味方からも敵からもヤベー奴扱いされた指揮官達のいるドルフロ   作:ホワイトアクア

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とりあえず生存報告。生きてます。
コロナの影響で感染者が増えるわ、パニックは続くわ、死亡者数も次々と増えるわ……死亡率が低いとはいえ、まるでニーアとかドルフロ世界に似て来た気がして少しゾッとしました。

ついでに、仕事も受かりました。けど、死なない事を祈りたいのみです。この時期は色々と洒落になりませんから……電車や病院とかも怖いですし。皆さんも無事に過ごして下さいね。


最終鬼畜グリフィンの入隊試験 下

 グレイ達の試験内容が個人的に気になっていた戦術人形達はこっそりとドローンを動かしながらも、グレイ達の様子を上空から観察していた。

 だが、そこで見てしまったのは何の恐れも無しにE.L.I.D.達に立ち向かい、果てには巻き込まれた正規軍から来た新人のフランでさえ逞しく戦っている光景ではないか。衝撃の内容に様々な感情が入り交じる。

 

「なあ、これどうすんだよ?ここまで変えてちゃ政府のお偉いさんも黙っていない気がするが」

「最初は私達の指揮官が強い秘訣とかを探りに来たんですよね……あれ?でも、彼がこうなったらもう正規軍は彼一人で大体解決出来るんじゃ……」

「つまりグリフィンは強化人間を育てる研究機関という可能性が微レ存……?」

「アンタ達ここを何だと思ってるのよ」

 

 ひそひそ話すAR小隊にAR-15がツッコミ。ただ、彼女自身もそう言われてしまうと何とも言い返し辛かった。何せ、実際にここに居るのは人間の皮を被ったバケモノ揃いのヤバい人達なのだ。しかも、指揮官という立場。

 そんな混沌と化した場所に知っていようが知らなかろうがホイホイと誘われて来た人物が誰であろうと逃がす訳には行かない。寧ろ、絶好のチャンスだったのだろう。

 

「彼、この後どうなるのでしょうか?」

「ここに残って仕事を続けるか正規軍に戻るかの二択だもんね。まあ、戻ってもあんまり良いとは言い切れないし、何か実験動物とか扱われてもねぇ……」

「そんな!彼がそんな酷い目に遭うなんて私は絶対反対です!フラン君を傷付けようとするならば、私が守ります!」

「うふふ……貴女だけ楽しむだなんてズルいわ。私もあの子は狙っていたんだから、じっくり楽しみましょう……?」

「DSR……!」

 

 目を合わし、ガシッと握手をするスプリングフィールド。他の皆も「出会っちゃったよ……」とか「フラン君逃げて超逃げて」と心配する声がチラホラと居て、何だか嫌なショタコン同盟が成立した瞬間であった。

 

 

 

 

 

 一方で一通り街中に蔓延るE.L.I.D.を殲滅したグレイ達は山の中を進んでいた。例の装置はそこに隠されているという。

 

「よし、一旦車を停めよう。ここからは徒歩だ」

「え?奥まで行かないんですか?」

「鉄血もそうだが、ゴロツキとかそういう奴等に壊されたら堪ったもんじゃないからな。せめてまだカモフラージュ出来るここならまだ救いある」

 

 なるべくバレない様に車を茂みの中に隠し、地図と方位磁針、それとGPSを頼りに進んで行く。なお、フランはお得意のフリーランで木々を軽々と登り、周囲の様子を確認している。

 

「あの子スゲェな。正規軍に返すには勿体無い人材だ」

「どうせアレだ。どんなに正規軍が散々威張り散らしていてもマトモに動こうとはしないだろうし、鉄血の攻撃だけでも手一杯なんじゃないのか?」

「噂によると、他の企業か組織やらと抗争しているって話らしいぞ」

「あ、だから俺達を引き入れようとしてたのね。下らな過ぎる」

 

 段々正規軍とかの関係がブラックな気がしてならない。以前にゴルフと麻雀での対決の件もあったので、良い印象とは言えないだろう。一度解体された方が良いんじゃないかと考えたが……。

 

「待てよ……寧ろ俺等が正規軍乗っ取れば良いんじゃね?」

「そこに考え至るとは……お前、天才か」

「もしかしたら俺達みたいに隠された能力持った子とか居るかもしれねぇしな。ダイヤの原石だらけな予感」

 

 実際に交渉(物理)で攻め込んで行きそうな雰囲気で、何が何でも不可能を可能に実現出来そうで怖い。彼等の発言に盗聴器を通して聞いていた戦術人形達もこれにはドン引き。

 エージェント達からすれば、そんな強化人間みたいな存在がポンポン生まれるのかと思うとゾッとしてならなかった。そうなると間違い無く鉄血は終わるに違い無い。早い段階でグリフィンへ転属して良かったと心からホッとした。

 

「あ、見えて来ましたよ」

 

 話し込んでいたらフランが一つの建物を見つけた様子だった。どうやら噂通り、人知れずの山奥にひっそりと建っている立派な研究所がポツンと置かれていて、廃墟というまでには行っていない様子だった。しかし……。

 

「……鉄血が占領してますね」

 

 そこにはグレイだけじゃなく、鉄血兵達が根城にしていた様子だった。基地の1つとして作っていたのか、或いはグレイと同じく例の噂を確かめる為にここへと来たか。どちらにせよ出会ったら敵対しそうな予感は目に見えていた。

 

「呼ばれても困りますからね……俺、ちょっくら行って来ます」

「お、新人君の実力発揮見せちゃう?良いよ良いよ、見せちゃって」

 

 そう言ってフランは周りを見て確かめる。すると、近くに二人の鉄血兵が偵察して歩いているのが見えた。肉眼で確認出来る辺りでリッパーだと判明。

 すぐさま木を静かに渡り、道中でナイフと籠手をガムテープを使って改造して出来た「アサンシンブレード」を両手に装着。目標地点まで近付いた瞬間に大きくダイブし、サクッと首元を容易く突き刺した。

 

「おお……」

「ビューティフォー……」

「まるでアサシンの様だ」

 

 無駄なく動く暗殺術にグレイ達も大満足。が、ダブルアサシンをした際の音が出たのか、同じく見回りをしていたヴェスピドが近付いて来る。

 だが、フランには見えていたのか把握しているかの如く茂みの中に隠れ、通り掛かった所をガバッと乗り出してはサクッと突き刺し、殺したヴェスピドを茂みの中に隠した。

 

「次は……高台とかに見張っている奴が邪魔かな」

 

 今度は高所から監視しているイェーガー達を暗殺すべく、かれこれ作って来た投げナイフを何本も用意し、更には暗殺には打って付けの弓まで取り出した。

 攻撃出来る場所に移動し、早速弓を使ってイェーガーの頭部に狙いを定めて弓矢を放つ。頭を貫かれたイェーガーがそのままバタリと倒れ込み、ほぼ無音だった為か周りの鉄血兵は次々と味方が暗殺されている事に気付いていなかった。

 

「意外と弓矢でも倒せるんだな……まあ、硬過ぎて倒せなかったら困るし」

 

 元々人形は人間に近い形にする為に作られた様なモノなので、そこまで耐久力を上げようとかまでは深く考えてはいなかったのだろう。こればかりは唯一の救いでもあるのだが。

 

「敵襲だ!急げ!ここに人間が居る筈だ!」

「げ……」

 

 見張りを全部倒したかと思いきや、施設内で待機していた鉄血兵達が慌てた様子で出て来た。しかも、暗殺していた事まですっかりバレていた。

 誰かに見られていたのかと思うかもしれないが、鉄血兵は体内にGPSを仕込んでいるのと一緒で、反応がロストすればその対応にあたらなければいけないのだ。詰まる所、フランが鉄血兵を暗殺した影響で次々と反応がロストし、あまりにも数が減っているという異常に誰かが襲いに来たのではと勘付かれてしまったのだ。

 

「居たぞ!居たぞおおおおおぉぉぉぉぉ!!」

「ヤベヤベヤベ……!大量にやって来やがった!」

 

 隠れる暇も無くすんなりと見つかってしまい、ほぼ囲まれた状態に。しかも、相手はマシンガンとかアサルトライフルを持っている分もあるので余計に性質が悪い。

 流石に被弾だけは避けようと障害物などを利用して敵の猛攻を防ぐ。隙を見ては投げナイフとかで反撃し、敵が落した武器を使って撃ち返したりしていた。

 

「分が悪いな……俺達も行くぞ」

「了解」

 

 これにはグレイ達も参戦。急いでフランの所まで近付き、これまで作ったヘンテコな魔改造武器で反撃を仕掛けた。

 

「グリフィン!?しかも、指揮官が自ら出て来るとは!だが、ここで貴様等を仕留めれば―――」

「昇竜拳!!」

「うわらば!?」

 

 ドラゴンパンチを装備した鷹山が一気に詰め寄り、それを見事なアッパーで吹き飛ばした。しかも、ショットガンとアサルトライフルを組み合わせた凶悪な武器でバンバン撃ったり、炎、雷、氷の属性を持っている信号機みたいなハンマーを使って殴ったり、カラーコーン複数とバッテリー等も組み合わせた武器で衝撃波みたいに声だけで相手を吹き飛ばしたりするなど、ゾンビ相手じゃなくてもやりたい放題だった。相手からすれば新種の武器を開発したとか疑われそうになるが、間違っていないし誰でも作れたりするかもしれない程度だが。

 

「死ね人間!!」

「おわっ!?せいっ!」

 

 フランの方では複数のブルートやガード、果てには近接武器を持った鉄血兵に囲まれてはいたものの、相手の攻撃を流してからザクッと突き刺し、敵を掴んではポイッと投げ飛ばしたり、即席で作った煙幕を真下に向けて投げてから煙に紛れて殺すの繰り返し。最早コイツだけでも十分強い雰囲気がそう示していた。

 

「この……!」

 

 盾を構えながら近接を仕掛けるガード。フランは即座にピッケルを取り出し、相手の動きに合わせて攻撃を避けながらカウンターキル。盾持ちですら状況によっては面倒な相手だというのにあっさりと倒したのだ。

 

「な、何なんだこの人間共は……!退却!退却するぞ!」

「逃がすか」

 

 何一つ情報を漏らされても後が困るので、ここは殲滅一択で鉄血兵を一人たりとも逃さずに仕留めた。

 周囲の警戒を怠らず、研究施設内を歩く一同。まだ電力も残っていたので、ロックの付いた扉を解除しながら奥地へと進む。そこには―――

 

「おぉ……」

「これは凄いな……」

 

 目の前に広がるのは様々な機械が設置され、これでもかという位に分かり易い転送装置らしきモノが。ザックが試しに電源を入れて詳しく調べると、転送以外にも何処かの通信機とか回線機器とかに繋がる事が出来る機能までもが付いていたという。

 

「ほー。また大層ヤベーものを残してくれたもんだな人類」

「偶然だったのかどうか分からないけど、これを鉄血が持ち逃げされてたり占領されたりしてたら大変だったな」

「で……これ一体どうするんですか?」

「そりゃ持ち帰るに決まってるよ」

「え……?持ち帰るって……本気ですか?これ全部解体して持ち帰るだけでも相当時間掛かりますよ?」

「んなの最初から分かってるよ。けど、俺達がそんな事してまで持ち帰るだなんて何時言った?ま、発想自体は半分合ってるんだがな」

 

 どういう事なんですかと理由を聞くフラン。その答えにクラウスが荷物からあるモノを取り出した。それは……。

 

「ここにシルクタッチのエンチャントが付与されたダイヤピッケルがあるじゃろ?」

「え゙っ、何ですかそれは……?というか、それは持って来て良いモノだったんですか……?」

「これは流石に別枠。試験の時はあくまでも現地に落ちているモノだけを組み合わせて武器にしてゾンビを倒すみたいなもんだから。その代わりとしてコレは一切使わなかったんだよ。始める前にここの場所を聞いて、もしかしたら役に立つかもしれないと思って持って来たんだが、案の定持って来て正解だったみたいだ」

「だからって何故つるはしを……」

「グレイ、ここの部屋を片っ端から撮ってくれ。完全再現したいから一ヶ所も洩らすなよ」

「ほいほい」

 

 グレイはタブレットでカメラ機能を起動させ、今居るここの部屋の様子を全部写真で撮る。そして、粗方写真が終わった後はダイヤピッケルを持って機械に向けて叩き始めた。

 

「ちょ、こんな事をしたら機械が壊れ―――」

「ほい、こんな感じにな」

「!?」

 

 突然、ブロック状へと変化した事にフランは唖然となった。グレイに続いて鷹山達もダイヤピッケルを使って機械を全部取り壊しながらブロックへ変換されていく。

 もしかして、こうする事によって安全に取り外し、それを持ち帰った後は撮った写真と同じ様な位置に置く事で完全に再現するつもりなのでは?とフランは勘付いた。そうでなければこの行動に対する理由が思い付かないからだ。

 

(やっぱりこの人達は何を探っても理解出来ない内容ばっかりだな……)

 

 正規軍に戻り、彼等の強い秘訣を伝えたしても彼等は理解なんて出来ないだろう。絶対に馬鹿馬鹿しいとか一喝されるに違い無い。

 逆にこうして学んだ自分がここまで強くなったのは、自分の中に秘めたる可能性を見つけ出し、そこから本領発揮を見せたのだろう。無茶苦茶な内容であったとしても、割と馴染めたのだから。

 転送装置を全てブロックに変換し終わった後、彼等は研究施設に手作りの爆弾を大量に仕掛けてから脱出。数分後には大きな爆発が起きた。またあそこで基地を作ったり、噂を聞きつけてやって来て面倒になっても困るので、証拠は一切出さないという形で本日の試験は終わった。

 

 

 

 

 

「よし、メンテナンス完了」

 

 後日、転送装置となるブロックを写真の通りに置き直した後、正常に動くかどうかテストした結果無事に稼働する事に成功した。

 ひとまずコレを使って過去を変えるとかそういうのはしないが、せめて過去の世界で旅行に行くという位ならまだ良いかもしれないという形で使用は留まっているそうだ。

 

「にしても、フラン君戻らなくても良かったのか?」

「はい。こっちの方がやっぱり合ってたというか、しっくり来たので」

 

 あの後フランは正規軍から戻って来る命令が届いたらしく、一旦グレイ達と別れる事となった。グリフィンで情報を掴む事が出来なかったのと相手に目的がバレていた理由もあってか向こうは相当頭を抱えていた。

 彼は再び士官候補生として地位が戻ったもの、グレイ達との経験で慣れてしまった故かたった一人で1個小隊や1個中隊レベルの敵を全部葬ったという伝説を残してしまう。当然ながら魔改造の経験が大きかったのか、ライフルやマシンガンにグレネードランチャーの部品を付与させてアップグレードするという有り得ない行動をしたそうだ。

 ついでに言うならば爆弾矢とかも作り、ハンドガンも原型何処行ったというまで強くなったとか。ちなみに基本持って行くのはハンドガン、ライフル、ショットガン、弓。ついでにピッケルと無数のナイフ。こればっかりは必ず持って行ってるとか。

 

「それが原因で上層部とかはもしかして下剋上でもするんじゃないかと焦って、ついには異動扱いになりまして。酷くないですか?これでも頑張った方なんですけど」

「その頑張ったという点の大半は貴方がたった一人で殲滅したという恐怖しか無いのですが……」

「噂だと「どうした!?それで全力か!!」と煽ったり、燃え盛る炎をバックにゆっくりと進む姿が恐怖だとか呟かれてたぞ」

「私知ってる。こういうのって人間の言葉で言うなら「一番怖いのは人間」だって」

「そこまで言います!?酷いです皆さん!!」

 

 元鉄血達からもフランの行動にはドン引きだった。鉄血側からしたら怯みもせずにただ一人で立ち向かっては殺し続ける彼は鬼とか悪魔だとか言われても仕方無い。例えて言うならば某コマンドーを相手にしているのと同類。それに挑むのは最早無謀。

 結局の所、正規軍の疑問は解消されず、グリフィンに新しくメンバーが増えたというだけで終わってしまうのであった。




MOD化したM4って何かララに似ている様な気がするんだよね……特に性格。あの豹変っぷりはマジでヤバい。
彼女の遠い祖先が実はそんな家系だったとしても妙に納得出来ちゃう。

・アサンシンブレード
ご存じアサシンクリードにおいては必須の武器。ぶっちゃけAngelBeats!の奏が使っていたハンドソニックと似た様な感じに近い。

・まるでアサシンの様だ
隠密とか暗殺とか苦手な人とかも居るんじゃないだろうか。結局の所何故かバレちゃったパターンが多く、最終的に殺せば良かろうなのだ!という感じで終わるのが多い。そうなるとダサシンと言われてもしゃーない。

・ヤベヤベヤベ
アンチャーテッドのネイトさんって必ず遺跡が崩壊したり爆発する際、脱出する時は必ずこのセリフを言う。これまで壊された遺跡の被害総額がどれだけ酷いのか……(白目)

・カウンターキル
トゥームレイダーとかアサシンクリードとかオープンワールド系のゲームでは必須なスキル。特にララ姉さんはジャガーやオオカミ相手とかでもカウンターが取れた経験がある。何故攻撃出来たんだ……。

・シルクタッチのエンチャントが付与されたダイヤピッケル
元ネタはマインクラフトから。マイクラにはエンチャントテーブルを使ってそのスキルを付与する必要があるのだが、これがまた面倒臭い。そのスキルが出るまでは全部ランダムで出現するので時間がかなり掛る。コレが無いと窓ガラスとか氷ブロックとか特殊なブロックを回収する事が出来なくなり、エンチャントしたモノ以外だと必ず壊れてしまう。

・ライフルやマシンガンにグレネードランチャーの部品を付与させてアップグレードする
トゥームレイダーだとコレが当たり前のシステムなのよね……ララさん、本来は大学を卒業したばっかりの少女だったのに、初めて人を殺して以降は銃とかに関する知識全くゼロだというのに普通に改造しちゃってるんだもん……だから、ゴリララとか呼ばれちゃったりするし、覚醒すれば怖いし……そりゃギネスに入賞されるだけの事はあるわ。

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