味方からも敵からもヤベー奴扱いされた指揮官達のいるドルフロ   作:ホワイトアクア

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次の日がエイプリルフールという事で、カルカノ関係の話を。
皆さん、嘘とかデマとかに踊られない様にしましょう。今のご時世ホントにヤバいですからね……もう混乱とか起きて危機迫ってます。とにかく落ち着く事が大事。不用意に外には出ない事を心掛けましょう。
そんな私も仕事とかに行かなきゃいけないのですが……安心して行ける自信がありませんよもう……電車でも怖いですから。


嘘を嘘だと見抜くよりも、報連相が一番大事

「指揮官、大好きです。結婚して下さい」

「うん」

「嘘ですよ。本気になっちゃいましたか?」

「うん、それも知ってた。んじゃ、仕事始めようか」

 

 「ウェ~イ」と指揮官全員がだらしなさそうに呟き、各々の仕事に取り掛かる。反対にグレイ達に向けて嘘を言った彼女は何事も無かったかの様にちょこんとソファに座っている。

 傍から見れば、え?何これ?どうなってるの?と思うかもしれないが、それは全部彼女の性格を知っているからこそ変に気にしない訳で。

 

「指揮官のあしらい方がナチュラル過ぎるんだけど」

「初期の頃に比べれば大分マシになったらしい方ですけど……」

「あはは……ごめんなさい、妹が迷惑を掛けてしまって」

 

 UMP45とM4の言葉に彼女「カルカノM1891」は頭を下げる。そして、その妹というのが「カルカノM91/38」であった。

 

 

 

 

 

 彼女達の出会いは微妙と言わざるを得なかった。特に妹の方では。

 今回もまた有り余った素材を使って製造を行っていたのだが、その時に来たのがこの姉妹である。姉の方はとても元気が良くてハキハキと喋る良い子なのだが―――

 

「初めまして、指揮官。見てのとおり、ワタシは明るい人形です。仲良くやりましょうね」

 

 妹の方は何というか、まるで仮面でも被っているかの様な変わった人物だった。彼女の言葉に何て返したら良いのか迷ったらしいが、その日は案内とか済ませて終わらせた。

 戦闘の方では何も文句も無くちゃんと頑張れてはいる方なのだが、時折無線から「初めまして。ワタシはもうグリフィンにはうんざりなんです。貴女達に加わっても良いですか?」と、若干焦ったらしい。

 そんな堂々と宣言する奴があるかと突っ込んだが、多分これが妹の魅力……(?)なのだろう。だが、迷惑である。その性で真っ当なコミュニケーションすら取れない状況に。以前も……。

 

「グレイ指揮官。鉄血の2個中隊がこっちに来るそうです」

「ん、分かった。じゃあ行って来る」

 

―――10分後……。

 

「来ねーよアストラル!」

「嘘に決まってるじゃないですか。それと、誰ですかアストラルって。ワタシはカルカノです」

 

 とかだったり……。

 

「クラウス指揮官。裏手にある畑が燃えているのですが」

「え゙っ?」

「ただいま戻りました!畑の水やり完了です!今日もいっぱい小麦が取れましたよ!」

「………」

「カァァァルゥゥゥカァァァノォォォォォ……(CV:安元)」

「ごめんなさい、嘘です」

 

 元気そうに駆け付けてくれたM1911のお陰で咄嗟に嘘だと見抜いたクラウスは即座に冷静さを取り戻し、逆に怒りが湧いてた。

 尚、この時は強烈な拳骨一発で済んだ模様。女子には手を出さない彼だが、今回ばかりは洒落にならない。育てている物も生きていくには必要は食糧とかだったりするので、この手の嘘にはもう二度として欲しくない程。

 これには姉も一緒になって謝り、その後も姉に説教され、以降嘘はそんなに吐かなくなったが……天邪鬼な彼女だからこそ油断出来ない。なので、言われても適当に聞き流せと全会一致で決まった。

 

「結局アレだな。所詮は他人が言ってた言葉に騙されず、自分が直接見た真実しか答えは無いんだって」

「心理学と精神分析、図書館の技能は必須だな」

「何故クトゥルフ……にしても、懐かしいなそれ。暇な時遊んだ記憶あったわ」

「あったあったwww狂人プレイだったり、GMの言う事逆らってたり、ゲスいプレイとか、ドン引きさせる行動ばっかだったしなwwwww」

「大体はオメーが原因だろ鷹山ァ!何で気を失ってる幼女のスカートをヒャッハーして覗いたりとか、筋肉で会話したり、変な所でクリティカルとファンブル出してGMとPL泣かせにも程あっただろうが!!」

「男同士でウホッ…な展開だったり、即座にNPCとかラスボスとかを何の躊躇いも無しで殺したり、丸太で殴ったりオカマプレイで神話生物にキスしたり掘ったりして腹筋崩壊した俺等の身にもなれ」

 

 グレイ達の会話を聞いていたのか、ブッ!と吹き出す人形達。え?何それ面白そうとか聞かせて欲しいだとか、気付けばその話中心となっていて、カルカノM91/38の嘘に関しては蚊帳の外だった。しかし、数日後にある切欠が……。

 

 

 

 

 

 それから次の日。一通り担当の戦術人形達を偵察に向かわせた後の数時間後、その報告を受けている最中だった。

 

「以上が報告の内容となります。それと鷹山指揮官」

「ん、どしたの?」

「カルカノM91/38が偵察ルートの途中で不審な人影を見たという報告がありましたけど……如何致しましょうか?下手したら謎の宗教だとかマフィアとか居るかもしれないと彼女が申し出ているんですが……」

 

 M4がそう答えてくれたが、一同は微妙な顔付きになった。何せ、あの彼女だから信憑性がハッキリ言って薄い。良くても見間違いか人違い。悪くて嘘でしたと言われる可能性が高いだろう。

 かと言って、その程度なら戦術人形達がわざわざ煩わせる必要も無いし、直接確認すれば良いんじゃね?と決まったので、一応そこまで行くとした。ちなみに、その偵察ルートの途中というのが別地区にある廃墟エリア。辛うじてそこで住んでいる人も少なからず居るとか。

 

「しょうがないか。M4、悪いけど今日の分の仕事も粗方片付けておいたから、書類纏めといてくれ。俺達は現地に向かって来る」

「あ、はい。分かりました」

 

 後の仕事はM4に任せ、グレイ達が現地へと出発。途中で入って来たAR-15とHK416も一緒に書類整理に加わったが、15分後にカルカノM91/38が執務室へと入って来た。

 

「失礼します。指揮官達は?」

「指揮官は貴女の報告にあった不審な人物を確認すべく、例のポイントまで進んでいるそうです」

「そうですか。入れ違いとなりましたか……」

「何か用なの?」

「ええ。先程申し上げたワタシの報告なのですが、もしかしたら早とちりだったのかもしれません」

 

 サラッと伝えられた言葉に3人は頭を抱えたくなった。これにはHK416も怒った。

 

「貴女ねぇ!さっきから何なのよ!本当なのか嘘なのか全く予想も付かない事ばっかり言って!そんなに指揮官の事を困らせたいの!?」

「いえ、もう嘘を吐くのはクラウス指揮官の時を境に止めました。今はもう嘘は吐いていませんよ」

「じゃあ、何で今になって早とちりとか言いに来たのよ!」

「……正直、ほんの一瞬でしか見えなかったのです。確かに人影らしきものは見えたのですが、かと言ってその人影が怪しい行動をしているとは考えなかったのです。それに、あの場所は少なからず住んでいる人も居ますし、廃墟の街並みが並んでいるんですよ?追い駆けた所で見失うか、或いは人違いか。仮に人を見つけても住人に生活事情を詳しく聞くまでする事でしょうか。プライバシーというのもありますし」

「ああ言えばこう言って……!」

 

 狂犬の如く唸るHK416。対してカルカノ妹の方は依然としてすまし顔をしていた。捻くれた内容ではあるが、正論でもあった。

 このままじゃ埒が明かないなぁ……と取り残された二人が思っているとドタバタと走り込む音が。バタンッ!!と勢い良くドアから現れたのはカリーナとヘリアンだった。

 

「ああっ!まだ居ましたか!作業は一旦中止して早く指揮官サマの所に向かって下さい!」

「え……?何?一体どうしたのよ?」

「……先程、アイツ等から連絡が入った。あの地区で潜伏していたテロリスト、カルト教会及びマフィアとの遭遇し、交戦中だ。しかも、別々の地点から鉄血とE.L.I.D.が来ている……!」

『!?』

「現在ガーディアンも緊急出動させていますが、まずは現場の方へ!!全戦術人形出動です!!」

『りょ、了解!!』

 

 まさかの事態にM4達は作業を止め、急いでグレイ達の方へと向かって行った。一方でグレイ達は大量の敵を相手に苦戦を強いられていた。

 

「ええいクソがァ!!嘘よりも性質の悪い奴等しか居ねぇじゃねぇかコレ!!」

「オマケにサイコパスまで居るぞあそこ……どーすんだコレ……?」

「これでも大体はやっつけた筈なんだけど……大丈夫?体力的にまだ行けるか?」

 

 既に彼等の周りには100人以上の人間が横たわっていた。気絶している者や死んだ者、果てには怪我をして動けない人物までもが。

 

「まだ残ってるし、後から鉄血とかE.L.I.D.来るんだっけ……メンドくさ……」

「応援は?」

「流石に呼んだ。まだ戦ってでも大丈夫なんだけど……結構長丁場で戦ってんぞコレ……スタミナ切れそう……」

 

―――ザザッ……。

 

『聞こえますか、グリフィンの指揮官様』

「あー……?エージェント。そっちは?」

『後5分で合流出来ます。そちらは?』

「大丈夫……って言いたいけど、喉渇いた。下手したら30分以上だぞコレ」

『愚痴れるだけの気力が残ってますね。まあ、心配するだけ野暮ですけど』

「オイコラ」

 

 無線からエージェントの声が聞こえ、今の状況を伝えた。辛辣そうなコメントが返されたが、「フフ、冗談ですよ」と軽く笑い返す。ともあれ、味方が駆け付けてくれたのは大いに助かった。

 

『もう少しだけ耐えて下さいませ。到着した頃にはスプリングフィールドがコーヒーを、ウェルロッドが紅茶を持って来ているので』

「青汁じゃねーのか」

「ドクターペッパーにして欲しかった……」

「リポDがあれば……」

「ボコボコーラ無いのか」

「胡椒博士NEOは?」

「ハイポーションがあったらまだワンチャン行ける」

『何故皆さんのリクエストが極端なんですか。それと、後半辺りは絶対見当たらないと思うのですが』

 

 特にハイポーションなんて昔のアーカイブで見たヤツなので、決して真似してはいけない代物でもあるが。とにかく5分程度ならば何とか耐えられるので、ここらで一発気合を入れ直して敵との迎撃を続けた。

 5分後に駆け付けてくれた戦術人形達と交代し、軽めの休憩を入れた後に再び前線へと復帰。後から来た鉄血とE.L.I.D.を纏めて相手になり、無事全て殲滅し終わったという。後に「制圧迎撃事件」と呼ばれ、少し間だか騒がれる様になった。

 

 

 

 

 

「クッソ疲れた……」

「皆さん、本当にお疲れ様でした……」

 

 事件終息後、グリフィンに戻った彼等は後始末という報告書の作業を行っていた。今日は早めに終わらせた筈なのに、追加でドサッと渡された気分だった。が、文句も言っていられないので我慢。

 

「にしても、ここまで遅く付き合う必要は無いんだぞ?明日もあるし」

「いえ、今回だけはワタシの責任でもありますので」

 

 隣にはカルカノM91/38が一緒になって書類仕事をしている姿が。あれからカルカノM91/38はM4達と一緒に現場へ向かい、グレイ達の援護に回っていた。

 辿り着いた頃には殆ど彼等が全部倒していた様なもので、これには彼女も驚いていた。しかし、今回の事件を通して中途半端な報告を出してしまった事で自分の指揮官を危険に晒してしまったのを深く反省している様子だった。

 

「……カルカノ」

「ッ!」

「あんまり細かい内容は言いたくないけど、せめて今後はちゃんと報告してくれ。確かに前まではお前の嘘に踊らされたりはしたけど、見間違えだとか、嘘だったとしても、それでも報告してくれ。今回みたいに二次被害は少なくて済んだけどな」

「申し訳ありません……」

「後は、なるべくデマを流さない様に。人形だって嘘を吐けるかもしれないが、それと同時に人間と同じ様に心も脆いんだ。たった一言の嘘で不安にさせたら嫌だろう?それも控えてくれよ」

「はい……」

 

 それだけ理解してくれれば十分だとグレイは彼女の頭を撫でた。本当ならばもっと厳しく叱られてもおかしく無かったのに、彼等は敢えてしなかった。

 本当に自分達の事を嫌っていたのか、それとも別の理由でもあったのか、真相は分からない。しかし、彼女も今後は真面目に取り組んでくれるそうなので、これを機に彼女と仲良く出来れば良いかと彼等は思った。

 

「だから、頑張ってくれよ。お前はやれば出来る子なんだから。カルカノM91/38だからこそ頑張れる実力を見せてくれ」

「……はい!」

 

 彼等には正直でいようと彼女は誓った。彼等だからこそ、自分を変えてくれるかもしれないと信じて。




ホントにコロナ終わって欲しいですよね……志村けんさんだけじゃなく、何人感染して何人死んだか……恐ろしいし、悔み切れないですね。

・来ねーよアストラル!
遊戯王ZEXALではお決まりの台詞。視聴者ですら何か見慣れてテンション上がって同じ事言ってたとか。

・気を失ってる幼女のスカートとかの以下の下り
元ネタは「TRPGセッションで聞いたもっともひどい台詞」。とにかく酷い場面しかねぇ。

・ボコボコーラ
モンハン3rdに登場するパワーアップドリンク。所謂アイルーキッチンに近い何か。温泉に入る必要がある。

・胡椒博士NEO
ペルソナ4及びペルソナ5に登場した謎の回復アイテムドリンク。炭酸系の飲み物と書かれているが、何故胡椒……?

・ハイポーション
ニコニコ動画で伝説を残したあのゲロマズポーションである。良い子は絶対真似しないように。そして、飲んだりしないように。

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