味方からも敵からもヤベー奴扱いされた指揮官達のいるドルフロ   作:ホワイトアクア

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職場が辛くて、楽しめなくて、辞める決意と職探しに出掛けてますが、私は元気です。
受からなかったら今の職場続けながら次の職場探すしかねーわ……仕事は楽しく感じながらやり甲斐があると実感してナンボです。

今回、そんなに登場させる戦術人形活躍させてない件。しかも、飯テロ。


指揮官のグルメ

 昼近くの頃、彼等が何時も通りに穀物とかを育てながら収穫していた。季節問わずにマッハで栽培をしているので、食糧には何の問題も起きなかった。

 

「よし、これで終わりっと」

「お疲れさん。後はこれを貯蔵庫に入れれば今日の分は終わりだ」

「……そう言えば、あの貯蔵庫って何処まで貯まってるんだ?」

 

 と、グレイが今まで気にしていなかった疑問を告げると―――

 

「さあ?」

「さあ?って、お前……」

 

 他の全員は知らなさそうに答えていた。言い方からして、そこまで知っている訳じゃないみたいだ。

 

「しょうがないだろ。基本、貯蓄の他に人に渡してたりするのが殆どだから、細かく数えた覚えが無いぞ」

 

 鷹山の答えにグレイも「んー……それもそうだよなぁ……」と唸った後、果たして何処まで貯まっているのか個人的に気になっていた。

 そして、その夜。丁度良い暇潰しとも言えるタイミングだったのか、作業が終了した後は食糧貯蔵庫の中に入っては紙が付いてるボードみたいなのを手に持ち、もう片方の手に持っていたボールペンなんかでそれを細かく記入していた。

 

「小麦、米、トウモロコシ……あ、大豆もある。小豆、落花生、えんどう豆、ソラマメ……ソバもあるな。え?これ全部収まり切れるのか?」

 

 一通りズラーッと見た限りだと、大量に保存されていた事に気付いた。ただ、ここまで来ると流石に量産し過ぎたと思い、このままだと貯蔵庫の面積の領域を超えてしまいそうになる。その上、腐らせる訳にも行かないのでどうしたものか……と悩んでいた。

 

「あ、そう言えば……」

 

 ふと、グレイはある事を思い出した。小麦は確かパンを作るには絶対に欠かせない必要なモノ。何よりもそう言った料理を得意とする戦術人形が居た。

 

「スプリングフィールドとm45だったな……」

 

 ライフルの「スプリングフィールド」は絵に描いた様な「優しいお姉さん」とも言うべき人物。たまに「マフィンが焼けました。一緒に食べましょう」とわざわざ焼き菓子を持って来てくれた事は今でも覚えている。ちなみに、当初隣に居たUMP45がムスッとしたり、ハイライトの目がオフになっていては機嫌を直すのに少しだけ苦労したとか。

 また、それと同じ様にパンやお菓子作りが得意な戦術人形がサブマシンガンの「m45」。彼女もまた焼きたてのパンを作ってくれたりしていて、スプリングフィールドとはお手伝いをする仲でもある。彼女にはそれなりに不満は無いのだが……。

 

(シナモンロールは……な……)

 

 彼女、たまにシナモンロールを出すのが……そのシナモンロールをほぼ毎日出している。流石に代わり映えのしないメニューにはグレイ達だけじゃなく、AR小隊とかそこ等の戦術人形にも少し不満があったそうだ。言うまでもなく、栄養も大事なのだが。

 それとは別に甘いものなら何でも来いと言わざるを得ない位に食いしん坊なのがアサルトライフルの「FF FNC」。彼女がグレイ達と初めて会った時ですら何か食べながら喋っていたりしていたのは流石のグレイ達も唖然となっていた。他にも任務だろうが修復中だろうがお菓子を食べるのが止まらない彼女であって……。

 

(何処から聞きつけたのか、「グレイ指揮官様!お菓子作って!作って!作って~!」なんて言い出したからな……まあ、俺も実際料理とか作れるから問題は無いんだけどな。それに、丁度良いタイミングだったし)

 

 内心で溜め息しながらもタブレットを操作するグレイ。自分がこれまで作ったメニューの幾つかや何か良い料理は無いか調べていた。

 

「ふむふむ……あ、これ良いな。お、これも。後はこれとこれとこれと……うん、こんなモンだろう。久しぶりにやるから楽しみだな」

「何が楽しみなの、しきか~ん?」

「お、45か。お疲れ」

「……後ろから話し掛けたのに、反応が薄いよ?もうちょっと驚いても良いのに」

「もう慣れたよ。それに、わざわざこんな所にまでついて来るのってお前か404の皆しか居ないだろ?」

「まーね」

 

 そう言って話したのは404小隊リーダーのUMP45。彼女はどうやらグレイが食糧貯蔵庫に行く姿を目撃したらしく、ずっとグレイがやっていた内容の一部始終を見ていたそうだ。

 

「で、さっきから何してたの?」

「実は……かくかくしかじかで……」

「あー……成程ね。まあ、こんなに多いとちょっと収まり切れないかな~?」

「それを考えて俺は料理教室みたいなのを期間限定で出そうと思ってたんだ。ちなみに、期間限定でしか作れないヤツも作るが。参加条件は問わないし、初心者も大歓迎―――」

「出るわ」

「決断はえーよ45。ま、良いか……」

 

 という事で、期間限定で料理教室開催。ちなみに鷹山達には前もって説明したら了承し、グレイの分を引き受ける代わりに何か料理出せという条件で受け入れたそうだ。

 また、毎回お菓子くれと騒ぐFNCを拉致し、「お前が料理を作るんだよ!!」と強制的に出る羽目になった。また、料理に使う食材は全部持って来たそうだ。

 

「そんで、メンバーを呼んだ訳ですが……」

 

 一番目立つメンバーとして、404、M4とAR-15、カトレアと9A-91、後は他の戦術人形やまさかのエージェントとデストロイヤーとかも参加したりしていた。当然、スプリングフィールドとm45も強制参加。

 

「結構居るな……そんなに作りたい奴ばっかり居たのか……」

「ねえねえ、グレイ指揮官様!今日は何作るの?」

「至ってシンプルなメロンパン……と言いたい所だが、あるデータを探していたら興味深くも滅茶苦茶食べてみたいメロンパンがあってな。それを「一通り」作ろうと思う」

「そうですか。ん……?今、「一通り」って言いましたか?」

「そうだ。「一通り」だ。まさか、ただ単品でそれを作ると思ってたか?これからがもっと凄い事になるぞ……!」

 

 一体どんなメロンパンになるのか楽しみにしている一同。まず、最初はメロンパンを大量に作る方から始まる。

 調べた料理のレシピ通りにヤギのバター、きび砂糖、トリのタマゴ、タバンタ小麦を使い、最初にメロンパンのクッキーとなる生地を作る。生地を作ったら冷凍庫で冷やす。

 寝かせている間に、今度はメロンパンの生地を作る。強力粉や岩塩、きび砂糖やドライイースト等を使い、タマゴと水を入れて捏ねる。ある程度固まった後も更に捏ね続ける。ベタ付かない程度になったらボウルの中に丸めて入れ、オーブンかレンジで発酵。

 

「そんで、出来た後はある程度の大きさに切る。で、冷やしたクッキーの生地を取り出してから潰して……さっきのパンの生地を包む」

 

 切れ目を入れた後、数十分温めて発酵。発酵が終わった後、充分に過熱したオーブンで更に数十分焼けば完成―――

 

「と思っていたのか?」

『え?』

「空いてる時間で生クリーム作りまぁぁぁぁぁす!!」

『ええっ!?』

 

 と、急遽生クリーム作りスタート。知っての如く、冷やしたボウルと冷水と氷が入ったボウルが用意され、計測しながら生クリームと牛乳を投入。

 砂糖を加えた後、とにかく混ぜる。ハンドミキサーとかを使ってある程度泡が立った後、更にゆっくりと混ぜながらクリームの硬さを調整。それと同時にメロンパンが完成する。

 

「そこから包丁でカット!」

 

 なるべく全部切らない様に切った後、さっき作り上げた生クリームを絞り袋の中に入れた後、そこからふわっと入れる。

 

「これにて、生クリーム入りのメロンパンが完成!」

「わぁ……!美味しそう!指揮官、これでメロンパンは完成なの?」

「何勘違いしてるんだ……」

『え?』

「まだ俺のバトルフェイズは終了してないぜ!」

 

 某バーサーカーソウルを発動したのか、手持ちからどんどん出される食材の山という山。そして、またメロンパンを作るというエンドレスが続く……。

 

「ドロー!食材カード!「チョコレートとイチゴ」!これでメロンパンの全体をコーティング!更に、生クリームにはそれぞれ混ぜたクリームに!」

「な、何という贅沢……!」

「ドロー!食材カード!「カスタードとあんこ」!この二つはメロンパンの中に入れる下地代わりに!」

「はわわ……!それ最高だよぉ……!」

「ドロー!食材カード!「紅茶とキャラメル」!ホイップにアールグレイを混ぜた紅茶風味!キャラメルは溶かしたものをタラッと垂れ流すだけ!」

「お、美味しそうな組み合わせ……!」

 

 更に次から次へと出て来るメロンパンの中に入れるモノの数々。ただひたすらに延々と作っていたら大量に出来上がったのだが……余りにも作り過ぎた為か全ての戦術人形に提供。

 それを食べてからか、とても美味しかったと評判を受け、また作って欲しいとの声が続出。とは言え、食材を一気に使った影響かそこまで多く作れなかったというのが一番の原因らしく、直ぐにそのメロンパンが作る事は無かったという。

 ガックリする戦術人形も居たが、少し経った後にローテーションでそれぞれのメロンパンを出すという形で再び熱狂したとか何とか。

 

「えへへ……お菓子のパンだーいすき♡」

「ま、それで満足したなら良いけどな」

 

 料理教室終了後、これまで作ったメロンパンに大満足なFNC。ここまで作ってあげればもう文句など言うまでも無かろう。

 スプリングフィールドにも新しいレシピを提供しては満足しているが、「指揮官がここまで作れるのは私としてのプライドが許せません!」と何だかライバル視される様になったりした。これにはグレイも「どないせえちゅーねん……」と突っ込まざるを得なかったが。

 

「指揮官!パンが焼けましたよ!」

「おお、済まんな―――って、またシナモンロールゥ!?お前、この前渡したレシピはどうした!?」

「あるんですけど……私ったら、あんまりにも集中し過ぎてついうっかりシナモンロールを作っちゃって……」

「……今後、シナモンロールは禁止な」

「そんなぁ!?」

 

 ただし、m45はちょっとパンのバリエーションを考えた方が良いと、シナモンロール禁止令にショックを受けていたとか。

 しかし、決して菓子パンだけじゃなく至って普通のサンドイッチ等のシンプルなパンも作れたりしたので、後々レシピも幾つか渡したとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁー、作った作った」

「お疲れ様、しきかーん」

 

 時刻は既に夕方近く。美味しいパンブームが始まって以来で作り過ぎた性か、身体が少々クタクタな身体になっているグレイ。たまに手伝いとして404やM4が来たりするなど、差ほど苦では無かった。

 このまま終わりにしても良かったのだが、彼にはまだすべき事がちょっとだけ残っていた。

 

「45ー。悪いけどもうちょっとだけ一緒に居てくれ。もうちょっとだけ作りたいのがあるから」

「どうしようかなー。私も結構疲れてんだけど」

「プレーン、イチゴ、ハチミツの三種類のクレープ作ってあげるけど」

「乗った」

 

 このUMP45、愛する人の作る甘いモノにはチョロい。しかし、これはあくまでもUMP45に向けた対価。本当にすべき事はここから。

 とりあえずフレッシュミルク、トリのタマゴ、タバンタ小麦、きび砂糖で簡易式の方法でクレープを作り、同じ食材に+イチゴと+ハチミツで各々のクレープも作り上げては満足したUMP45。

 

「で、今度は何作るの?」

「アイツ等に仕事を殆ど頼んだみたいなものだからな。そのお礼としてちょっと贅沢品をな。あ、一応食わせてあげるぜ?」

「何それ~ちょっと楽しみなんだけど」

「まあ、作ってからのお楽しみって事で。とりあえず、この順番で頼むわ」

「はーい」

 

 早速料理開始。まずは黒白胡椒とローリエを混ぜ、大きい肉の表面に掛ける。土鍋に先程の牛肉、玉葱、じゃがいも、人参を入れて2時間近く焼く。

 その間、UMP45は玉葱とキノコの微塵切りにし、フライパンを温めてからバターを溶かし、玉葱を炒めながらキノコを投入。暫くしてやわらかくなったら別の鍋に移した。さっき使った鍋に再びバターを入れて溶かし、更に薄力粉を加えて混ぜながら加熱する。

 

「そっちは出来てるー?」

「ああ、丁度終わった所だ」

 

 グレイは土鍋の焼き上がりが終わるまでは豚骨スープを作っていた。今UMP45が作っている鍋の中に豚骨スープと牛乳を入れて更に混ぜながら加熱。

 出来たスープを先程移し変えた鍋の中に入れ、弱火で30分間ゆっくりと混ぜる。これでブールマニエの完成。

 その間、グレイはジャガイモとひき肉を入れて混ぜ、パイ皿に詰めてチーズを乗せる。200℃のオーブンで10分焼いてポテトパイの完成。

 

「さて、そろそろ出来上がるかな?」

 

 オーブンに入れた土鍋が焼き上がり、鍋から大量のスープが溢れていた。その鍋から半分位のスープを取り出し、トマトペーストと赤ワインを入れる。

 アルコールを飛ばした後、ローズマリーを入れてから再び鍋に移し入れる。カリフラワーを入れた後、弱火で1時間煮込み、液状の生クリームを掛けてシチューの完成。

 

「うーん、良い匂い」

「これぞ、「セリエナのモンハン料理」完成!!」

 

 完成したシチューとかは正にあのシーン完全再現したアレと同じだった。これを持って彼等の所に運びたい所だったが、うっかり落としたら怖いので敢えて彼等を呼ぶ事にした。一体何が完成したのか知らない鷹山達が食堂の方へと向かって来ると……。

 

「おーす。何作ったの―――って、うおおおおおぉぉぉぉぉ!!!?」

「ちょ……マジかコレ……マジで作ったのかコレ!?」

「これが何日も待たせた分の飯だぜ。これで文句は無いだろ?」

 

 生まれて初めてゲーム飯というのを味わえるのだ。寧ろ、大満足と言い切った彼等の表情は笑顔で溢れていた。

 その後、食べてみた結果……トロトロに煮込んだ肉がシチューの旨みとマッチングし、ブールマニエやポテトパイも滅茶苦茶美味しかったと高評価を得た。

 長年料理を続けたこの男に不可能という文字は無いだろう。一緒に食べているUMP45や鷹山達の作業を手伝っていた戦術人形でさえ美味しそうに食べていたのだから。

 

「えーと、レシピを保存っと……」

 

 今回のレシピをタブレットに保存するグレイ。何時しかこのレシピが使う機会がまたあるかもしれないし、また作る日が来るのを楽しみにしている。

 次はどんな料理を作ろうか、と考えながら仲間達と一緒に夜を過ごしたのであった。




なお、登場したパンやシチューとかは実際に作れるレベルです。

・これまでグレイ達が作ったメロンパン
実はね……これリアルであるんですよ。多分、関東限定かな?私、何度かそのメロンパン食べてはとても美味しかったので、期間限定でオープンしている時は毎回そのメロンパン買ってますw
ネーミングセンスも凄く、「上司の話は聞きたくない」という商品名に……こりゃ予想外だ。

・セリエナのモンハン料理
モンスターハンター:アイスボーンに出て来るセリエナ料理長に料理を頼むと見られるあのシーン。実はあれを再現した人が本当に料理したという動画ありました。食べてみてぇ……。

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