味方からも敵からもヤベー奴扱いされた指揮官達のいるドルフロ   作:ホワイトアクア

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今回罠という罠だらけで書いたつもりだが、要素が薄かった感。次はモンスター王国でもしようか。
個人的には怒り喰らうイビルジョーを出せれば満足(!?


指揮官のくせになまいきだor2

 偵察班が先行している間、エージェント達も後から合流した。かなり長丁場になる為、報告は来るまで待機していたのだが……。

 

「……遅いですね」

 

 未だに連絡の1つすら寄越されていない事に違和感を感じた。戦術人形達を送り出す前に、せめて中の状況はどうなっているのかそれだけは確認して報告しろと伝えてはいたのだが、5分経っても一向に変化は見られない。

 

「待ち伏せをしていたとかじゃないのか?」

「確かに、その可能性も無きにしもあらずですが、わざわざ脱出の為だけに時間稼ぎの小細工でもしますか?まあ、こちらでは小細工では済まされない程バレていますが」

「でも待って頂戴。仮にも脱出するのが優先だとして、アイツ等とはかなり距離が離れているわよ。追い付くまではまだ時間掛かりそうだと言うのに、一体何と遭遇したのよ?」

 

 命令を受けた戦術人形が通信をしないという怠慢をするとは思えない。では何が起きたというのか。そう考えている間に抜け穴にまで到着したのだが……。

 

―――ぐちゅ♡ぬちゃっ♡くちゅくちゅ♡ぴちゃっ♡

 

「んぁっ……や、止めろぉ……!そ、そこに触るなぁ……!」

「あぁん……やっ……止めてぇ……これ以上気持ち良くしないでぇ……」

「ダメっ……!イクっ……!イっちゃう……!」

「な、何なんですかこれは……!?」

 

 エージェント達は目の前の光景に開いた口が塞がらなかった。何故なら、入口にはケンジが育てたニジリゴケが密集していたからだ。それだけではなく、進化したアメリニジリゴケやヒヤシニジリゴケ、更にはニジリゴケコマンドにまでが大量に密集している。

 身動きを封じられ、武器を取られ、成す術も無く蹂躙されている。それだけには留まらず、ぐちゅぐちゅと何かを掻き乱す音や嬌声が暗闇の中から響き渡っていて、それを聞いた一同は中に何が起きているのか即座に察した。

 

「うわぁ……何あれ……?あんなおっきいのが出たり入ったりしてるの……?」

「見てはなりません、デストロイヤー。まさか、グリフィンがこんな卑劣なモノを大量に作っていただなんて……」

「それはそれでどうでも良いけど、肝心のアイツ等はどうするのよ?逃げたのこの先なんでしょ?」

 

 ドリーマーの言った通り、グレイ達に追い付くにはこの大量に密集したニジリゴケ地帯を突破しなければならない。しかし、その余りにも圧倒的な量に踏み入れたら最後、先行した戦術人形みたいにあんな事やこんな事をされてあられもない姿にされてしまうのが見えていた。

 

「数が分からない以上、弾を無駄に使う訳にも行きませんからね……」

「なら、ここで誰かを犠牲にするか?エージェントにしては随分と珍しく躊躇ってる様子だが」

「流石にこれは想定外の結果なんですよアルケミスト。だが、ここで立ち止まっては鉄血の名が廃ります。ですので……」

 

 すると、エージェントはガシッとアーキテクトの両肩を掴んだ。突然の行動にアーキテクトは「え?」と戸惑うが、その時点でもう遅かった。

 

「出番ですよ、アーキテクト」

「ちょっ!?」

 

 ドンッ!とエージェントに押し飛ばされたアーキテクトは反応が遅れた為に一体何をされたのか理解出来なかったが、倒れる最中で「もしかして、私が犠牲に!?」と嫌な予感がしたが、その予感は見事に的中した。

 

「ちょっと、何するのよ!?」

「私達がこの先に行く為の囮になって欲しいのです。言い方は酷だと思っていますが、先行した戦術人形を見る限り物理的に酷い事をされるの無いだろうと見込んでいますので」

「良くない!アーキテクトちゃんピンチ!大ピンチだよ!?」

「そういう訳で、逝ってらっしゃいませアーキテクト」

「字が違ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁうッ!!」

 

 アーキテクトの叫びは虚しく、直後にニジリゴケが彼女の全身にベタベタ張り付いては身動きを封じようとする。そのお陰でニジリゴケ達がアーキテクトの方へと移動してくれたお陰で道が出来上がり、あの生物達が夢中になっている間にエージェントはそそくさと先へと進んだ。後ろから彼女の艶かしい声が聞こえるが、振り返らずに前へと突き進んだ。

 

「開幕早々酷い事になったな。にしても、エージェントも中々鬼畜な事出来るんだな」

「毎日グリフィンをどう痛め付けようかと考える貴女とドリーマーとは違うのですよ。それに、我々は足手まといであろうと裏切り者であろうと、素材さえあれば何度でも予備は作れますから」

「それこそダミー人形とかで行かせれば良かったのに、何で思い付かなかったの?」

「こんな広い穴を掘って、尚且つ訳の分からない生物が生息していただなんて誰が予想出来ましたか?」

 

 そりゃ確かに分からんわ、とこの場に居た全員が思った。ともかく、この先に進もうと彼女達は進んで行くのだが……。

 

―――カチッ。

 

「ん?何だ―――ぐほっ!?」

「エクスキューショナー!?」

 

―――ドカッ!カチッ。

 

「ちょ!?連続コンボなんて聞いてねぇぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ………っ!!!!」

「エクスキューショナァァァァァァァァァァ!!!?」

 

 カチッと踏んだ瞬間、何処からか丸太が真っ直ぐに飛んで来て、を吹き飛ばした。そこまでは良かったものの、吹っ飛ばされた先で再びカチッと何か作動する音が。その直後にスッと床の一部がパカッと開き、そのまま深淵の中へと真っ直ぐに落ちて行く。

 

「まさか……罠まで仕掛けてあっただなんて……!」

「大丈夫!?エクスキューショナー!」

「痛ってぇ……まさか丸太がぶっ飛んで来るとは思わなかったが、飛ばされた先で落とし穴とは。ちょっとドジったが、地面が柔らかくて助かった…………ん?柔らかい?」

 

 大した怪我は無かったが、変な違和感を感じたエクスキューショナー。どうも触った地面が妙にプニプニして柔らかく、地面とは何か違うと感じた。恐る恐る振り返ると、そこには暗闇に紛れて大量のニジリゴケ達が潜んでいて、それが先程見た奴等だと気付いた時には遅かった。後は流れ作業の如く武器を取られ、落とし穴から卑猥な音と嬌声が聞こえるのみ。

 

「ちょ、止めろ!おい、お前等!助けてくれ!!」

「済みませんエクスキューショナー。流石に二の舞にはなりたくないので」

「即座に諦めるの早すぎだろお前等!?」

「落とし穴まで仕掛けてあったとしても、ロープが必要なのですが……降りた所で一気に袋叩きみたいに襲われても困るので、ここは諦めて耐え切って下さい」

「ふざけんなァァァァァァァァァァ!!」

 

 エクスキューショナーの悲痛な叫びが響くが、真っ当な答えなのでこればかりはどうしようも無かった。

 

「ふん、愚かな奴だ。とは言え、罠があるのであれば話は早い。とりあえずはこの罠を飛び越えてから慎重に行けば良いだけの話だ」

 

 そう見下しながら呟くウロボロス。妙にプライドが高いのは性能故の実力を出しているからだからだろうか。しかし、彼女が罠を飛び越えようとした瞬間―――

 

―――カチッ、スッ……

 

「え?」

 

―――ゴッ!ドンッ!

 

「ドゥブッハァ!?」

 

 着地した直後にスッと何故か後ろへと戻され、再び丸太の罠が発生。後はさっきと同じ様に落とし穴に落ちてはあの流れである。エクスキューショナー共々に落ちた彼女は訳が分からない様子でありながらも、こんな罠を仕掛けたグレイ達を恨めしく思った。

 

「ぶははははは!おいおいどうしたウロボロス!オレの事を愚かって言ってたヤツがオレと同じ罠に引っ掛かってんじゃねぇかよ!威勢が良いのは口だけか!」

「黙れ!おのれ……許さんぞグリフィィィィィィィィィィィンッ!!」

 

 落ちたウロボロスを見て笑うエクスキューショナー。ウロボロスはまさか飛び越えた先でも罠が仕掛けてあったとは思わず、エクスキューショナーと同じ形になってしまった。そうしている間にもウロボロスの所にニジリゴケが寄って来て、後はお察しである。

 

「これは幾つか罠が仕掛けてあるな……うん、迂闊に進むのは危険そうだ。で、ウロボロスが踏んだ罠はこれか……」

 

 彼女が踏んだのは矢印が書いてあった罠だった。それを踏むと一方通行で進まされたり戻らされたりと無害は無いが迷惑な罠であった。

 

「とにかく、この周辺の罠は解除させるか。そんなに時間は取らない筈」

「頼みましたよアルケミスト。それにしても、ここを突破出来た鉄血兵はいるのでしょうか?ここまで用意周到ですと後々体力が持ちませんね」

「あら、エルダーブレイン様の側近である貴女が弱音を吐くなんて。怖くなったの?」

「ええ、怖いですね。罠やさっきまでの生物ならともかく、それ以上にデカイ化物を投入して来たりする可能性があると、中々否定出来ないのが残念な所なのですが」

「ちょっと、マジで洒落にならない事を言うの止めてくれない?」

 

 散々彼等と何度出会し、何度悲惨という状況に追い込まれたか。それを知らないドリーマー達では無かった。

 何はともあれ、さっさと追い駆けようと再び出発するのだが……かれこれ彼等を追って何時間経ったのだろうか。未だにその様子が全く見受けられず、鉄血側も段々と消耗が激しくなりつつあった。

 

「い、一体何処まで続いてるの……?」

「果てが見えない……まさかここまでやるとは……」

「途中で何度か迷ったりして大変でしたからね……」

 

 結構前へと進んでいる筈なのだが、その道中でもおかしな事の連続が起きていた。

 例えば未識別の道具が大量に置かれてあったり、ベトベトしている食糧を見つけたり、中に何が入っているのか分からない箱までもが道中で無造作に置かれていた。

 

「罠地帯は何とか突破はしたものの……その後は穴場を飛び越えたりするパターンが何度かあったな」

「ジャッジも哀れよね。飛び越えようとしたらいきなりブロックが出現して、綺麗に落ちて行ったのは笑っちゃったわ」

「けど、あの緑色のキノコみたいなのは何なのかしらね……いきなり出現したと思ったら追い駆けて来て、口元覆っている筈のスケアクロウが真っ先に死んだんだもの……」

「後、ハンターが落ちていた箱を開けたら、中から触手みたいなのがニュッって出現してハンターを引き摺り込んだんだけどね。あれは別の意味で恐ろしかった……あれはあれで何か失われそうになる気がしたから……」

「喋っている暇があったら足を動かしなさい。ただでさえ補給がままならない状況なのですから」

 

 出来る事ならば最悪な形で遭遇して欲しくないと願う全員だったが、その願いは残念ながらへし折られる事になってしまう……。




このすば!とかプリコネとか見ていると、いかにソロで冒険するのが気楽か良く分かる気がする……それ故にフェイの最終問題とか最果ての道とかを単騎で進んだシレンさんはマジでパネェと思うが(白目)



・カチッと踏んだ瞬間、何処からか丸太が真っ直ぐに飛んで来て
風来のシレンでお馴染みの「丸太のワナ」。歩いている方向から飛んで来ては大体10マスで飛ばされる。5のダメージ。

・彼女が踏んだのは矢印が書いてあった罠だった
シレンシリーズにおいて恐らく大体はクリア後に訪れるだろう罠系のダンジョンにおいて拾える「一方通行のワナ」。設置する際に決められた方向に向けて置く事が出来て、作動させると相手を1マス強引に動かせる事が出来る。無害ではあるが、連鎖的に組み合わせるとトンでもない事に。

・未識別の道具が大量に置かれてあったり
これもまたシレンシリーズにおいてはお馴染みというか、シレンシリーズ恒例の「もっと不思議なダンジョン」とも言うべきか。アイテムの持ち込みは一切不可能(ただし、入った時には必ず大きなおにぎり一つを所持してる)で、落ちてるアイテムの大体は黄色く表示されている。(例:巻物→サイの巻物 草→ピンク色の草 壺→くねった壺……etc)これを判別するには実際に試すのが大半か、或いは売値とかで判断するのがシレンジャーらしい。パネェ……。
ちなみに作者は何度やっても最下層の99Fまで辿り着けられませんでした(白目)

・ベトベトしている食糧
ポケモン不思議のダンジョンにある「ベトベターフード」の事。大体はシレンのまずそうなおにぎりとかに部類するが、ベトベターフードは状態異常とステータスダウンしても、階段下りれば元通りになる親切心があるから助かる……。

・中に何が入っているのか分からない箱
ポケダンにおいて頻繁に拾うであろう未識別アイテムみたいなモノ。コレに関しては特定の施設で鑑定して貰うしか方法が無く、中身も大体は補助アイテムとかグミとかそういうのばかり。

・中から触手みたいなのがニュッって出現して
つまりはそういう事です。忘れてはいけない……ここはエロトラップダンジョンなのだから……!

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