神喰妖影剣ー神機化した付喪神の旅ー   作:陰猫(改)

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第五話【血を浴びれば、浴びる程強くなる程度の能力】

 俺は獅子のタイプのアラガミへと向かうとそのマントの様な皮を斬る。

 だが、先程倒したアラガミとは手応えが違い、何か硬い物を斬る様な手応えだった。

 

 ーーまあ、切断してやったがな。

 

 俺は刀に付着した液体を払うと他のアラガミの攻撃を避ける様に後方へ跳ぶ。

 その背後から何かを喰らい、俺は大きく仰け反る。

 振り返れば、オウガテイルって奴がいた。

 次の瞬間、獅子のアラガミとオウガテイルの群れが一斉に襲い掛かって来たので俺は刀を地面へと落としーー

 

 ーー無数の刃を地面から生やして迫って来たアラガミ達を串刺しにする。

 

 そうしながら、俺は獅子のアラガミの斬りやすい所と斬りにくい所を学習した。

「人間と同じだと思っていると死ぬぞ?」

 俺は無数のアラガミから黒い液体ーーアラガミの血とも言うべきオラクル細胞を吸収しながら、ニヤリと笑う。

 そんな俺に無事なアラガミ達が警戒した。

 だが、血を浴びれば、浴びる程強くなる程度の能力を持つ俺には最早、関係ない。

 

 俺は吸収したオラクル細胞を活性化させ、刀と瞳から赤い残光を残しながら周囲のアラガミを瞬殺する。

 先程まで硬かったマントも豆腐でも斬る様に容易く切断出来た。

 俺は身体をアラガミの血で黒く染めながら一匹残らず、斬り殺す。

 気が付くと俺の周囲はアラガミの屍の山になっていた。

「久々に堪能させて貰ったぜ?」

 俺はそう言うとレイセンの事を思い出して、そちらを見る。

 どうやら、レイセンもマルドゥークを既に倒してたらしいが、俺の戦い振りを見て、顔を真っ青にしていた。

「そちらは終わったか?」

「あのアラガミの群れをこの短時間で倒したの?」

「おいおい。質問を質問で返すなや。

 まあ、俺の能力がこの世界向きだったってだけさ」

 俺はレイセンにそう告げると刀を消す。

 レイセンは未だに警戒しているが、俺が妖怪だと知ったからか、銃口を向ける事はしなかった。

 まあ、実力差は明白だからな。

「それだけの実力があるなら……いや、でも……」

「今度は考え事か?

 そんな事よりも大事な事があるんじゃないか?」

 そう言って俺は顎でレイセンの部下が避難しているシェルターを示す。

 レイセンは思い出した様に「あっ」と呟くとシェルターに向かい、ブレスレットで通信する。

「周囲のアラガミを鎮圧。もう出てきて大丈夫よ」

 その通信に答える様に一人、また一人と月兎の新兵が出て来る。

「隊長!ご無事でしたか!」

「ええ。彼のお蔭でね?」

 レイセンがそう言うと月兎の新兵の一人が俺をジロジロと見る。

「こんなボロボロの着物着た人間がですか?」

「人間ではないわ。彼は付喪神と言う妖怪よ」

「妖怪!?この科学の進展し、アラガミだらけの世界でですか!?」

 新兵は目を輝かせて、興味津々と言わんばかりに俺を見詰めた。先程の態度が嘘の様だ。

「ムラマサ。貴方さえ良ければ、私達のアジトに来ない?ーーいえ、是非とも来て欲しいのよ」

「何か訳ありの様だな。理由を聞いても?」

 レイセンに懇願され、俺はその真意を問う。

 すると意外な言葉が返って来た。

「月の民で初めてアラガミに対抗する為にゴッドイーターになった月のリーダーである綿月依姫様の偏食因子の除去……成功すれば、無論、貴方の望む物が与えられるでしょう」

「偏食因子ーーオラクル細胞の除去か……可能なのか?」

「ええ。私達、月の民の技術力を持ってすれば、可能よ。

 問題は血清の為の素材が私達のエリア以外では入手出来ない事。

 私達は血清の為とは言え、地上の人間を迎え入れ、技術や情報を流す訳にはいかない」

「そこで俺か?」

 俺の問いにレイセンが頷く。

 これは貴重な情報が得られるチャンスだな。

 俺はそう判断すると二つ返事で返す。

「良いだろう。だが、その依姫とやらに会わせろ。直接、交渉がしたい」

「解ったわ。但し、粗相はしないでね?」

 

 ーーこうして、俺はレイセン達に連れられて月の民のアジトへと一緒に向かう事になったのだった。

 

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