中は外装から予想通りというべきか、まぁなんともボロい店であった。
どうやら骨董品店のようで中にある商品はオルゴールや古い時計等…なんとも時代を感じるようなものばかりである。今のご時世では出会うことのないようなものばかりである。ていうかよく知らんものまである。
何故この店に引っ張られたのか。それはよく分からないがどうやらこの店にはなんらかの力があるのだろう。それも組織が警告を促すほどには。
だがここまで来た以上、後には引き下がれない。知らないなら知りたくなるのが人間の信条だろう。どうせ暇だし。
辺りを見回してみるとどうやらレジっぽいようなカウンターがあった。まぁ店だしあるとは思ってたけども。しかしこれまた不可思議で内装に寄らず現代でもコンビニとかでよく見かけるレジカウンターがあった。意味がわからん。
なんとも奇っ怪な店に来たものかと思い、そしてまたそれ程までに面白いものがあると思ったが特になにもなし。なんだったんだろうと思いつつも入口の扉に手をかけるもピクリとも動かなかった。
「は…?」
唐突過ぎて脳内処理が追いつかなかった。
まさか警告ってそういう意味か…?人喰い屋敷的な奴か?
いやそんなこと言ってる暇ないでしょ開かないってどういう事早く開いてくださいほんとお願いしますマジで怖いから!!!!
「なんで開かないの!?俺この店で古臭くなって売られる筋合いねーぞ!」
「何言ってんの君」
突然後ろから声が聞こえてビビってしまった。明らかにこの店に人の気配はなかったという先入観から来たビビりである。
どうやら俺に話しかけてきたのは若い男のようだ。同じかちょっと上くらいの年齢だろう。見た目は。
「お前は…」
「おっとストップ。そういうテンプレは聞きたくない」
と言われてもそれ以外にどうやって聞くんだよ。
「…そうだな。一つだけ僕に質問することを許そう」
「一つだけ、か?」
「あぁ。その質問の内容によって君をこれからどうするべきか決める」
勿論質問回数を増やす行為はなしね、と釘を刺した。まぁ知ってたけど。
…どうする。こいつは確実に組織の人間だ。しかもこんな所でも干渉してくるという事はそこそこ地位の高い人間だろう。
問題は『なぜ今』という所だ。
干渉することなんかいくらでも出来る。更には例え組織からの警告を無視したとして即死刑のタクトは振りかざさないだろう。曲者多いし。何より出てくるのが遅いし。
もしかすると扉が今開かないことも関係してんのか…?にしたって何が起こってるのかもわからんし…
…そういえばつい先日なんか会議したような…ターゲットが云々…最近は因果がなんとかって…
「あっ」
そうか。今思い出した。聞くことは単純だ。
「どうやら聞くことは思いついたようだね」
こいつは俺のこれから出す答えに対して笑顔で聞こうとしている。
「俺は何回目だ?」
「…へぇ」
っと、笑顔が少し薄くなったようだ。
「想像以上だね。合格だ」
一体何の試験を受けていたのかは分からないがなんか受かったらしい。素直に喜べることなのかわからない分、何とも言えん。
「とりあえずはまず君の問いから答えていこう、今の君は50回目さ」
「…そんなにか」
正直な所、意外だった。自分がこれ程までに死を体験してるとは思ってなかったからだ。
「にしてもよく思い出せたもんだ。きっかけの場所ってのは記憶に必ず残るものだからもしかしたら、とは思ったけど…」
──結構根強くその記憶は残ってたみたいだね。
「…そりゃあなぁ」
ずっと過去の記憶はもう戻ってこないが一つ前の記憶ならある。
…俺以外の人間が助かったパターン。
いや、結果的に救えなかった人も多い。俺以外の、とはよく言えたものだ。
「ま、君はしっかり過去を思い出し、そしてどうやら混乱もしていないようだ。少しおさらいといこうか」
男は少し嬉しそうに話し始めた。
それは過去に経験した俺達の記憶の事だった。