モンスターハンター ~ユクモ村新たな伝説~   作:ゆーこー

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戦慄、凍土のギギネブラ

ロアルドロスを狩猟してから三日後、ユウカとナルは凍土での依頼を受けることになった。

 

「ドスバギィとウルクススの狩猟ですか?」

ユウカの問いに受付嬢は資料を確認しながらこう言った。

「はい。報告によりますと、どうも縄張り争いが激化していて他のモンスターへの被害も出ているそうなんです」

 

 

「でも凍土まで行ったら三日は帰ってこれないけど、村の方は大丈夫なのかい?」

 

ナルは気楽な言い方で言ってはいるが、ハンター不在時に非常事態が起きてしまっては洒落にならないことは充分にわかっている。

 

「丁度他のハンターさんが村に帰ってきた所なので、休暇を取って貰い非常時には対応してもらうことになってます」

「私、ナルさん以外のハンターさんに会ったこと無いんですけど本当にいたんですね!」

「あっ、そう言えばユウカさん他のハンターさんを見たこと無いんですよね。私はクエストカウンターにいつもいるので大体把握してるんですよ。多分そこの温泉に入っていると思うので挨拶してみてはいかがでしょうか」

 

「はい!ナルさん、行きましょ!」

他のハンターに会えることにワクワクするユウカの姿は、どこか抜けきれていない子供っぽさをより一層強く見せていた。

 

 

 

服を脱いで浴場に入ると、若い男性が入っていた。

 

「あの~ハンターさんですよね?」

「ん?君達は……どうやらハンターらしいな。悪いけど一緒に狩りには行けないぜ」

「いえ、ただ挨拶をしようかと思いまして」

「ん、そうかい。まあ機会があったら一緒に狩ろうぜ。俺の名前はデニスだ、よろしく頼むぜ」

「はい、私ユウカと申します。それでは、私達は狩りに行くのでここで失礼させて頂きます」

「私はナル!覚えといてね!」

 

 

 

 

 

二人は身支度をし、ガーグァの荷車に乗り込んだ。

「ホットドリンクあるね?」

「はい、大丈夫です!」

「それじゃあ出発進行!」

 

 

約一日たった頃、ようやく凍土のキャンプに到着した。

 

「寒いですね…」

「早くホットドリンク飲みなって!」

ユウカは震える手で何とかホットドリンクを取り出し、一気に飲み干した。

「あったかーい!」

「よし、ユウカ行くよ!時は金なり~!」

いつも通り元気に駆け出していくナルを見て、安心感を覚えるユウカ。いつも通り待ってくださいよ~と言いながら後を追いかけた。

 

 

 

「あっれー?おかしいな~?」

凍土で最も広いエリア2に、ドスバギィの姿もウルクススの姿も見られなかった。

「取り敢えず色々探してみようか!」

外にあるエリアを探してみたが、やはり二体の姿は見掛けられない。ナルはもうここしかないと洞窟に入った。

 

「うっそ……」

洞窟に入ると、お目当てのウルクススとドスバギィの姿はあった。姿はあったが、生きてはいなかった。

「ナルさん、あれなんですか!」

ユウカが指差す先には、ウルクススの肉体に噛み付いている小さく白い生物が居た。

「あれは、ギィギ!ってことはこれはギギネブラの仕業!」

ナルは慌てて辺りを見渡し、親のギギネブラがいないか探した。

「まだ居ないみたい。今のうちにギルドに報告して……ユウカは周りにこう、白くて気持ち悪い塊があったら破壊して!あとギィギも殺して!」

「はい!」

ユウカはギィギを倒しながら洞窟を走っていると、気味の悪い塊を見つけた。

「ナルさん、これですか!?」

「そうそれ!新しいギィギが生まれる前に壊して!」

「うわっ出てきた!」

中からうねりながらな出てきたギィギを斬り殺し、そのまま白い気持ち悪い塊を破壊した。

 

 

「ギルドからの伝令、狩猟対象変更。ターゲットはギギネブラ」

ユウカは正直怖かった。見たことのない大型モンスター二体を殺し、それを子供のエサにするモンスターとは一体どれほど強いモンスターなのか…

恐る恐るナルの後をついていく。

 

 

恐らくドスバギィの寝床だったであろう洞窟の天井に、ギギネブラを発見した。

「あれがギギネブラですか?気味悪いです!」

「ちょっユウカ!早く耳塞いで!」

 

ギギネブラの咆哮が洞窟内に響き渡る。その音が壁と壁とで反響し、何回も何回も耳を襲う。

 

「にゃろぉ!喰らえ火炎弾!」

 

天井に張り付かれてては双剣のユウカには攻撃できず、ナルが地面に落とそうとボウガンを撃ち始めた。

ギギネブラは頭を地上に向け、降りてくるのかと思いきや頭を前後に振って毒を吐いてきた。

 

「ユウカ!この毒絶対喰らわないでね!解毒薬なんて持ってないんだから!」

 

毒を吐いた後ギギネブラはナルに覆い被さるように降りてきた。ナルはしっかりと回避行動を取り、下敷きになることは無かった。

 

「私を狙うとは、人間だったら良いセンスだったよギギネブラ君!」

 

ナルは火炎弾から散弾に球を瞬時に入れ替えリロードした。

今日は二頭同時狩猟の予定だった為、二人で一体づつ大型モンスターの相手しようと考えていた。

一人で狩るなら散弾を使いたいナルは、迷わずポーチに入れてきていた。

 

ナルはギギネブラの右側で散弾を連射し、ユウカは回り込んで左側から鬼神化して攻撃を始めていた。

オトモ二匹は二人の邪魔にならない位置で爆弾を投げ込んでいる。

 

するとギギネブラは少し体を丸めた。

 

「ユウカ、離れて!」

 

ユウカは急いで前転回避をし、ギギネブラから離れた。

ユウカが回避したあとすぐギギネブラの方を見ると、ギギネブラから霧状の毒が噴出されていた。

ボウガンのナルは未だに攻撃を続けているが、ギギネブラに近付けないユウカは攻撃ができない。

ギギネブラは通常の長さから首を三倍近く伸ばしてナルに襲い掛かった。

「ぬぁ!」

 

ナルは避けきることが出来ず、装填中の散弾を落としてしまった。

「いてててて、あんにゃろぉ」

 

ギギネブラがナルに集中している間にユウカが接近、腹部を攻撃し始めた。

ユウカが攻撃しているのを無視し、ギギネブラは排泄口から卵を出した。

卵から出てきたギィギがユウカのユクモ装備で露出している腕に噛みついた。

 

「やっ!この!離れて!」

 

ユウカがギギネブラから離れてギィギを振りほどこうとするが中々離れず、少し冷静になり双剣で直接胴体を串刺しにした。

その間、ナルは散弾でギギネブラと卵を攻撃し、卵を破壊。ギギネブラは激怒した。

体は黒ずみ大きな咆哮をあげた。

その咆哮が洞窟を揺らし、耳を塞いでその場から動けなかった二人の頭上にある氷柱が落下し、直撃した。

 

 

「うぐっぅぅ、ユウカ大丈夫!?」

「はい、大丈夫です!」

何かの御加護が働いたのか、ユウカはほとんどダメージを受けておらず、ナルは頭部装備の頑丈な部分に当たったお陰で致命傷は避けていた。

 

「怒り状態のギギネブラは頭とお尻の固さが逆になるから、後ろを攻めて!」

「はい!お尻!?」

「尻尾よ、尻尾!」

「了解!」

 

ナルはユウカに攻撃をしないよう側面から攻撃を仕掛けた。

ユウカがギギネブラの尻尾を攻撃しながら反撃を避けていると突然、ギギネブラは尻尾の排泄口を地面に着けた。

尻尾が地面から離れると、そこには白い塊が出現し中からギィギが産まれてきたことで卵塊とわかった。

これを見たユウカは直ぐ様卵塊を破壊、ギギネブラの方を振り向くと、また尻尾を地面に着けていた。

 

「させるか!」

 

ユウカが尻尾目掛けて駆け出す中、まだ尻尾を地面に着けたままのギギネブラに違和感を感じたナルはふとギギネブラの尻尾の特徴を思い出した。

 

「ユウカ!尻尾から離れて!!」

「えっ!?」

 

ユウカが咄嗟に止まりギギネブラの尻尾を見ると、そこから出てきたのは卵塊では無く紫色の塊だった。

その塊は数コンマ後に爆発し、中に入っていた紫色のものが気化してガスとなった。

 

「それはギギネブラがフェイントとして出す毒ガス!先に卵を見せつけた直後に出すことで、ユウカを引っ掛けにきたんだと思う!」

「賢い奴め!」

 

ギギネブラは知的なモンスターとして有名である。

特に、このギギネブラはドスバギィとウルクススを誘導し縄張り争いを起こし、双方が弱ったところで襲撃し洞窟に誘導、毒殺した。

そして、その獲物の大半をギィギに与え次世代を育成しようと企んでいたところを、二人が邪魔したのである。

ギギネブラの中でも上位に入る知性を持ち合わせていることはまず間違いないだろう。

 

 

 

「でも、どうやら疲れてきたみたいだよ」

 

ギギネブラの体色は黒ずんでいたものが白く戻り、口からよだれを垂らしていた。

ギギネブラは天井にジャンプし、這いずり回り穴の中に逃げ込んだ。

 

「きっとウルクスス達の死肉を食べに行くから、先回りして阻止しよう!」

 

ナルはユウカにそう説明しながら全速力でもうひとつの洞窟に走っていった。

 

「ま、待ってくださいよー!」

ユウカが武器を納めナルの方へ駆け出そうとしたとき、ユウカの頭上に先ほど穴に向かったはずのギギネブラがいた。

ギギネブラのよだれがユウカの肩に垂れた。

「えっ」

 

ユウカが上を見上げた瞬間、ギギネブラはユウカを咥えこんだ。

 

「た、大変にゃー!」

これを見たメラは穴を掘ってナルの元に高速で移動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




キャラ紹介 デニス
身長178 30歳

金の短髪で堀の深い顔立ち。
今年十二年目の中堅ハンターなのだが、あまり実力のあるハンターとは言えず年々コツコツと狩りをしてきたことでようやくHR2になった。
最も、ユウカ達は早すぎるレベルなので一般のハンターと比べればやや遅いといったところ。
何よりこの年まで死ぬことなくやっていけたのは、それなりの悪運と実力があったからである。
主に大剣を使い、鍛え上げた筋肉で力強く振り抜く。
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