ゼロの使い魔×ポケットモンスター  仮題名『メタモン物語』   作:蜜柑ブタ

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土くれのフーケ編。


エクスプロージョンの呪文の一部を、メタモンが詠唱。


メタモンと不思議な木の実の玉

 

 土くれのフーケは、ルイズが起こしてしまった爆発の混乱に便乗して宝物庫を荒らしたと思われる。

 本塔の壁に叩き付けられて気絶していたルイズとメタモンは、保健室に搬送された。

 数十分程度だろうか、目を覚ましたルイズは、何があったのか分からず、同じく目を覚ましたメタモンを連れて何があったのか聞こうと教師を探した。

 すると、廊下の曲がり角でヒソヒソ話が。

 思わず隠れてそのヒソヒソ話に耳を傾ける。

 

「…土くれのフーケの討伐命令をオスマン師が掲げられたって…。」

「無理だ…。土くれのフーケほどのメイジを相手にするなんて…。」

「それにしても、ミス・ヴァリエールにも困ったものだな。なぜあんなところで爆発の魔法なんて使っていたんだ?」

「ああ、きっと練習のつもりだったのだろうな。しかし、その混乱に便乗して土くれのフーケの侵入を許したことが王宮に知られたら…。」

 

 ルイズは、それを聞いて目を見開いた。

 あのいつもと違った爆発がかなり大きな混乱を招き、そのせいで最近巷を騒がせている盗賊・土くれのフーケが学院に侵入したのだと理解したからだ。

「ど、どうしよう…。……メタモン?」

 ルイズが青ざめて慌てていると、メタモンがルイズに変身して、ルイズの肩をポンッと叩いた。

 そして指で示す。

 まるで行こう!っと言いたげに。

「……どこって…まさか?」

 するとメタモンがウンウンと頷いた。

 ルイズは、ますます青ざめた。

「む、無理よ! ダメに決まってるじゃない! 単独で土くれのフーケの討伐になんて行ったら、それこそ重い処分が下るかも知れないわよ! そ、そりゃ、私のせいだって分かってるけど。って、ちょっとぉ!」

 焦るルイズの手を握り、メタモンがグイグイっと引っ張って歩いた。

 そして学院長室に来る。

「メタモ~~ン!」

 そして学院長室の扉を遠慮なくメタモンが開け、中で会議をしていたオスマン達がビックリした顔をした。

「どうしたのかね? ミス・ヴァリエール。もう身体は大丈夫なのか?」

「あ、あの…えっと…。」

「ミス・ヴァリエール! 土くれのフーケの侵入は君の責任だぞ! 分かっているのかね!?」

「ギトー! 口を閉じろ!」

「しかし!」

「では、これより、土くれのフーケの討伐を任務とする。我と思う者は杖を掲げよ!」

 しかし、誰も上げない。

「どうした! それでも貴族の子供らの手本としている教師か!? 当直の件といい、責任のなすりつけあいをしていて、それが子供らに物を教える大人の手本となるか!?」

 オスマンの怒声が響く。

 そんな中、メタモンが手を上げた。

「む? …お主は…、おお、ミス・ヴァリエールの使い魔の方か。まさか志願するというのか?」

 オスマンが聞くと、メタモンは、ウンウンと頷いた。

「め、メタモン…。」

「しかし、お前さんひとりでは、心許ないじゃろうて。誰か、共に行く者が必要じゃろう。」

「では、私が!」

 コルベールが杖を掲げた。

「メタモンくんに死なれては、とても困るので。」

「…あ、あの、ならば私も行きます!」

「ミス・ヴァリエール! 君は生徒じゃないか!」

「今回の件は私の責任です! そしてメタモンは、私の使い魔ですから!」

「ふん…、最初からそうすれば…。」

「ギトーくん。志願もしていない君が言う言葉では無いぞ。」

「うっ…。」

 オスマンに睨まれ、ギトーは悔しげに顔を歪めた。

 

 

 そして、オスマンの秘書・ロングビルの案内で、土くれのフーケが潜伏していると思われる場所へと馬車で移動した。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 うち捨てられた小屋。

 そこに土くれのフーケと思われる不審人物がいたという目撃情報があったらしい。

「では、私が見てこよう。」

 そう言ってコルベールが抜き足差し足で小屋に近づき、周りの気配を魔法で探知し、人がいないのを確認したら、合図を送ってきた。

 小屋に入ると、そこには……、半分が赤、半分が白の奇妙な球体があった。大人の掌に乗るぐらいの大きさだろうか。大きすぎず小さすぎずだ。

「これが、不思議な木の実の玉?」

「うむ、おそらくそうだろう。」

「木の実にしては……。」

 なんか変。っというのがルイズの印象だった。

 すると、メタモンがその木の実(?)に触った。

 カチッと音がし、赤っぽい光が放たれ、メタモンが吸い込まれて消えた。

「ええーーーー!?」

「メタモンくん!?」

「メタモン? メタモーン!」

 ルイズが慌てて、木の実(?)を揺さぶってメタモンの無事を調べようとしたら、カチッとまた音が鳴って、パカッと紅白の境目が開き、赤い光が出て、メタモンが変身が解けた状態で飛び出した。

「メタモン! だいじょうぶ!?」

「むむ? 今のは一体…? こ、これは?」

 コルベールがデイテクト・マジックを使い木の実(?)を調べてみると……。

 

 

 登録モンスター:メタモン

 

 持ち主:ルイズ

 

 

 っという情報が抽出できた。

「うむ…、これは…。ミス・ヴァリエール、どうやらこのマジックアイテムは、君の物になってしまったようだね。」

「どういうことですか?」

「デイテクト・マジックを使ってみたら、このマジックアイテムに登録されたモンスターは、メタモンくん。そしてその持ち主は、ミス・ヴァリエールの名となっているのだ。」

「ええーーーー!? メタモン、なんてことしてくれたのよ!」

 ルイズは、驚き、メタモンを叱った。

 っとその時、外の方で地響きがした。

 外へ出ると、そこには巨大な土のゴーレムがいた。

「逃げなさい!」

「し、しかし!」

「君では相手にならない! 私が隙を作る! その隙に、マジックアイテムを持ってメタモンくんと逃げなさい!」

「こ、ここで逃げたら…、貴族じゃありません!」

 ルイズは、竦みそうになる足を叩いて奮い立たせ、杖を土のゴーレムに向けた。

「なんとか…なんとか、アレ…を、当てられれば…。」

 アレとは、エクスプロージョンのことだ。

 いつもと違う爆発の現象だったうえに、威力が凄まじかった。

 あれを当てられればこの土のゴーレムも一撃で粉砕できるはずだと思い、ルイズは、エクスプロージョンと唱えようとした直後、ルイズに変身したメタモンに掴まれ、その場から跳んで転がった。

「ちょ、メタモン!」

 メタモンは、バッと指さした。そこには、コルベールがいる。コルベールごと爆破する気だったのか?と言いたげだ。

「あ…。」

 そうだ、あの爆発で、本塔に自分達は叩き付けられたじゃないか。もしあの場で放っていたら自分達もコルベールも無事じゃすまなかった。

「ごめんね、メタモン…、私、どうかしてたわ。」

 そう謝罪したルイズを見て、メタモンは、ニコッと笑い、ルイズを助け起こした。

 そして、ルイズが杖を握る手に自分の両手を添え、顔をルイズの顔の横に付けるように近づけた。

「メタモン?」

『……エオルー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ…。』

「メタモン…?」

『……エオルー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ。』

 それは、まるでその言葉を唱えてくれと復唱される。

 メタモンは、その言葉を繰り返しルイズの耳元で囁きながら、ルイズの杖の先を、土のゴーレムの真ん中の胴体へ向ける。

「…土のゴーレムの中心を狙えって事ね…。分かったわ…。」

 フー…っとルイズは呼吸し、集中した。

「……エオルー・スーヌ……、フィル・ヤルン…サクサ。」

『エクスプロージョン!』

「エクスプロージョン!」

 その呪文をルイズが唱えた後、二人は同時にエクスプロージョン、と唱えた。

 杖の先から、小さな火球が飛び出し、土のゴーレムの胴体の中心に着弾すると、膨れ上がりながら土のゴーレムを抉っていき、最後に爆風を放って土のゴーレムを粉みじんにした。

 コルベールは、だぼついた袖で顔を庇いつつ、あの巨大な土のゴーレムが一発で粉砕されたことに驚いていた。

「ミス・ヴァリエール! 今…何を?」

 コルベールがそう言ってくるが、ルイズは、ペタンっとその場にへたり込んでいた。

「…ウソでしょ…。」

 あまりのことに信じられず、力が抜けたのだ。

 その直後、ルイズに変身してるメタモンの背後をロングビルが取り、ナイフを突きつけた。

「メタモン!」

「メタモンくん!」

「さあ、あの変な木の実(?)を持ってきな。でないと、このわけの分からない使い魔の首がなくなるよ?」

「ま、まさか…。」

「そうさ。私が、土くれのフーケさ。アレの使い方が分からなくてねぇ、だから利用させてもらったよ。さあ、使い魔が可愛ければ、さっさとあの木の実(?)を…、ゴホォ!?」

 次の瞬間、ロングビル、改めフーケがくの字になって吹っ飛んだ。

 腹を押さえ、転がった彼女の上に、背中から別の腕を形成してフーケの鳩尾を殴ったらしいメタモンが飛びかかり、岩に変身して、腹の上にのしかかった。

 フーケは、グェっと潰れたカエルのような声を漏らし気絶した。

 ルイズとコルベールは、一連の流れにポカーンとした。

 しかし、コルベールがハッと我に返り、慌ててロープを持って来て、気絶したフーケを縛った。

「お手柄だ、メタモンくん。」

 コルベールがメタモンを褒めたが、メタモンは、岩からルイズの姿になり、ルイズのもとへ向かった。

 メタモンは、ニコニコ笑いながらルイズに抱きついた。

『お疲れ様、ルイズ。』

 っと、ルイズの声で、けれど口調が子供っぽく言ったのだった。

「…しゃ、喋れるなら喋れるって言いなさいよ、バカ!」

 ルイズは、赤面してウガーっと怒ったのだった。

 

 

 その後、馬車に縛ったフーケを乗せ、学院に帰り、不思議な木の実の玉がルイズの物になってしまったと報告。

 それを聞いたオスマンは、それならしょうがないと言って、木の実(?)をルイズにあげようと言い出した。

 

 

 

 




主人の名誉回復のため、行動を起こしたメタモン。

土くれのフーケ編は、どうねじ込むか悩みました。
結果、こういう強引な形にしました。


たしか、呪文の詠唱が長いほど威力が上がる…でしたっけ?
ゼロの使い魔の魔法は。

なので、詠唱の一部を使うことで、射程距離が伸び、土くれのフーケの巨大な土のゴーレムが一発。
なお、ルイズがまだ虚無に目覚めてないため、メタモンが制御を補助しています。
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