『人妖入り乱れる空間というのはとても賑やかでいい』
「『アタッカーX!!』」
「綺麗事ばかり…言ってんな!」
「理想を綺麗事と吐き捨てるだけでは何も見えませんよ…!」
東方ウルトラマン列伝
企画 東風谷早苗
二ツ岩マミゾウ
監修 宇佐見菫子
本人役 聖白蓮
本人役 村紗水蜜
本人役 雲居一輪
雲山
本人役 寅丸星
ナズーリン
本人役 上白沢慧音
二ツ岩マミゾウ
主題歌
「ウルトラマンX gensou cover」
ボイジャー feat.聖白蓮
ウルトラマンX 岩田栄慶
絶対秘封神話レンメリア 紅美鈴
ウルトラマンXの声 中村悠一
宇佐見蓮子 村紗水蜜
マエリベリー・ハーン 霧雨魔理沙
本人役 河城にとり
射命丸文
上白沢慧音
音楽 堀川雷鼓
プリズムリバー楽団
脚本 稗田阿求
監督 田口清隆
「ウルトラマンX幻想入り製作委員会」
製作・著作 円谷プロダクション
「あれが噂の」
「えぇ。山の妖力遷移を見る感じ、もともと埋まってたという感じなんですよね。数十年前に。しかしそんな記録ないですし、数十年ならそれは大結界が完成した後ですからねぇ…。全く持って謎です」
私へベラベラ語るのは射命丸文。彼女は妖怪の山に半身を埋めた謎の巨大人工物を指差して話を続ける。見たところ生き物のような体型であり、ロボット怪獣というのがふさわしい物だった。
「レンメリア…ですか」
「ええ。聞こえてくる音声が『レン』『メリー』『ひふ』『私たち』その他聞き分け不可能が多数でして。内部からのメッセージの可能性も考え、現在様々に調査中なんですよね」
彼女の先導に続いてレンメリアへと近づいていき、観察してみる。表面は魔界のものと思しき金属や、ただのガラスなど様々である。しかし明らかに地球外の素材、という雰囲気ではなかった。
「あーほらほら邪魔しないでおくれ」
河童の一人が私を退け、パソコンを繋いで解析を始める。黙々と何かのデータを取って、さらに調査している様子。こういったサイバーな分野は河童の専売特許である。
『一体何を見てるんだい?』
「お?巻物さんもご興味が!中にいる人間についてさ。そもそも本当に人間がいるのか、いるならどう救出するのか。色々話聞きたいしねぇ」
『私も手伝いたいが…』
「巻物から出れればねぇ」
そんな風に作業を続ける河童たちを見届け、私は文と分かれてその場を後にした。そして通ったついでということで、玄武の沢へ。何かをかちゃかちゃいじるにとりが目に飛び込む。
「お家の中ではできない作業ですか?」
「水質調査さ。うん、問題ないね!」
そういって機材をささっと片付け、崖の側面の家の中へ。それについて行きながら、私は話を続ける。
「お邪魔、いいですか?」
「構ぃやしないよ。用事かい?」
「これと言った用事があるわけでは。…というか、にとりさんはレンメリアは良いのですか?」
「交代制さ。私は昨日調査メンバーやったからね。実は音声解析と命名やったの私なんだぜ」
「あら、そうでしたか!」
そんなことを話しながら、彼女はコーヒーを置いた。感謝を述べながら私はコーヒーを飲み、一息。そうしてラボを見る中、ふと思い出すことが。
「…これ、解析できますか?」
「怪獣の人形か?いや、なんか生命エネルギーの反応あり?でも脳波は…変な人形だな」
「ウルトラマンエックスが倒した怪獣はこの人形、スパークドールズへ姿を変えます。彼は私にこれを託してくれたんです」
「ほへぇー?」
訝しんだ様子の彼女だが、それより先にエンジニア魂が燃えるようだ。すぐさま視線をスパークドールズへ移し、コンピューターによる解析を始めた。
「裏っかわのコレが出力ポイントになってんのか。おいおいなんだこの物質。あっでもコレで接続いけるな」
『……』
ガチャガチャとよくわからない機械をいじるにとり。巻物越しでもエックスがアドバイスしたくてうずうずしているのがわかる。小声で押さえてくださいと言っておく。
「…うーん、なんか色々できそうだね。でも復活とか直接的な使役とかは無理かなあ」
そう告げたあと、かちゃかちゃといじって何か機械のようなものを組み立てた。もともとあった部品を組んだだけというのもあってか、かなり速い。
「データを読み込みマシンができた。コレをもとに何を作るかだな」
『えっと、ウルトラマンエックスにアーマーを作ってあげるとかはどうだろうか?』
「悪くないね!でもどう渡すかっていうのもなぁ」
「あ、私魔界にいたときに助けてもらった関係で仲良いっていうかなんというか…。投げ渡すぐらいできますよ!」
「あっそう?ならそうしようかな」
そうして今一度彼女は機械をいじり始めた。しかしその表情が少し陰り、数秒ののち悔しげに頭をかく。ため息を吐いたかと思うと、その手は完全に止まった。
「データが足りないなあ」
「ウルトラマンエックスのですか?でしたら…」
「と、いうよりは実体化に際してだね。妖力と霊力と魔力のバランスが難しいねぇ。いろんな子たちからデータ採取をしなきゃ難しい」
「いろんな…子」
「人妖色々さ。だからコレは預ける。あんたなら顔も広いだろ?」
そう言って彼女は私へ機械を投げ渡し、続けてスパークドールズを返却した。ありがたく受け取り、私は頭を下げた。
「礼には及ばないよ。だがお互い様って言うだろ?それなりの見返り期待してるぞ」
ばちんとウィンクを飛ばし、指ではお金のサイン。だが彼女は物々交換も好くタイプだ。エックスと今度相談しようかと思う、そんな時。
「…!?…地震…じゃなさそうだな」
「金の…円盤!?」
まさに形容した通りの見た目の怪物が現れた。放った光弾が地面を揺らし、その騒ぎを受けて河童たちが逃げ出していく。私も逃げる彼女たちに乗じて物陰へ向かった。
「ユナイト、行きましょう」
『よぉーし、行くぞ!』
交差経典をその手に、私は構える。広げた巻物から現れたスパークドールズを術式的に読み取り、発動。一度閉じ、X字にした巻物の軸を構え、私は空に掲げた。
「エエエェェエーーーーッッックス!!!」
広がったXの光の中から、一度腕をクロスさせ、そして右手を突き出しながらウルトラマンエックスは巨大化した。
『イィー…サァーーッッ!!』
金の円盤は私へと光弾を放った。それを素早く跳ね返し、Xスラッシュを飛ばす。しかし相手も撃ち落とされるほど弱いというわけでもなく、多少の怯みを見せるのみ。
『宇宙竜ナース、やはり硬いな』
「ええ…なら肉弾戦っ!」
「シュゥッワッ!」
そうして殴りかかったとき、ナースは東洋の龍の如き長い形へと変形した。エックスは知っていたからか、私から主導権を受け取り瞬時に距離を置いた。そうすることで、奴の巻きつき攻撃をかわすことができた。
「たぁっ!」
『…なに!?速いぞこいつ!』
しかし二回目の回避は叶わなかった。かつてエックスが戦った個体よりもどうやら速いらしい。みるみるうちに巻きついてしまった。
『あーあー、聞こえるかのう?』
そんな中、突如インナースペースへと画面が現れる。ハッキング、と外では言う行為だろう。そこに映ったのは、信じられない人物であった。
「マミゾウさん!?」
『知り合いか白蓮!』
「ええ、それも結構仲の良い…友人に分類されるタイプの」
『おっと、そう睨むでないぞ。手荒い真似は謝るとも』
スーツ姿の彼女はそんなことを言い、改めて画面の奥の私を見据えた。
『儂らとしても調べねばならんことがある。ここでお主をおびき出したのもその目的じゃ』
「…目的?」
『ああ、まあ、ひとまずは達成じゃのう。GUYSジャパン佐渡支部副総督兼異世界技術探索本部長二ツ岩マミゾウでした!メテオール使用報告!』
一気に訳のわからないことを告げると、彼女はサングラスをしたのち機械から光を放った。そうして、私の脳から今のマミゾウとの会話の記憶は消滅してしまった。
「…あれ?ナースはどこへ?」
『逃げた…んじゃないか?よくわからないが撃退ができた…と言うことか?』
そんな風に話し、私は空へと舞った。そして誰も見ていない場所へと降り、周りを見渡してみる。
「よし、見られてないわね」
独り言を呟き、私は今一度山を登った。レンメリアとナースになにか関係はあるのだろうかと、見てみることにしたのだ。
「え?いや異常はないわね今んとこ」
「そうでしたか…」
言う通り特に異常はないようである。結局どう言うことかわからないのだと、私は落胆した。しかし、呪術的面でも色々見たいと言う事で、河童の一人が私へ声をかける。
「…えっと、よくみると……結界が貼られてますね」
「ロボットにかァ?」
ごんごんとボディを叩き、ピクシーカットの河童が不思議そうに告げる。しかし私としてはうなずく他ない。
「というより…結界そのもの?どうも変ですね。空間らしい魔力や人間らしい魔力色々感じます。それにこの結界、ものすごく見覚えが…」
そんな時、レンメリアの胸にあたるガラスパーツに何かが映った気がした。触れてみれば、そこだけ結界の形が変である。何事かと覗き込んだそのとき。
「…人が来たわメリー!」
私は何故の空間へワープしていた。エックスもここがどこかはわからないと告げるが、見たところ人里らしい。しかし一番の問題点は、目の前に立つ二人の少女以外誰も居ないらしいと言うことだ。
「蓮子ってば…人が来たわじゃないわよ…。大丈夫ですか?」
「ええ、問題ありません」
「良かったです!にしても…いったいどこから来たのかしら」
蓮子と呼ばれた少女は興味深げに私を見ながら、私へと手を差し伸べた。引っ張る勢いに任せて立ち上がり、改めて見渡してみる。建っている家々は、どこか時間を感じるもの。そう、やけに朽ちているのだ。
「この人里跡、変だったりするのかしら?」
「ええ。人っ子一人居ないだなんて」
『なにかしらの異次元空間か?それがこの怪獣の中に…』
「というよりは、異次元空間…というか、幻想郷そのものが怪獣の形で歩いてると言いますか…結界にロボットの形の器を着せて…」
「やっぱり結界の中なのね?ところでその巻物は…?」
メリーと呼ばれていた少女が交差経典を指差して言う。巻物の精だと言おうとする前に、彼女らはAIでしょと結論づけ、エックスもそれに乗った。
「にしても…どう出ようかしら」
「さあ?まあ入り口があるなら出口もあるでしょ」
呑気にそう語りながら、二人は探索を続ける。私も二人に続き、二人からの質問に答えた。オカルトサークル、秘封倶楽部。私がふと呟いた菫子の名前を聞き、蓮子は跳び上がった。
「おばあちゃん!?おばあちゃんも私たちと似たようなことを…」
「秘密を暴くどころか到達して生活しちゃってるんですね。というか、秘封倶楽部って名前…」
「いや、確かに私が考えたものよ!ああ、でも記憶の彼方で覚えてたってのもありえない話じゃないわねぇ」
そんな風に議論を続ける二人をよそに、私は少し考え込んでしまう。彼女が語ることをつなげて考えるなら、ここは未来の幻想郷である。50年そこらでこんなことになってしまうのか。一抹の不安が私を覆う。
「……」
「…実は私達は前に入り込んだ時にはもっと色々見たんですよね。断片的ではありますけどね」
私の思いを感じ取ってか、彼女はそんな風に話を続けた。時代のズレこそあれど、少なくともこんな滅び方はしていなさそうだし、そもそも未来らしき時空にも行ったとか。
『レンメリアの形になって過去へ行った影響で…人を置いて行ったり建物が壊れたということも十二分にあり得るからな』
「そうですね、それを願う他なさそうです」
自分に言い聞かせるかのように一人呟く、そんな時。
「…!?」
凄まじい地震が起こる。同時に地面がひび割れ、無数の手が蓮子とメリーを絡めとった。なぜか私を狙おうとはしない。さらに、ひびから黒い液体があふれ出る。魔界の魔法に使う混合液に似ている、そんな気がした。
「逃げて聖さん!」
「そんなことできるものですか!」
手に持った交差経典を振り、軽く放った電撃で手へと雷を浴びせてみる。だが、効く様子はない。
「マダ…死ニタクナカッタ…!」
続けて、私はメリーを引っ張った。それに一緒に引っ張られるように、真っ黒な少女が這い出る。カタコトに何か呟いたかと思えば、左手に持ったバトンを落とし、そのまま倒れ込んでしまった。
「ワレワレハ…消サレタ…ソノ、恨ミ!」
倒れた黒の少女がメリーの足を掴んだと同時に、ひび割れから続けて声が響き渡る。メリーも蓮子も救えるかわからない。絶望の中で、私の意識は曖昧になっていった。
「うぐぁっ!」
「おい大丈夫か尼サン!」
「えぇ…なんとか」
次の瞬間、目の前にいたのは河童であった。見たところ、先ほどまでいたレンメリアの目の前の場所のようである。
『なんだったんだ一体…!!』
「さぁ…」
そうして土を払って立ち上がった、そんな時。凄まじい地震が巻き起こる。よもやと下を見るが、ひびはない。予想だにしなかったことだが、レンメリアが動き出したのであった。
『れん…こ………メリイイイイイイィィィィィ!!!!!』
お互いを呼び合う言葉を最後に放ち、レンメリアは完全に立ち上がった。それはきっと、引きずり込まれるお互いを呼び合ったもの。そうして見えた体は、意外な二頭竜である。
『キングパンドンに似た外見…何か…意味が……待て白蓮、アレは!』
騒ぐエックスに言われ、レンメリアを見上げてみる。同じように見上げる河童達と揃って、私は目を見開いてしまった。体外部の装甲が変形、展開し、蓮子とメリーの服装を模したようなものになったためだ。頭部は二人の帽子そっくりである。
「行きましょうエックス!」
『ああ…ユナイトだ!』
私は物陰に隠れ、エックスへと向き合った。そして交差経典をその手に、私は構える。広げた巻物から現れたスパークドールズを術式的に読み取り、発動。一度閉じ、X字にした巻物の軸を構え、私は空に掲げた。
「エエエェェエーーーーッッックス!!!」
広がったXの光の中から、一度腕をクロスさせ、そして右手を突き出しながらウルトラマンエックスは巨大化した。
『イィー…サァーーッッ!!』
人里の方へと向かっているらしきレンメリアへと飛びかかり、地面へと思いっきり叩きつける。しかしその復帰は速く、凄まじい速度で私へレーザー弾を飛ばしてくる。
「…っ、倒すわけにはいきませんね。未来の幻想郷と言うからには…元に戻さねばッ!」
『内部の黒い生き物や…液体は浄化できるはずだ!まずはそれが先決だッ!』
エックスの言葉を受け、私が体を動かす。一気に駆け抜けてレンメリアへと掴みかかり、私は構えた。
「『ピュリファイウェーブ!』」
掴んだ両手から放った光が内部へと浸透していく。中の様子はわからない。二人は助けられたのだろうか。…だが、それも未来のこと。これからがあるというものだ。
「…未来に返す、なんてできるのでしょうか」
『いや、その必要はない。そもそも時間自体が歪んだものだからな…。スパークドールズにせず幻想郷の姿に戻せればいいはずだが…』
「なら外部にかかっている術を無理やり解除しましょう。私が術を放ちます!しかし…巨大なエネルギーに乗せる必要が……」
『ザナディウム光線以外…か!』
殴りかかるレンメリアをさばきながら、私達は結論を出した。しかし相手をある程度弱らせねばならない。パンチやXスラッシュなどで体力を減らしていく。
「『Xクロスラリアット!』」
腕を右側でX字に組みながら、私は自分の体を投げ出す勢いで転ばせた。そして上に乗りかかろうとするものの、相手が口から放った光線で軽く怯んでしまう。さらに弾幕まで飛び出し、私は押されてしまった。
「『エクシウム光線!』」
しかしそのまま後ろの転ぶ勢いで光輪を投げ、相手のビームを避ける。同時にエクシウム光線が相手の右首、メリーを模した方へとぶつかり、ゴリゴリと音を立てる。そのまま私は空中へと飛び出し、体を思いっきり広げた。
「アレ、いきますよ!」
『ああ、アレだな!』
「『アタッカーX!』」
私の呪術を乗せ、炎と共にX字のエネルギーを放つ。光輪からの追い討ちを喰らい、さらに表面に伝った術式が幻想郷にかかった魔術を破壊する。爆発するかのように空間が歪み、そのまま消滅した。
「…シュゥワッチャ!」
その様子を見届け、私は空へ。ユナイトを解除し、いかにも逃げ惑っていたかのように草をかき分けた。
「ウルトラマンに助けられましたね…」
「えぇ」
白々しく、そんなことも言ってみる。
そんな時、私も知らない中で次元が歪みはじめていた。
「この…記憶は………一体!?」
「…慧音さん?」
青年が慧音の方を見た。見覚えがあるような、ないような。不思議な感覚だったと、彼女はのちに語った。
二つの世界が混濁を始める。
そして現れる、新たなウルトラマン。
さらに暴走する都市伝説。
八尺さまを前に…!
「『メビウウウゥゥゥゥス!!』」
次回、東方聖交差
「つながりの無限」
いかがだったでしょう?テンポが急すぎて読みづらかったかなとも思います。秘封のテーマも宙ぶらりん。反省ですわね。
次回はウルトラマンメビウス客演にして、pixivのメビウス幻想入り作品とのコラボです。ヒロミツさんの『東方不死鳥』を読んでおくと面白いと思います…!
https://www.pixiv.net/novel/series/535428
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しかし…エックスのアーツが欲しくなりますねこれは。レンメリアとか作って飾りたい。