味方からも敵からもヤベー奴扱いされた指揮官達のいるドルフロ   作:ホワイトアクア

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艦これみたいにあんまりストーリー無いかと思いきや、割と心にグサッと来たでござるの巻。
特に404小隊……主に45姉があまりにも可哀想だったので、40共々救ってやると思って書いた初投稿がコレだよ!

ネタがネタだから、分かる人いるかな……?
ちなみにTASは任天堂系が多いけど、何かTASでしか使えない技名とかシステムとかあったら教えて下さい。ちょっと調べて見てみたいので。
ついでに、TAS能力持ったそいつが成長する。(!?)


新しく来た指揮官達が色々とヤバかった件について
私の指揮官達は何処かおかしい


 私の指揮官達は何処かおかしい。

 そう思ったのは今更に限っての事では無いが、少なくともここに居る全員がそう思うだろう。いや、全員だけじゃない。上層部や鉄血側まで指揮官達をヤベー奴だのどうこう認識している。実際その通りだから何の反論しようも無いのが現実か。

 

「あはは~待て待て~♪」

「嫌ァァァァァ!!来ないでぇぇぇぇぇ!!」

 

 少なくとも、今見ている目の前で短パン一丁の鬼に面みたいなのを被りながら爆弾の付いた矢を当たらない様にドンドン放ちながらデストロイヤーを追い駆けたりする場面とか諸々の点が無ければまだマシだろう。残念な事に、今追い駆けている彼がその指揮官の一人。

 

「はぁ……」

 

 彼女ことUMP45はもう何度目になるのか分からない溜め息を吐いた。

 

 

 

 

 

 UMP45は鉄血で作られた戦術人形であり、彼女は主にスパイ活動としての用途で作られた。グリフィンに所属した後、国家安全局の戦術人形としても活動。後々で彼女は同じ系統であるUMP40と出会う。彼女もUMP45と同じスパイ戦術人形として活躍していたらしく、出会うまでは孤独の辛さを感じではいた。しかし、UMP45と出会った事によりそれも薄れていった。

 UMP40と一緒に練習したりして、彼女達は互いに幸せな時間を過ごしていたが、それも長くは続かなかった。

 

 蝶事件―――

 国家安全局による鉄血の工場への襲撃。対象人物の拘束にはスパイ人形であるUMP40やUMP45も含まれていた。二人は反撃すべく行動するが、鉄血のAIを作ったとされるリコリスが撃たれ、鉄血工造を守るためにAIを起動。しかし、そのAIは不完全なままであった為エラーが発生。人間は不要という判断の元、鉄血人形は暴走。工造所属の人間も殺してしまい、暴走AIと化した戦術人形達は人類に宣戦布告を行った。

 

 鉄血で作られたUMP40とUMP45もそれに含まれていて、鉄血製人形全体の記憶媒体であるメンタルモデルをフォーマットする事態に。しかし、UMP40は自身を破壊すればUMP45が生き残れると言い、彼女に自分を殺して欲しいと頼んだのだ。

 

 元々のUMP40は何者かが国家安全局による作戦を妨害することを目的として送り込んだ破壊工作用人形で、UMP45はUMP40の予備機体だった。しかし、自分が不法な命令で使い潰される人形である事を知っていたUMP40はそれに反発。UMP45の指揮官権限を書き換え「誰にも利用されず自分のためだけに生きる」という自身の望みをUMP45に託して自身をUMP45に破壊して欲しいと言ったのだ。

 

 どちらかが破壊されないと停止しないセキュリティシステム。UMP40は全てを知った上で犠牲になろうとしていた。自身の装備と音声データをUMP45に託してまで。

 

 UMP45は運命を呪った。何故こんな目に遭わなければいけないのかと。あんな幸せが続けば良かったのにと心から悔やんだ。自分にとって生きる意味にも繋がった彼女を自分の手で殺さなければいけないのは辛いだろう。しかし、早くしなければ更に被害が拡大し、人々が殺されてしまう。彼女は全てを恨みながらも引き金を引こうとした。その時―――

 

「おい、大丈夫か!?」

「「え……?」」

 

 ふと、誰かの声が聞こえた。振り返ると、そこには複数の男達が何か武器を持ちながらこっちに近付いていた。良く見ると、彼等の格好は軍服の様な姿ではなくラフな格好をしていて、背中には大きめの荷物が幾つか背負っているのが見えていた。その内の一人、ボウガンと木刀らしき物を持った人が「大丈夫?」と心配してくれていた。

 

 見るからにして敵意もければ鉄血でも他の所属している軍でもない事には安心したが、逆に疑問が生じる。

 

「何でこんな所に人が……?」

 

 そう、彼等は言うならば一般人だ。普通ならば避難したり逃げ出したりするのが当たり前な筈。なのに、彼等は堂々とここに居る。

 暴走した鉄血人形と遭遇しなかったのかと気になっていたが、それを見透かしたかの様に彼等はこう答えた。

 

「何でって言われても……俺達さっきまで旅してたんだが、道中で訳分かんない奴に絡まれてな。確か、鉄血人形だっけ?いきなり銃とか放って来るものだから、咄嗟にボウガン出して倒したし、進む先であの人形達がわんさか沸いててな。とりあえず片っ端から木刀とか使って倒したけど、あれ壊して良かった奴だった?」

 

 唖然。え?この人何言ってるの?と二人は疑問に思った。すると―――

 

「あら、こんな所で人間がいたなんて。迷い込んだのかしら?」

 

 今度は別の声が聞こえる。その先にいたのは鉄血工造で作られた1つである「スケアクロウ」。運悪く彼女がここに来てしまったのだ。鉄血の戦術人形相手では武器はともかく、まともな防具すら着ていない彼等には致命的。どう考えても死ぬ未来しか見えない。

 

「しかし、貴方達が命乞いをしようと我々は貴方達も含めて全ての人類を殺せと命令を下されていますので。ああ、逃げても良いですし、貴方の持ってる武器で戦っても良いのですよ?まあ、貴方達がどの道ここから脱出して生きて帰れる保障は1つもありませんけど」

 

 完全に死刑宣告。袋のネズミ。しかし、彼等はそんな状況下でも慌てる様子もなく、逆に余裕の笑みを見せていた。

 

「何がおかしい―――」

 

 と、言い掛けた途端。彼が真っ先に動いた。この時、目を疑いそうな光景が広がる。

 彼は一瞬にしてスケアクロウの周りを飛んでいた小型ビットを全て破壊し、最後にスケアクロウに3発弓を撃った。

 

 この間僅か1秒。たった1秒で彼はスケアクロウを倒したのだ。スケアクロウは最後まで言わせる時間すら与えられず、そのまま床に倒れ、起動停止した。

 

「悪いけど、右も左も分からない状況で死ねって言われても無理なんだけど。喋ってる暇があったらさっさと殺すのが定石だろ。こちとら人間に近い奴を殺して気分悪いし。せめて木刀で殴って気絶させるならまだ良いけどさ」

 

 そして、ここでようやく気付いたのだ。彼等が鉄血の戦術人形を倒してここまで来たのは本当なのだと。恐らく、彼の周りにいる他の人も彼と同じく強い存在なのだと認識した。

 

「君達だけでも良いからさ、一体何が起きてるのか説明してくれないか?どんな些細な事でも良いから」

 

 この人達ならば、もしかしたら希望が見えて来るかもしれない。根拠は無いが、少なくとも彼等が普通の人間で済ませる訳が無いのだ。ならば、今抱えている問題も解決してくれるかもしれないと、UMP45は藁にでもすがる想いで彼等に全てを告げた。

 表情を全く変えず、うんうんと真剣に聞いてくれる彼等。全て話終えると、彼は「ここまで辛い思いして良く耐えてくれた。頑張ったな。」と頭を撫でながら励ましてくれた。それが嬉しかったのか、UMP45は泣き出した。抑え込んでした気持ちが溢れ、全てを吐き出した。それでも受け止めてくれた彼と彼等がとても嬉しかった。

 

「しかし、問題はシステムだな……どちらか片方死ねば止まるって何だよそれ」

「絶対動き出すに1万ペリカ。コレは言い切れる」

「何でこういう事が起きるかもしれないと想定して無かったのかなぁ……コレガワカラナイ」

 

 揃いも揃って鉄血のセコムに不満を次々と言う彼等。本題のどちらも死なずに済む方法を聞きたいのだが。後、何故そんなに余裕なのか。

 

「なあ、何か方法無いの?」

「アレ使えるんじゃないか?」

「「アレ?」」

 

 UMP40とハモった途端に別の人が荷物を下ろしてから何かを探した。ちょっと経ってから荷物からあるものを取り出した。それは2つの白い粉末だった。

 

「これは?」

「仮死薬と蘇生薬だ。仮死薬は簡単に言うと冬眠状態……つまりは人が死んだかの様に体温が低くなり、呼吸も心臓も一時的にストップし、まるで死んだかの様に思わせる擬態のアイテム。反対に蘇生薬はその真逆。仮死薬の投与で止まった心臓にショックを当てて息を吹き返す必須の薬だ」

「となると、死ぬんじゃなくて本当に死んだかと見せ掛ければ良い訳か」

「そういう事だ。もっとも、そのセキュリティが何を基準として死んだのかどうか判断してるのは分からないが、実弾で撃たれるよりかはマシだろ」

 

 上手く使えば本当に生き残れるかもしれない。そう言われた時には沈んだ二人の顔も少しずつ明るくなる。まさか、本当に絶望の淵から救い上げるが如くやってくれるとは思わなかったからだ。

 

 ちなみに、これを何故彼等が持っていたかと言うと、旅先で盗賊やゴロツキの様な奴等と遭遇した際にやり過ごす為の回避策として大量に作っていては持っていたらしい。薬も自前で採っては調合したもの。実際にそれを飲んで危機を何度か回避した事もあったとか。

 

 基本、この薬は両方飲む事が前提となっている。仮死薬だけ飲んでも蘇生薬が飲めないのでは意味が無いので、仮死薬の効果が発揮した後、1分後に蘇生薬の効果が発揮するように細かい調合が施されている。

 

「だが、過信は禁物だ。仮に飲んでもセキュリティが君達を生きていたと再認識されたら面倒だ。そうなる前にセキュリティを壊す」

「だったらセキュリティまでは俺が行くわ。ケツワープあればどうにか出来そうだし。それと、ブーストハンマー貸せ。強引に打ち砕く」

「外で巡回してる鉄血の方は?」

「俺が行く。寧ろ、恐怖心出させて戦場を混乱させるってものあるからな」

 

 何だか聞いてはいけないモノを聞いてしまった気がするが、多分理解するには無理なんだろう。ただでさえ先程の高速連射ボウガンを見たので、突っ込んだら色々と疲れそうな気がしてならなかった。

 

 気分を切り替え、いよいよ作戦を始める。最初にUMP40が仮死薬を飲み、セキュリティが死んだと認識した瞬間に別の人がセッティングしていた場所から強引にスタート。破壊が終わった後、彼が外で鉄血の動きをかく乱させる。

 

 ついでに全員が男性なのでせめて名前を教えて欲しいと言ったが、鉄血の奴等が盗み聞きされても困るから、今はコードネーム呼びにして欲しいと言われた。それぞれ、バーサーカー、TAS、コマンドー、アイザック、ヴィン、ボマー、ドクターと呼ぶ様にした。

 

「んじゃ、始めるぞ」

 

 覚悟を決めて、UMP40が仮死薬を飲む。バタリと倒れ、段々と眠気に襲われ、次第に体温が低くなり、呼吸も止まり、全てが動かなくなる。その瞬間―――

 

「ヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤッフゥゥゥゥゥ!!」

「!?」

 

 UMP45は目を疑った。何故ならTASが階段で大きく跳んだかと思えば、変な奇声を上げながら人のスピードとは思えない速さで駆け抜け、扉をするりと通り抜けたではないか。あれ、人間だよね?と思ってるのも束の間、セキュリティが解除されたというアナウンスが聞こえるが、ドガンッと何か壊した音が聞こえ、無線からザザッと誰かが通信して来る。

 

『こちらTAS!セキュリティ含めた全部の機械を壊し終わったぜ!ホントにセキュリティガバガバ過ぎて草生えるんだけどwww』

「嘘つけ。どうせセキュリティでロックされてる扉の前で1フレーム刻みのすり抜けで通ったんだろ」

『何故バレたし』

「何故バレないと思ったし」

「嘘でしょ……?」

 

 まさか本当に壊したのか?と疑問視するUMP45。その間にアイザックがUMP40との間にケーブルでパソコンに繋ぎ、カタカタと早い手付きで操作して作業する。

 

「あ?コイツか?何か分からねぇシステム組み込んであるみたいだけど、削除すれば良いだろ。というか、この機能いらねぇ」

 

 アイザックが見つけたのはAIから送られる命令を受け付けるコードだが、それを自前のスキルで鉄血との接続をシャットアウト。これにて、UMP40が鉄血の命令を受けて強制的に動かされる事は無くなった。ついでにUMP45にも同じ様に施され、これで鉄血の人形ではなくなった。

 

「そろそろ起こすか」

 

 ドクターが蘇生薬の粉末をUMP40の口に入れ、水を流し込む。流し込んで1分後、咳き込みながらもUMP40が起きる。

 

「40……!」

「ああ……45……作戦はどうなった……?」

「大丈夫……私達、ちゃんと生きてるよ……!」

「そう……良かった……擬似的に死んだと言っても、まるで身体がふわふわした感覚だったよ……不思議だなぁ……」

 

 本当に良かったと嬉しがるUMP45。だが、安心するのはまだ早い。周りにはまだ鉄血の戦術人形が徘徊してる可能性もあるのだ。安全な所まで避難しない限り、脱出は困難を極める。

 

「とりあえずどうする?」

「俺が行く。けど、出来れば上から鉄血の奴等が何処に居るか確認したいんだけど……」

「ちょっと待ってろ」

 

 アイザックが近くの機材をガンッ!と壊した後、何かを弄くる様にグイグイと動かす。そこからケーブルを繋げてキーボードを打ち込むと……。

 

「お、出て来た。周辺の監視カメラの情報だけど……結構いるな。殺れるか?」

「急がせんな。えーと、まずはあの辺りに5体以上集まってる奴をどうにかしない限りは話にならねぇ。何か一気に片付ける方法があれば話は別だけど」

 

 周辺のカメラを動かしながら脱出のヒントを探すバーサーカー。すると何かを見つけたのか動きを止める。

 

「これはコンテナか。ん?もしかしたら……多分行けるわ」

「何考えてるのか大体察したけど、俺達はどうすれば良い?」

「振り向いた瞬間を狙って撃ってくれ。一瞬だけど俺を見るだろうし、別方向から来るなんて事もあり得るしな。とりあえずはそれで。ついでにUMPの二人は戦える?」

「ごめん……さっきまで弾を使い終わったから……」

「あたいも戦えるかどうか微妙。45と同じく弾薬が心許ないし」

「分かった。二人はドクターの後ろで隠れててくれ。ともかく行って来る。後、ブーストハンマー借りるぞ」

 

 サッと走り、鉄血人形達の視界を掻い潜りながらコンテナの方へと進む。無事に気付かれる事なく辿り着き、懐からタブレットを取り出す。

 

「上手く行ってくれよ……ビタロック!」

 

 タブレットを翳した瞬間、コンテナに黄色い鎖が絡み付き、点滅している間にブーストハンマーでコンテナを強く叩き続けた。その音に気付いた鉄血人形が何か潜んでいると警戒しながら近付く。しかし、それはある意味悪手だった。

 

「飛んでけッ!」

 

 点滅が終わったと同時にコンテナが物凄いスピードで鉄血人形を吹き飛ばした。その威力は車を最大スピードで飛ばしてぶつけたかの如くに匹敵するが、物によってはそれ以上の威力を発揮するかもしれない。

 

 これを直に受けたのだから、当然喰らった鉄血人形達は巻き込まれては動かなくなった。飛ばされたコンテナは壁にぶつかって勢いが止まったが、ぶつかった際の物音が大きかった影響で周囲の鉄血人形が一斉にこちらに向かって駆けつけて来た。

 

「そうはさせん」

 

 ドクターが懐からナイフを取り出し、パッと上に投げては腕と同じ位置にまで落ちた所で、ハンドルエンドの部分を手の平で強く押し飛ばした。飛ばされたナイフは回転せずに真っ直ぐに飛び、鉄血人形の胴体を軽々と貫いた。その繰り返しで、1本、また1本と取り出しては飛ばすの繰り返し。ナイフとは思えない威力で確実に仕留めていく。

 

 そこからコマンドーやボマーも攻撃を始めた。コマンドーはその辺に落ちてあった鉄血の武器を拾っては撃っていた。銃がロックされていて撃てない場合もアイザックによって強引に解除し、本当は軍人じゃないのかと間違われてもおかしくない正確な射撃と冷静さを出していた。

 

 反対にボマーはTNTと書かれたブロックを投げたり、良くありそうな丸い導火線が付いてる爆弾を投げ続けた。何より恐ろしいのはニッコリした笑顔で「([∩∩])<死にたいらしいな」とか言っていた時は敵全員がゾッと感じた程。最早一体どっちが敵なのか分からない。40と45も互いに抱き着きながら震えていたとか。

 

「鉄血ビビってるー!ヘイヘイヘイ!」

「人間が舐めた真似を!」

 

 別方向ではTASがわざと囮になっておきながらも、鉄血の攻撃を全てダンスしながら避けていた。マシンガンだろうとスナイパーだろうと、まるで攻撃のタイミングを全部読んでいたかの様に。しかも、まだ無傷。彼曰く乱数調整との事らしいが、多分理解してはいけない部分なんだろうと現実逃避を始める二人。それだけじゃなく、ドゥエドゥエと気持ち悪い動きをしながら地味に鉄血人形を蹴ったりして更に注目の的となっていた。

 

 鉄血人形がTASに気を取られている間に、背後からヴィンが襲い掛かる。ヴィンは懐からハンドガンを取り出したが、そのハンドガンもまた異様だった。彼が出した拳銃は回転式のタイプだったが、問題はバレルが3つあったのだ。1発撃ち出す毎に銃弾が3発分発射され、しかもそこそこ連射も早いだけじゃなく、フレームを入れ替えればマシンガンにもスナイパーライフルにも変形する。

 

「ねえ40……あのハンドガンって見た事ある……?」

「いや、あたいも流石にあんな銃を見るのは初めてだよ……改造にしたってあんな風に出来るのか……!?」

 

 きっと使っている彼がオリジナルで作ったか、或いは何かの理由で手にしたのか分からない。気付けば鉄血人形の数もかなり減ってきた。あれだけ大量にいたという状況だったのにも関わらず、たった7人でここまで生き残れている。

 

「外見は人だったとしても、ロボットだったとは思わないよな普通!まだネクロモーフとかそこ等の奴が張り合いありそうな気がするけどな!」

 

 プラズマカッターと呼ばれる工具を射出するアイザック。果てにはハンマーやレンチ等の工具まで使って殴ったりしていた。工具の使い方を間違えているというツッコミは言うまでもない。

 

「オーケィ、レッツパーリィィィィィィィィィィ!!」

 

 最後に鬼の仮面みたいなものを被ったバーサーカーが爆弾のついた矢を手当たり次第に発破。戦場は混乱を極め、鉄血人形達はまともな指揮が取れず、ほぼ壊滅。全ての敵が倒し切るのも時間の問題だった。

 

「少なくとも敵じゃなくて良かった……」

「敵だとしても無理だから、アレは」

 

 爆発音と鉄血の断末魔と共に40と45の言葉が呟かれたが、あまりの煩さに掻き消されたのであった。

 

 

 

 

 

「もう行っちゃうの?」

「ああ。こんな事態になったとはいえ、流石に故郷の両親とか心配になってな」

 

 全ての鉄血人形を倒し、安全な所まで辿り着いた彼等だったが、今回の事件で両親の安否が心配になった彼等はここでお別れだと二人に告げた。

 だが、ある意味そうした方が良かったかもしれない。あの襲撃から生き残った45と40も戻った所で消される可能性もある。その為にも強くなって生き残らねばならない。自分達には安らぐ場所など無い。命を救ってくれた彼等を巻き込む訳には行かないと。

 

「そう暗くなんなって。帰る場所が無いなら俺が作ってやるから。良くても俺の故郷だけど」

「ありがとう……でも……」

「分かってるさ。戦いが終わらない限り、この状況が続く。仮にも軍の奴等に改造とかされるのは勘弁だが、戦うんだったら望み通り出てやる。家族守らないで呑気に旅なんかしてる場合じゃないし」

「強いんだね……どうしてそんなに強いの?」

 

 何でだろうな……と考えるバーサーカー。しかし、どんなに考えても何も思い付かず、結局「分かんねぇや!」の一言で終わってしまった。

 

「ただ、あんまり根を詰めても仕方無いな。少なくとも自分らしさだけを失うのは勘弁だな。ほれほれ、そんな顔してないで笑え笑え」

 

 むにむにと顔を引っ張るバーサーカー。いひゃいいひゃいと言ってる45を見て、40も少しだけ笑っていた。

 

「うぅ……痛かった……」

「ハハ、悪い悪い。さて、そろそろ行かないとな。またどっかで会えたら語り合うぜ。それまで頑張って生きろよ」

「ええ、貴方もね」

「ああ。それじゃあな、相棒」

「ちょ、俺は相棒じゃねぇのかよ!?」

「お前等の場合、相棒じゃなくて野次とかガヤとかじゃねーの?」

「あ!テメェふざけやがって!」

「許さん。慈悲は無い。イヤーッ!」

「グワーッ!」

 

「ふふふ……」

 

 少しだけ彼等とまた会える日が来るのを信じて、UMP45はずっと楽しみに待ち続けた。

 果ての無い道程でUMP40と共に歩き、強くなり、UMP9、HK416、G11という仲間も加わった。それでも障害は彼女達に立ち塞がる。それが鉄血ではない軍から追われたとしても。だから彼女達は自分達の存在を消す為の方法を編み出した。「404小隊」という姿も形も証拠すら残さずに生き残る術を。

 

 

 

 

 

 あれから何時経ったのか、数え切れないくらいに日が進んだ。転々と移動し、姿を隠し続けた彼女達だったが、ある日を境に鉄血との殲滅と奪還を目的とした民間軍事会社であるグリフィン&クルーガーという場所に移動する事になった。恐らく鉄血との戦力増強とかの目的だと思われるが、契約が切れたら自分達と関わってきた戦術人形のメンタルモデルと全てのデータを消すだけ。後は改竄すればどうにか知られる事は無くなる。それが404小隊として存在し続ける唯一の方法なのだから。

 

「ここの指揮官ってどんな人なんだろうね、45姉!」

「さあね。どうせロクな使い方しかしないと思うけど」

「それでもここに来た以上、私達は完璧を目指すのみよ」

「もー、416は堅いぞー!このこの!」

「ちょ、止めなさい40……!」

「眠い……」

 

 こうして話している限り彼女達は普通の女の子だが、戦場に出ればガラッとその印象が変わる。特にUMP45はずっと戦い続けた。もう足手纏いとならない為に。信じるのは人間ではなく己自身だと。だから彼女は冷たくなり、悟られない為の嘘偽りの仮面を手にした。今でも鉄血への復讐心は残されたままで。例え悪魔だと言われても良い。全てを片付けるまで戦ってやると。

 

「ほーら、そろそろ指揮官と会うんだから、そんな顔しないの。」

「あら、顔になんて出てたかしら。」

「45が冷たい……昔はあんなに優しかったのに……ぶー……」

 

 馬鹿やってないでさっさと行くわよ、と416の声が響く。そして、ようやく目的の指揮官がいる執務室の中に入って行く。

 

「失礼します。404小隊ただ今到着しました。貴方が指揮官?仲良くやりましょ……う……?」

「どうしたの45……え……?」

 

 挨拶をしようと思ったら声が止まるUMP45。それに釣られる様に40も声を掛けたが、指揮官の方へ向くと同じく40も言葉が出なかった。何故なら―――

 

「君達が404小隊?初めまして、歓迎するよ。俺はグリフィンの指揮官を勤める羽目になったグレイベル・クニクスルだ。気軽にグレイって呼んでくれて良い。よろしく」

「………」

「……久しぶり。40、45。何かこうなっちまった」

「………!」

 

 ああ、この人はあの頃と変わっていないんだと実感する二人。また会えた事が嬉しかったのか、二人は彼に抱き着いた。

 

 

 

 

 

「思い出すだけでも嬉しかったなー」

 

 そんな彼が今こうして指揮官をやっている。出来る事ならばあまり指揮官としてやって欲しくなかったものの、会いたかったのも事実。そればかりは少しだけ複雑に思ったが。

 

 何故彼がここにいるか後で聞いた所、一度故郷に戻った時には彼等の両親とか友達とかが生き残っていたらしく、とりあえず安心したかと思ったが、後々に蝶事件での裏側で暗躍……寧ろ一方的な虐殺とも言えてもおかしくないが、それがバレたらしい。最終的に全員が軍の所に連れて行かれたらしいが、何でもその実力を是非ともグリフィンで役立てて欲しいと言ったそうだ。これには皆が唖然となったらしい。

 

 当然ながら反対する人もいた。まともに軍の指揮すら執った経験の無い奴等だの、戦いを甘く見ているだの、どれも言いたい放題だったそうだ。流石に彼等もプッツンと切れそうになった時にグリフィンの所属しているAR小隊が追い詰められているとの情報が入り、誰が言ったのか彼女達と合流して敵を全て倒してみろと嘲笑ったのだ。しかし、彼等は―――

 

「じゃあ、良くても合格ラインは30分。ベストタイムは15分で充分だ。だろ、お前等?」

『異議なーし』

『!?』

 

 余裕どころか制限まで取り付けて彼等はそう言ったのだ。そして、作戦がスタートした瞬間にヴィンとTASが勢い良く飛び出た。ヴィンはまるで本物の悪魔にでもなったかの如く変身してから羽を出しては飛び、TASは死んだふりジャンプという更にキモくておかしい飛び方で鉄血達を翻弄させた。挙げ句、戦況を打開する為のアイテムや傘ウイルスの駆除に必要な道具を錬成したとか物理的にも有り得ない展開が続けて起こり、AR小隊のAR-15やSOPMODまでもが呆然としてて、16LABにいるペルシカも「有り得ない……」と頭を抱え、鉄血もそんな馬鹿なと必死で焦っていたらしい。

 

(そもそもケンカを売った相手が大間違いってのが一番の説得力というか……)

 

 お陰でAR小隊は全滅せずに済んだ。助けて貰ったM4も相当嬉しかったらしく、このご恩は絶対に忘れません!と言った程。また、M16はかつてUMP45とUMP40との経緯や指揮官達との関係を少し知っていたのか、最初は不信に思っていたらしいのだが、彼等の戦いを見てそれもどうでも良くなったらしい。鉄血よりもアレの方が絶対にヤバそうだと悟ったのか、「その……何だ……えーと……何か疑って済まなかった」と謝ったらしい。色々事情知ってるUMP45からすれば「お、おう……」みたいな感じだったが。ちなみに……

 

「タイムは……11分45秒14!喜べ、新記録更新だ!」

「汚い(確信)」

「たまげたなぁ……」

「あれでクリアか、つまんね。で、次のステージ何処?次は何分?何体倒せば良いんだ?」

「ねえねえ、どんな気持ち?まともに指揮すら執れないとか言ってドヤ顔して、今じゃこうしてるのどんな気持ち?」

「それでも駄目なら俺達はこのまま前線で戦ってて良いし。寧ろそっちが楽」

「爆発は任せろー!バリバリー!」

 

 何も言えずに反論出来なかったのか、もう彼等を指揮官にしようとついに匙を投げたらしい。そりゃ前線であんなに激しく暴れまわる指揮官がいて堪るかと誰もが思うが、現にこの7人がそれなのだから。これにはUMP45もザマァと笑っていた。

 

 今まで見たえげつない攻撃も更にパワーアップし、鉄血人形の嫌がらせにも重宝していた。視線を向けると、グルグル巻きにされたデストロイヤーがガッチリと四角い金属の箱に固定され、あの時と同じくタブレットみたいなので翳した後にハンマーみたいなものでガンガンと殴った後、まるでミサイルが発射したかの様に飛んで行き、肝心のデストロイヤーが涙目になりながら飛んで行くのが見えた。他には爆弾のついた矢が一気に5本も射てたり、マスターバイクと呼ばれるバイクでガンガン轢いたりと……結構ヤバい人と関わったんだなぁ、としみじみ思った。

 

「ん、終わったの?」

「ああ。そろそろ戻る。皆も待ってるし」

「別に早く帰らなくてもゆっくりで良いんだよ、しきか~ん」

「お菓子作る時間なくなるけど」

「急いで帰りましょう指揮官」

「流石にそれはチョロすぎない?45さん」

 

 人形とて、お菓子の誘惑には負けちゃうのだ。それに……

 

(指揮官がいれば、毎日が楽しく過ごせるからね)

 

 これからも多分、一生静かに終わる事は無さそうだ。彼等がいる限り。




パンイチで世界を救ったのはリンクだけだって?ハハハ、何を言うか。
どっかの世界線では調味料の名を持った主人公が全裸で脳筋、しかも買い物禁止で崩壊した東京駆け巡ったんだぞ。そっちの方がある意味スゲーわ(白目)

UMP45「だとしても、流石に下はズボン履くでしょ……まあ、上だけ脱いだまま街を出歩く人っていないよね。」
人修羅「そうだな。」
UMP45「!?」

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