長く、そして失敗した物語達の終止符とも言える
そして、また
リア充とはこの世界の悪の権化である。
人間は人を傷つけ合う醜い生物である。
リア充といっても色々あるが、今から指すのは
カップルや友達と仲良くしているやつだ。
人を見かけで判断し、面倒くさそうなやつは切り捨て。
最早掟といっても過言では無い。
それ程まで人は最低の存在だ。
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今日も今日とていちゃつく奴が多い。
学校という公共の場、尚且つ教室なのだから自重しろ。
「はいはい、さっさと座れ」
そう言ったのは担任の水原 和真先生。
このクラスで唯一信頼が持てる人間だ。
「あのさぁ、いちゃつくのはいいが少しは場をわきまえろ」
そうだ‼︎よく言った先生‼︎伊達に6年教師やって無いな。
「はい出席確認ね。…あれ?中村は?」
そう言われ手を挙げた。
「ここにいますよ」
「あ、いた。全く…もう少し影を明るくしろよ」
「影を明るくってなんだ⁉︎輝くのか⁉︎」
「あーうるさい。はい中村隼人欠席…っと」
「あんた何言ってんだ⁉︎生徒ディスるのやめろ‼︎」
「じゃあHR終了だ。各自勉強の準備しろよ〜」
「待てえい‼︎鬼教師‼︎」
そして扉が閉まり…
1時間目は欠席扱いにされた…
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今日は散々だったな…
さて帰りますかね。リア充だらけだし…
「…ん?」
下駄箱の中には手紙が入っていた。
「しかし無視だ」
そう。友達などいない俺に手紙などいたずらに決まっている。そうだ。来るわけない。
…なんか考えてて悲しいな。
そのまま靴を出して俺は校舎を出た。
「…困るんだよね、依頼者の意にそぐわない行動は」
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今日は散々だったな…
さて帰りますかね。リア充だらけだし…
「…ん?」
下駄箱の中には手紙が入っていた。
…いや待て。
俺は今さっき手紙を無視して帰ったはずだ。
なら何故今俺は下駄箱の前にいる?
「…誰か見てるのか?」
虚空に問いかける。何故問いかけたか、なんて簡単である。
組織の人間が俺を見ている。そしてそいつらは姿を消す事も出来る。組織の中には時間を戻すやつだっている。
…こんなもの、明らかだろうに。
しかし返事は返ってこない。
「まぁここで戻したってことはこれを見ろってことなんだろうな…」
戻した意味はわからないがすべてはこれにあるってことなんだろう。
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このお手紙を見ているあなたへ
これを見ているということは無事にあなたの元へ届いたのでしょう
突然届いたこのお手紙、あなたはさぞかし困惑していると思います
私の名はきっと分からないと思うのであえて名乗りません
だけどこれから書く事を必ず守ってください
これを見た日、必ずあなたは家に真っ直ぐ帰ってください
例え気になるものがあったとしても、です
あなたはよからぬ事に巻き込まれ、必ず不幸になります
唐突なこの内容に信用出来ぬ部分も多々あることかと思います
ですが、全ての本当のことなのです
信じられないとは思います
ですが信じてもらう他ありません
あなたに、明日、これから先の未来もずっと健康で過ごせるよう願っています
親愛なるあなたの相棒より
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「…なんだこれ」
そこに書いてあったのはただただ不可思議な内容。書いてある事全て理解出来る範疇を超えている。今流行りの不幸の手紙系列であろうか。
「…ただ、無視するのもなぁ…」
そう、わざわざここに留められているということはこの手紙を読ませたいに違いない。
まぁ意味はよくわからないがとりあえず何事もなく家に帰ればいいということだろう。
ならばやることは一つ。
「是非とも寄り道してみよう」
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寄り道すんなって言われてるのにその警告を無視した事をするのは凄まじいほどの背徳感があるのは何故だろうか。
まぁ当の本人が監視してない限りはこんな事しても何も言われんだろう。そもそも警告ではあるが命令ではない。上からの圧力もないんだし何をしようが俺の自由である。
が、かといって何をすればいいのかは皆目見当もつかない。
…そういえば気になるものがあるとかそういう関係のことが書いてあったような気がする。
「気になるものって霊的なアレじゃないんだから…」
一体この何も変哲のない帰り道のどこに気になるものがあるのだろうか。
辺りを見渡しながら歩いているがそんなものなど…
「…あぁ、これか…」
確かに無意識のうちに気になってしまったものがあった。
このクソボロい店…店なのか?まぁこの建物だろうな。
なんというか、目が吸い込まれたような感覚がした。何も考えてないし何を感じたわけでもなく、ただ吸い込まれた。
これが所謂気になる、と言うやつなのだろう。
「…入っていいのか?」
真っ直ぐ帰る、それはつまりここに寄ることもなく家に帰れということなのだろう。
ここになんの秘密が隠されているか知る由もない。だからこそ知ってみたくなってしまった。
扉に手をかける。
「…君って人の話を聞かないのかい?」
どこからともなく声が聞こえてくる。
驚き周りを右左と確認してみるが語りかけてくる者などいない。
しかし声は続く。
「あぁ、周りに僕はいないよ。言うなれば脳内に語り掛けてるってやつ?」
「…そんな超人がなんか用かよ」
「いやなに、簡単なことさ。さっさと帰りな」
「…この手紙の差出人か?」
「ちょっと違うな。それはまた別の人間さ。僕はその手紙を届けた人間、つまりは運び屋だね」
「言い方悪ぃな…」
「間違ってはいないから。で?君は大人しく帰ってくれるかい?」
直接脳内に語り掛けてくる超人にまで止められているのだ。きっと、手紙の内容はホントの事なんだろう。
「…帰る理由はねぇよな」
「それが君の決めた答えなんだね」
扉を思いっきり開け、中へと入っていった。