味方からも敵からもヤベー奴扱いされた指揮官達のいるドルフロ   作:ホワイトアクア

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下ネタたっぷりの中編です。なお、リングコンはあんな使い方はしないのであしからず。
これでもまだスランプの領域なんだけどね。ネタを探さねば話は続かない……!


リングフィットライン 中

 かくして、ヘリアンの生活習慣改善の為のトレーニングが始まった。

 1日3食は必ずとし、栄養に良いメニュー+一工夫を入れたアレンジメニュー+野菜ジュースorプロテインorお茶という様に決められた一定量で食べた後、仕事の合間とかでリングフィットアドベンチャーで軽く燃焼。動かす事には慣れているヘリアンも序盤は良かったが、キープする運動とかはキツかったらしい。

 

「ぜぇ……ぜぇ……こ、これがトレーニングなのか……」

「結構身体に来るみたいですよコレ。常日頃から身体を動かしていた俺等でも限界あるみたいで」

「無理せず一定のペースで良いですからね。水分補給しないでやるとか自殺行為以外の何物でも無いですから」

 

 隣で応援してるグレイ達に向けて鋭い恨みの眼光を突き飛ばすが、あんまり文句も言ってられない。彼女自身も確かに思い当たる節があった為、そのツケが返って来たのだと受け入れた。

 だが、実際にやってみると効果あるのは間違い無いらしく、これも自分を変える為だと思えばそこまで苦ではなく、次第に動きも慣れたそうだ。

 

「ん……俺達もそろそろ時間だな」

「え?もう出撃か早いな」

「済みませんがヘリアンさん、俺達は先に仕事の方へ行って参ります」

「ああ、フンッ!気を付けて、フンッ!行って来いよ、フンッ!」

「もう受け入れてるし……」

 

 中々悪くないトレーニングなのかご満悦のヘリアン。その間にグレイ達はデイリー任務の方へ出撃。鉄血人形及びE.L.I.D.の殲滅を開始した。そんな最中で先程のリングフィットを見た鷹山がポツリと一言。

 

「にしても、個人的に気になってはいるんだけど……リングコン使った攻撃方法って俺等でも出来ないか?」

「いや、無理だろ……やる度に腹筋の形をしたモノが上とか下から攻めて来るって魔法か何かじゃないと再現出来ないって」

 

 そっかー、残念だなぁとガッカリする彼。だが、興味はある。

 ゲームを見れば分かる通り、攻撃方法が全部トレーニングで、やる度に謎の腕とか足とかボディーとかが殴り掛かって来る光景はかなりシュールだろう。だが、それが現実でも出来る様になったら一体どうなるのか?それに応えるかの様にザックがフフフと待ってましたと笑みを浮かべた。

 

「そう言うだろうと思ってコッソリと開発して来たぜ。ほらよ」

「え?何?マジで作って来たの?持って来たにしても、謎の腕とか足とか胴体とかどうやって出すの?」

「その辺は大丈夫だ。クラウスのエンチャントが仕込んであるから何時でも再現出来る」

「エンチャントパネェ」

 

 まさかのエンチャントで完全再現を果たしてしまった。ちなみにだが、リングフィットアドベンチャーは基本銃とかナイフとかの攻撃方法は一切使用せず、攻撃出来るのはリングコンを持った状態(マウンテンクライマーなどの例外アリ)でのトレーニングのみ。つまりは己の肉体で戦えと言っている様なモノ。

 折角だからやろうぜ!とその場に居た全員がその気になってしまい、何処かに鉄血やE.L.I.D.居ないか探してボコしてみようと決行に至った。

 

「全種類のトレーニング揃っているから、何処からでも始められるぜ。流石にターン制バトルとかは無理あったが」

「そりゃそうだろうよ。敵もそこまでマヌケじゃないし、良くてもリアルタイムで進むだろ」

 

 そんな感じで話を進める彼等だが、だからこそ改めて考えて欲しい。ほぼ荒廃したこの世界で筋トレしながら倒すなんて無理ゲーにも程あるんじゃないかと。

 一般人ならばそんなモノでどうやって戦えば良いんだ、と思われるのがオチ。それでもやってしまい兼ねないのが彼等である。

 

「ん……?居たぞ!人間だ!!」

「うおっ!?」

 

 と、歩いている間に何時の間にか鉄血兵に見つかり、ゾロゾロと次から次へと現れて来た。囲まれたらマズいが、同時に試すには丁度良い相手でもある。迫り来たのはリッパー5体。ならば丁度良いとグレイは例のアレを試し始めた。

 

「リングアロー!!」

 

 グイッと弓の様に引っ張ると、リッパー達の頭上から腕らしきものが現れた。異変に気付いたリッパー達は「何だこれは!?」と驚いていたが、直後にズドンッ!!とキープしていたムキムキの拳が彼女達に襲い掛かる。

 

「な、何だ今のは!?」

「グリフィンの新たな兵器か!?ええい!アレを撃て!」

 

 サブマシンガンで攻撃しようにも、攻撃は通らず。逃げても拳はピッタリと彼女達の頭上に留まり、18回分の攻撃が終わるまで延々と殴られ続ける。そんな間にグレイは……。

 

「ふんっ……!ぬぬぬっ……!」

 

 リングコンで引っ張っては戻す作業を繰り返しやっていた。これにはグレイ自身も相当驚いている。まさか筋肉で攻撃出来たとは想定していなかったのだから。

 

「何をしている!あいつ等を殺れ!!」

「数多っ!これにはバンザイコシフリ!!」

 

 迫り来るブルートだろうがストライカーだろうが全て同じ。彼女達の頭上からムキムキな胴体がガツンガツンとリズムに乗ってドンドン殴る音が響く。殴られている間にグレイの方はリングを持って腰をフリフリしていた。

 敵の何人かは気付いたらしいが、それでも筋肉攻撃の前では通用しない。正にシュールとはこの事。

 

「なあ、次は俺!俺やる!」

「へいへい。所で、これって他に何か追加機能とかあるのか?」

「お、良くぞ聞いてくれた。実はトレーニングじゃなくともリングを使った別の攻撃方法はそれなりにあるぞ」

「例えば?」

「そうだな……なら丁度良い相手が向こうからやって来たな」

 

 すると、向こうから更に鉄血兵がやって来た。もっとも、彼女達は固定型の鉄血人形なのだが。

 

『やはり来ましたか……私のダミーが』

 

 通信機からグリフィンで待機していたエージェントの声が耳に入る。今、彼等の目の前に現れたのは彼女の代わりとなるストック―――即ちはダミー人形だった。だが、ダミーと言えどもその実力は本物と変わらない。

 そして、エージェントのダミーを中心にアルケミストやドリーマー、アーキテクトにデストロイヤー等々……ちょっとばかしピンチの状況を迎えようとしていた。

 

「見つけましたよグリフィンの指揮官の皆様。貴方達に散々手を煩わせた分、ここで果たさせて頂きますよ」

「ここから逃げようだなんて思わない事ね。ま、逃げた貴方達を追い駆けてグリフィンごと全部滅ぼすには丁度良いんだろうけど……」

「何にせよ、私達を楽しませてくれよ。薄汚い悲鳴を上げて、哀れなまま死んで逝く姿を見せてくれ」

 

 ニヤニヤと彼等を見下す様な笑みを見せる鉄血工造。何だか前に同じ事を体験した様な気がするが、深く気にはしなかった。銃口は全て彼等に向けられており、即座に殺せる雰囲気が周りを包んでいた。

 

「武器を下して地面に跪きなさい。どうせなら命乞いをしても良いのですよ。ただし、貴方達の情報と引き換えに……さあ、どうします?」

「これを一体どう見たら武器だと判断出来るんだ……」

『それ、ただのリングですよね?』

「ただのリングな筈なんだが……筋肉の加護が付いてるみたいな……」

『もしかしたら妖精でも居るんじゃないんでしょうかね。「ホイホイチャーハン」とか言いそうな妖精が』

「ちょっと待て、それ一体何処から聞いたんだ!?」

 

 彼女の口からそんな言葉が出るなんて……!ある意味知って欲しくなかった。いや、実際間違ってもいないのだが。

 彼等のやり取りにポカーンと放置されていた鉄血人形達だったが、痺れを切らしたエクスキューショナーが銃弾を一発グレイに向けて放たれた。が―――

 

「腹筋ガード!!」

 

 危険を察知した鷹山がグレイの前に立ち、ムキムキな胴体をした盾が目の前に出現。そのままエクスキューショナーが放たれた弾丸はキンッ!と弾かれた。

 

「は?はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?な、何だ今の!?」

「銃弾が弾かれるだなんて……まさか、グリフィンの新兵器?」

 

 あまりの衝撃な光景に鉄血人形達は思考がフリーズし、ざわ…ざわ…と戸惑いが隠せない。ダミーのエージェントは警戒しながらも銃口をグレイ達に向ける。

 

「答えなさいグリフィン。今のは一体何なんです?」

「何って……筋肉としか言えないけど」

「ふざけているのですか?」

「それ以外にどう答えろと!?」

 

 嘘は言ってない。元々そういう技だし、お前達も目の前で俺達が何してるのか見たじゃねーか!と反論したいが、全てが筋肉とかで解決出来ると思ったら大間違いだとか言われそうである。しかし……。

 

「なあ、どうするんだよアレ……?」

「また何か仕掛けるんじゃないのか……?」

「というか、あのリング持った奴以外の人間殺せば良いんじゃない?」

「けど、これまで誰一人として勝てなかったって言われているのよ……?」

 

 これまで散々返り討ちされてボロ負けが続いている鉄血。グリフィンや人類全てを殺し尽くす為に幾度も策を考えてはいるものの、一度も成功した試しは無い。しかも、日増しに成長と進化を遂げているので最早勝てないのではと思い始めていた。これを聞いたエージェントは彼女達を厳しく叱咤した。

 

「何を愚かな事を言っているのです!私達は人類を滅亡まで追い詰めたのですよ!あの方の願いを成就するまで動けるのは私達だけ!人類だけじゃなく、私達から離れた鉄血の裏切り者も殺せば良いだけの話です!」

『随分と恐ろしい事を言いますねダミーの私は。それだけ鉄血に心酔しているか、或いは最初からそう作られたか……愚かですね。何度挑んでも結果は同じだというのに』

「さあ、武器を下しなさいグリフィン!さもなくば貴方達をこの場で殺します!」

 

 通信機越しのエージェントも溜め息を吐いて呆れていた。あれが自分をベースにしたダミー人形とは。

 目の前の彼女は冷静さが無くなり、焦っている感じに近かった。どんなに束になろうが勝てる相手じゃない―――それは誰もが既に分かっている事。だけど、彼女なりの信念があるのか諦めた表情は何一つしていなかった。

 一触即発なこの空気の中、鷹山は空気を読まずにリングコンを腰までスーッと下したが……。

 

「コシフリズコバコ!」

『は?』

「リングコンを腰まで持っていき、手はバック突きの様に軽く添えるだけ!女性の尻をもちっと触っているみたいに掴みましょう!」

「……とうとう頭がおかしくなりましたか。何を企んでいるのです?」

 

 いきなり堂々とセクハラ発言をした鷹山にグレイ達は唖然となる。こんな時に何言ってんだ!?と心の中で突っ込んだ。しかし、その理由は次の瞬間明らかとなる。

 

『ん……!?』

 

 違和感に気付いたグレイ達が鉄血人形達をじっと見ながら目を凝らした。

 言葉では伝えられないが、彼女達の真下に逞しくて大きな「アレ」が生える様に現れたのだ。故に鷹山が何故あんな事を言ったのかも辻褄が合い、この後何が起きるのかも大体察した。

 

「そして、リングの中心部分に目掛けて腰を振ります!はい、1!2!1!2!」

 

 直後、彼女達の下にあった「アレ」が急上昇し、彼女達の「リング」に「フィット」し―――

 

『ひぎぃっ!!!?』

「アッー!アッー!」

『い、イクゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――ただ今、再び映像が乱れております。しばらくお待ち下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぬふぅ……」

「うわぁ……そう来たか……」

『最低ですね、貴方』

 

 なんということをしてくれたのでしょう。先程まで撃つ気満々だった鉄血人形達がアヘ顔晒してビクビクしているではありませんか。

 さっきまで怒っていたダミーのエージェントも顔を真っ赤にしながら生まれたての小鹿みたいに倒れながらも震え、濡れている個所が大きく見受けられた。

 

「どうしてこうなったんだお前……」

「いや、リングを使った別の攻撃方法ってのを想像して、真っ先に浮かんだのがコレだったんだよ。だって、腕とか足とかってどうやって具現化してんだよ?筋トレパワーでなら納得出来るけど、それ以外だったら多分想像を具現化する際のエネルギーとして使えば行けるんじゃね?と思って試したらマジで出来てさ」

「で……想像したのがムキムキの「アレ」で、その場に居た鉄血人形全ての「リング」に目掛けて「フィット」させたのかお前……」

「そゆこと♪」

「最悪な攻撃方法だなオイ!オマケに賢者タイムまでして確信犯じゃねーか!これそういうゲームじゃねぇからコレ!!」

 

 緊張感とか何もかもが全部台無しになった気分だった。こんな事をしてしまった性なのか、通信機越しから「鷹山指揮官……後でお説教です……」とM4のドス効いた声がゾクッと伝わった。

 とは言え、鷹山がやってくれた行動のお陰で具体的にリングを使った攻撃の際にどうするべきなのか少しだけハッキリした気がした。まだまだ試す価値はありそうだ。

 

 

 

 

 

「はぁ……はぁ……ふぅ……少しこのゲームにも慣れて来たか……?」

 

 一方、未だにトレーニングをしていたヘリアン。自分なりのペースで頑張っていた為、身体の方も少しずつ鍛えぬかれた身体へと化していた。しかし、まだまだ理想の自分となるには程遠い。

 

「筋肉は絶対に裏切らない……その言葉を信じてやって来たが……本当に私は男が作れるのか……?」

 

 もしかしたらそれも無駄に終わってしまう―――そんな不安がヘリアンに襲い掛かる。だが、それを打ち消すかの様に何処からか言葉が投げ掛けられた。

 

「その程度で音を上げるのかい?筋肉が足りてないよ」

「ッ!?だ、誰だ!」

「そう警戒しないでくれたまえ。何、私は君と同じ筋肉仲間さ」

「き、貴様等は一体……!?」

 

 ヘリアンの目の前に現れた人物とは……!?そして、筋肉仲間とは何なのか……!




・リングアロー
攻撃範囲ほぼ全体の腕系統の技。名前の割には矢を引いてる感はせず、ただ腕みたいなモノが殴るだけ……。

・「ホイホイチャーハン」とか言いそうな妖精が
こんな事を言う人なんてビリー・ヘリントン兄貴しかおらんよ。歪みねえな♂

・腹筋ガード
敵のターンが回って来て、攻撃を仕掛けて来た際にリングを押し込む様に防御すればダメージを最小限に留まらせる事が出来ると言われているが、防御をキープするという点では腹とかにリアルダメージ喰らったり、手が滑ったりして大惨事に。

・コシフリズコバコ
つまりはそういう事です。察して下さい。

・ひぎぃ
そっち系の表現の方が大半示す。アニメ版ドルアーガの塔ではこのセリフをマジで言ってたらしいが。

・ぬふぅ
漫画「シグルイ」のアレである。元々時代劇でありながらもホモ要素が濃く、何よりも報われなかったりする点があったり。

・なんということをしてくれたのでしょう
別名:悲劇的ビフォーアフターとも。

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