ゼロの使い魔×ポケットモンスター 仮題名『メタモン物語』 作:蜜柑ブタ
ネタ詰ってたけどなんとか書けました。
令和元年の最後の投稿は、これで最後ですね。
アルビオンが不可侵条約を自ら破った。
それは、人間社会に激震を走らせる。
それは、石を投げ込まれ水面に発生した波紋のように広がり、沈んでいった石のように水底の沈殿物を巻き上げる。
それは、戦争と呼ばれる悲劇の始まり。
メタモンは、オロオロしていた。
ルイズがベッドで枕を抱えてふて寝している。
机の上には広げられた手紙。
それは、ルイズの実家からの手紙だった。
要約すると、実家に帰ってこいという内容である。
アルビオンが宣戦布告を宣言した今、トリステインは同盟を結んだゲルマニアと共にその侵略に対抗しなければならない状況である。つまり力あるメイジ達が徴兵されるのだ。それは、学院の生徒にも重くのしかかる責任であり、それは力ある者達に負わされた責務と言えよう。
これにたいしルイズの実家であるヴァリエール公爵家が取ったのが、末っ子の娘であるルイズを徴兵から逃れされるための実家への帰省だった。
まだヴァリエール家には知られていないが、ルイズがタルブの地を荒らしていたアルビオンの艦隊を覚醒した系統である虚無の力をもって全滅させているので、それを知っているアンリエッタ達からしたら絶対に力になって貰いたい、そしてルイズのメタモンが操縦できる戦闘機の存在も大きく、いまだ空の戦力を保持するアルビオンに対抗できる戦力として数えられているのもある。
しかし伝説の魔法の系統。いまだ未知数であり、あの時の巨大な爆発がルイズが起こしたと知れれば敵がどのような手段に打って出てくるか分かったものではない。なのでルイズの虚無については極秘とされていてそれは王家と親密な関係にあるヴァリエール家にすら知られせていないのだ。どこから情報が漏れるか分かったものじゃない。信用していないわけではないのだが…。
「メタモン…。私、決めたわ。」
するとルイズが起き上がった。
メタモンがルイズに変身し、言葉を待った。
「私、志願する。」
それは、ルイズにとって大きな決断だった。
アルビオンへの密命で見せたビクビクはなりを潜めているが、メタモンは心配そうに彼女を見つめた。
「そんな顔しないでよ。…決心が揺らいじゃうじゃない…。」
それはメタモンにとって願ったり叶ったりだった。メタモンとしては、ルイズに志願兵になってほしくはなかったからだ。
「他のみんなが戦いに向かおうって時に…、実家に帰って指くわえて待ってるなんて…できないから…。」
それを聞いてメタモンは、ハッとした。
ルイズは、同級生達が従軍するのを見ているのが辛いのだ。偉い地位の娘だからという言い訳で彼らの命が散っていくのが悲しいから……。
メタモンは、思わず俯き、ごめん…っと呟いた。
「なんで謝るの?」
『…ルイズには……戦って欲しくなかったから…。安全なところにいて欲しかったから…。』
「……ありがとう。」
ルイズは、メタモンのその素直な気持ちが嬉しかった。
『僕も…戦う!』
「メタモン…、ありがとう。」
ギュッとルイズを抱きしめてきたメタモンを、ルイズは半泣きになりながら抱きしめ返した。
「…まずは、説得ね。」
涙を拭いたルイズが、意を決したように呟く。
しかし、すぐに青ざめたりする。よっぽど実家が怖いのか…?
「ぅう…、絶対反対されるぅ……。」
『内緒にはできないの?』
「い、一応、言質だけでも取らないと! 反対されるのは百も承知だけど形だけでもよ!」
『…絶対反対されるよ?』
「それでも伝えないといけないの! 私だっていつまでもちっちゃいルイズじゃないんだから!」
ルイズは、頑なだ。これは、テコでも動きそうになさそうだ。
「でも、……うーうーうー…、どうしよう…。」
ルイズは、必死に考えている。
『ルイズ。頭冷やせば良い考えが……。』
「そうね、そうよね。ありがと。」
メタモンは、プスプスと頭から煙を出しそうなほどパニックっているルイズの頭を撫でたりして宥める。
そしてルイズは、井戸に行く。
冷たい井戸水で頭を冷やしていると。
「ん? なんでこんなところにワイン?」
いかにも今冷やしてますって感じで桶にワインの瓶が入っていた。
冷たい井戸水で頭を塗らしたはいいが、今だパニックが治まらないルイズは…。
「……こんな一目のある所に置いているのが悪いのよ!」
ヤケクソ気味にワインをグビリっと。
『ルイズ~、タオル~。』
そこへタオルを持ったメタモン。そして、それに反応したルイズがそちらを見た。
「あーーーーーー!!」
っと同時に、モンモランシーの悲鳴。
ルイズの目が、トロンッとなる。
『? ルイズ~?』
「め……。」
『?』
「メタモ~~~ン。」
『うひゃっ!』
タオルを持ったメタモンに飛びつくように抱きつくルイズ。尻もちをつきながらルイズを受け止めたメタモンは、キョトンとする。
どうしたの?っとメタモンが聞きつつ、ルイズの濡れてる頭をタオルでゴシゴシと拭く。
ルイズは、ギューッとメタモンに抱きついている。
「ああ…、なんてこと…。ああ…、私がせっかく…。」
『?』
メタモンがどういうこと?っと言いたげにモンモランシーの方を見た。
そして、メタモンは、ヒクヒクと鼻を動かし、微かな異臭を辿った。
異臭を放っているのは、ルイズが先ほど飲んでいたワインだ。今は投げ出されて地面に転がっており、中身が流れ出ている。異臭はそこからしていた。
何の匂い?っと思いつつ、ルイズの異変とモンモランシーの様子、そして異臭の正体を必死に分析する。
『……あっ。惚れ薬?』
メタモンは、異臭の正体を分析して理解して、ポンッと手を叩いた。
モンモランシーは、言われてヘナヘナとその場にへたり込む。ギーシュに飲ませるはずだったのに…っとヨヨヨ…と泣く。
その様子を見てメタモンは、思い出す。そういえばギーシュといえば自分にいわれの無い喧嘩をふっかけてきた男子生徒じゃなかったかと。そしてモンモランシーは、そんな彼に愛想を尽かして泣きながら去って行った彼女じゃなかったかと。しかしどうやらモンモランシーは、そのギーシュのハートを無理矢理にでも掴もうとして惚れ薬を盛ろうとしていたらしい。それをルイズが飲んじゃった。そして今に至る。
『……ルイズ。』
「なぁに? メタモ~ン?」
ルイズに変身しているメタモンの胸の上で顔をすり寄せていたルイズが、頬を染めた状態でうっとりと聞いてきた。
メタモンは、性別が無いし、そして何より人間じゃ無いけど思った。
これは、完全に恋する顔だと。
『どうしよう?』
「ね~え、メタモ~ン? 私のこと好き?」
『ルイズの…うっかり屋さん…。』
酒の力も手伝ってほっぺた真っ赤で目をトロンとさせているルイズの様は、普通の男ならイチコロだろう。
メタモンは、性別が無いし、そして何より人間じゃ無いけど思った。
惚れた相手が自分でよかったと……。
じゃなきゃ、ルイズがそこらの男にあんなことやこんなこと…。
想像してメタモンは、ギュッと守るようにルイズを抱きしめたのだった。
メタモンの繁殖方法ってどうなんでしょうね?
メタモン同士だと仲が悪いって聞くし……。それとも繁殖期があるのか、それとも分裂するのか……。
このネタのメタモンは、性別が無いし、そもそも人間じゃないため惚れ薬でラリッてるルイズの魅力にはドライな感じ。むしろ守らなきゃ!って感じかな?