味方からも敵からもヤベー奴扱いされた指揮官達のいるドルフロ   作:ホワイトアクア

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最終的に「戦い」というのは勝ちゃ良いんだって事になるんで。どんな方法だろうと問わないだろうし、ましてやバカ正直に模範的な動きしたら死ぬってのも有り得ますし。そういう点を考えると銀魂の銀時みたいな動きってのは割と凄いんだな、って思いますね。


「自由」の在り方 中

 ネゲヴ小隊がグリフィンに入隊し、良い関係を築ける……となるにはまだ程遠くなりそうだった。その日、朝の6時頃にグレイは目を覚まし、身支度を整えていたのだが……。

 

「失礼します」

「え?ジェリコ?」

 

 ドアをノックした後、ジェリコが入って来た。何で彼女がここに来たんだ?と疑問が湧く。

 

「ふむ……ちゃんと朝は起きれている様子ですね。これでまた寝ていたとするならば弛んでいる証拠だと思っていたのですが、その辺キッチリして貰わないと軍の士気にも影響しますからね」

「えっと、ジェリコ……?一体何の用で来たの……?」

「今日から指揮官も含め、私の元で指導を行わせて貰います。貴方達は少し緊張感というのが全くありません。加えて、まだ他の戦術人形の実力が低いというのはどういうつもりなのですか?それだけじゃなく、指揮官である貴方が―――」

「ストップストップ!言いたい事は昨日の時点でもう分かったから!」

 

 延々と説教が続きそうな予感を察知したのか急いでグレイが引き留めた。ジェリコの方はまだ言いたい事が多くあったのだが、グレイに止められて少々不満があるものの素直に引き下がる。

 

「本当に理解をしてるならこんな事は言わないんですがね。では、これから訓練を始めましょう。これからのスケジュールは私が管理させて頂きます」

「ワッザ!?」

「返事!」

「さ、サーイェッサー!!」

 

 ジェリコの圧力にグレイは従われるがままに走った。その後もジェリコは各々の部屋を廻り、すぐに起きて準備する様に厳しく伝えた。今までに無い位にドタバタした騒ぎとなり、今の時点で不満を持つ者達が何人か出ており、ザックやケンジもその一人だった。

 

「クソが……さっきまで良いアイデア浮かんだってのに、アイツの所為で吹き飛んじまったじゃねぇか……!まあ、辛うじて途中までは何とか思い出せるがな」

「こちとら医者が本業みたいなものなのに、それすら否定って何なんだ……一人でも患者の対応が遅かったらどうするつもりだ……?」

「わーお、不満タラタラ」

「やっぱりね……私が予想してた通りの結果が起きたみたいね」

 

 スケジュールが徹底管理され、やる筈だった内容すらやる必要は無いと時間を削がれてしまい、何気に一大事となりつつあった。戦術人形達もきっと訓練とかも厳しいに違いないという先入観もあり、モチベーションが著しくガクッと下がった。

 

「これ、対策考えないとなぁ……特に農業。枯れたり収穫遅かったりしたらアカン」

「ついでにイワロック狩れないパターンも考えられるな……資金大事これ絶対」

「暫くは書類しながらずっと椅子に座りっぱなしの作業になるのか……辛ぇ……」

「さっきから何モタモタしている!遅れるならば仕事と訓練の時間を増やすぞ!」

『イエッサー!!』

 

 ジェリコの怒声に全員がビクッとしながら駆け足でサッサと動く。そんな様子をネゲヴ達は眺めていて、何処か落胆した様子だった。そんなネゲヴに後ろから残りの小隊メンバーが声を掛ける。

 

「何だか私の想像していた感じの指揮官とはちょっと違うかも。ガッカリしちゃった」

「まあ、しゃあないで。ジェリコ教官に目を付けられたら最後、誰だって刃向かう事なんて出来やしないんや」

「そうですわよ。それこそわたくし達がここに来る事さえ無かったかもしれないのですから」

 

 妙に何処かの方言訛りで喋るガリルとお淑やかな感じでネゲヴを励ますTAR-21。この二人もネゲヴ小隊の一員でもあった。しかし、どんなに励まそうとしても不満は解消されないみたいで。

 

「やっぱり伝説なんてただの噂だったのかしら……聞いた話だと人間として有り得ない動き方とかもしたとか聞いた筈なのに……」

「寧ろ、それを人間として扱って良いのでしょうか……?それを見ない限り本当だとは言い切れませんし……」

「……なあ、アレやないの?」

「「え?」」

 

 ガリルに釣られて顔を向ける二人。そこには……。

 

「ほら、急がないとジェリコに叱られるぞ!」

「そう言いながらスーッと移動するの止めて下さい!」

 

 後ろ向きで足すら一切動かさず、スイーッと動く鷹山とそれを追い駆けるAR小隊の姿が。しかも、そのまま後ろ向きをしながらスイーッと綺麗なカーブを描きながら角を曲がる姿もハッキリと見てしまった。

 あまりにもおかしな光景に目を疑いそうになったが、自分自身にエラーが起きてるとかそんなモノでは無かった為、現実なのだと理解させられた。

 

「何あれ……?ムーンウォークとかそんなんじゃなくて……?」

「足を動かさないまま動いとる……え、床とか流れておらへんよな……?」

「あれがその有り得ない動きだと仰いますの……?」

 

 もしかしたら本当にヤバい集団なんじゃね?と一瞬思った直後、今度は目つきも悪く、顔に包帯が巻かれている一人の男を見た途端に絶句。明らかに異質な人がいると驚きを隠せなかった。

 

「お兄様、今日は何をなさいますか?」

「何をするもどうしようも無いしな……ここ暫くは確実に慌ただしくなるだろうから、お前等と遊ぶのはちょっと難しくなるかもな」

「えー!お兄ちゃんと遊べないのやだ!」

「我儘言ってはいけませんよ。本来、兄様やグレイ指揮官達は何時もの作業で一通り終わらせる筈だったのに、あのジェリコって戦術人形が来てから時間配分が狂ってしまったんですから。それこそ、今日は新しい爆弾やダイナマイトの試し撃ち……いえ、この場合は試し爆破と言った所でしょうか」

 

 ネゲヴ達が見たのはクラウスの事だった。そんなクラウスと一緒に歩いていたM1911とGSh-18とG17。若干物騒な内容だったり、ジェリコの事を批判する声を混じりながら会話していたが……ぶっちゃけそれはどうでも良い。

 ネゲヴ側からして見れば、不審人物があの三人を連れながらも彼の事をお兄ちゃんだのお兄様だの呼んでいる光景は通報案件としか言えない雰囲気だった。なお、勘違いしているかもしれないが彼も一応指揮官である。

 

「やっぱりここ、色々とアカン場所だったんちゃうんか?」

「そう……なのかもしれない……わね……」

「ネゲヴ!?今から諦めモードに入ってはこの先埒が明きませんよ!?」

 

 自分達もこれから馴染んで行くのだろうか。そう思うと胃は無いものの何処か無性に痛くなるネゲヴだった。

 

 

 

 

 

 再び視点は変わってグレイ達。彼等は執務室で今日の分の書類やジェリコが追加で入れた書類など……とにかく書類の山ばかりだった。

 今回ばかりは指揮官全員がフルになって頑張らないと駄目な気がしたので、彼等も本気を出して書かなければいけなかった。特にこの時間中はジェリコが傍で監視している為、迂闊な行動は出来ない。当然逃げられない。逃げたら余計仕事が増えるだけ。

 

「フシュゥゥゥゥゥ……」

「最初からクライマックスだぜ……!」

「やる気があるのは分かりますが、何をどうしたらそんな表情になるのですか?」

 

 これにはジェリコも少し引いた。現在、書類と面向かって仕事をしながらも、その表情は荒ぶる獣の如く恐ろしい形相をしていたからだ。

 何よりも鷹山が「ここで今ふざけたりなんかしたら仕事増やされそうな気がするから止めとくわ……」と、彼に限っては珍しく自粛ムードで本気ムードになっていた。以前に見たであろう鷹山が小学校の時のおふざけ解答の様な真似は出来ず、適切で正確な内容を次々と書いていった。もっとも、大事な書類仕事に関しては一つのミスも許されないし、何よりも変な事を書くのも御法度である。

 高速精密マシーンと化した鷹山にとっては、この書類仕事もたった数分で終わらせる事が出来る。いや、そうでもしなければ他の時間が無くなってしまう。それだけは何としても避けたいのだ。

 

「は、早いですね……本当に間違い無く書いているんでしょうか……」

 

 こんな光景を見るのはジェリコからすれば初めての様なもので、書き上げた書類をジェリコは念入りに確認し続けていた。ある程度確認が終えると本当に1ミスもせずに全部書き終えていたんだと、ビックリした表情を浮かべた。

 

「どうよ?これで文句は無いだろ?」

「え、ええ……問題はありません……にしても驚きましたね……さっきまで自由そうにしていた貴方達が、いざ仕事となるとここまで出来るなんて……日頃からその本気を毎日出せば良いのに、何故そうも気楽そうにやっているのですか……」

「それって言い換えれば遠回しに人間辞めてますって言いたいのかい?」

「下手を言ってしまえばそうなりますが……実際、書類1枚をたった2~3秒で終わらすのも相当有り得ない実力なのですが……」

 

 ちなみに積み重ねられた書類の数はざっと見積もって100枚以上はある。これを難なくこなすというのもあるが、作業分担もしていたお陰で終わらせる事が出来たのだろう。

 

「とりあえず今日の仕事はこれ位か?無いなら少し休ませてくれ」

「……分かりました。このペースだと終わるのも当然ですからね、認めましょう」

「やったぜ。」

「ただし、終わったからと言って気を抜かぬ様に。何時襲撃されるか或いは寝首を掻かれるか安心してはなりませんよ。では、私はこれから実戦の方の教育に移りますので失礼します」

 

 頭を下げてからジェリコは執務室を後にし、静寂が辺りを包み込んだ。彼女が執務室からかなり離れて居なくなった所でグレイ達は大きく息を吐いた。

 

「はぁ~……漸く静かになったな……」

「まさか、あれやれこれやれとズバズバ言う人が来るとはね……こりゃ気が抜けられんわ」

「アイツが巡回しているとなると外はおろか、迂闊に開発室に行けない……変な所でストレスが堪るな」

 

 ジェリコの性格からして鬼教官という言葉が似合うのは間違い無いだろう。軍人気質な彼女には僅かな融通も利かないだろう。そうならない為に対策とまでは行かないが、その穴埋めをする為にザックが立ち上がる。

 

「こうなりゃ最終手段だな。グレイ、小型ガーディアンとダイナゲートを大量に用意出来るか?」

「え?出来なくはないけど……どうするの?」

「唐突だったとはいえ、ジェリコ相手に手も足も出ない状況になったのはこれが初めてだ。これからずっとスケジュールを管理されると何処かでズレが起きるのは確かだ。いや、ジェリコだけじゃなくとも何らかの用事でここを離れている間誰が管理出来る?いざという時の為の保険として代わりのモノや人に頼るべきだろ」

 

 確かにそれも正論だな、と一同は納得する。なので、ザックは居留守の間は機械達に任せようとする方針を考えたのだ。基本的にはガーディアンとダイナゲートの武器を取り外し、精々草や穀物を刈る為の鎌や薬を使わない農薬、掴む為のマジックハンドや水を噴出する為のスプリンクラー等を取り付けるという極めて安心安全を考慮した試作案だった。

 

「ぶっちゃけ初めての応用だから、想像した通りに動くとは限らん。何度も試行錯誤しながら適切な動きが出来るか調整する必要もあるからな」

「はぇ~、これまた本格的に考えたな。資材とかは足りるのか?」

「この世界には嫌という程壊れた機械の部品が多く残ってるだろ?それを綺麗にしてから再利用すれば充分効果はある。ただし、スプリンクラーについては望み薄だから通販で買ったんだが……」

「買ったけど、何?」

「担当の秘書さん曰く「そういう手もありますのね……良いですわ、引き受けましょう!」と快く受けてくれたらしい。あちら側もそういう方針は願ったり叶ったりらしいけど」

「その会社って機械に強い系か?名前は?」

「ハルトマンワークスカンパニー」

「宇宙の人じゃないですかーやだー!」

 

 それで良いのか宇宙の大企業よ。ちなみに謝礼はダイヤを数十個とアイスを幾つか奢って契約完了となった。また、御近づきの印としてインベードアーマーが送られた。

 

「ついでに思ったのが、農地の真ん中でスプリンクラー放つダイナゲートとかガーディアンが水やりを終えたら水で濡れた土を歩くというのもな……下手したら踏み荒らすなんて事も有り得るから、せめてプロペラあれば何とか脱出出来るんじゃね?と思い、後々インストールする予定だ」

「一気に不安要素が無くなったな。あー……でも、ダイヤとかの稼ぎはどうする?イワロック狩れないんじゃ……」

「そこはマッスロイド全員とダンロップタイヤ君に任せる方向で。農業の方も手伝わせて良いかもな」

「農業はともかく、イワロックが悲惨な姿になる光景が目に浮かぶ……」

 

 木こりのテーマが流れ、イワロックに向けてロケットランチャーで吹き飛ばし、持っていた丸太で弱点の部分を殴ったりする彼女達の姿は簡単に想像出来てしまった。イワロックからすれば恐怖としか言い表せないだろうし、彼女達が強いのはマッスル神の加護でもあるのか。何にせよグレイ達の問題はこれで解決していた。

 

 

 

 

 

「遅い!戦術人形であるならば、少しの遅れが命取りになるぞ!気合いを入れろ!」

『は、はい!!』

 

 ジェリコが執務室から離れた後、彼女は任務に赴いている戦術人形達を除き厳しい鍛練に参加させられていた。ある意味強引……というよりかは、ジェリコの威圧が恐ろし過ぎたのか、恐れながらも素直に従うのが大半だった。

 これまで散々グレイ達が前線で出ていたツケが回って来たのか、息を荒くして疲れた様子を見せる者が何人か出ていた。

 

「情けないぞ!それでも貴様等はグリフィンの戦術人形か!?」

「ま、まだやれます!(無理に決まってるでしょ!!一体何時まで続くのよ!?)」

(下手に逆らったら余計増やされるか長時間の説教に……それだけは嫌だァァァァァァァァァァ!!!!)

 

 言いたい気持ちをグッと抑え、耐え続ける戦術人形達。その中には404小隊やAR小隊も含まれていた。

 

「全く……何処まで鬼教官なのよアイツは……」

「諦めなさい45。私自身が経験した内容をここでもやらされているんだから。後、陰口もなるべく言わない方をオススメするわ」

「そうは言いますけど、何だか疲れた様子じゃないですよ416さん」

「あら?M4こそ今の速さでついて来れてるじゃない。それこそ日頃から酒ばっかりのM16だって後ろからついて来てるし」

「そこまで言うかよ。まあ、毎日飲んでるのは否定しないが……けど、あんまり足の痛みとか起きないな。何でだ?」

 

 周りを見ると、この二つの小隊メンバーのみ疲れた様子は1つも見受けられないのだ。息切れとかも起きず、ましてやドーピングも使っていない。精々喉が少し渇いた程度だ。

 

「どうなってるの?皆ダウンしてる中で私達が平気だなんて……」

「いや、良く見りゃネゲヴの奴等も耐えてる。余程あの鬼教官にしごかれた結果なんだろうな」

「でも、私達はあの戦術人形と接点が無いよ?何で?」

「……もしかしなくても、グレイ指揮官達のお陰ではないでしょうか?」

『あぁ……』

 

 ジェリコが来る少し前、彼女達はグレイや鷹山の元で超ハードモードな訓練をやっていた。しかし、どんなに頑張っても弾は当たらない、分身して見分けがつかない、果てには吹っ飛ばされて全滅にまで追い込まれて終了。これが一週間ほど続いた程悲惨だった。

 死なないだけまだマシかもしれないが、それでも心が折れそうになるまでメンタルがボロボロになっていたとか何とか。他の戦術人形や鉄血人形でさえ「彼等に担当を任せた時点で終わってたんじゃ……」の一言だった。確かにこれだけやられてばかりでは心が折れたり、強くなってる実感が湧かなかったり、自信を無くしそうになったりはするだろう。しかし……。

 

「でも、無駄じゃなかったわ。人間って何度も慣れると動体視力とか色々追い付くって言われていたけど、それと同じ領域に立とうとしてるわ……」

「おいおい何だよAR-15まで。私らがやったのってボコられたりフルマラソンしたりしてでの体力作りばっかじゃないか」

「そうなんだけど、それが功を奏したのよ。ついさっき実戦訓練をやった際に妙な違和感を感じたの……」

「違和感?」

「上手く言い表せないんだけど……相手がどうも遅く見えるの。最初はバグが何かじゃないかって疑ったんだけど、何も異常は無くて……相手に何か異常があった訳でも無いの。だから、動いたり見ていたりしている内に……」

 

 動体視力が追い付いたんだな、とM16が締め括る。それに対してAR-15は軽く頷いた。もしかしたらそれだけじゃなく演算能力も向上し、更に戦術の幅も広がったのではないかと考えられるとこれまで殴られた分は決して無駄じゃなかったと希望が湧いた。

 

「貴様等!何をさっきから無駄口ばかり喋っている!鍛練において私語をするとは言語道断だ!一瞬の気の緩みが命を落とす可能性も捨て切れないぞ!」

 

 が、喋っていた所を運悪くジェリコによって見つかってしまった。ジェリコは一瞬だけ怒ったものの、妙に息が切れていない彼女達を見てまだ余裕を残している事に気付いた。

 

「走っていた割には息切れ一つも起こしていなさそうだな。まさか手を抜いていた訳じゃあるまいな?」

「ううん、逆。あんたの鍛錬じゃ生温いだけ」

「何……?」

(『おぃぃぃぃぃ!?何余計な事言ってるのSOPMODォォォォォォォォォォ!!!?』)

 

 純粋故の正直な発言か、それとも挑発理由の意図的な発言か。どちらにせよジェリコだけじゃなくネゲヴ小隊全員ですらそれに反応するのは既に目に見えていた。しかし、SOPMODの発言で404及びARは面倒事が増えてしまった、と内心絶望的になる。

 

「な、何を言ってるのよ貴女!この鍛練が生温いって本気で言ってるの!?この鍛練に慣れるまでは相当な時間を要するのに、それが余裕だって言いたいの!?」

「うん。だって、あんた達がここに来る前に私達はグレイ指揮官とか鷹山指揮官の方で鍛えて貰ったけど、ぶっちゃけあっちの方がきつかったよ?何日かしたら身体が慣れちゃって、全く苦しくも無いし、動きとかも良くなったよ?」

「つまり、私の鍛練では役不足という事か……面白い冗談だが、それもそれで気に食わないな」

(『面倒臭いなこの人……』)

 

 けど、彼女がそう言いたくなるのも分かる。自分の部下達に与えている鍛練メニューの内容よりも更に厳しいメニューで、しかも戦術人形相手に直々で教えるというのも何の冗談かと思ってしまうだろう。ついでに、教える側としては自分よりグレイ達の方が絶対良いと言われた以上これにイラつかないで何時イラつくのか。

 

「良いだろう。そこまで自信に満ち溢れているのならば私にも考えがある。次の日は鍛練ではなく模擬戦闘で実力を量らせて貰おうか。制限として4対4の実戦形式だ。誰が出るかどうかは自由にして構わん」

「ちょ、何勝手にそんな事を―――」

「何だ?自信が無いと言いたいのか?」

「いや、そういう意味じゃ……あーもう!」

 

 もしかしなくても私達も巻き込まれてね?と気付いた45が必死にやりたくないと訴えるも、逃げたら逃げたで404とかの名誉とかプライドに傷が付いてしまう。SOPMODが一言言わなければ平穏に済んだ筈だったのだが、起きてしまった以上この戦いは逃げられそうに無い。そんな中、「彼女」だけはやる気満々だった。

 

「やります」

「416!?」

「ほう……貴様か、416。まさか私の元で鍛えられた元部下と戦う事になるとは。グリフィンに居た事は予想外だったが、腕は鈍っていないだろうな?」

「それは無いですね。それに、丁度私も貴女と一戦交えたかったので。私が見つけた戦いの本質というのを貴女に見せてあげたい位です。世の中、必ずしも戦局通りに動かせるなんて事は有り得ないと証明する為に」

「私に啖呵を切るとは……随分と舐められたものだな」

 

 二人の間に火花が飛び交っているのが見えてしまった。生き方も戦い方も全て異なってはぶつかり合っている。これまで自分達が見て来たモノを貴女に証明したい。この世界では常識で語れない何かが多くある。だから、それを否定しないで受け止めて欲しいという気持ちを認めて貰う為に。

 初めての師弟対決が正に繰り広げられようとしていた……。




こんな話を書いている間に毒入りスープとかを見てティンと何か閃いた私……もっと時間をくれ(白目)

・後ろ向きで足すら一切動かさず、スイーッと動く鷹山
時のオカリナ及びムジュラの仮面のTASでは絶対必須とも言えるテクニック「スーパースライド」の事。バクダンを2個使い、起爆する前に前転アタック。その直後にRボタンを押すとスイーッと走れる技。実は人力でも可能なので、RTAのお伴ともされる程。

・ハルトマンワークスカンパニー
「星のカービィ ロボボプラネット」で登場した悪の組織の事。この場合、組織というよりかは大企業とでも言えるが。当初はロボボアーマーが戦艦ハルバードにも変身出来るとは想像出来なかった……そんでもって、星の夢の全貌とギガドリルブレイクよ。カッコ良いったらありゃしない。
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