ゼロの使い魔×ポケットモンスター  仮題名『メタモン物語』   作:蜜柑ブタ

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屍のウェールズ編。

一話で終わらせました。


メタモンがワルドとの戦いで得たヒントを糧に、メチャクチャやってます。
注意!!


メタモンは、愛を理解できない

 帰って早々、モンモランシーに急ピッチでルイズのために惚れ薬解除薬を制作させた。

「で…、出来たわよ…。」

 ヘロヘロのモンモランシーが匂いの強い薬が入った小さな壺をメタモンに渡した。

 さあ、あとはルイズに飲ませるだけだっと、ルイズに壺を見せると、ルイズは嫌そうに顔を歪める。

「それ、臭い。」

「なにかに混ぜた方が良かったかもしれないな。」

 ギーシュが今更そんなことを言った。

「ねえ、メタモン…。それより、私…あなたとの子供…。」

『ダメ。』

「なんで…? 私って相手として不足?」

『繁殖期じゃないから。』

「そこ!? 言うことソコ!?」

 モンモランシーがたまらずツッコむ。

「繁殖のための相手としてはOKなんだね!? メタモンくん!」

 なぜか興奮気味のギーシュ。

「でも、シエスタが…。」

『ダメ。ルイズは、今…薬で変になってる。健康じゃないとダメ。』

「む~~~。」

 ふるふると首を横に振って壺を押しつけるメタモンに、ルイズはほっぺたを膨らませる。

 健康なら…OKなのか…!っと、ギーシュが目を血走らせて興奮しているので、モンモランシーが脇腹をど突いた。

「じゃあ、これ飲んだら、子作り…。」

『……。』

 期待してくるルイズからの視線に、メタモンは困る。

「うぅ…くっさ~い。」

 ルイズは、臭さに苦しみつつ、眉間にしわを寄せながら必死になって薬を飲んだ。

 そして、ゴクンッと薬が喉を通過する。

 すると……、さっきまで色欲で潤んでいた目と赤面していた顔が変わっていく。

 ああ…、やっぱりっと、メタモンは、自分の額を押さえた。

「メタモン……。」

『……うん。』

「ギーシュ、モンモランシー…。」

「な、なんだね?」

「な、なに?」

 嫌な予感を二人は感じ背筋がゾワッとなった。

 次の瞬間、ルイズが杖を構えた。

「お願い…、消し飛んで!」

「おおおおおおお、落ち着きたまえ! 黒歴史なんて誰でも一つや二つ…。」

「そ、そそそそ、そうですわ!」

「いいから消えて!」

「助けてくれ! メタモンくん!」

『…無理。』

 その後、ギーシュとモンモランシーは、爆発魔法を放ちまくるルイズに追い回され、キュルケとタバサが止めに入るまで追われガチで死ぬかと思ったとか。

 メタモンの方はというと…、なんだかんだでルイズの怒りの矛先にはならず、むしろ、ごめんね…っと謝られていた。これについて殺されかけたギーシュとモンモランシーは、不服を申し立てが…。

「人じゃないのに迫ったのは私よ…。ホントにごめんね、メタモン…。」

 っと、メタモンに甘いことを言ったので呆れられたのだった。

 メタモンはメタモンで、薬のせいだから気にしてないよっと安心させるように笑って言ったのだった。

 そんなメタモンのさっぱりさに、ギーシュは、いくら変身できてもやはり異種なんだな…っと残念そうに見ていたため、またモンモランシーにど突かれた。

「そういえば、変な一団がいたわね…。あれって、ウェールズ皇子じゃなかった?」

「えっ?」

 ふとキュルケが言った言葉に、ルイズとメタモンが反応しそちらを見た。

「たぶんそうよね。あんな凜々しい殿方なんてそうそういないわよ。」

「ど、どこで…?」

「ラグドリアン湖近くでよ。すれ違ったわ。」

『皇子様は…。』

「そうよ…、あの方はもう…。まさか…!?」

 ルイズはとてつもない嫌な予感がした。

「アンドバリの指輪! そうよ! それがあれば…。」

「ルイズ?」

「ねえ、モンモランシー! そうよね!? アンドバリの指輪は、水のマジックアイテム! 偽りの命を死体に与えるって言われてるんでしょ!?」

「え、ええ…。」

「もしそれがアルビオンにあるんなら、利用しない手はないわよ! 姫様が危ない!」

『?』

「だって、ウェールズ皇子と姫様は!」

『あっ…。』

 そうだったっとメタモンはやっと合点がいった。

 ルイズと共に赴いたアルビオンにて回収することを命じられたのは、アンリエッタからの恋文だったからだ。

 アンドバリの指輪の力を用いて、ウェールズの死体を蘇生させて人形にしたならば…、それを向ける相手は…。

 

 突然の非常事態にタバサのシルフィードを借りて城へ急行。

 

 その途中の空から見えたのは…、アンリエッタらしき女性を抱えたウェールズ皇子と不気味な雰囲気を纏った兵士達を乗せた馬の一団だった。

 

「姫様!」

「タバサ! 降下して! 追うのよ!」

「ん…。」

 シルフィードが低空飛行し、ウェールズの一団に迫った。

 彼らを追っていたのはなにもルイズ達だけじゃない。異変に気づいた城の魔法兵士達も追ってきていた。

 その一団とシルフィードに向けて、竜巻や様々な魔法が襲う。それをタバサは、早い判断で魔法で相殺しつつシルフィードを上昇させて回避したが、城の魔法兵士達はやられて乗っていた馬やヒポグリフごと倒れていった。

『エクスプロージョン!』

 メタモンがウェールズ達の前方に向けて、エクスプロージョンを使い道を爆破させて進行を妨害した。

 最前列を走っていたアンリエッタを抱えていたウェールズを乗せていた馬がひっくり返り、ウェールズがアンリエッタもろとも地面に転がる。

「姫様!」

 シルフィードが降下し、ルイズが飛び降りて駆け寄ろうとすると起き上がったウェールズの動く死体が瞬時に風の魔法を完成させてルイズに放った。それを横からメタモンが飛びつき二人は転がりながら避けた。

 アンリエッタは、気絶しているようだった。そんなアンリエッタを抱き寄せた状態でウェールズが微笑む。笑い方まで生前と同じなのが恐ろしい。

「あなたは…、死体ですね…? 皇子…。」

「そう見えるかい?」

「私は、この目であなたが死ぬところを見ました。どれほど言い訳を言われましてもこの目に刻まれたあの光景は消せません!」

「ふふふ…。君は、もしや僕がアンリエッタを騙して攫ったと思っているのかい?」

「えっ…?」

 ルイズが一瞬固まったとき、アンリエッタが目を覚ました。

「ウェールズさま…。」

「ああ、僕の可愛いアンリエッタ。怪我はないかい?」

「ええ…。」

「ひ、姫様…?」

 ルイズの声を聞いてアンリエッタがハッと我に返る。だがウェールズに寄り添うように。

「行かせて…、ルイズ…。」

「なにを…?」

「私達を行かせてほしいの…。お願い…。」

「なにを言われてるんですか!? そのウェールズ様は…。」

「例え…そうだとしても!」

 アンリエッタが叫ぶ。

「なにもかもを捨ててでも選びたい未来があるのです!」

「それがトリステインを裏切ることでもですか!」

「そうです!」

 ハッキリと叫んだアンリエッタの言葉に、ルイズは絶句した。

「ルイズ、あなたは本気で誰かを愛したことがないのね…。例えウソだとしても、ウェールズ様は誓ってくれた…、永遠の愛を…。自分の気持ちに…、嘘をつきたくないのよ。」

「ひめ…さま…あなたは…。…メタモン?」

 王家の者でもなんでもなく、ただただひとりの女としてそう言葉を出すアンリエッタから庇うようにメタモンが前に出た。

 ルイズに変身しているその顔には、強い意志が宿っている。主人を…守らなければならないという。

「待って! メタモン!」

 メタモンがなにを考えているのか悟ったルイズが止めようとするが、メタモンが手を伸ばして制した。

 そしてあっという間にワルドの姿へと変わる。

『ユビキタス・デル・ウィンデ!』

 擬態で作られた手と一体化したワルドの杖を掲げ、メタモンが唱える。そしてメタモンの姿が複数に分かれた。

「あくまで…、引かないということですわね…。」

「姫様…、お願いです…、お戻りください。今なら、まだ間に合います!」

「もう…遅いのよ…ルイズ…。」

「まさか!」

「いいえ…、わたくしは手を下してはいません…。ですが、これより手を下しましょう。」

「ありがとう、僕の可愛いアンリエッタ。さあ、僕らの愛を邪魔する相手を排除しよう。」

「はい…。」

「っ…、メタモン…! お願い…。」

『うん!』

 悲痛な表情を浮かべ俯くルイズの言葉にメタモンは強く頷く。

 すると雨が降ってきた。まるでこれから始まる悲しき戦いに反応するかのように。

「見なさい! この雨を! 雨の中、水の魔法に勝てるとでも!」

「天は僕らに味方をしているようだね。」

 しかしメタモンは、ジッと二人を見つめているだけで動かない。まるでその時を待っているように。

 二人が詠唱を合わせ始める。それは、王家に伝わるヘキサゴン・スペル。風と水が混じり合い巨大な水の竜巻が形成され始める。

 するとメタモンは、それにリズムを合わせるように偏在達と共に詠唱を始めた。

 それは、同じ分身だからこそできる息の合った動き。そして何より…、メタモンという規格外の相手の分析・解析能力がなせた恐ろしい技。

『ユビキタス・デル・ウィンデ!』

 メタモンは、更に偏在を増やし、コピーして覚えたヘキサゴン・スペルを利用し魔法を重ねる。

『おいおいおーい、やべぇぜ、娘っこ。相棒の奴、あの姫さんごと潰す気だぜ。』

「め、メタモン! や、やり過ぎよ!」

 デルフリンガーの言葉にルイズが焦るが、しかしメタモンは集中しすぎていてまったく聞いてない。メタモンだけがなせると言っていい大技によりウェールズとアンリエッタの風と水の竜巻を越える、ライトニング・クラウドまで混ざって雷まで帯びた巨大な風と水の竜巻がぶつかろうとしていた。

「……これは、不味いな…。アレを喰らえば、死体も残りそうにない…。この大きさ…逃げられそうにないな。」

 さすがの生きる死体のウェールズも、ヤバいと感じたらしい。事態に気づいたアンリエッタも、焦りを見せ、ウェールズの腕に抱きついて目を硬くつむった。

 ど、どうしたら!?っとルイズが焦っていると、デルフリンガーが祈祷書を開けと叫んだ。

「な、なによ!?」

『虚無の魔法を使うんだよ! 相棒の魔法もろともあの皇子さんを止める魔法があんだよ!』

「ど、どこ!?」

『落ち着きな! 浮かんでくるはずだ!』

 言われるまま焦りながら祈祷書を開くと、水のルビーが光った。

 そして真っ白な祈祷書のページに魔法の呪文が浮かび上がる。

「ディスペル…マジック?」

『そいつだ! それだぜ! 早くしろ!』

「分かってるわよ!」

 ルイズは、焦る気持ちを必死に押さえながら呪文を詠唱する。これで失敗したらアンリエッタが死ぬ!

 メタモンは、あくまでも主人の敵を倒そうとしているだけだ。ただそれだけなのだ。

 アンリエッタがどういう立場であろうとも、ルイズを悲しませる敵ならば容赦はしない、という気持ちだけで動いているだけなのだ。そこに人間的な感情とか感傷とかいうものはない。

 人が持つ愛という感情を理解できぬがために容赦なく作り上げられ、今まさに放たれようとしているメタモンが作り上げたヘキサゴン・スペルによる竜巻が二人を襲おうとした直後、ルイズの魔法も完成した。

「ディスペル・マジック!」

 ホント…、ギリギリだった。竜巻に含まれていた雷(ライトニング・クラウド)の一部がアンリエッタの寝間着の一部を焦がす程度にはギリギリだった。

 メタモンは、魔法を放った余韻と、自分が完成させた大技が一瞬で消えたことにポカーンとなる。そして偏在が消えた。

『ギリチョップだったな…。あと2秒遅かったら確実に運が良くて大怪我だったぜ。』

 ハーハーっと焦りのあまり過呼吸になるルイズに、デルフリンガーがそう言った。

 メタモンが我に返り、そんなルイズに駆け寄ると、へたり込んでいたルイズからアッパーカットを受けて倒れたのだった。

 なお、殴られて倒れる直後まで、メタモンは、なぜ殴られたのか分からずハテナマークを頭に浮かべていたのだった。

 

 そして、メタモンが気絶している間に、ウェールズはルイズのディスペル・マジックの効果でアンドバリの指輪の呪縛から解放されており、死体に戻りながら正気を取り戻し、泣き崩れるアンリエッタの腕の中で別れを告げ、その死体はラグドリアン湖に沈められて葬られたのだった。

 なお、アンリエッタがトリステインを捨ててまでウェールズと逃避しようとした件は、現場にいたルイズの心にしまい込まれることになり、城の者達に伝わることは無かった。

 

 

 

 




呪文を完成させ、強化していくことに集中しすぎてルイズの言葉が届かず……、危うくアンリエッタを殺しかけたメタモンさん…。
ヘキサゴン・スペルは、二人を見て分析・解析してコピーした。これだ!っと思って使用。


この回ねぇ…、原作読んでて思うが、アンリエッタの気持ちは分からないでもない…。
でも、愛に狂って女王としての責務を全て放棄したのはどうかと…。まあ、いくら王族でもしょせんは人間ってことが描かれてるのかな?
うーん…。
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