彼らの運命が交わる日は、まさしく神のみぞ知る
とある人の三次創作です。本人の許可を得て創作しております。だいぶ、元の作品と違うかもしれませんがそこは三次創作という事でご了承下さい
◇◆◇
自室の窓から燦々と朝日の光が降り注ぎ、目を開けた
「ん、いま何時だ?」
起きたばかりで平時と比べ、ふらふらとしている頭をなんとか動かし、備え付けの壁掛け時計に目を向ける
「ん?………不味い!」
七時半だと!?
目覚ましは…あ、止まってる
「って見てる場合じゃない!」
部屋の鍵を開けて下に降りようとする
「鍵~鍵~と、あれ俺、昨日鍵閉め忘れたか?」
ま、いいか。そんなことより先を急がなくては!
◇◆◇
階段を降り、下の階に着くとリビングには青色の混じった特徴的な黒髪をショートカットにした俺こと
「あ、お兄ちゃん遅いお目覚めだね~」
遊梨はどことなく悪戯好きな子猫を思わせるにやにや笑いをしながら俺に話し掛ける
「遊梨!なんで起こしてくれなかったんだよ!」
「えー、何回も起こしたけどお兄ちゃん起きなかったじゃん。これだからごみいちゃんは………」
「マジか、っておいまて俺の目は別に腐ってないぞ?」
「別にいいじゃん。ってか、そろそろ学校行かなくていいの?」
「いや、お前もだろうが」
「あっ!………おにーちゃん送って?」
ぐっ、遊梨お得意の上目遣いによる甘え攻撃だ!
「くっ」
「おにーちゃん?ツブラナヒトミ」
そんな攻撃に俺は惑わされクマー!
◇◆◇
「妹には勝てなかったよ………」
「一人でなに言ってんの?お兄ちゃん」
「いやまあ、なんだ。あれがあれだからだよ」
まったく伝わらないよとか呟いている我らが妹様が居るのは俺の自転車の荷台である。
暫くいつも通りの通学路を自転車で走行していると突然、遊梨に止まってと言われた
「ちょっと待ってお兄ちゃん。なにか、
気がする」
「奇遇だな遊梨。俺も
自転車から降り周囲を歩いていると、どこからか子どものすすり泣く声が聞こえた
「っ!お兄ちゃん!」
「解っている!行くぞ!」
どうやら、泣き声は路地裏のあまり人目につかない所から聞こえてくるようだ
薄暗い路地裏を遊梨と共に進むと、そこには五歳から六歳ぐらいの泣きすぎて目を赤く張らした男の子と、大学生ぐらいの青年が居た。青年の右手にカードの束、つまりカードゲームのデッキがあり、それを必死な形相で取り返そうとする男の子の姿を見るに
「おい、アンタ。そんな子どものデッキを盗ってどうするんだよ」
「あ?なんだお前ら。このガキ助けてヒーローのつもりかよ?」
「ヒーロー?ハッ!そんなもんじゃないさ」
「じゃあなんなんだよ!目障りだからさっさと消えてくれよ!!」
「俺は通りすがりのデュエリストだよ。んでこっちは妹」
「私はまだカードを持たせてもらってないけどね~」
「当たり前だろうが。お前は俺が守るからお前には必要ないだろ?」
「うわー、相変わらずスゴいシスコンぶりだねお兄ちゃん。ちょっとだけ遊梨的にポイント高いかも?」
「なんだその謎のポイント制」
「っていうかさ、あっちの人放置してるけどいいの?」
遊梨に言われ、青年と男の子の方を見る
「あー、悪いな放置しちまって。まあ、なんだ、アレだうん。取り敢えず俺とデュエルしようぜ?んで俺が勝ったらこの子のデッキを返してやれよ。俺が負けたらこのデッキをくれてやるさ」
「あ、ああ。いいぜ」
「それじゃ早速始めたら?お兄ちゃん」
「ん、そうだな。あまり時間もないし………うーん、三ターンで蹴りをつけてやるよ」
「チッ!舐めやがって!目にものみせてやるよ!!」
お互いにデュエルディスクを構え、プレイする体勢になった
「「デュエル!!」」
初手は相手のターンだったが、手札回りが悪かったのか、カードを一枚伏せてターンエンド
っと、俺のターンだ。
よし!
「手札からフィールド魔法
「な、なんだよ、ソレ!そんなの勝てる分けねえじゃねえか!」
「弱者が喚くな。お前が弱くて俺が強い。ただそれだけだろうが」
指をパチンと弾くとソレを合図に機械竜たちによる蹂躙が始まった
◇◆◇
「ねぇ、お兄ちゃん。ちょっとやりすぎじゃない?」
「む、ああ。俺もなんか引きがよすぎて調子に乗った挙げ句、訳のわからん事を言った気がするぜ」
俺たちの視線の先にはうつ伏せに倒れた青年がいた
取り敢えず、当初の目的である男の子のデッキを回収することにした
「あ、デッキ」
「ん、ホラよ。これに懲りたら危ないヤツには着いていくなよ?」
「は、はい!」
デッキを受け取った男の子は何処かへと走り去ってしまった………
「あっ!?お兄ちゃん学校!!!」
「まあ、まて遊梨。もう急いでも間に合いはしない。なら俺は学校に行くことにノーと言える人間になる!」
「なにいってんの!?ごみいちゃん!アホなこと言ってないで早く準備してよ!私まで遅れちゃうよ!」
はぁー、と一つ大きなため息をついた後に自転車を漕ぎ始めた
「わかったよ。んじゃまあ、行きますかね」
結局遅刻して二人揃って担任の女教師に叱られたわけだが
その後彼らの通う学校にて二名の男女の悲鳴が聞こえた、と言うのは余談である。
まあ、反応が良ければ続けるかもわからんね