味方からも敵からもヤベー奴扱いされた指揮官達のいるドルフロ   作:ホワイトアクア

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随分と時間掛かってしまって本当に申し訳ない(震え声)

いや、本当に最近ヤバくて……身体の疲れとか悪循環な時間消費とかはともかく、今は転職準備で面接とか何回も行ってるんですが、これが中々上手く行かなくて……流石に60社とか100社連続で落ちたなんて結果は避けたいのです……(白目)

後は後日談をもうちょっと書ければと。


Q.これはシスコンですか? A.いいえ、ただの建築テロリストです G17「下です!」

 少女達の約束を交わし、クラウスは指定された場所へと向かっていた。少しずつ金銭の方は解決して来たので、ちょっとだけの余裕が出来た様子だ。周辺の瓦礫とかも撤去させ、人が通れたり、住める程には綺麗な場所となっていた。

 今日は自宅前のここで例のクラフト能力を見せるという約束の日。まあ、実際に自分でも驚いた力だったので、彼女達もきっと驚くに違いないと考えていると、約束通りに彼女達がやって来る。

 片方は赤い髪留めを両側に着けたツインテールの子。もう片方は正に来る場所間違えたんじゃないのか?とちょっと疑う赤いドレスかワンピースの様な服を着た金髪の少女が一緒に来たのだ。

 

「おじさん!来たよ!」

「おじさんじゃないって……これでも若い方だから、せめてお兄さんって言ってくれなきゃ困る……所で、名前は?」

「名前?私はセラ・ヴァレリアって言うの」

「セラちゃんのお友だちのディアナ・グラッツェルです」

「私はエリカ・メイフィールドって言います!よろしくお願いします!」

「全員外国人か……まあ、それぞれに特徴あるから、覚えられるかもな」

 

 ピンク色の服を着たのがセラ、髪留めはディアナ、赤いドレスはエリカと覚えれば何とか行けそうだ。早速、彼女達に物作りの過程を見せてあげる事に。

 

「良いか?物作りはただ作れば良いってものじゃない。自分が何を作りたいのかをイメージし、何処をどうすれば良いのかを何度も頭の中で試行錯誤しながら完成へと近付けるんだ。何よりも一番大事なのは作るのが楽しいという気持ちだ。楽しくなければ、自分がどう作りたいのかも上手く行かないし、形が歪になったりするかもしれない。そういう時こそ気持ちを落ち着けて、誰にあげたら喜ぶか等を考えてから作ると良い感じに仕上がったりするからな」

 

 試しに今回はケーキを作ってみる事にした。牛乳が入っているバケツを3つ、卵一つ、砂糖が2つ、最後に小麦を3つ並べてクラフトすると……何故か途中の段階をすっ飛ばしてケーキが出来上がる。

 不思議そうに見ていた少女達も何故これでケーキが出来たのかビックリした表情を見せていた。

 

「わあ、すっごい……!」

「これでモノが出来上がるというものですから、不思議です……」

「食べ物じゃなくても、作れる物なら大半は作れる。次はブロックで出来る事を説明するぞ」

 

 子供にも分かり易い方法で教え、慣れた手つきでクラフトを行うクラウス。実際に原木から作業台を作っては子供達にもクラフトするという楽しさを教えてあげていた。

 クラフトならではの力で、まだクラウスの住んでいる空き部屋の個室を使っては自分の好きな部屋を子供達にやらせたり、作った物を何かに使うなど、とにかく楽しんでやっていた。

 

「楽しめているなら結構だ。だけど、こういう力はあんまり人前に見せちゃいけないんだ。これを見た奴がこれやって、あれやってと言い寄って来たり、怖い人から金作れなんて言われたら怖いだろう?」

「やだ……こわいよ、そんなの……」

「だから、セラちゃんには事前に言わないで欲しいって約束したのはこれが理由なんだ。今回は特別だったから許したけど、次からは人に見せない事や大事な場面にしか使わない事を覚えておく様にね」

「わ、分かった……」

 

 実際、自身の体験談にも近い話でもあるので、この子達には絶対そういう道には行かせたくないし、自分と同じ末路になって欲しくもないだろう。

 そう考えていると、残りの少女達はどうしてコレに興味を持ったのか気になったので聞いてみると……。

 

 

「そう言えば、セラちゃんから少しだけ事情は聞いてはいたんだが……二人は何で俺の元に?」

「うん……家に居ても、お外で遊んでも何もする事が無くてつまんなかったから……それに、私もセラちゃんも貧しいから、漫画とかゲームとかそういう楽しいものも無いの……お母さんとお父さんも必死になって頑張ってるから、ずっとこんな日が続いて……」

「あー……まあ、このご時世だしな。そりゃ毎日ずっとぼーっとしてばかりの日なんて退屈だしな。エリカちゃんも同じかい?」

「そうですね……私は少しだけ違います。私は俗に言うお嬢様の様な立場ではあるのですが、常識が無いと言われたくなくてずっと勉強漬けの毎日が続きました。メイフィールド家の誇りある淑女として様々な事を学んではいたんですが……比較的に閉じ籠りみたいな毎日が続いたので、それが嫌だったんです。勉強も大事ですけど、面白味が欠けますから。それに、限られた外の世界で何か見つけるというのは、面白いと思いませんか?」

 

 そう言われると「分かる分かる」と同意するクラウス。見た目とは裏腹に、どうやらこの子は結構なチャレンジャー精神でもあるのだろう。

 念の為に、今回のクラフトについて面白いかどうかを聞いてみたら「凄く面白いです!だって、こんな不思議な光景は今まで見た事ありませんでしたから」と笑顔で答えてくれたそうだ。その上、丁寧な言葉遣いもしている為、しっかりとした子供である。

 

「セラちゃんから聞いた時、嘘みたいだって思いました……だけど、どうしてもお父さんやお母さんを手伝いたくて……お母さんもお父さんも無茶してばかりしてるから……本当につらいのは私なんかじゃなくて、お母さんとお父さんとかだから……もしも、病気とかになったりしたらって思うと怖くて……」

「……そうか」

「私の場合……良く分かりません。ですが、これを見て私も何か出来ないかとか色々と思う所があるんです。私のしたかった事とか夢だとか、後は……同じかもしれませんが、もしもお父様やお母様がお困りになった時、これで少しでも恩返し出来ればと思いまして」

 

 彼女らしい言葉でもあった。少々心配な面もあるかもしれないが、多分この子達はちゃんと聞き入れてくれると信じ、何時しかこの技術を受け渡す日を待ち続けた。

 それこそ、ずっと一人だったクラウスがこの子達と出会ってからも会話も楽しくなっていたのだ。悪意無き純粋な心を持った子供からこんなに喜ばれる日が来るとは思っていなかったものの、これも悪く無いと思ったのである。

 

 その為、彼女達にも生き残る為の術を惜しまなく教えたのであった。夢の世界の事や爆破すると野菜などが出現するおかしなTNTブロックの作り方を教えたり、身を守るべく武器を作ったりするが、大半がダイナマイトとか極端な方向に走ったり等……。

 時折、エリカが「こんなに楽しいのでしたら、クラウスさんを家庭教師として雇いたい位です」と、妙にませてる部分があったが、それはダメ!とセラやディアナが慌てて言ったという。二人は二人で、まるで兄の様に慕ってくれているかの様な感覚だったので、つい口から「お兄ちゃん」とか「兄さん」とか言い合う仲になっていた。

 今まで家族がアレだったので、こうも呼んでくれるとは思わなかったクラウスだったが、それはそれで悪くないと心の何処かで嬉しく感じていたのだろう。

 

 だが、最悪の事態はここからだった……。

 

 

 

 

 

 それから一か月少し経った頃、彼は新しい武装の開発を行っていた。

 爆発による威力を利用したグローブや靴などを考案してから完成し、何処かの廃墟とかで試しにやった結果では何の問題も無く発揮。一発殴っただけで瓦礫が弾け飛び、靴は爆発した瞬間に風圧によって軽々と大きくジャンプ出来た。また、これを使って蹴り飛ばすなんて芸当も可能となった。

 今までは遠距離から爆弾投げてばかりだったので、近接に持ち込まれたらほぼ意味が無かった。しかし、それをカバーする様に考えたのがこの2つ。これでまた一段と強くなったと実感した。

 

「さて、帰るか」

 

 そうして、また爆発でピョンピョンとジャンプしている最中、不意に誰かが居た様な気配を感じた。

 ゆっくりと視線を凝らして見ると、そこにはセラ達が知らない男達に囲まれては話し合い、何処かへ連れて行こうとしている光景が見えた。そして、ゆっくりと車の中へと入られてしまう。

 

「あの野郎……!何処に連れて行く気だ!!」

 

 クラウスは急いで着地し、男の一人を捕まえる。他の男達はいきなり襲撃された事にビックリしたのか、急いで車を出して彼女達を連れ去ってしまった。

 逃げ切れなかった男はゆっくりと迫り来るクラウスを見て怯えていた。それは正に鬼か悪魔の如く、恐ろしい表情をしていたからだった。

 

「おい、テメェ……教えろ……」

「な、何なんだよお前は……!一体何を―――べふっ!?」

「テメェの御託なんざどうでも良いんだよ。あの子達を何処に連れて行ったのか教えろって言ってんだよ。でねぇと、お前を縛り付けて爆破するぞ……」

 

 クラウスの手に持っていたダイナマイトを見て震える男。だが、クラウスはその前に協力していたとして男の指を数本折り、ついでにグローブによる右ストレートが炸裂。その威力はなんとミサイル並み。

 指が折れては激痛が走り、顔は殴られてはぐちゃぐちゃになって醜い姿と化した男はクラウスの落とし前を付けられたのであった。痛みに苦しむ男の汚らしい声が響くが、続けざまに「早くしないと今度は反対側の指も折るぞ。それか、口の中にダイナマイトでもぶち込むぞ?」と脅す。最早やり方が酷過ぎて怖かったのか、男は正直に事の真相を話した。

 しかし、その真実はクラウスにとっては目を見開く程の内容でもあり、苦虫を噛んだかの様に強い憎悪を向けたのであった。

 

「も、もう良いだろ……放してくれよ……俺はただ言われただけで―――」

「ああ、分かった。後はゆっくりと閻魔様と話し合ってな!!」

 

 ベコッ!!と地面を抉る様に穴が開き、その穴の中にスッポリと入ってしまった男。そして、トドメと言わんばかりにダイナマイトを置き土産として残し、数秒後には大きな爆発と共に肉塊がグチャッと飛び散ったのであった。

 一旦自宅に戻り、必要な道具を持っては完全武装の恰好のまま目的地まで飛んで行く。もっとも、その目的地ですら忘れようとしていた忌々しいあの場所でもあるのだから。

 

「あのクソ家族が……何処までも俺の自由を奪いやがって……!!」

 

 どうやら徹底的に縁を切らなければいけないと、覚悟した表情で彼は町という町を駆け抜けたのであった。

 

 

 

 

 

「博打の催し?」

「そう。クラウスが問い詰めたその男が言うにはマフィアや金持ち関係の人達が集まり、あるショーを行う事だ。お察しの通り、あまり良いショーとは言えないけどな」

「……具体的には一体どういうの?」

「対象となるのは、金に貧しい子。家族が病気になったからその治療費が用意出来ない子。何らかの借金を背負い、少しでもその借金を減らせる様に乗り出してくれた子……理由は様々だ。そんな子達を集め、大人達はあるゲームを子供達に提案した。ロシアンルーレットを……」

「………!?」

 

 衝撃の内容に45と40は言葉を失った。クラウスがあの時に問い詰めた内容というのは、主に貧しい子供や何等かの事情で金に余裕の無い子供等を誘い、ある提案を子供達に持ち掛けたのだ。それが、今話したゲームの内容だ。

 まだ未成年の子供達にロシアンルーレットさせるなど狂気を通り越して外道としか言い表せない。しかし、大人達はその子供が不安に怯える心を利用しては更なる恐ろしい事を考えていたのだろう。40は恐る恐るその内容を聞き出した。

 

「ロシアンルーレットって……もしかしなくてもアレかい……?」

「ああ。具体的なルールとして、回転式の拳銃に弾を込め、一度リールを回転させてから始める。引き金を引く事で、空だったら掛け金が増え、もしも当たった場合は……言うまでもなく頭をズドンだ。しかも、この賭け事の厄介な所は強制的に目隠しをしなければいけない事や、弾は1発だけかと思いきや2発3発混じっているパターンもあるとからしく、最悪の場合はトリガーを一番最初に引いたら弾が入ってたなんて事例も有り得る。だから、尚更性質の悪いゲームなんだよ」

 

 幸いにもゲームを降りるという権利はあるが……死ぬかもしれない恐怖と何としてでもお金を稼がなきゃいけないという焦りに心が乱れ、正常な判断が出来ずにいたのだろう。ましてや、まだ考える力とか冷静な判断力が未成熟な子供に対してこんな事をさせるのは許せない内容だ。

 

「仮に、当たりの弾を避けて、ハズレを全部引き当てた場合はどうなるんだい?」

「一度銃を取り上げられ、中身を入れ替えとシャッフルしてからまた渡される。銃弾を引き当てるまで延々とループして行くぞ」

「地獄ね……」

「このゲームは前々から始まっていたらしく、クラウスがこの事件を聞いたのは本当に奇跡とも言えるべきだったな。ただ……」

「ただ?」

「今回の事件に関してはクラウスもある意味無関係とは言い切れなかった。その事件にはマフィアや金持ちもそうだが、クラウスの元家族とも言うべきか、そいつ等もまた1枚噛んでいたそうだ」

 

 血筋か、それとも運命が引き寄せてしまったのか。ただでさえ元家族が堕ちぶれていたのに、更に人の道を歩み外した行為に対して怒りが込み上がる。

 折角見つけた僅かな幸せを、まだ夢を叶えるべく年頃の少女の人生までアイツ等は貪るつもりなのかと。真実を聞いたクラウスは元家族に対して殺意が沸き始めた。

 

「だから、彼は復讐を決意した。家族の決別もそうだが、縁を切ったとはいえ、その始末をしなければいけないと思ったんだろう。これまで犠牲になった子達の怨みも晴らすべく、彼も彼で堕ちぶれてしまった。けど、ここで見過ごすよりかは、人間として止めた方が尚更マシだと言ってね」

「彼らしいわね。きっと私も同じ気持ちかもしれないわ」

「もう同じ事を繰り返さない為にも徹底的に潰した。とは言え、御曹司なら有名企業の奴やらの集まりだったから、そりゃ事件にもなったがな。それでも、その日を境に次から次へと真実が浮かび上がったものだから人々は喜んでいたものの、殺人を犯したからな。アイツもそう簡単に捕まって堪るかって言いながら逃げてたよ。その日、幼子の死体とか全貌が明らかになった事から『ペニーガール事件』と呼ばれる様になったんだと」

 

 その日、一体何が起きたのか。彼から聞かされた内容をゆっくりとグレイは再び語り始めた……。

 

 

 

 

 

「ここだな……」

 

 道中で先程逃してしまった車を再び見つけたのは本当に運が良かったとクラウスは心の中で呟いた。

 あれから少しだけ時間が掛かったが、車が逃げた先はどうやら人気の無い場所だった。その内の一つの建物が周りのに比べ、やけに朽ちてない上に綺麗だったのを確認出来たので恐らくコレだと判断した。

 到着した頃には外も暗くなり、夜が訪れる。暗い中を走るのは丁度良いタイミングでもあったが、多分向こうも追い駆けて来ていると想定してなのか、妙に人が多いという点を見ると悪いタイミングとも言えた。だが、そんなのは関係無い。

 

「騒がれる前に殺す。ここに居る全員残らず絶対殺す。だが、それよりも救助だな……」

 

 荷物からダイヤモンド製のピッケルを取り出し、頭の中に「一括破壊」と表示されたMODがインストールされる感覚が走る。

 そのまま地面を叩くと、周囲の地面も纏めて一気に破壊されて大きな穴が出来上がる。そのまま直下掘りした後は壁に梯子を掛け、今度は正面に向けて掘り進める。

 ある程度の現在位置を確認しながら掘り進み、この辺りだろうと思った所で今度は上に向かって掘る。ここで一括破壊による事故を防ぐ為に一旦MODをストップさせ、梯子を掛けながら真上を掘り進めた。建物内の何処かの床に当たったのか、強く壊した後は身体を出すかの様にスッと穴の中から現れた。

 

「お兄ちゃん!」

 

 咄嗟にクラウスを呼ぶ誰かの声が聞こえた。クラウスが出た場所は少し薄暗い部屋。クラウスは持っていたライトを照らすと、ライトの先には恐怖に怯えていたセラ、ディアナ、エリカの三人を発見。何とか殺される前に救助出来たのであった。

 

「セラ!大丈夫だったか!?」

「大丈夫……怖かったけど、お兄ちゃんが来るって信じてたから……」

「良かった……他の皆も無事なのか?」

「うん。ディアナちゃんもエリカちゃんも一緒だから……」

 

 これで一安心と思ったが、ここで疑問が生じる。あの男は貧しい子供をターゲットにして連れ去ってはいたのだが、何故この3人だったのか?

 セラとディアナはまだ分かる範囲だが……エリカに至っては何一つ理由が無い。寧ろ金持ちの方だ。それに関してクラウスはちょっとだけ聞いてみた。すると……。

 

「……ここ数日前、お父様が仕事で失敗してしまいまして……それが理由で大きな借金を背負ったという話を聞いてしまったんです。だから、巷で噂の賭け事の話を聞いてお父様の借金を減らそうとしたのですが……今更になって怖くなって……!」

「そうか……けど、今俺が来たからには大丈夫だ。そんな恐ろしい事に命を落とす理由なんて無い。エリカちゃんが先に死ぬのは家族も望んでいないんだから。ね?」

「はい……反省しました……」

「よし、偉い子だ。所で、二人の場合は?」

「私は……一週間前にお母さんが病気になって……でも、払えるお金とかが……」

「私の方はお父さんの会社が潰れて……今はその余裕が無くて……」

「成程。その理由も分かった」

 

 これもまた仕方の無い事。少しでもその助けになってあげたいという純粋な気持ちは親からしてみれば否定出来ない気持ちだろう。しかし、それを踏み躙ろうとする輩が居る。クラウスはそれが一番許せなかった。

 

「少しここで待ってな。ちょっと取る分だけ取って来る」

 

 彼女達にそう告げると、再び頭の中でコマンドを入力する。すると、今度はクラウスの姿がスッと消えたのであった。

 クラウスは座標を入力し、短い距離ながらも建物内に居る人間達や監視カメラを物ともせずにワープしながら移動し、ありとあらゆる物を物色しては売れそうなヤツを全部掻っ攫ったのだ。今まで散々家族に奪われた分をここでと言わんばかりの仕返しをついに始めた。

 装飾品、高級品、高そうな物や目ぼしい物まで全部ひたすらに掻き集め、果てにはクレジットカードや財布なども全部奪い取った。暫くすると、エリカ達の目の前に向かってクラウスが戻って来る。

 

「ほれ、お待たせ。これなら十分だろ」

「わぁ……お金がいっぱい……!でも、良いのこれ……?」

「良いんだ。どうせここに居るアイツ等が持っても無意味なモノだ。だから、これはお前達の物だ」

 

 出来れば、そのお金はある意味使って欲しくも無かったりする。きっとそのお金も必死になって働いたモノじゃなく、臓器売買や人身売買で手に入れたお金だろうと大方予想していたから。

 先程の座標ワープの際、虱潰しで部屋を駆け巡ったが、その途中で子供の亡骸が大量に入っている地下室を偶然見つけてしまったのだ。亡骸の殆どは目が抜かれ、臓器も抉り出され、見るも無残な姿となって死んでしまった子供達の遺体が山積みとなっていたのだから。

 鼻が折れそうになる程の異臭に、虚ろな表情のまま死んだ子まで。その子供達の大半は頭部に何か撃たれたのか頭の一部が欠けては脳みそが少し出ている位にハッキリとしたグロテスクな様子が見えていた。

 

「クソが……!」

 

 一体何人の子供が命を亡くした?一体どれだけの犠牲で金を稼いだのか?吐きそうになる気持ちを堪え、クラウスの目には怒りしかもう見えていなかった。

 だから、せめて生きているこの子達はどうか無事でいて欲しい。一旦、座標を登録しておいてからクラウスは彼女達を引き連れては自宅の方へと戻って行った。一瞬の内にワープしたものだから、彼女達も一体何が起きたのか混乱したものの、これで逃げ切れたんだと一安心した。

 

「ここまで逃げて来たものの……油断は出来ないな。お前等、今日はここに泊まれ。それと、朝になるまでは絶対に家に戻るな。朝になったらそれぞれの家に戻って良いが、その際には何が起きたのか……予め手紙とか書いておく。事情もある程度知ってるかどうかは分からないが……」

「きっと大丈夫と思います……だって、お兄様がここまでしてまで助けてくれたんですもの。心配になってくれたお父様やお母様もクラウス様を信じてくれますわ」

「だと良いけどな……」

 

 事件の成り行きを書いた手紙をササッと書き、それから盗んだ金品をそれぞれに持たせる。セラ達はクラウスの言う通りに従い、今日の夜は絶対に外には出ないと約束した。そして、クラウスは最後は彼女達にこう告げる。

 

「もしも、俺が帰って来なかったなら……その時はその力をお前達に託す。決して俺みたいになるな。立派な人として生きて行け」

「え……?帰って来ないって……お兄ちゃん、どっかに行っちゃうの!?」

「平たく言ってしまえばな。どうやら世間ってのは、騒ぎが起きると何が起きたのか徹底的に調べるから、それに関連付けて俺が悪い奴だとか言いたい放題しながら追い駆けて来る可能性があるからな。一緒に居たら巻き込まれる」

 

 やっと安心したかと思えばいきなりのお別れ宣言。一か月という短い間柄だったのにも関わらず、好きだった人と別れるのはどんなに辛く寂しい気持ちだろうか。その辛さを感じては泣き出してしまうセラ達。実際、別れる宣言をしたクラウスですら心が痛みそうになる。

 

「そんな……!兄さんが行ってしまったら私、何にも出来ないよ……!」

「出来なくねぇ。お前達は俺の力を引き継いだモンなんだよ。これから先、何をどうするべきなのかは自分で考えろ。将来大人になるんだから、何時までも頼ってばかりの子供じゃダメ。強くなれ」

 

 厳しく言われながらも、その言葉は少しだけ優しさがあった様な気がした。クラウスの言葉に分かってくれたのか、代表としてエリカが泣きながら答えた。

 

「分かりました……でも、これだけは約束して下さい……必ず何年経ったとしても会いに来るって……だから、決して忘れないで下さい……!」

「ああ、絶対に忘れない。約束だ」

 

 ニカッと笑いながらエリカ達と約束したクラウス。もう一度あの場所に向かってスッとワープし終えると、さっきまで笑っていた表情から一変し、本気の表情へと変わる。

 

「全部だ……全部奪い取ってやる……」

 

 かつて、クリ姉が族長で且つノースガードの王として君臨した時、彼女は「奪い取れるものなら何が何でも奪い取る、それが我らフェンリル一族の定めである!ワン、ワーンッ!!」と叫んでいた時があった。

 そして、今クラウスは奪われる者から奪う者へと生まれ変わったのだ。残虐な奴等には自由なんてモノは生ぬるい。関わった奴等には等しく平等に死あるのみ。

 

「もう人殺しだろうが狂ってるだろうが関係ねぇ!!子供達の命を奪った時の様に、テメェ等の命も全部奪い取ってやるよ!!」

 

 吹っ切れたかの様に扉を蹴り飛ばして開けるクラウス。異変に気付いたガードマンやマフィアの手下達がクラウスの所に走って来るが、先制されまいとクラウスはペンシルロケットを投げ飛ばした。投げ飛ばされた爆発物に対処出来ず、マフィア達は爆発に巻き込まれては次々と倒れて行くが、無慈悲な鬼へと変わり果てたクラウスは直後に爆弾をセット。身体に付けられた爆発が爆発を起こし、肉片と血糊が瞬く間に飛び散る。

 一方で、未だに爆発が起きてる事に不安と焦りを見せ始める客人達。そもそも彼等もあのクソ家族に誘われては一緒に「見せ物」を楽しんでは、臓器や金目的に集められたカスの集まりみたいな存在だった。マフィア達を向かわせたのにも関わらず、まだ対処しきれてない事に痺れを切らしたのか、俺は帰らせて貰う!と逃げ出そうとする輩が次から次へと出口に向かおうとするが―――

 

「おっと、逃げられちゃ困るからな。例え蒸し焼きになったとしてもだ……!」

 

 制御室の端末を壊し、全ての防犯装置に誤作動を起こさせた。ありとあらゆる出入り口や窓といった所までにシャッターが降り、完全に逃げ道を塞いだのであった。突然シャッターが降りては出られないと絶望する一同。その猶予すら与えず、クラウスは腐るに腐った客人達も爆破させて葬った。

 

「良いぜ……もっと聞かせろ……テメェ等の苦しむ声をよォ!!」

 

 助けを求める声や、命乞いをする声まで。中には私には家族が居るんだと叫ぶ奴も居たが、それはクラウスの怒りを増大させるに過ぎなかった。散々家族の幸せを奪った者が今更命乞いした所で殺す事には変わりは無い。問答無用でクラウスは殺し続けた。

 制裁という虐殺が続く中、どれだけの時間が流れたのだろうか。気付けば周りは死体の山が出来ていて、残すはあの家族のみとなっていた。物という物は跡形も無く崩れ、炎煙が舞い上がる中でゆっくりと目的地へと近付くクラウス。最後の扉に差し掛かった時、開けたら襲われる可能性も見越しながら、クラウスは超小型のミニボムをクラフト。扉の下から僅かに空いている所に目掛けて転がす。タイミングを見計らい、起爆させると何人か悲鳴をあげる声が聞こえた。予想通り、部屋の中には護衛と思わしき人物が何人か居たのだろう。扉を開け、生死問わずに倒れた護衛達を爆弾で殺し、後は逃げ道が無くなっては部屋の隅で震えている家族に向けて冷徹な視線を向けた。

 

「お、お前は……!」

「よォ、クソ家族。相変わらず堕ちるに堕ちた人生送ってんな」

「何故お前がここに……まさか、この襲撃はお前の仕業だったのか!?」

「当たり前だバカ野郎。それに、コイツ等から一度聞いてみたが……どうやら人の命を奪ってまで金儲けしてたみたいだな、ええ?お前等は俺だけじゃなくて、他の家族を奪ってまで名誉とかそんな下らない事を掴もうとしてんのかよ」

「く、下らないとは何だ!一度縁を切ったとはいえ、お前も金の有り難みというのを知ってるだろ!お前がここを出て行くまでどれだけ育てたと思ってるんだ!」

「その割には絶え間無く俺の事を侮辱する様な発言ばっかりだったけどな。アンタ等に対する愛情だろうが何だろうが、これっぽっちも沸き上がらねぇな」

 

 寧ろ、出て行って後悔はしていないし、金が無くとも人は案外生きれる技術を知った彼からすれば、金はある意味無価値に近かった。だから、この家族に対して感謝なんてモノは必要無かった。

 

「にしても、思い出すよなぁ。出来損ないだとか一方的に決め付け、俺から彼女も何もかも奪い取っては出て行かせようと計画を企ててよ。どうだ?お前等は幸せか?無一文だった俺は何の障害も無く幸せに暮らせたぜ?それなのに……テメェ等は未だに俺から幸せを奪うつもりか?あぁ?」

「ち、違うの……そんなつもりじゃ―――」

「黙れよ、クソビッチ。家族に調教されて、男に腰を振っては毎日ヤってばかりの日を続けてやってたんだろ?俺に対する愛情すら何も見せなかったのによ」

「………」

 

 見れば、元カノは妊婦になっていて、何時しか子供が生まれそうになっていた。が、それを見てクラウスは悪魔の笑みを浮かべる。

 

「だから殺す。例えそれが家族だろうと元カノだろうとな。それこそ、腹にガキを孕んでいたとしても殺す」

「お前、何を言ってるのか分かってんのかよ!?」

「知ってるさ。だけど、放っておいても碌な事しか起きないからな。精々痛みを知れないまま殺してやる」

 

 狂っている、と怯えながら呟く腐った家族達。世間で言うなら、赤子に罪は無いと言い切るのが殆どだろう。だが、今の現状を踏まえ、碌な事しか起こさないこの者達を見て、果たして平気と言い切れるのだろうか?

 だから、クラウスは殺す事を躊躇わなかった。仮に生まれたとしても、ちゃんとした教育を施していればまだマトモな道には進めていたかもしれないが、あの家族と同じ様に受け継がれても困る。そうなる位ならば、いっそ根絶やしにしてまで滅ぼした方が人々にとって都合が良いだろう。ましてや、世界がヤバい状況になっているというのに、この家族と来たら……絶対に許せるものではない。

 

「そういう訳だから、とっとと死んでくれよ。もうこれ以上被害増やさない為にもな。なーに、人口がたった数十人減るだけだ。誰も気に掛けたりしねーよ」

「や、止め―――」

「あばよ、クソ家族」

 

 最後の別れを告げ、クラウスは持っていたダイナマイトを大量に投げつけた。瞬時に爆発が起こり、最後の家族は跡形も残らず散った。

 数え切れない程の人を殺した筈なのに、不思議と悪い気分では無かった。これまで自分が奪われたという報復が叶ったのか、それとも大切なものを守れたという達成があったが故か。どちらにせよ、死んで地獄に堕ちるのは覚悟している。因縁を断ち切るとはいえ、派手に暴れ過ぎた。同じ血が流れていた以上、ここまで狂った自分も同類なのだろう。

 

「ま、後を追って死ぬつもりは一切無いけどな。無関係だったとしても、やらかした分のツケは払わねぇとな」

 

 きっと、数え切れない罪を犯したのだろう。だから、代わりに自分が死ぬまで生きて、これまでの命を奪った分として、人々の為に最善を尽くす……それが、クラウスにとって最大の償いでもあった。

 騒がれる前にクラウスはここから逃げ出し、世間の目から逃げ続けながらも出来る限りの事をやり続けた。貧しい人には住居や食糧を与え、穏やかに暮らせる様に防衛に特化した町を作り上げたりした。

 

 流れ着いた噂では、一家の生き残りであるクラウスが爆破及び殺人の容疑者として追われてはいたものの、彼によって助けられたという証言が幾つかあった他に、殺された者達について探ったマスコミから次々と裏の顔というべき部分がバレてしまい、人々の信頼もガタ落ちし、何もかも全て失ったという。

 これによって、クラウスの罪状はお咎め無しとなったが、それでもクラウスは帰らなかった。全ての罪を償うまで自分は帰らないと心から誓ったので、無実となった今でも各地、各世界を転々と移動しながら人々の為に尽くしたのであった。彼によって助けられた人々は彼を英雄と称したが、本人はそう呼ばれるのは嫌がった。自分はそんな人間じゃないとキッパリと言っていたという。




散々引き延ばしにしてたけど、ここで一旦解説です。まずは上からです。

・夢の世界
ここで言う夢の世界というのはMinecraftの事。仮にドルフロみたいな崩壊している世界ならば、マイクラのMODとかを使えば、世界復興出来たんじゃ無かろうか。コーラップスは流石に分からんが、それでも処理出来るんじゃね?
ちなみに、MODは使い放題になってる。特に一番便利なのは一括破壊MODとかそこらかもしれない。また、ダイヤピッケルやネザーゲートはマイクラのみのアイテム扱いとなってる。多分、大体やった事のある人や聞いた事のある人ならば知ってると思う。



続いて、中から。

・クリ姉
正式には「クリエーターのお姉さん」だが、もっと正式に言うとゆっくり実況者ホタ氏のオリジナルキャラクター。ホタさん、無許可でごめんなさい……。
これまでハンターだったり、村長や族長、更には病院の院長だったりしたのは、これまで実況をやってきたそれぞれのシリーズと関連性があるからである。その為、道を敷きたいという欲望が溢れてはズビャズビャ言ったり、補助金で「んほぉぉぉぉぉ!!」と喘いだり、更にはワン、ワーンッ!!と叫んだりしていた。建築に関しては本当にプロとも言えるレベルなので、いざ建築関係となると「ワーイ、ウデガナルゼーッ」と喜びながら作っていく。お姉さんは今日も元気です(白目)

なお、クリ姉は「ドラゴンクエストビルダーズ」の主人公ではなく、あくまでも「ホタ氏のオリジナルキャラクター」というだけですので、そこは区別して頂けると幸いです。

・アレフガルド
ドラクエシリーズにおいて多分知らぬ人は居ないんじゃ無かろうか。多分。
ここでのアレフガルドはドラゴンクエストビルダーズでのアレフガルドとなっていて、そもそもビルダーズというのは簡単に言えば「ドラクエ版のマイクラ」と思って頂ければ理解出来ると思う。
時系列は初代ドラクエで、竜王の問い掛けに「はい」を選んでしまったその後の世界となっていて、大体は公式が説明してくれてる通り。ビルダーズでは意外にも大砲とかレンガキッチンとか、案外ブロックみたいな状態ではなく、ちゃんと丸みを帯びていたりしていたのが感動的だった。ビルダーズ2ではまさかのアップデートにクッキングヒーターとか追加されちゃったし。でも、しゅき(語彙力)

・アサルトドアーとデモンズウォール
ファイナルファンタジー4においてトラウマとなった人も少なからず居たとは思うだろうボス敵の1つ。何が恐ろしいかと言うと、コイツ等、即死技を持っているが為に戦闘不能になって追い込まれたのが最大の原因でもある。特にデモンズウォールなんて後のFFシリーズにおける有名なトラウマモンスターであるトンベリと同じ様にじりじりと迫って来る為、多くのプレイヤーは早く倒さなきゃと焦っていた筈。

・ペンシルロケット
現実でも作れたりするのだが、ここではMOTHERシリーズのペンシルロケットについて記載する。初代から3まで登場していたが、一番猛威を振るったのはMOTHER2から。特にペンシルロケット20はかなりの高火力を持っているので、これさえあれば大体のボス敵を葬れるので、ゲームバランスをぶっ壊すアイテムとなった。しかも、終盤で安く売られている。

・メテオシャワーTNTとかスカッターボム
マイクラのTNTブロックMODの1つ。普通、TNTは1発の威力はショボいものの、連鎖爆発が起きるので、幾つか積み重ねたり大量に並べたりすると恐ろしい兵器と化す。しかし、TNTMODはたった1個だけで殆どのフィールドを破壊出来てしまったりする他、凄い勢いで地形を破壊するものだからその処理が追い付かずにフリーズするなんて事も多々ある。絶対に荒らしたり、面白半分でやったりするのは止めましょう。やるとしても自己責任で。

・別に魔法でもダメージ通ってるなら、爆破したって問題無いだろ?
それ以前に伝説の剣じゃなくても、殴れたり、普通の呪文が効いたりした時点で「伝説の武器用意する意味あるの?」と疑問に思ったり。良くてもゼルダシリーズはちゃんと聖剣でトドメ
刺したりするけど、ドラクエとかは拳でも倒せる時代になったしなぁ……。

・ハンマーとオリハルコン教団
クリエーターのお姉さん編のパート2にて設立してしまったある意味恐ろしい宗教団体。信者と思わしき部分は何故か墓標になってるし……クリ姉が壊れてルビス様もドン引き。



最後に下の方です。

・爆発による威力を利用したグローブ
うえきの法則という漫画に登場する鈴子・ジェラードが身に付けていたグローブ。一見ただの指先に穴が開いたタイプのグローブだが、持ち前の「ビーズを爆弾に変える力」を利用した推進力を使った攻撃で、その威力はミサイル並。あの有名なシーンでは、鈴子が凄くぶちギレており、そのグローブで往復ビンタしたのだが……下手すれば、頭の部分が吹っ飛んでマミるのでは?

ちなみに、鈴子はアニメの声で担当したのは何と能登麻美子さん。この人、ドルフロではUMP9の声を担当していたから、ちょっとした中の人繋がりという意味合いはあるものの……UMP9がぶちギレながらグローブでビンタするなんて光景は正に一番のキャラ崩壊起こしそうな気がしたので、止めておきました。

・ペニーガール事件
元々はフリーのゲームである「ペニーガール」が元ネタ……なのだが、内容が内容の為、ハートフルボッコなグロゲームである。只でさえ紹介文が嫌な予感しかしないし、極めつけはロシアンルーレットをミスったらどうなるか……一体少女は何回死ななければいけないのか……(白目)

ただし、まさかのTAS対応してたらしく、凄い金額ハイスコアを叩き出した。やっぱりTASは神様だったんだ!(ぇ

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