ゼロの使い魔×ポケットモンスター  仮題名『メタモン物語』   作:蜜柑ブタ

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メタモン、戦闘機での戦闘と、ルイズの覚醒。


メタモンと空中の戦争とルイズの覚醒

 

 音速で空を飛行する戦闘機の存在に、タルブの地を攻め入っていたレコン・キスタの艦隊や風竜の部隊が気づいたのは、トリステイン魔法学院に知らせが入って数分ほどであった。

 メタモンが操縦する戦闘機は、凄まじい音だけを残して風竜の横スレスレを通り過ぎる。それだけで、戦闘機の音速が生み出す音と空気の衝撃波の攻撃を受け、あっという間に風竜の部隊は陣形を崩し、間近で大音量を食らった者は耳をやられ、一部の風竜は恐れをなして騎手の制止も聞かず地上へと降りて身体を伏せてしまうほどであった。

 メタモンは、風防の内側から、タルブを見おろした。森は、一部が燃えた痕跡があったものの、辛うじて無事だったが、村は空中からの攻撃と上陸した陸軍にやられたのかすでにボロボロだった。

 果たして…、シエスタは無事なのだろうか?

「ひどい…。シエスタは、無事かしら?」

 ルイズもメタモンと同じ事を思ったのかそう呟いていた。

 メタモンは、風防の内側から目を細めて森の隙間を見た。

 その中に、手を振っているメタモンがおり、ジェスチャーや、身体の表面を変化させて文字を作り、村人は無事だとこちらに知らせてきていた。それを見てルイズのメタモンはとりあえずホッとし、まずは、タルブの空を支配している軍勢をどうにかすることに集中することにした。

『ルイズ。』

「なに? ……まさか…。」

 言われずともなんとなく察したルイズは、青ざめた。

『だから…、ダメって…。』

「分かってる! 存分にやりなさい! あの娘(こ)の故郷をメチャクチャにした奴らを懲らしめるのよ!」

『うん!』

 ルイズがヤケクソ気味に叫んだ途端、メタモンは、操縦桿を握り直して戦闘機の武装のセーフティを解除していった。

 そして、大きく旋回しつつ、陣形を建て直した風竜の軍勢に向けて飛んでいく。

 陣形のど真ん中に最高速度で突っ込んでいくと、そのスピードについて行けなかった風竜達の一部に激突し風竜の翼がへし折れて墜落、衝撃波により通り過ぎただけでかなりの数の風竜が吹っ飛んでいった。

 風竜に乗っているメイジ達が音でやられながら、体制を崩されて不安定な風竜に乗った状態で必死に魔法の呪文を唱え、風竜の部隊のド真ん中を通り過ぎた後大きく旋回して再び迫ってこようとしている戦闘機に向かって魔法を放とうとして……、放てなかった。

 ドンッという大きな衝撃の後、下を見ると、風竜の胴体に大きすぎる大穴が空いていて、死んだことを理解できないまま風竜は騎手と共に墜落していった。墜落していく中、騎手は他の風竜も同じように穴を空けられて死んで墜落していく姿を目撃した。

 墜落する間際、せめて傷ひとつでも!っと悪足掻きをして魔法を放つメイジもいたが、音速による衝撃波の壁が邪魔をして氷も風も通さない。

 その間にも機関砲が放たれ、一発も外さず空を支配下に置いていた風竜の部隊に叩き込まれる。

 あらかた片付けた後、今度は空に停泊している艦隊に目標を定めた。

 人工により作られた電磁砲を充電し、空中戦艦の一機の上を通り過ぎる際に置き土産のごとく破壊の雷の塊を落としていく。

「うぉえええ……。」

 ルイズは、メタモンが操る戦闘機の後ろの席でグロッキーになっていた。まだ吐いてない。けど、そろそろ限界だった。だが止めることはできない。無理矢理ついてきたのはルイズなのだから。それは分かっている。

 ルイズは、必死に精神力を振り絞って耐える。メタモンの足は引っ張りたくない。だが、自分がここにいても無意味なのも理解している。

 不意に逆さまになった。宙返りだ。

 ルイズは、声にならない悲鳴をあげかけて耐え、その際に手元から離しかけた祈祷書を持ち直した。

 その際にページが開き、宙返りが終わった後、視線が落ちたときになってやっとルイズは、祈祷書に浮かび上がった文字に気づいた。

 一方でメタモンは、困りだしていた。

 というのも、敵艦隊が多すぎるのだ。

 電磁砲は、空中艦を壊せる。だが大きい艦を破壊して戦闘不能に陥らせるには至らない。しかもエネルギー消費が大きすぎる。つまり燃料が、ヤバい。

『燃料が…。』

 そのメタモンのぼやきをルイズは、しっかりと聞いた。

「メタモン…、私に任せてくれる?」

『?』

「もしかしたら……、やれるかも。私がなんとかするから、あなたは時間を稼いでくれる?」

 メタモンが振り返ると、ルイズは、杖を手に、もう片手に文字が浮かんだ祈祷書を手に覚悟を決めたような顔をしていた。

 メタモンは、ルイズのその様子に何かを感じ、頷いた。

 ルイズは、呼吸を整え、呪文を唱え始めた。

 

 

 エオルー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ

 オス・スーヌ・ウリュ・ル・ラド

 ベオーズス・ユル・スヴュエル・カノ・オシェラ

 ジェラ・イサ・ウンジュー・ハガル・ベオークン・イル

 

 

 その呪文を、メタモンは、知っていた。

 

 そう……、初めてルイズと出会ったあの野原でルイズを見た瞬間にコピーした、ルイズの中にあった……唯一の魔法。

 けれど、メタモンの“目”でも一部しか見えなかった呪文の、ソレ。

 その魔法の名は……。

 

 

「エクスプロージョン!」

 

 

 ルイズが風防内から杖の先を艦隊の中心に向けた瞬間。

 巨大な火球が現れ、それは徐々に膨れ上がり、すべての敵艦隊を包み込み、光りが晴れると全ての艦隊が燃えていた。

「……やった…。」

『ルイズ!』

 ぐったりとシートに背を預けたルイズを見て、メタモンは、慌てて戦闘機を焼け野原に着陸させた。

「やったわ、メタモン……、私、やったのね…?」

『うん、うん!』

 風防を開け、シートベルトも外して、ルイズを引っ張り出すように抱き上げながらメタモンは、頷いた。

「メタモンさん! ミス・ヴァリエール!」

 そこへ、森の方からシエスタが走ってきた。

 シエスタの後ろの方から、森に住んでいたらしい野生のメタモン達がウニョウニョとやってきて、ルイズのメタモンを讃えるように動いていた。

 

 

 

 




メタモンの“目”では、ルイズの中に最初から宿っていた攻撃の魔法としてエクスプロージョンが見えてたけど、未覚醒なため、呪文の全ては見えてなかった…っということで。そのため土くれのフーケ編の時に、呪文の冒頭しか唱えられなかった。

これ以降、ルイズに変身してならメタモンは、呪文を全部唱えられるようになります。
ただし、威力などはメタモン自身のステータスに依存するので威力はルイズよりもずっと低いです。
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