味方からも敵からもヤベー奴扱いされた指揮官達のいるドルフロ   作:ホワイトアクア

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セルアーマーとかケンゴウを連れて来て、鉄血の銃と衣服とかをすっ飛ばしてやりたい。そしたら無条件で降伏出来るからね(ゲスの極み)

そろそろネゲヴ小隊と反逆小隊でも出そうか。じゃないと、何となく思い付いた本編とは関係無い長めのシリアスな話が書けないからね。ついでにRPGツクール2000をインストールしなきゃ……。

後、何か見直してたんだけどジャッジの登場重複してた……許してヒヤシンス。


指揮官のくせになまいきだ3D

 情けないと思うだろうか。それとも哀れと思うだろうか。とにかく鉄血のメンタルもそろそろ限界を迎えようとしていた。ただ一言。これを乗り越えられる自信は無い。基本、無表情なエージェントも内心では焦りを見せ始めている。

 

「次は一体何が来るのでしょうか……」

「確実に嫌な予感しかしないのは当然かもしれないわね。あの穴の中に変な生物が住み着いてる位だし、そろそろ何かヤバい生物とか現れるんじゃない?」

「それは確実に言えるな」

 

 思えば、穴の入口の時点でニジリゴケがあんなに密集していた時点でアウトだった。その後も一人、また一人とグレイ達の罠によって脱落する者達が増えて行く。バッテリーも残り僅かと差し掛かっている時、悪魔は唐突に訪れた。

 

「ぐあぁぁぁぁぁっ!!」

『ハンター!!』

 

 突然、ハンターの身体が炎に包まれた。いきなりの出来事に彼女達も混乱して立ち尽くす事しか出来なかった。消火する為の水も無く、ただひたすら焼かれる彼女。数秒後には焦げたままバタリと倒れてしまい、急いで彼女の所へと駆け寄る。

 

「何があったのですか?」

「わ、分からない……ただ……自然発火するタイプじゃないのは確かだ……自分自身で燃え始めた訳じゃない……何処か……遠くから……炎を……」

 

 と言い残し、彼女は動かなくなった。最悪の事態にエージェント達の表情も険しくなる。

 

「急いでここから離れましょう。これ以上留まっていると彼女の二の舞になってしまいます。最早、慎重に行くとか済まされる場合ではありません」

「明らかに異様だしね……一体何を連れて来たって言うのグリフィンは!?」

「とにかく走れ!!」

 

 狭い穴の中を一同が駆け抜ける。走っている間にも四方八方から炎が飛び交い、それを何とかギリギリで避けて行く。その際にアルケミストが炎が来る方向―――いや、炎そのものがおかしい事に違和感を感じた。

 

「ちょっと待て!今の炎、明らかにおかしい方向から来たぞ!?というか、壁とかを擦り抜けた!?」

「物理的にこんな有り得ない事が起きて堪るものですか……!」

 

―――カチッ。

 

「あ、しまった……!」

 

 が、ここでイントゥルーダーが罠を踏んでしまう。必死で逃げるのが精一杯らしく、忘れた頃に罠の存在を思い出したが遅かった。

 スッと何処から放たれたのかクナイが彼女の影を縫い付け、動こうにも動けない状況となってしまい、更にはその後ろからモンスターが襲い掛かる。

 

「え……?目玉?」

 

 振り返るとそこには一つ目の青いモンスターが居て、そのモンスターが目玉をギョッと飛び出てはキラキラと光らせる。すると、イントゥルーダーは自分の意志とは別の方向に動かされ、青い目玉の身体から触手の様なモノによって絡め取られてしまい、何処かへと連れて行かれてしまう。

 

「イントゥルーダーが消えた!」

「何故こうも散々な目に―――( ˘ω˘)スヤァ」

「おい何寝てんだジャッジィィィィィィィィィィ!!!?」

 

 ジャッジが愚痴を溢したかと思えば、不意に途切れた様に会話が中断された。すると、後ろから草が飛び、その方向はアルケミストに向けられたが、彼女はこれを軽く躱す。

 

「アイツが眠った理由はコレか……!」

 

 目を凝らして見ると、遠くから大根の様な生物がわらわらと迫って来ていては、何度もジャッジに向けて草を投げ飛ばしている光景が。恐らくあの草を当てられたら最後、睡眠作用を施されて眠らされるのだろう。戦術人形で言えば強制的にスリープモードへと移行されてしまうというべきか。

 本来ならばグレイ達相手に弾を温存しておくべきだったが、そうも言っていられなかった。エージェントも異常事態と思ったのか、武器の使用を解禁した。

 

「邪魔をしないで下さいませ!」

 

 彼女の前にはドロドロに融けた生物とハチマキをしているトドが現れた。それらに向けて銃を放つ彼女だったが、放たれた弾丸はヒットしたと同時にバシュッ!という音を出して有り得ない行動を起こした。

 

「分裂した!?」

 

 そう、分裂したのだ。こんな筈ではないと再び撃つが、それでも分裂する生物達。このまま攻撃を当て続ければ延々と増えてしまうと危機感を抱いた彼女だったが、背後からトドがエージェントの武器とまさかの着ていたメイド服をササッと盗んで何処かへとワープした。

 

「きゃぁっ!?」

 

 まさか服を盗まれるとは思わなかっただろう。普段から表情を表さないクールな彼女がメイド服を盗まれ、ひん剥かれた状況で顔を真っ赤にしている。他の男が見ればその可愛さにコロリと目が離せなくなるが、彼女からしてみれば最低最悪としか言い様が無かった。

 その後、ドロドロした生物が彼女達に纏わり付き、そのままドナドナと何処かへと運ばれてしまった。ちなみに炎で焼かれたハンターも後々でモンスターが運んだそうだ。

 何とか悪戦苦闘しているドリーマーとアルケミストが必死になって耐え抜くも、敵が異様に強かったり、素早かったりと……確実に追い込まれていた。

 

「ちょ、ちょっと……こんなの相手にどうしろって言うのよ!?」

「本当に何処から連れて来たんだ!?」

 

 そんな二人の前に甲冑みたいなモンスターと侍のようなモンスターが現れる。何とか一匹だけでも倒してやると必死になって撃ち続けるが―――

 

―――パシンッ!!

 

「なっ!?」

「武器が弾き飛ばされた!?」

 

 持っていた銃が突然の一振りによって遠くへと飛ばされてしまい、武器が無いままの丸腰になってしまった。更にこれだけじゃ飽き足らず……。

 

―――パシンッ!!

 

「ちょ!?何するんだ!?」

「わざわざエージェントと同じ事しなくて良いでしょうがぁ!!」

 

 トドと同じく着ていた服さえ遠くへと弾き飛ばされてしまった。完全に防御が無くなった所で彼女達はそのまま斬られてダウン。斬られたとしても治癒能力があるウサギに治され、全滅した鉄血は全部ニジリゴケ用に運ばれて行ったとか何とか。

 そして、ある程度時間が過ぎたら洞窟の入口前にポイッと放置される。無事に生き残れたとは言え散々な目に遭った彼女達。我慢の限界だったのかついには……。

 

「こんな暴挙……許しません……!数々の屈辱を味あわせたあの生物達を塵も残さず滅してやります……!」

「お、おう……」

 

 俄然殺る気に燃えたエージェントに少しだけ引いた一同。装備を万全に整え、前より更に多くの戦術人形と兵器を連れてあの洞窟の中へと入ったが……。

 

「グオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォッ!!!!」

『………』

 

 洞窟の奥深くに潜んでいたのは、さっきまでとは比べ物にならない巨大なモンスターで、少し赤みを帯びていて何でも喰らい尽くす恐竜がそこに居た……。

 こんなモノと遭遇した時、彼女達は心底「\(^o^)/オワタ」と思ったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハッ……!?」

 

 カッと目を覚ましたM4。周りをキョロキョロと見渡すと、そこはグリフィン内での休憩室……言わばカフェとかに近い場所だった。突然ガバッと起きたM4に対して、周りにいたM16達もといAR小隊はビックリした様子でM4をじっと見つめる。

 

「ゆ、夢……?夢だったんだ……」

「どうしたM4?随分と深く眠ってた様子だったけど」

「あ、うん……何でもないの。あ、でも……鷹山指揮官とかならやり兼ねないかなぁ……って思って」

「一体何の事よ……」

 

 大丈夫だから心配しないで、と言い宥めるM4。しかし彼女は偶然にもスリープモード中にあの夢を見てしまったのだ。

 そう、グレイ達が鉄血に捕まっては楽しんだ様子で穴を掘り、ダンジョンを進む一方で鉄血がモンスター達によって壊滅させられたのを。そんな一部始終を見てしまったM4は彼等だから実際にやり兼ねないとか、まさか実際にもうやったんじゃないか?とか色々と思っていた様子だった。すると……。

 

「くぁーっ、疲れたー。あ、スプリングフィールド、皆にコーヒーよろしく」

「はい。皆さんお疲れ様でした」

 

 丁度休憩に入ろうとしていたのかグレイ達がカフェに入って来た。椅子に座り、スプリングフィールドからコーヒーを受け取ってから飲んだ後、軽く話し合う彼等。その時、グレイが何か思い出したかの様にして語り掛けた。

 

「あ、そうだ。所で周辺の様子とかはどうよ?」

「周辺?特に大した危険要素とかそんなのは無いな。鉄血相手はガーディアンだけで事足りるし、E.L.I.D.はアレを投入しているから問題無いだろ」

(アレ……?アレってまさか……)

「お陰で汚染されてた大地が物凄い早さで復興してな。漸く人の手で触れる事が出来るまでの範囲にまで届いた。この調子なら市街地も森林とかも、ましてや川とか海とかも綺麗になる日は近いかもしれん」

「基本エロい目的で作られたかと思ったけど、そうでも無かったな。本当に作って良かったかもしれないなニジリゴケ」

「だろ?あ、でも普通のニジリゴケだと水には弱いからな……そこら辺はまた品質改良しなくちゃいけない範囲になるんだが……」

(やっぱりー!!!?)

 

 グレイ達の会話がつい聞こえてしまったのか思わず耳を傾けたM4。そう聞いている内に罠だけじゃなくモンスターも彼等が用意したものだと聞いて驚きを隠せない様子だった。じゃあ、アレは正夢だったのかと思う彼女だが、この場合は既にもうやった後だったという意味に繋がってしまうが。

 

「ついでに聞きたいんだけどさ、連れて来たモンスターの中で一際ヤベー奴居たじゃん。あれ名前何だっけ?」

「確か聞いた噂だと「怒り狂うイビルジョー」だったか……下手すれば生態系を壊滅させる大暴食と恐れられた悪魔のモンスター。あれを連れて来たのは……」

「うぃ、俺」

「ああ、そうだ鷹山だったなそう言えば」

(鷹山指揮官が連れて来たんですかあのモンスター!?)

 

 どうやら夢の最後に現れたあの超巨大な恐竜みたいなモンスターは彼等の内、鷹山が連れて来たみたいだそうだ。何気に恐ろしい内容をサラッと言ってた気がするが、それでも気にせずに連れて帰れた辺りで彼等ならやるだろうと悟ってしまった。

 

「地元のハンターさんですら出会ったら即座に逃げるレベルなのに、お前だけソロで装備も無しで行ったしな……」

「受付嬢さんとか多くのハンターさんに行くな止めとけって散々言われたけどピューッって先に行っちゃったし……」

「で、いざ遭遇した際には怖がる様子も無く「オラ、ワックワクして来たぞ!」と言わんばかりに突撃したし……」

(何処の超サイヤ人ですか!?)

 

 自然の生態系を壊す生物に比べ、チート級の強さを持った彼等にボコボコにされるとか一体どっちが悪役なのか分からなくなりそうだ。

 

「ちなみにどうやって捕まえたの?」

「そりゃ、ドラゴンスクリューで」

(ドラゴンスクリュー!?プロレス技の!?)

「あんな巨体でドラゴンスクリューやったのかお前……」

「だって、出来なくは無いでしょ?どっかの時定高校の女子高生は警官を一撃で突き飛ばし、クラスメイトとヤギにドラゴンスクリュー仕掛けたって逸話あったし」

(どんな逸話なんですかソレ!?というか、そんな特技のある女子高生って何なんですか!?)

 

 そんでもって、捕まえる方法もとんだワイルドな方法でやり遂げてしまった事すら予想外に驚くM4。その内会話をずっと聞き続けるとイビルジョーを飼いたかったとか末恐ろしい事を呟く鷹山に全員が止めとけと釘を差された。

 

「ちぇー。この前サイレンヘッド捕まえたばっかりなのになー」

「これ以上危険な生物捕まえてどうするんだ」

「俺はもうお前が恐ろしいモノを召喚したとしても大層驚かないぞ」

「SAN値100までありそうな位にメンタル強いですからね……発狂しなさそう」

 

 

 

「………」

 

 楽しそうに会話している彼等を見て、M4は遠い目をして見ていた。

 確かに彼等はグリフィンに入る前は旅をしていたのは聞いていた筈だが……何だかその旅ですらも尋常じゃない様な気がしたのは今更としか言い様が無かった。そんなM4の姿を見てAR小隊も流石に同情をせざるを得なかった。

 つくづくこのグリフィンは異常である事を正常だと認識してはいけないと学んだ瞬間であった。




たまにやりたくなるのよね、風来のシレン。剛剣マンジカブラよりも火迅風魔刀の方が入手方法楽で良いのは助かるけどね。けど、それ以上にモンスターが異様に強かったりするのはヤベェが。

・何処か……遠くから……炎を……
風来のシレンである意味ぶっちぎりで大嫌いなモンスター「ドラゴン種」。レベル1はまだ良いのだが、コイツがレベル3のアークドラゴンやレベル4のアビスドラゴンとかになったら悲惨な事になる。3と4では壁があろうと何だろうと擦り抜けて炎を出す攻撃(固定ダメージ50、アビスは固定60)をして来る。しかも、遠距離でやって来るからこの上無く性質悪い。これによって死んだ風来人も居るんじゃなかろうか……。

・一つ目の青いモンスター
これもまた風来のシレンから嫌いなモンスター「ゲイズ種」。コイツ等は全レベル通して催眠術を掛けて来る為、これが理由でゲイズにトラウマを持った人は少なく無い筈。ゲイズの催眠効果を無効にする「ゲイズの盾」というのがあるが、入手するのはかなり後となる。

・大根の様な生物
これもシレンから「おばけ大根種」。遠くから毒草だったり混乱草だったり、睡眠草だったりと遠くから何度も投げつけて来る凶悪なモンスター。特にレベル3からでは真っ直ぐではなく山なりに大きく投げて来るので余計対処し辛いのだ。

・ドロドロに融けた生物とハチマキをしているトド
シレンから「ミドロ種」と「ぬすっトド種」の事。ミドロ種は装備している武器の強化値を下げたり、印を消したりする厄介な敵。ぬすっトドはその名の通り道具を盗む厄介な敵。どちらもレベル2以降は攻撃を受けると分裂する厄介な性質を持つ。更にぬすっトド種には装備しているものすら盗み、レベル4では盗んだ後はフロアからアイテムごと消滅する嫌な敵へと早変わりしてしまった。ヤメロォ!

・甲冑みたいなモンスターと侍のようなモンスター
シレンから「セルアーマー種」と「ケンゴウ種」。どちらも装備しているものを弾き飛ばす性質があるが、ケンゴウ種の最上位であるタツジンはプレイヤーの向いている方向を覗いて7方向ランダムに武器を吹き飛ばす能力が付与されてしまった為、壁を背にして防ぐ事が出来ず、運悪く敵とかに当たって武器や防具が消滅……なんてオチを迎えた人も多く居た。

・怒り狂うイビルジョー
イビルジョーの上位版……というよりかは凶悪版。その名を示すかの様にとても強く、何もかも喰らい尽くす程強いモンスター。それでもクエスト出すのは何故……?(白目)

・クラスメイトとヤギにドラゴンスクリュー仕掛けた
アニメ及び漫画の「日常」から長野原みおがやったあの技である。お前本当に人間か。

・サイレンヘッド
正式には「SCP-6789」の事なのだが……実は非公式のSCPとなっている。しかしながら、海外で有名になり、MODとかサイレンヘッドから逃げるゲームとか作られてしまう程。

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