ゼロの使い魔×ポケットモンスター 仮題名『メタモン物語』 作:蜜柑ブタ
ルイズのメタモンとは、別に、タルブ近隣に棲むメタモン(※シエスタの曾祖父の手持ちの子孫)が出てます。
アンリエッタがゲルマニアとの同盟のため、嫁ぐ。
その際の結婚の儀式の時の祝福の言葉を言うという大役を、アンリエッタは、自分の一番の親友だと言っているルイズに任せた。そのために、始祖の祈祷書を渡したのだ。
しかし、国の宝物庫に大切に保管されていた祈祷書は、何も書かれていない。すべてのページが真っ白だった。
そのためルイズは、とても難儀した。
正直、ルイズは、荷重に思っていた。ゼロだ何だと周りから認められていない半人前のメイジでしかなく、親の七光りの後ろ盾しかない自分には、あまりにも重たすぎる大役だと感じていた。これで、大ごけしてアンリエッタに大恥をかかせてしまったら、それこそゲルマニア側との外交にドでかい傷ができてしまう。それを考えただけで、胃がキリキリする。
メタモンが心配して、胃に良いお茶を煎じた特製のミルクティーを持って来てくれたり、料理長のマルトーに胃に良い料理を頼んだりと気を遣ってくれる。それもそれでとっても有り難いが、気を遣わせてしまって申し訳ない気になってしまう。
「メタモ~~ン…、私、もうダメかも…。」
アンリエッタが嫁ぐ日が迫るにつれ、ルイズは、ルイズに変身しているメタモンに泣きつくようになった。
「姫様~~、なんで私なんかにこんな大役を……。胃に穴を空けて殺したいんですか~?」
グスグスと泣き言を言うルイズを膝に、メタモンは、ルイズの頭をヨシヨシと優しく撫でる。その優しさが染みてルイズは、ますます泣く。
そんなルイズを慰めながら、メタモンは、最近不穏な空気を感じていた。
それは、メタモン自身の勘というか……、風が運んでくる不穏な空気というか……。メタモンにもよく分からなかった。だけれど、とても悪いことが近いうちに起こるのではないかという予感をさせた。
メタモンには、もといた世界にいた、人間達からポケモンと呼ばれている同族であるものの、他の種類のポケモンと違い、予知夢のような能力があるわけじゃない。なのに悪い予感を感じてしまう。
それは…、きっとルイズに災いとなって降りかかるだろう。
そうなったら……、自分がすべきことは……。
「メタモン…?」
ルイズの声で、メタモンは我に返り、なんでもないと首を振った。
「それならいいけど…。なんか変なこと考えてないわよね?」
ルイズが口を尖らせてそう言ったので、図星だったメタモンは思わずビクッとなってしまった。
「? ちょっと? 何考えてたの?」
ルイズが、ルイズに変身しているメタモンの膝から顔を上げ、詰め寄ると、メタモンは大汗をかきながら違う違うっと慌てていた。
「丸わかりよ! 何考えてたのか教えなさい!」
メタモンがルイズにとって良くないことを考えていたのを見抜いたルイズは、ずいずいと詰め寄り、ベッドの端に追い詰めた。メタモンは、イヤイヤ!っと首を振るだけだ。
その時、コンコンっとドアがノックされた。
ドアの向こうから聞こえた声は、コルベールだった。
メタモンが軟体に変わってルイズの身体の隙間から逃げると、そのままドアを開けた。
「やあ、メタモン君! 時間があるかい? 時間があるなら、また戦闘機というので飛んでほしいのだけれど!」
「ミスタ・コルベール? ……あんな目に遭ってまた…。」
ルイズは、コルベールの図太さというか、研究熱心さに呆れていた。
ルイズを乗せた後、戦闘機を知りたがって鼻息荒いコルベールも戦闘機に乗せて飛んだのだが、初老の身体には負担が大きくすぐに音を上げてしまったのだ(※ゲロは吐いてない)。だが、科学というものに熱心なコルベールは自分に渇を入れて戦闘機の研究のため乗りたがった。なお、今回で三回目である。
「特注の酔い止めを飲んだから問題ない! さあ、メタモン君! 時間が許す限り!」
「メタモーン。イヤならイヤって言いなさいよ。」
メタモンは、ルイズとコルベールを見比べるようにキョロキョロと見て……、疲れるからイヤっとコルベールに断りの言葉を言ったのである。
「そ、そこをなんとか!」
しかし食い下がるコルベール。土下座しそうな勢いだ。
しかし、メタモンは断った。操縦する方は、ものすごい神経を使うためハッキリ言ってとんでもなく疲れるのだ。連チャンで頼まれたらたまったものじゃない。
「うう~む…、そうか…。では、今回は諦めるよ。でも、もし機会があればいつでも言ってくれ! 仕事なんぞほっぽり出して、這ってでも乗るからね!」
「いや、それは、さすがに教師としてダメですよ。」
さすがにツッコむルイズであった。メタモンも同意するようにウンウンと頷いた。
コルベールも、さすがに生徒とその使い魔にそう指摘されて、うぐっと言葉を詰まらせ、すまなかった…っと先ほどの言葉を撤回したのだった。
その後間もなくであろうか……、メタモンは、大形の鳥に変身してきた、タルブ近隣に棲む同族のメタモンから、タルブ村に新生アルビオンが攻めてきたという知らせをいち早く聞いた。
そして、窓に止まっているルイズのメタモンとは別のメタモンにキョトンとしていたルイズとコルベールを残し、メタモンはすごい速さで部屋から飛びだしていった。
「メタモン!?」
それに気づいたルイズが慌てて追いかけ、我に返ったコルベールも追いかけた。
メタモンはルイズに変身し、戦闘機に乗り込もうとしていた。
「何処に行くの!?」
『…タルブ……。』
「タルブって…、えっと…たしか…。」
ルイズは、思い出そうとする。そして思い出す。そこの地名は確か、メタモンのことを教えてくれたメイド、シエスタの故郷ではなかったか?
「そこがどうしたの?」
『アルビオンが……、レコン・キスタが…。』
「えっ? どうして? アルビオンはトリステインと不可侵条約を結んでるのよ?」
『破った……、今…森が…燃えてる。助けを、求められた。』
メタモンが辛そうにそう言っていると、先ほどの大形の鳥が飛んできて、メタモンと同じ軟体へと変わって見せた。
それに驚いたルイズが、ハッとして自分のメタモンを見ると、戦闘機の発進準備を進めていた。
「私も行く!」
『ダメ…。』
「あなただけ行かせるなんてできないわ! 使い魔をひとりでほっぽり出すなんてできない!」
「大変だぞ、ミス・ヴァリエール! 今、ラ・ロシェールの近隣がアルビオンの空中艦隊の侵略を受けているという情報が入った!」
コルベールが途中でその緊急連絡を他の教師から聞いて駆けつけてきた。
「メタモン君! 行くのかね?」
「私も行くわ! イヤだって言っても行くからね!」
「ミス・ヴァリエール!」
コルベールの制止も聞かず、ルイズは、戦闘機によじ登って、後ろの席に座ってシートベルトを付けた。
メタモンは、ウ~っと悩みながら、渋々風防を閉じ、戦闘機を発進させた。
轟音とジェットの風を吹かせながら広場から飛び立った戦闘機はまっすぐタルブ村へと飛んだ。
戦闘機が生み出す圧にシートに小柄な身体を押しつけられるような気分になりながら、ルイズは、気づかなかった。
肌身離さず持っていた水のルビーの指輪が光り、始祖の祈祷書が僅かに開いて、そこに呪文の文字が浮かび上がっていたことに。
メタモン、同族だけど、同じ世界に住んでた仲間ではないメタモンから助けを求められ、緊急発進。
次回は、vsレコン・キスタなどかな。