味方からも敵からもヤベー奴扱いされた指揮官達のいるドルフロ 作:ホワイトアクア
同時にウチは誕生日……これで25歳のオッサンか……悲しいなぁ……(白目)
一か月前、バレンタインチョコを貰ったグレイ。そのお返しとしてホワイトデーに何を作ろうかと考えていた。
単純に安っぽいモノで返すのも失礼だし、ここはせめて豪華に行っちゃおうと決め、予めチョコレートとかの材料を全て集めた。
「それにしても、ホワイトデーに誰かにお返しするなんて事すら今まで無かったもんなぁ……」
女子から受け取ったなんて回数はほぼゼロ。何気に404の全員から貰ったのが初めてでもあった。渡された時は凄く嬉しかったが、逆にお返しを一体何で返そうかと不安になり、急いで調べたのはご愛敬。
しかも、渡すモノによって意味も違って来るという情報もあり、下手に選べない。基本、外れの意味以外では好きだとか特別な人という意味合いが示している。が、正直そこまで神経質になってもキリが無いだろうし、変に考えないで日頃のお礼だと思えば良いかと言い聞かせながらグレイはお返し用のお菓子を作り始めた。
「チョコにはチョコで返す……?いや、それもまたつまんないな。じゃあ、いっその事でチョコレートケーキにするか……あ、チョコレートパフェというのも捨て難いな!」
だが、彼女達の作ったチョコレートに比べ、グレイはそれよりも遥か上を超えて行く。女性の心を確実に鷲掴みにする目利きを配らせ、これまで培った経験を活かしながら手を動かしていく。
何時もの料理方法でやれば良いじゃないかと思うかもしれないが、わざわざ手料理で作ってくれた彼女達に向けてそれは失礼だ、とグレイのプライドが許さなかった。だから、出来る事ならば手で一から作った方が良い。
「出費が少し多くなっちゃうけど、今回ばかりは奮発しちゃおう」
気付けば、丸一日でずっと作り続け、後は仕上げたケーキやパフェを冷やして終わった。
「で、その為に今日まで取っておいたって訳ね。別に気にしなくても良かったのに」
「ダメ。わざわざ皆から貰ったんだから、受け取ってばかりじゃ気が済まない」
そして、翌日には時間が空いた彼女達を呼んでは完成したケーキとパフェを彼女達に振る舞っていた。ちょっとばかし畏まったUMP45だったが、無駄にするのも悪い気がしたのでそのご厚意を受け取った。
しかし、いざケーキとかパフェを出されると、自分達がバレンタインで作ったチョコが凄くちっぽけに見えてしまった。
(指揮官って、さり気無く女子のプライド折るの上手よね……)
別に悪気が一切無い。それこそ、あんまり料理とか慣れていない戦術人形にも料理を教えている方だ。だが、彼を超えるのは今の時点では無理だろう。でも、何時かは彼を超えたい。そんな気持ちも湧き上がる。
(あ、美味しい……)
一口入れるだけでも広がる甘み。ちょこっとだけほろ苦さも混じって。冗談でもなく、お世辞でもなく、彼の作るお菓子は誰よりも一番かもしれない。
それだけ愛しているか、愛されているか示している。それが積み重なった経験という理由だけだったとしても。
(変に考えるのは野暮……か。らしくないなぁ)
「あら、そんなに指揮官から貰ったお返しが嬉しかったのかしら」
「何言ってるの416。貰って嬉しいのは当たり前じゃないの」
「そう言っておきながら、顔がニヤけているの見えてるわよ」
「………っ!」
「あ、45姉が真っ赤になってる!」
「う、煩いわよ!」
「えーと……45、ケーキとかダメだったか……?」
「あ、いや、そうじゃないの指揮官!そうじゃなくて……!」
「45は嬉しいんだよ。でも、素直に言えないからこんな風に顔を隠せてないんだよ」
HK416、UMP9、果てにはUMP40にまで追撃を喰らい、顔を真っ赤にするUMP45。これまでポーカーフェイスだった彼女にあれやこれやと言われてしまっては恥ずかしさについに耐え切れず―――
「いじわる……」
『ん゙ん゙っ゙!!』
涙目になって訴えるその姿に思わず全員の心が撃ち抜かれた気分だった。普段表情を表さない女の子が泣き顔を見せるとここまで破壊力が高いのかと。
何にせよ、彼と彼女達は互いに愛しているのは変わらず、幸せな一日を過ごしたのであった。
バレンタインでは45姉かM4からのチョコを貰いたい人生だった……。
仮に本命だったら、私はその倍でお返ししたい。そんな性格です。