味方からも敵からもヤベー奴扱いされた指揮官達のいるドルフロ   作:ホワイトアクア

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休日の間を利用してちょっくらデスストランディングを一気見しました。壮大なスケールの物語で「おおっ」となったりする場面もあり、自分達プレイヤーに投げ掛けた質問をどう捉えるか……色々と考えさせられるゲームでした。
特にクリフが好きですね。カッコ良かったし、優しかったし、何よりももうちょっと救われても良かったんじゃないかと思った限りでした。ただし、ブリジット、テメーは駄目だ。序盤から最終まで掛けてほぼほぼ好き勝手ばっかじゃねーか!正当な理由があったにしろ、とりあえず一発だけサムの代わりにぶん殴ってやりたかった。フラジャイルの方が完全にヒロインだし!


「自由」の在り方 下(VS ネゲヴ/ジェリコ)

 TAR-21とガリルを倒したという情報は両陣営にも伝えられ、動きを予測する担当に就いてたK5は隠れながら心の中でガッツポーズをしていた。

 

「あの二人を撃破出来たのは大きいね。これで行動範囲も大きく広がった」

 

 これでも博打に近かった勝負だったが、それが成功したのだ。撃破した事によってK5が予測する負担も減り、残ったネゲヴかジェリコの動きを集中して見極めるという事が出来る。そうと決まった以上、K5は早速二人の動向を予測し始めた。それと同タイミングでHK416からの連絡が入る。

 

『聞こえるK5?残りの二人の動きを確認して頂戴』

「今からそれをする所。えっと……現時点だとネゲヴが移動していて、それを後からジェリコが歩いて追い駆けているって感じ。余程自信あるのか、それとも別の理由でもあるのか……どっちにしても、気を付けた方が良いかも」

『それで、一番近いのは?』

「えっと……うわ、ネゲヴがこっちのスタート地点まで動いてるかも。言うまでもなく近いのは私だね……マシンガン相手じゃ流石にハンドガンの私でも無理かな……ごめん、下手したら私が脱落するわ」

 

 喜んでいるのも束の間。K5が予測した内容にはネゲヴが真っ直ぐこちらの陣地に向かっているとの情報だった。こちらの作戦がバレたのか、それとも陣地に残っている敵を敢えて叩き潰すのか分からないが、火力が低いK5ではネゲヴ相手に太刀打ち出来る状況では無い。これはやられてしまうなと諦めたK5だったが、それを否定するかの様に416が励ました。

 

『いえ、貴女はこれでも頑張った方だわ。数秒間程度とはいえ、貴女の未来予知が無ければここまでスムーズに作戦が成功しなかった可能性があるわ。それこそ、貴女なら絶対に出来ると能力込みで見込んで選んだのは私なんだから胸を張って良いわよ』

「嬉しいけど、おっぱい盛り盛りの416に言われても嬉しくない……きっと夜だって、そのおっぱいでグレイ指揮官をメロメロにしてるんでしょ?」

『そ、それとこれとは関係無いわよ!とにかく、今そっちに向かうから待ってなさい!運悪く遭遇した場合は全力で避けたり逃げたり続けなさい!リアルラックと回避が高い貴女ならどうこう出来るわ!』

 

 それって遠回しに死ねと言ってる様な……と思った瞬間にじゃあね!と一言だけ残し、一方的に通信を切った。無茶言うなと言いたくなったが、ここまで来た以上は諦める終わるのもどうかと思ったので、最後の最後まで足掻いてやってみようと意気込んだ。そして、グッと目を閉じて未来を再び予測。すると、予測した未来にK5が今居る場所の目の前にネゲヴが立っているという光景が見えてしまった。

 

(マズい……!)

 

 虱潰しで居ないか探そうとしているのだろうか。ここに居るのは危険だと判断したK5は急いで外に出ようとした。が―――

 

「ッ!?」

 

 直後、外に誰かの気配を感じてはサッと身体を隠す。K5が出たと同時に左方向からマシンガンの連射する音が聞こえた。珍しくK5の予測が外れてしまったのだ。いや、この場合は予測した未来よりも早く来てしまったというのが妥当かもしれない。

 

「スタート地点からそこまで離れていない戦術人形がコソコソと隠れていたなんてね。まあ、これも有り得る可能性の範疇なんでしょうけど」

 

 撃った張本人……もといネゲヴがそう呟く。ゆっくりと歩きながら構える彼女の目はまるで殺し屋の如く鋭く冷たい目になっていた。まさに本気とも言える状態にまで。あまりにも早い展開にK5はちょっとだけ混乱するも、落ち着いてどうするか策を考え続けた。

 

(自分で言うのも何だけど、確かに私は回避とかは高い方……元々敵がどの方向でどう撃って来るか予測しながら戦えるから、殆ど無傷で済んだけど……この場合はちょっとね……執着心とか諦めない心だとか、諸々含んでヤバい相手なのは分かってるんだけどね……)

「所で、貴女がずっとここまで居たのは待ち伏せ?それとも私達の動きを遠くから見ては報告してたとか?」

(バレてるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!?)

 

 一般常識がちょっと疎いネゲヴでも、戦場に立てば相手がどう動いたか言い当てる事が出来ていた。いや、積み重ねた経験が導いてくれたとも言うべきか。とにかく、当たっていそうで若干違う様な内容を当てられたK5は内心ドキッとしたが、ここで怖がってたりなんてしたら相手に悟られてしまう。強気で行かなければ心も負けてしまうので、覚悟してネゲヴに向けて銃を構えた。

 

「あら、戦う気になったのね」

「皆が頑張っている分、私だけ何も成果を上げてないってのも嫌だからね。今回の勝負は私達が勝つ。その未来だけは既に見えているの!」

「まだ二人倒しただけで勝ったとか言い切るなんて甘いわね。勝負は何時だって最後の時まで何が起きるか分からないものよッ!」

 

 言い切った後、ネゲヴはマシンガンを撃った。それに対してK5は自慢の運と回避の高さを活かしてネゲヴの攻撃を避ける。運命を予知出来る彼女の実力は伊達じゃない。

 ネゲヴも負けずと移動と射撃を繰り返して撃つが、中々1発たりともK5に当たらず、ただ弾丸のみが消費されていく。弾倉ですら余り残されておらず、無駄弾をなるべく多く出したく無い。

 

「そこ!」

「くっ……!」

 

 K5は自身の運をフル活用して、次にネゲヴがどう動くかを予測して撃ち続ける。ネゲヴも何とか避けるものの、直にヒットしたり、掠り傷を負ったりするなど圧倒的に不利な状況へと追い込まれていた。互いに弾は余り残されておらず、使い切ったが最後……これで決着が着く。それでもネゲヴはまだ諦めず、この状況を突破する唯一の方法を思い付く。

 

「ならば!」

 

 ネゲヴが取り出したのはスタングレネードだった。彼女はそれをK5の近くまで投げ、一気に距離を詰める。取り出して投げた。相手がそうやって来たならばこちらも同じ手を使おう、と至ったのだろう。

 まだ予測の真っ最中で動けなかったのか、不意に投げ込まれた爆弾の正体を見ては「しまった!」と呟くK5。だが、もう遅く、フラッシュの光で一時的に見えなくなった途端にグルッと視界が揺れ、持っていたハンドガンが取られては組み伏せられ、銃口を頭に突き付けられていた。

 

「やっと捕まえたわ……これで一人目ね」

「スタングレネードで怯んだ所を一瞬にして無力化させるなんて……ここまでは読めてなかった……」

「随分と手こずらせてくれたけど、これで漸く反撃が出来るわ。貴女を封じれば、こちらの動きは悟られない。悪いけど、この勝負は私達が勝たせて貰うわ」

 

 例え二人だけだったとしても勝てる見込みはあると信じるネゲヴ。狙うにしてもアルケミストかリーダーであるHK416を軸にして狙うだろう。逆にM1911は先程の起きた爆破からして何か嫌な予感がすると感付いているみたいだった。

 そして、ネゲヴは組み伏せた状態のままで持っていたマシンガンで撃とうとしたが、クスクスとK5が不敵に笑っていたのを見てはトリガーに引っ掛けていた指の力がピタッと動きが止まる。

 

「何がおかしいの?」

「ふふふ……悪いけど、やっぱりこの勝負は私達の勝ちみたい。それも、誰一人として欠けずにね……」

「何を根拠にそんな戯言を聞くと思う?」

「じゃあ、戯言だと信じ込んでる貴女に1つ教えてあげる……こうして私に話し掛けている間も味方は来ているのよ。後ろ?側面?それとも真正面から?」

 

 組み伏せる力を強め、動けない様にしながらもネゲヴは鼻で笑った。きっと彼女の言ってる事はハッタリだと。

 

「嘘を吐くにも、もう少しマシな嘘を吐いたらどうかしら?物音1つもしないここで誰か来ているなら、既に私を狙っている筈なんだけど、誰一人として来ないじゃない。それとも、振り向いて油断した所で逃げようと?見捨てられてるの間違いじゃない?」

「遺言はそれで良いって事ね……じゃあ、最後に一言。私は別に前後左右から来るとは言ってないわよ。最低限気を付けるなら真下か、それとも……真上とか?」

「ッ!?」

 

 言い終えると、ネゲヴの真上から何者かの気配を感じた。ネゲヴは振り返って確認しようとしたが、先にネゲヴの頭に何かを強く打ち付けた感触が当たった。あまりにも強い一撃だったのか、フラッとした足取りで支えるのが手一杯で、次の瞬間には追撃でもう1発打ち込まれ、バタッと地面に倒れ込んでしまった。拘束を抜けられたK5は息を整えながら助けてくれた張本人を見て礼を言った。

 

「ゲホッ、ゲホッ……助かったよ416……あ、目も段々見えて来た……」

「どういたしまして。にしても、アッサリとやられたわねこの子……」

「そりゃそうだよ。まさか上から奇襲を仕掛けるなんて誰も予想出来ないよ。それに、高かったから足痛いんじゃないの?」

「……実を言うと、地味に痛いわ……まあ、あんまり高くなり過ぎなかったのが唯一の救いだけど」

 

 そう、K5の窮地を救ったのはHK416だった。彼女は先程の通信を切った後、急いでスタート地点近くまで戻って来たのだ。そして、銃声が混じり合っている状況を聞いた彼女は隠れながらネゲヴを背後から撃とうかと途中までは考えていたが、不意に振り返ったりしたらどうするか躊躇っていた。

 しかし、丁度ネゲヴがスタングレネードを取り出して走った時を見て、彼女が走ったと同時にこちらも走り出し、近くの建物に身を潜めた。そのまま2階へと上がり、窓から彼女達の様子を確認してから背負っていた木刀を取り出し、そこからネゲヴを奇襲して狙ったという寸法だった。

 

「相手が気付かなくて本当に運が良かったわ。あそこでミスってたらどうしようかと若干不安だったけど」

「何気に度胸要るよねさっきのは……にしても、あんなに強く打ったのに、よく折れないねその木刀。実は何かの金属だったりしない?」

「そんなんだったら木刀の意味無いじゃないの。そんな話は置いといて、まだ勝負は終わってないわ。残りは後一人だけど、何処に居るのかしら」

「……いや、探す必要は無いかも。向こうがこっちからやって来た」

 

 コツコツとブーツの鳴る音が聞こえる。いよいよ残り一人となったジェリコが自らこっちへとやって来てはいたが、冷たい視線と殺気混じりな雰囲気が漂っている。もう言わなくても分かるだろう、殺気の正体はジェリコであった。

 

「……たった短い時間とはいえ、私達をよくここまで追い詰めたな。その辺は正直誉めてやろう。だが、同じ手が通用するとは思うなよ?浮かんでいる様では、一瞬を狙ってからの逆転も有り得る。貴様はそこが甘い」

「……甘い、か。確かにそれは否定しませんし、私もまだ未熟なのは理解してます。完璧を目指すには程遠いかもしれません。ですが、苦すぎても嫌なのでお断りとさせて頂きます」

「私の言葉に刃向かうか……」

「刃向かうんじゃなくて、自分の目で見て、色々と知ったんです。この世界は残酷で理不尽で、それでも足掻き続けてますが……世界にはまだまだ不思議な事も多くて、何かと楽しかったりするんです」

 

 だから、彼女達は出会った。戦術人形を人間とか仲間だとか家族だと思い、絶え間無く騒がしい日々が続くも、楽しいと思えた記憶も、自分達を支えてくれた大切な人達の存在を。

 

「勝負です、教官。私の全力を出し切り……貴女に勝ちます。もう前までの私とは違うという所を、貴女に見せてあげます……!」

「良いだろう……貴様が学んだとされる経験……私に全力でぶつけてみろ!」

「……K5、悪いけど貴女は手を出さないで。ここは私がサシで行くから」

「そう言うと思った。じゃあ、私はこの子を連れて離れるから。絶対勝ってね」

 

 K5は気絶しているネゲヴを背負いながらこの場を去った。残された二人の間に静寂な空気が包み込まれる。先にその沈黙を破ったのはジェリコの方だった。

 

「良いのか?まだ1度も勝てた試しが無い貴様からすれば仲間を連れた方が妥当な筈なのだがな」

「私一人だけで充分ですよ。それに、彼女達も頑張ってくれたし……何よりもこんなデタラメな作戦について来てくれたんですから、最後は私が決めないと」

「そうか……なら、遠慮無く行くぞッ!」

 

 アサルトライフルとハンドガンの銃弾が飛び交う。K5の時と同じく、弾数の多いアサルトライフル相手では距離を詰めるだけでも難しいだろう。だが、ジェリコも培った経験を活かしてタイミングを伺いながら反撃を繰り出し、確実に416の動きを封じ込めて行く。

 

(以前と比べ、格段に成長している……動きとかには問題は無いが、背中に見えてる武器は一体何を使うつもりだ?)

 

 416の背中にはグレイから少し借りた武器の山々と盾があり、更にアサルトライフルを持ちながら戦っていた。あまりにもミスマッチしている雰囲気に何処か気が抜けそうな感じだったが、ジェリコは揺らがずに攻撃を続けた。対する416も障害物を利用しては銃弾を避け、物陰から反撃して撃つ。それでも、相手は実戦や経験が上な相手だ。弾は中々当たらず、良くても掠り傷程度しか傷を負わせる事しか出来なかった。

 

「流石教官ね……だったら!」

 

 このままでは埒が明かないと判断した416は背負っていた弓を取り、矢筒から爆弾矢を掴む。これもまたグレイに貸して欲しいと頼んだ武器の1つであり、この時の為にわざわざ用意したモノだった。416は瓦礫を壁にして隠れているジェリコを目掛けて爆弾矢を放つ。隠れているなら壁ごと壊せば良いの精神で。

 

「ッ!?」

 

 いきなり爆発でバランスを崩し、その衝撃で背中にダメージを負ったジェリコ。直後、煙から矢が複数飛び出し、追加で三角みたいな形をした武器「ブーメラン」もが飛び出た。これを見て咄嗟に避けたジェリコだったが、今度は416本人が煙から現れ、木刀で一撃を入れようとする。対するジェリコは持っていた杖で木刀の攻撃を防いだ。

 

「くっ……!一筋縄では行かないわね……」

「壁ごと壊した上で、煙からの奇襲……更には近接攻撃を仕掛けるか……中々やる様になったな……防ぐのがやっとだったが、それでも甘いッ!」

 

 持っていた銃の方でジェリコは416に向けて発砲しようとするが、背後からガツンと強い衝撃がジェリコに襲い掛かる。

 

「ぐぁっ……!」

「甘いのは貴女の方ですよ、教官!」

 

 ジェリコに襲い掛かった正体は、先程416が投げたブーメランだった。ブーメランは投げたら持ち主の手元に戻って来るという性質があり、ジェリコは416が爆発の中から放った弓矢はともかく、投げたブーメランを見逃してしまったのがいけなかった。ブーメランはそのまま方向転換してから416の所へと一直線に戻って行き、丁度416を遮るかの様にジェリコが立っていた為、ブーメランが当たったのだ。

 それでもジェリコはフラつきながらも銃を向けて撃った。その際に416は横にジャンプして避けた後、スッとジェリコの後ろへと転がり、起き上がりに強い一撃を入れた。

 

「はぁっ!」

 

 見事な「背面斬り」を入れる416。これもグレイが独自に習得した技の1つだ。背中を負った傷に更にダメージを蓄積させるが、振り返ったジェリコは杖で416に向けて振り落とそうとしたが、416は盾を構えた。振った杖のタイミングを伺ってから「盾アタック」でジェリコの杖を弾き飛ばし、怯んだ所を大きくジャンプしてから頭上に一撃。綺麗な「兜割り」を魅せた。

 予想してたダメージよりも大きく怪我を負ったジェリコは何とか耐えながらも416に攻めて行く。流石416を育てただけの貫禄はある。だが、それも時間の問題。育った部下がこんなにも強くなっていた事を戦いの最中で彼女は考えていた。

 

(銃撃以外の戦略を極めたか……こんな私が1発たりとも攻撃を当てられないなんて……もう、私がこれ以上教える事は無いのかもしれないわね……)

 

 それでも、最後まで諦め切れないジェリコ。視界が揺らぐ中で数発撃った後、一気に距離を詰めながらも杖で横に薙ぎ払う。瞬時、416はバック宙で避けると、突如として周りがスローになる感覚になったが、彼女からすれば絶好のチャンスだった。着地すると、416はジェリコに向けてラッシュを叩き込んだ。時間が切れるその時まで絶対回避不可能の攻撃を。

 

「ぐっ……あぁっ……!」

 

 ついに耐え切れず、吹き飛ばされたジェリコはそのまま倒れてしまった。もう起き上がる力も残されておらず、精々息を整えるが精一杯だった。

 

「降参だ……まさか、私を倒す日が来るとはな……暫く見ない間に強くなったな……」

「私はまだまだですよ。私はまだあの人達に追い付ける程の実力はまだ持ってないので程遠いです」

「……お前達の指揮官が育てた、という話は聞かされたが……ただの戯言では無かったという事か……正直、彼等の間の抜けた行動は呆れる場面が多かったが……決して怠った訳では無かったのだな……」

 

 あくまで自分達は人を守る為、軍として活躍する為、その為の戦術人形なんだと。それが当たり前となっていたジェリコからすればグレイ達の行動を気に喰わなかったのだろう。

 でも、結果として叩き込まれてしまった。現実というのを思い知らされた。実力が、信頼が、心が。自分が思っていた時よりも彼女は強くなっていたのだ。

 

「情けないな……大口叩いて挑んだつもりが、返り討ちとは。ここまで強くなったら、もう私がこれ以上教える事も無いだろうな……」

「……教官はそこで諦めるのですか?」

「何……?」

「敗れたからと言って、逃げるなんて貴女らしくありません。もう一度這い上がって強くなって私を倒して見せて下さい。貴女もネゲヴ達も強くなれる時間はまだあります。それこそ、何時かまた貴女と同じ戦場で肩を並べて立てる日を待ってますから」

 

 失礼しました、と頭を下げてからHK416は去って行った。残されたジェリコは未だに倒れたままになっていたが、すっかりと毒気が抜けた感じにちょっとだけ笑っていた。

 強くなりたい―――それはジェリコもまた同じ願いみたいなものだ。しかし、何を理由にして強くなりたいのか。強くなって何がしたいのか、何を守りたいのか。ジェリコは彼等の認識を改める他、自分がどうしたいのかを考えて歩み始めるのであった。




ザックリと書いちゃいましたが、一応後日談的な話も書きます。ただし、8~9割ギャグになりますが。戦闘描写求める方が私としちゃ無理ゲーなので(白目)

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