味方からも敵からもヤベー奴扱いされた指揮官達のいるドルフロ   作:ホワイトアクア

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久しぶりにメインというか、まだ出していなかった主要キャラの追加。
ドルフロのストーリーも物騒になって来たなぁ……年表見た限りだと戦い終わりそうにない雰囲気だし……公式、これちゃんと無事で終わるのかな……?
公式の方が完結したら手直しとリメイクで、ストーリーを主軸にして書こうとは思っていたが、どうなるんだろうか。


Q.これはシスコンですか? A.いいえ、ただの建築テロリストです M1911「上ですわ!」

 さて、ここ暫くで鉄血人形や新しく入って来たグリフィン側の戦術人形が多くなって来ている最中、それと同時に発生したある1つの問題が出来てしまった。それはグリフィンでの個室などの住居スペースが明らかに足りない事だった。これに気付いたのは彼等の仲間であるボマーが幾度か気になっていたらしい。

 

「そういう訳だから、こっちで建築とかやって良いか?」

「んー……良いよ。ただし、それなりに覚悟しておいて。増えれば増える程、支払いとかその他諸々含めて多くなるから……」

「その辺は任せろ。つーか、俺が何の対策も無しで作ろうだなんて思うか?」

「そうだな……聞くだけ野暮だったか」

 

 そう話し終えると、早速改修工事に取り掛かるボマー。改修工事とは言っても至って簡単な作業でもあるのだが。

 そんな彼の元にある戦術人形が三人寄って来ては、さっき会話した内容を説明しては「一緒にやります!」と全員が一致し、彼と一緒にグリフィンの改修工事に参加する事となった。妙に気になったのか、UMP45が話し掛ける。

 

「ねえ、指揮官。あの人って元々居た人だっけ……?」

「あれ?45は初めてだっけ?少なくとも蝶事件の時には一緒になって暴走した鉄血人形を倒して居たんだけどね。ほら、死にたいらしいなって言ってた彼」

「あ、あー……何となくだけど思い出したわ……でも、あの人って頻繁に出る様子とは思っていなかったけど?」

「そりゃ仕方無いよ。アイツの場合は俺達にとっても必要不可欠とも言える人材だからな。アイツが居なかったら耕す事も建築する事も出来なかった位だから」

「……マジで?」

 

 45の答えにグレイは「うん、マジマジ」と答える。変に隠さない辺り本当なのだろう。それならば、彼は一体何処に行っているのだろうか、と尚更気になってしまう。

 

「何か調べたいって顔してるよ、45」

「そうね。実際、あんまり会っていない人がどうしてここに居るのか……ちょっとした理由は聞きたかったりはするけど」

「ん、分かった。まあ、俺もちょこっと覚えている範囲内なら教えるよ」

「何々、何の話?」

「うおっ!?」

「せめてノック位はしなさいよ40……」

 

 会話をしていたら、何時の間にかUMP40までもが混じって入って来た。まあ、言っても大丈夫だろうと思い、彼の生きた証を語り始めたのであった。

 

 

 

 

 

「お前なんて産むんじゃなかった」

 

 それを最後に言われたのは何時だったのだろう。少なくも、子供の頃にそう言われたのは良く覚えている。母親も父親も子供に対して愛そうとする素振りは一切無く、ずっと放置されていた。

 自分には家族も家も、大切なモノさえ何一つ無い。だからこそ、一人ぼっちだった。同時にあの日を境に変わってしまった事も。

 

「あ、お兄様。おはようございます」

「朝だよ、お兄ちゃん!おはよう!」

「兄様、朝御飯の準備が出来ましたよ。そろそろ起きて下さい」

 

 耳元から可愛らしい声が響く。ゆっくりと眠っていた目を開く。目の前にはM1911、GSh-18、G17の三人がそこに居た。

 

「あぁ……皆、おはよう……」

「あらあら、朝から元気ありませんね?あ、もしかして、お目覚めのキスがまだでしたか?」

「ちょ、ずるい!それは私の役目なのに!」

「二人して抜け駆けする方が悪いじゃない!兄様は私の―――」

「ハイハイ、ストップストップ。喧嘩しない喧嘩しない。それに、元気が無かったのは嫌な夢を見たからだよ」

「嫌な夢って?」

「……家族に見放され、世間からも見放され、耐え切れなかった俺が爆弾で殺した夢だ」

「「「………」」」

 

 何か心当たりがあるのか、それとも彼の心中を察したのか、表情が暗くなる三人。更にはこんな事を言い出した。

 

「それに、俺とお前等は血は繋がっていない。あれはあくまでもお前達を救っただけであって―――」

「それでもです!あの時……貧しかったから家族を助ける事が出来なくて、怖くて震えながらもあの賭け事から解放してくれたのは兄様です!兄様が助けてくれたから、私達は生きる希望を見付けたんです……!」

「でも、最期に私達3人にお兄様から託されたモノを受け取った後、「俺みたいになるな。立派な人として生きて行け」なんて言った後、行方不明だって聞いた時はずっと泣き続けていたんですよ?もう貴方に会えないとショックだったんですから」

「それでも、お兄ちゃんの約束を忘れずに前を向いて行こうと、生きて歩こうって皆で約束したから。だから、グリフィンに入ってまでお兄ちゃんを探そうって決めたの。絶対にお兄ちゃんは生きてるって信じていたから。戦術人形じゃなくて、生身の身体だけどさ……それでも、お兄ちゃんが傍に居るって思えば怖くなかったから」

 

 他の人から聞けば衝撃的な内容だろう。彼女達は戦術人形ではなく、正真正銘の人間で、そんな彼女にボマーは何度か出会った事があるのだ。とは言っても、それはかなり昔の話でもあったのだが。

 

「……本当に強くなったな、お前達。それにしても、あれから数年経ったのか……正直な話、あれが自分にとっても世間においても本当に良かったのかどうかは分からない。家族も俺も酷く歪んでいたし、結局の所悪いレッテルしか残らなかった。だけど、それでもお前達を救えたなら本望だったよ……」

「お兄様……」

 

 彼女達と彼との接点は一体何だったのか。それは、少なくとも彼自身に訪れた1つの出来事が全てを動かした。崩壊した世界において、この世は弱肉強食。力の有る者が全てを動かし、無い者はそれに従わなければならない。落とされ、騙され、蔑まされ、そして何もかもを奪っていく。その上に立つ者は一体どんな気持ちをしているのだろうか。人の為に何かを尽くしているのか。或いは自分の叶えるべき夢の為に後を振り返らず走り続けるのか。はたまた……他人を見下し、落ちぶれた者が絶望する姿を見ては愉しく笑っているのだろうか。

 しかしながらも、人は因果というのがある。仮にも誰かが悪事を働き、人徳的に落ちぶれたのならば、そのツケは何時しか自分に帰って来る。人はこれを因果応報と呼び、何時の時代でも語り継がれる真理でもあった。

 

 これは、その因果に巻き込まれ、耐え続け、復讐を果たした少年の物語である。

 

 

 

 

 

 世界に混乱が訪れている最中、ある家族が居た。その家族は富豪とも言える一家でもあり、周囲からの期待も厚かったと言われている。だが、それはあくまでも表向きの話。人には必ずしも裏側の事情というのがあった。

 その事情の原因の1つが彼等の家族に問題があったという。彼等は確かに優秀の塊とも言えるエリートな家族ではあったが、唯一子供だけエリートとは言い切れず、頭が良いとは言えなかった。ここに生まれたからには優秀でならなくてはいけないという概念に囚われたのか、常に厳しい教育を続けていた。だが、子供は中々覚える事が出来ず、人と会話するのも難しかったりという理由もあってか、家族は彼を心底嫌っていた。だからこそ、こう言われたのである。

 

「所詮、お前はお荷物に過ぎない出来損ないだ」

「お前なんか生むじゃなかった」

 

 物心がついた時には比較されてばかりの毎日が続いた。誰からも自分の事を褒めてくれようとはせず、兄や妹など出来る人物に対して褒めていた両親達。

 自分は何で褒められないのかと悩んでも結局は自分側に原因があると突き詰め、どんなに必死になって頑張っても、彼を褒めようとしてくれる人物は誰も居なかった。

 

 彼は何も恵まれなかった。自分の出来の悪さに一時期は鬱や不安を抱えたりはしていたのだが、それから数年経った後に家族が彼に向けて罵倒や蔑む様な言葉を平気で吐いたりする等、家族に向けてやってはいけない事を平然と行う様になったのである。

 それだけじゃなく、生みの親から虐待を受ける事もあり、その時から彼は家族を恐怖の対象と認識してしまっては死にたいと何度願った事あった。自分が悪い子だからと己を責め込み、何時しか心を閉ざしてしまったかの様に。自分の部屋に戻っては引き籠もり、彼は現実から「夢の世界」へと逃げ込んでしまった。

 

 彼は虐待を受けた日から不思議な夢を見る様になった。それは、何処もかしこも四角い世界で、生き物ですら四角い世界。目が覚めた時には変わったブロックを持っていて、それを使ってモノを作るという発想をこの時に学んだのである。最初はどうしても手作業でやる事が多かったのだが、何時しか道具も作れる様になり、生き抜く力も自然と身体に身に付いてしまっていた。

 

「えっと……ダイヤピッケルは……ちょっと微妙に足りないな。もう少しクラフトした方が良いかな?」

 

 不思議な世界を旅して、自分だけの世界を作り、誰にも邪魔されずに気ままに過ごしていく。時にはモンスターとかに襲われたりする事多々あったが、死んでも何故か自宅のベッドの上だったりと……とにかく不思議な事ばかりしか起きない。それだけじゃなく、頭の中に変わったコードとかを見たり、ありとあらゆる情報が頭の中に流れる様になってからは「MOD」と呼ばれる存在を見付けた。これさえあれば更なる試行錯誤が出来る様になったとか。

 

 しかし、夢はそんなに続かない。自分が眠っている間はその夢が見れるが、起こされたりすると夢が途切れ、現実世界へと引き戻されてしまう。

 

「あ……もうこんな時間か……」

 

 とれだけ長く掛かったのか。1秒か、10分か、それとも1時間か。夢から現実へと目が覚めた瞬間はどうしても不安と鬱になってしまう。今日もまた罵られる日が来たんだと。

 だから、出来る事ならば夢の中が永遠に続けば良いなと願っていた。その純粋な願いが彼に通じたのか―――

 

「え……?」

 

 頭の中にコードが浮かんでは、それが目を通して見えていた。更には、モノを作り出す……所謂クラフト能力さえ実現し、ついには現実世界でクラフトする事が可能となった。崩壊した世界においてクラフト能力は世界を救う唯一の手段でもあるだろう。

 

「何で夢の世界の力が……?まさか……本当に現実でも出来ちゃったのか……?」

 

 夢からリアルへと変わった事実。少しだけ混乱はしていたものの、他の誰もが使えない特技を手にした事を心の底から喜んだ。これならば、自分の思い描いたモノを作り上げる事が出来ると。

 しかし、これを狙おうとする輩は絶対に現れるだろう。ましてや、クラフト能力はいざとなれば大量の金や宝石などの高価なモノでさえ手にする事も可能で、下手したらそれを目当てに言い寄って来る人や襲われたりする可能性が高い。それこそ、自分を愛さなかった家族が一体何を言って来るのかと思うと……想像したくないだろう。今更愛そうが褒めようが、どうせ碌な事しか起きないと彼はそう悟っていたからだ。もっと言うなら、奴隷の様に扱う可能性も高かったからだ。

 

「……誰にも見せる訳には行かない。これは俺だけにしか使えない力なんだ……アイツ等に奪われて堪るか……!」

 

 だから、この力は決して人に見せない様に隠し通した。だが、決して使わない訳でも無い。既に言ってるが、彼は虐待を受けている。毎回耐え難い暴力や世間からのレッテルに縛られた日々を送っている為、自分の心が壊れるのも時間の問題だった。生き抜く為にはコレを上手く利用して生きなければならない。

 

「だったら、せめて必要な物を揃えないと駄目だな……」

 

 彼は咄嗟にある事を考えた。それは自分なりの家を作る事。その家を自分の逃げ道として使う事に。あの家でずっと虐待されるより、そこで家を作って悠々と過ごした方が余程マシだろう。MODの力さえあれば、植物も肉も、水だって確保出来る。だから、彼は親の目を盗みながら見付からない場所に自分だけの家を作る為に汚染された大地を甦らせ、そこで家や畑などを耕した。建物自体は至って簡単に作れたので後はタイミングを待つだけだった。

 

 そのタイミングが訪れたのは数年経ったある日の事だった。ここ数年で彼は親や世間の目を避けながら入念に逃げる準備をしていた。跡継ぎとか名誉だとかは最早彼からしたらどうでも良くて、親や周囲も含んで人間不信へと陥っていた。だから、例え何が起きようともドライな性格を貫いていた。彼の性格が変わると同時に、彼の家族も年月を重ねる度におかしくなり始めていた。女は金に溺れ、男は力や女に溺れ、醜悪とも言える形へと成り変わった。それでも表向きは未だに褒められたままだから性質が悪い事この上無い。ただ、彼だけは何も与えられずに育ったが、持ち前の経験で肉体的にも精神的にも強くなり、些細な事で表情が顔に出る事は無くなったのである。

 

 問題のタイミングが訪れたのは彼が一人の女性から告白された事だった。その時の彼は年齢的には高校生とも言える位までに成長し、一般常識や様々な勉強を独自に学んでは少しずつ頭が良くなった。そんな彼に一人の女性が告白したのだが、この時の彼は依然として人間不信が続いていた。ただでさえ富豪だの有名な御曹子だの嫌な肩書きがあるから、多分コイツも金目当てなんだろうなと思っていたからだ。

 とりあえず、彼女と交際する事を了承したものの、暫くは泳がせておいた。絶対に何かあると思って盗聴器やら小型のカメラ等を仕込み、その様子を毎日チェックしておいた。すると……。

 

「あー……成程ね」

 

 結論から言うと、彼の彼女は寝取られていた。彼の家族によって。最初はテンプレ通りに嫌がっていたものの、次第に調教されるにつれて従順な雌へと発展し、最後は綺麗に雌奴隷宣言堕ち。家族は何を思ったのだろうか、「これでアイツが絶望する姿が見れる」等と卑しい笑みを浮かべてながら呟いていたが、彼からすればそれもどうでも良い事だ。確かに彼女はスタイルも性格も良くて男子に人気あった女性。一方で彼自身は地味であるものの少しだけイケメンな姿をしていたが、要領の悪さが影響して今までに至っていた。反対に家族の方では父親が正に油まみれな肥満体の男で、兄と思わしき人物はチャラチャラした存在となっていたが、頭は良いというステータスを持っていた。

 

「意外と虚しいとか、怒りとか沸いて来ないのが不思議だよな……」

 

 金ではなかったものの、結果はお察しとも言えていた。彼も決してその手の知識を知らない訳では無い。成長するに至って、そういう知識も学んだのだが……自分からすればそんなのは無縁の存在だなとキッパリ言い切っていた。だから、彼女が寝取られた姿を見た時は興奮など一切起きなかった。

 思えば、小さい頃から存在意義を奪われていたのも同然だったので、唯一の救いはあの夢の世界だけだった。それで精神が図太く強くなったのだが、今ではある意味感謝とも言えるだろう。そうでなければ今頃自分は心に深い傷を残していたと思うから。

 

「そろそろ潮時かもな」

 

 ご丁寧にビデオレターを送って来る始末。きっと、何やかんやの事情で出て行けと言われそうだが、それも案の定言われた。掻い摘んで説明すると、彼の部屋を彼女の部屋と同時に調教部屋にしたいから、役立たずの彼は不必要だから要らないと宣言された。両親も元彼女も揃いも揃って卑しい笑みを浮かべながら彼が絶望する様を見届けようとしていたが―――

 

「そうですか。では、綺麗サッパリ忘れる事が出来るんですね!ありがとうございます。あ、必要でしたら縁も切らせて貰っても構いませんし、こちらとしては大いに助かります。俺とて、小さい頃からこんな家に住み続けるのは我慢の限界だったので、これで心置きなく出て行けますから!あ、財産とかはそっちで勝手によろしく使っても構いません。ただし、今後一切俺の目の前で現れないで下さいね。テメェ等と同じ様に落ちぶれた奴とは同類にはしたくありませんので。では、お世話になりました!」

 

 と、笑顔満面で言い切ってはあの家を出て行ったのである。家族もまさかの発言に理解が追い付かず、彼は彼でそそくさに出て行っては遠くの方へと逃げ続けた。

 

(もっと早めに動いておけば良かったな。どう考えた所であのクソ家族が俺を大事にしようとは思えないし……)

 

 でも、これで理想の生活が始まる。自分のしたかった夢が漸く叶うのだから。暫く逃げ続けると、少しだけ広い廃墟街へと辿り着いた。そこで形が少しだけ残っている廃墟が無いか、或いは建築スペースを確保して建てるかどうか考えていたが……。

 

「あ、ここ良いかもな」

 

 見つけたのはちょっとした古いアパート。ここを拠点にしてからアパートの修理や農業しようと考え、更には現実とあの世界を繋げる為の扉となる「ネザーゲート」も作る事にした。多分、あそこでも世話になると思うからである。

 所持金などは何も持っていないものの、ツール道具や収納箱などの必要な物を持って来ていた為、生活には何も困らないだろう。縁も切ったと同時に名前も変えておいた。当然ながら偽名に近いが、踏ん切りがついたという意味ではそれこそ本名とも言えていた。

 

 こうして、彼は孤独な人生を歩み始めた。しかし、彼がここに訪れた事により、これがまた事件に巻き込まれ、強いては世界の命運に繋がる事をこの時はまだ知らなかった……。




ちなみにM1911達を使った理由は今後書く予定で明らかにしますので。まあ、元ネタがなぁ……(白目)

解説とかは後で。ごめんなさい。それと並び替えます、後で。

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