッタ本人が駆けつけて事なきを得た。
そして謁見の間で、報告。そしてウェールズから渡された件のアンリエッタの手紙を渡し、自分より名誉が大事だったのだろうかと…悲しむアンリエッタに、メタモンが風のルビーの指輪を渡した。
ウェールズさまから?っと聞かれ、ルイズに変身しているメタモンは、悲しげに俯いた。
それで察したのかは分からないが、アンリエッタは風のルビーを指に嵌め、ありがとうございます…っと、悲しげに、けれど微笑みを浮かべてお礼を言った。
任務を終え、タバサのシルフィードに乗って学院に帰った。
その翌朝から、ルイズは、メタモンへの態度を変えた。
今までこき使っていたのを、軟化させ、自分で出来ることは自分でやるからと言い出したのである。
その変化に、メタモンは、ガーンである。まるで自分が必要なくなったかと思って。
目をウルウルさせ、『ボク、必要ないの?』っと言いたげに目で訴えてくる。
ルイズは、その目にメチャクチャ罪悪感を感じた。
メタモンにここまで従属を強いたのは、結局の所自分に責任がある。
しかし、ルイズが今までのことを反省して態度を変えた理由は、メタモンが自ら命を投げ打つような真似をしてワルドの相手を自分が引き受けると言い出したことにある。結局これは、ルイズが戻って来てしまったため、未遂に近い形で終わってしまったし、もしギーシュ達が来なかったらルイズもメタモンも死んでいただろう。結果良ければ全て良しなどという言葉で片付けたくなかったのだ。
使い魔を平気で使い捨てる貴族は多いだろう。よっぽどの使い魔でないと生かす理由もないからだ。最悪の場合、殺すためだけに召喚するような醜悪な者さえいると聞いている。それは、使い魔召喚の儀式が一方的な従属を強いるからに他ならないからだろう。
ルイズは、魔法がまともに使えない。
それゆえに魔法の成功は何よりの宝であった。
だから使い魔を邪険に扱う、普通に魔法が使える者達が許せなかったし、まともに魔法さえ使えれば声を大にして止めたいぐらいだった。しかし、魔法主義社会がそれを許してくれなかった。
今思うと、メタモンにあれこれ、使用人より重労働を平気でさせててたのも、あの使い魔召喚の儀式以降、一向に魔法が使えなかったことへの八つ当たりだったのではないかとルイズは、自己分析している。メタモンが文句を言わないのをいいことに……。
そしてアルビオンでのことでルイズは、ふと気づいたのだ。
自分にとってメタモンがいかに大事かを。
それを自覚した瞬間に、気づけばアルビオンを脱出する女子供達を乗せたイーグル号から飛び降りていた。
そして任務が終わった後、メタモンへの態度を変えようと思い立ったのだ。
「違う。違うのよ。メタモン。私は別にあなたが必要じゃないからそう言ってるじゃないのよ?」
ルイズがそう言ってメタモンをなだめようとするが、メタモンは、ウルウル目でやがて背中を向けて部屋を出て行ってしまった。
「メタモーーン!」
ルイズがメタモンを追いかけたが、とにかく速くって捕まえられなかった。
「そんなつもりじゃなかったのにぃ…。」
ルイズなりに優しくしたら逆効果で傷つけてしまったのかと、ルイズは、顔を手で覆った。
ルイズがトボトボと歩いていると、教師がルイズを呼び止め、オスマンが呼んでいると言った。
***
「あらあら? メタモンちゃん、どうしたの?」
自分の使い魔であるサラマンダーのフレイムが、急にこっちにて来てくれと誘ってきたので、キュルケがついていくと、そこにメタモンがいた。
メタモンは、ベンチの上でベソベソ泣きながら、軟体生物姿で器用に触手のように手を伸ばして毛糸で編み物をしていた。
横を見ると、まあ……ルイズをデフォルメして可愛いぬいぐるみにした毛糸の編みぐるみが山に…。表情がひとつずつ違うのがこれまた…。
「どうしちゃったの? ルイズに酷いコトされたの?」
キュルケが目線を合わせるようにしゃがんで聞くと、メタモンは、ピタッと手を止めた。
「メタモンちゃんを泣かせるなんて酷いわねぇ…。」
キュルケが、そう言いホウッと息を吐いていると、メタモンが違う違うと首を振った。
「じゃあ、どうしたの?」
キュルケがそう聞くと、メタモンは、ルイズに変身し、ポツリッと小声で言った。
ルイズの様子が変…っと。
「変? なにかあったの?」
それからメタモンは、キュルケに、ぽつりぽつりと何があったのか語った。
アルビオンでの任務から帰ってきてから、変に優しいと。
いつもなら色々と命令してくるのに、自分が命令より速く事をやろうとするとほとんどのことを自分でやると言い出したこと。
『ボク…、必要…ない?』
っと、ウルウル目でそう呟くその様は、非常に可哀想だ。
キュルケは、眉間を抑えた。
ああ…、あの子(ルイズ)ったらバカねぇっと。
しかし、ここはしっかり言ってやらないと拗れるだろうからキュルケは、口を開いた。
「違うと思うわよ? メタモンちゃん、しっかりルイズから理由を聞いたら? 理由も聞かずに逃げてきちゃったんでしょ? その編みぐるみでも手土産にして帰ったら?」
『……。』
「いい? メタモンちゃん。あの子はね、素直じゃないの。だから上手く素直になれないだけよ。いい?」
キュルケがメタモンの手を握って、子供に言い聞かせるようにすると、メタモンは、しばらく考えて、コクリッと頷いた。
そしてメタモンは、どこから出したのか、袋の中に編みぐるみを詰めて、走って行った。
その姿を見送ったキュルケは、フウッとため息を吐いた。
「甘味でも奢って貰おうかしらねぇ。メタモンちゃん取らなかっただけよかったと思いなさいよ。バカルイズ。」
そう独り言を言いながら、見事な赤毛を手でなびかせたのだった。
***
そして、メタモンは、恐る恐るルイズの部屋に帰ってきた。
「メタモン!」
椅子に座って本を開いていたルイズがメタモンを見て立ち上がった。
怒られる!っとメタモンは、思わず目を強くつむった。
しかし、一向に怒鳴られず、むしろ、抱きしめられた。
「何処に行ってたのよ…、バカ…。」
ルイズの声が震えていた。
まるで親にでも置いて行かれてしまったかのような寂しがる子供のように。
メタモンは、目を開け、ルイズの背中を落ち着かせようとポンポンと叩いた。
「メタモン……、私のこと嫌い?」
思わぬこと言われ、ギョッとしたメタモンは、ルイズの肩を掴んで引き離してブンブンと首を横に振って見せた。
「うぅー。」
ルイズの目からとうとう涙がこぼれ落ちた。
メタモンは、アワアワと慌てた。
「お願いだから…、嫌いにならないでよ~。」
ルイズは、ベソベソ泣きながらそう言ったのだった。
メタモンは、編みぐるみが入った袋を落とし、慌てた。
ルイズは、床に転がった自分をデフォルメして可愛くしたような編みぐるみを見て、しばらく黙り……。
「な…、何作ってんのよーーー!」
っと、顔を赤くして叫んだのだった。
この回、書くのが大変でした。
メタモンは、ドMではありません。
ルーンの従属性も手伝って、使い魔ってこういうことすると主人が喜んでくれるんだっと、インプットされちゃったから必要されなくなったと思ってショックを受けただけです。
さーて…、タルブ戦どうするかな……。