味方からも敵からもヤベー奴扱いされた指揮官達のいるドルフロ   作:ホワイトアクア

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これは、もしも彼等が鉄血に捕まったらの場合のお話。単発ではなく一応続きます。
新勢力パラデウスを見て、いずれはコイツ等も書くんだろうなぁ……でもどう扱おうかなぁ……とちょい悩みました。深く考えても仕方無かったので暇潰しにTRPGとか見てたんですが……。

俺「比叡山焼き討ち……あ、これならパラデウス崩壊に使えるかも。」
NYTO白/黒「「!?」」

何言ってんだコイツと思った貴方は正常です。大体察したとか知ってた貴方には背後からウホッ良い男が……。


指揮官のくせになまいきだ。

 これは有り得たかもしれないもしもの話。いや、有り得てたとしても、そこまで大差は変わらないのでは?と疑問視するかもしれないが……そこは深く追及しないで頂きたい。

 今回、色んな意味でぶっ飛んでいる彼等がもしも、鉄血等からの敵から捕まっていたらどうなっているのか。この言葉からして嫌な予感をした人はその反応がある意味正しいとも言える。果たして彼等がそうなった場合どうなるのか……その一部始終をお見せしよう。

 

 

 

 薄暗そうな通路をコツコツと歩く音が聞こえる。その周りには頑丈な鉄格子の数々が見られ、侵入して来た者を捕まえては捕虜にして閉じ込めるという牢屋でもあった。その通路を歩いていたのはメイド服姿が目立つ彼女だった。

 

「漸く貴方達を捕らえる事が出来ましたね、グリフィンの皆さん」

 

 そう言って牢屋に閉じ込められている人物に話し掛けるエージェント。彼女の表情は待ちに待った甲斐があったという程嬉しそうな表情を浮かべていた。

 

「貴方達に翻弄されてからと言うもの、我々鉄血は成す術も無く敗北の連続。しかしながら、それも今の内。捕虜となった以上、私達の拷問に耐えれるでしょうかね?早く言えば身の為ですよ」

 

 クスクスと笑うエージェント。敵に捕まった以上何されるのか分からないこの状況。しかしながら、軍人たるもの味方の情報など一切漏らして堪るかと耐えるのが理想だが、かと言って鉄血側もその情報を聞き出そうとあの手この手で捕虜達を苦しめようとする。それだけならばどんなに良かったのか……。

 

「ほい、革命な」

「何の!革命返し!」

「あ、俺も革命な」

「革命ばっかのオンパレードじゃねぇかwww」

「ちょ、クラウスさん!何エクゾディアのカード仕込んでいるんですか!?」

「あー?聞こえんなー!!」

「………」

 

 牢屋の中から楽しそうにしている男達の声が聞こえ、その様子を見ていたエージェントはジト目で呆れた様子でいた。何を隠そう、捕まっていたのはお馴染み「敵に回したらとてつもなく強いし面倒臭い上に、どの勢力からでも恐れられているグリフィンの指揮官達」ことグレイ達である。

 どうして彼等がこんな所に居るのか。そして、どうやって彼等が捕まったのか色々と気になる所ではあるのだが、ここは敢えて「捕まった経緯とかは深く追及しない」という形で許して欲しい。何故なら今回話している内容はあくまでも「もしも」の話であるからとしてあり、捕まえようにもササッと逃げられたり、捕まっても数秒で敵を沈黙させてまで逃げ切れるのだから余計に性質が悪いと容易に想像出来ると少なからず思う人は居るからである。

 

「何をしているのですか貴方達は……」

「見りゃ分かるだろ。大富豪だよ大富豪。あっちはポケモンカードゲームと遊戯王を超融合させた何かをやってるけど」

「どっちにしろ貴方達が余裕をかましているのは分かりました……しかし、捕まっているのにも関わらず何故平気で居られるのです?」

「暇だからに決まってんだろ」

「理解不能です」

 

 普通そこは怯えたり睨んだりしているのが本来の反応だと思うのだが、こんな状況下でも笑っていられるのは正直頭が狂っているんじゃないかと誰もが思うだろう。しかし、悲しいかな。グレイ達からすればこれがデフォなのだから、例え何だろうと「それがどうした」の一点張りを保っているのがあちら側では普通であった。

 

「第一、拷問しようとかほざいてたのに傷1つすら与えずに終わったじゃん」

「それは貴方達が異常だからです……何故殴ったり蹴ったりはしていた筈なのに、触れた感触すら無いのですか!?他の拷問用具とか使おうにも苦しむ表情は無く、銃を撃っても弾丸は通り抜けるかの様にして当たらない!これでどう落ち着けと!?」

 

 ここまでこんな理不尽な事はあっただろうか。痛め付ける所か死なせる事も情報を吐き出させようとする事も出来ず、どう足掻いた所で捕まえたって意味無いじゃん!と言い切ってしまうのがオチとなってしまった。それが理由でグレイ達は今もこうして牢屋の中に閉じ込められていながらも楽しく過ごしていた。

 ちなみに道具とか武器とかは全部彼女達によって奪われてしまったが、鷹山がデバッグモードを起動させては任意のアイテムをポンポンと出すので、最早彼等のフリーダムっぷりにエージェントは半ば諦めモードになりつつあった。

 

「ま、まあ良いでしょう……どの道貴方達は我々に捕まっているのには変わりません。貴方達を救出しようとするグリフィンの人形達が来た時どうしてあげようか……考えものですね」

 

 捨て台詞を言っている様にも思えなくも無い事を言った後、エージェントはその場を離れた。やがて彼女の足音が聞こえなくなると、黙っていた彼等はこれからどうしようかと話し始めた。

 

「で、どうするよ?俺達こうして捕まった訳だが……」

「その気になったら何時でも脱出出来るからな。道具は奪われてしまったが」

「あ、そうなん?だったらデバッグモード起動させて任意のアイテム出せるけど、する?」

「頼むわ」

 

 頼まれて取り出したのはツルハシや水の入ったバケツとか土とかだった。

 そして、ツルハシを手にクラウスはカンカンと床や地面を掘っては耕し始め、なんとそこで植物とかを育て始めた。

 

「本当だったら地下で蕪でも育てようとか、第2の拠点にしようぜとか考えていたんだがな。鉄格子も逆に鍵とか開けられない理不尽仕様で」

「何処のミスティーズ王家のアホ王女だお前は」

「何だろう……その女王、俺達と同じ気配がする……」

 

 「お願いですから連れて来ないで下さい。(向こうが)こっちに来ないで下さい」と、何故か常識枠の悲痛な願いが聞こえた様な気がした。確かに出会ってしまったら更に歯止めが利かなくなり、最悪もっと混沌とした場面になりそうなのだから。

 

「つーか、さっき言ってたけどホントに脱出しないのか?」

「別に今ここで脱出しようがしなかろうがどっちでも良いだろ。それに、ただ単純に脱出しちゃってはつまんないだろ?あの人も言ってたじゃないか」

 

 

 

―――なにジョジョ?鉄血から逃げようにもバレたらおしまいだと思う分不安になるだって?

 ジョジョ、それは人間として当たり前だし、無意識にそう思うかもしれないからだよ。

 逆に考えるんだ「見つかっちゃっていいさ」と考えるんだ。バレる前提でトラップとかを作って不思議のダンジョンにすれば良いのさ。

 

 

 

「ってな」

「言ってねーよ。そんな事すら言わねーぞあの人は」

「不思議のダンジョン……?俺達なりのダンジョンを作ろうってのか?何それ面白そう」

「ちょ、グレイ!?」

 

 クラウスが余計な一言を言ってしまった性か、グレイのやる気に火がついた。

 一度何かを決めてしまえば、その後は徹底的にやってしまうのが彼の癖で、こうなってしまった以上彼を止めるのは難しくなってしまった。これにはケンジやザックも溜め息を吐いてしまった。

 

「もう止めようが無いな……言い出したからには変なヘマ起こすなよ?」

「大丈夫大丈夫!絶対捕まらない様に仕掛ければ良いから!」

「そういう問題じゃないと思うが……」

 

 流れに流されたまま、彼等は作業を始めた。別に監視に来た鉄血に見られても大丈夫だと彼等はそう確信している。扉の鍵はザックが溶接で開けられない様にし、扉越しから攻撃して来るのであれば鷹山が相手の持っている武器を全部無で引き寄せるので防御は完璧に取れていた。

 そんな様子を監視カメラによって捉えられていて、その映像をエージェント達は見ていた。気付けば牢屋の中は汚かった前よりも格段に綺麗になっており、充分に寛げる家具とかモノとかも作られ、しかも何故か作る事が出来た畑から野菜等を収穫していた。これにはエージェント達も頭を抱える程。

 

「……どうするのよエージェント?このままだと確実にアイツ等に好き勝手に部屋を改造されるわ」

「分かっています……分かってはいるのですが……何をどうしたらそんな発想になるのか理解出来ないのです……」

「まあ、普通そうだよな。あそこまで好き勝手にする位なら脱走した方がマシだと思うが」

 

 エクスキューショナーが言った通り、そこは普通に脱出する計画を考えないのかと思うだろう。しかしあんなでもちゃんと脱出する計画は考えてはいるのだ。ただ単純に普通に脱出するだけはつまらないからダンジョン作ろうぜという謎の理由で。

 グリフィンはこんな奴等ばっかりなのかとこの場に居た全員が一致して思った謎の風評被害。何度も言ってるが一番恐ろしいのは彼等であって、それを除けばグリフィンは普通の部類なのだ。

 

「果てにはエルダーブレイン様がそんな人類を見てみたいとご要望なさいまして……もしかしたら脱出するかもしれないと思うと胃が痛くなるのです……」

「私達人形に胃なんて必要なの?」

「例え話みたいなものですよドリーマー。さて……本当にどうしましょうか」

「あれ?そもそも何故グリフィンの指揮官がいとも容易く捕まえる事が出来たんだ?あのバケモノ揃いの奴等がそう簡単に捕まるとは考え難い。もしかしてわざとか?」

「そこは深く考える必要はありませんよアルケミスト。今は彼等が何をしでかすか監視の続きをするのです」

 

 こちらからすれば一体何をするか気が気では無いので、常に見続けなくてはならなかった。一方で牢屋の中を大改装しながらもダンジョン作成に取り掛かっていたグレイ達は……。

 

「ケンジ、それ何?」

「ここ最近で独自に研究と開発を進めた結果として、E.L.I.D.やコーラップス液を捕食し、それを無害で感染しない植物を生み出す生き物を作った。成長すればする程、大きくなって花が咲き、養分が無くなると多く分裂してより多くの命を生み出せるんだ。崩壊液撲滅に繋がる第一歩になるかもな」

「へぇ~。ちなみに名前は?」

「まあ、動き方とか生態とかはスライムと一生だからな。ここは「ニジリゴケ」という事にした」

「何だろう、即座にクソゲーみたいになりそうな予感がして来た。もしかして、そいつ投入するつもりか……?」

「そのつもりだ。ついでにコイツはコーラップス液だけじゃなく、女性の体液なんかでも捕食して成長出来る」

「つまりはエロトラップダンジョンって事ですか!?ヒャッホゥ!」

「さっすが~、ケンジ様は話が分かるッ!」

「何かダンジョンって言われたらコレを作れと天から御告げが聞こえたものでな……」

 

 これはひどいと言いたくなる様な会話が響いた。嬉しいのか傍迷惑なのか全く分からないモノを何故作ってしまったのか。そのトラップを上手く活用すべく更なるトラップ作りが……。

 

「ケンジ、どうせなら落とし穴にそのスライムを設置出来ないか?その際、一方通行、吹き飛ばしとかも使えるし、何だったら丸太の罠でも構わない」

「出来なくも無いが……どうするつもりだ?」

「サビの罠で防御落としたり、動きを鈍くさせる他に、回転させて目を回させたり、催眠ガスで眠らせたり、影縫いで足止めし、装備外しでなるべく武器とかを持たせない様にしてなるべく時間稼ぎをしたい」

「発想がもうガチのトラップ作りの思考じゃないか」

「段ボールの迷路で殺人起きるよりはマシだ」

「………そうだな」

 

 次々と罠を提案するザックの勢いにケンジはもうどうにでもなれ、と色々と吹っ切れてしまった。それとは別に遠隔操作でマップを生成しているクラウスもグレイ達が居る地点から100Fまでダイナマイトとかで掘り進んでいた。ちなみに100Fにしたのはクラウス自身が「ダンジョンならば100Fまであって当たり前」と張り切って作ってしまったのが尚更酷い要因となってしまった。

 こうして過ごして数日後……いよいよ作戦を決行したグレイ達は掘り進めたダンジョンの中を突き進んだ。彼等の異変に察知した人形の一人が急いでエージェントの元へと報告に走った。

 

「報告します!例の捕虜達が抜け穴を通じて逃走を図りました!」

「ついに来ましたか……周辺に不自然な穴とかはありましたか?」

「偵察班、監視班の報告ではそれらしきものは一切見当たらないとの事です!恐らく、かなり長い距離を掘った可能性があります!」

「そうですか。では、至急隊列を整えた後即座に扉を壊して追い駆けなさい。後で増援も呼んでおりますので」

「ハッ!」

 

 報告が終わると、彼女は急いで基地内に居る全ての人形に緊急招集を掛け、装備と隊列を整えてから牢屋を撃ち破る手段へと移った。

 

「漸く逃げ始めましたか……こちらが攻撃しようにも牢屋越しだというのに謎の力で全ての武器を奪われたのが痛手でした……故に迂闊に扉を壊すのは困難を極めました。しかし、もうそこに居ないとなると話は別です。貴方達が我々鉄血から逃れる事は出来ません。逃げた事を精々後悔しなさい」

 

 その目には全ての人類に対する軽侮の眼差しが込められていた。やっとここまで来たのに脱走なんてしたら笑い物にも程がある。これ以上自分のプライドが傷付けられる前に彼等をエルダーブレインの元に送った後、グリフィン諸共殲滅の続きをしなければならない。

 一方で牢屋の方では扉を何とか破壊し、周辺を確認している鉄血人形達。彼等が作った家具やら植物とかはそのまま放置されたままとなっており、その奥にはいかにもな暗い穴が目の前にあった。

 

「では、ここを通り抜ける。気を引き締めて掛かれ!」

 

 いざ突入しようとする彼女達。しかし、本当の悪夢はこれから始まる……。




パラデウスの際にはネゲヴ小隊出そうかと考えています。というか、歓迎会しなきゃ(使命感)

・何エクゾディアのカード仕込んでいるんですか!?
ゲーム実況者「愛の戦士」の事。ゲーム実況以外にもポケモンカードとかデュエルマスターズとかもするのだが、その際彼は当たり前の様に遊戯王カードを仕込んだり、イカサマの数々を行ったり……とにかくやる事が酷い。デュエマに限ってはエクゾディアをシールドトリガー扱いにし、ポケモンカードは自分のデッキに5枚仕込んではエルフーンGXの効果で5枚持って来るという鬼畜の所業をやった。一体どれだけイカサマ続ければ気が済むんだ君は。

・何処のミスティーズ王家のアホ王女
ムーンライトラビリンスの改造版である「ムーンライトオワタ」から登場「リリア・ミスティーズ」。本編とは違って死なない、逃げない、やりたい放題のオンパレードでオリハルコンメンタル並みに強くなりました。生まれてからあのアホっぷりというのもあるが、本当にあの王国大丈夫なんだろうか……。
ちなみに、改造リリアの作者は、本家リリアの作者の許可をBBSを通して貰ったという……良く許せたな!?

・なにジョジョ?(ry
ジョースター卿のアレ。つまりは「逆に考えるんだ」を流行らせた張本人。

・ニジリゴケ
この為にタイトルをコレにしたというのも過言ではない。元ネタは「勇者のくせになまいきだ。」に登場する雑魚モンスター。序盤は弱くて戦力にならないが、コケの特徴を掴んだ上にニジリゴケコマンドまで成長させれば中々強くなり、更にはあの方法を使えば一瞬にして敵の体力を5秒も満たずに吹き飛ばす強さを誇れる……。

・エロトラップダンジョン
何時からか流行ったネタ。しかし、やはりというか同人とかでそれを見かける様になってしまった……。

・さっすが~、ケンジ様は話が分かるッ!
元はタクティクスオウガのアレである。思えばあの台詞マジ放送コードギリギリなんじゃね?と言いたくなる程ヤバかった。

・一方通行、吹き飛ばしとかも使えるし、何だったら丸太の罠
風来のシレンに出て来る罠の種類。木の矢とか丸太の罠はある意味皆勤賞だと思う。その分、嫌な罠も当然ありますが。

・遠隔操作でマップを生成している
これは何て言ったら良いんだろうか……作者的にはビルダーズ2で遠くからブロックを設置出来る様になった仕様的なナニカだと考えていますので、そんなモノだと思って頂ければと。

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