そしていずれ気が向いた時に書いてくれると信じてます。
そのうえで書きたくなったので「今日はすき焼きです!」を勝手にお題にして、二次創作を書きました。
お見苦しいやもしれませんが、どうぞ良しなに……。
記念すべき一話目です。
秋津茜ifルート お題「今日はすき焼きです!」(楽紅)
学校帰り、いつものようにロックロールに寄って家に帰る途中、近くを歩く見覚えのある制服を見て、ふと考える。
秋津茜――隠岐紅音がまさかの瑠美の友達だということが発覚してから早一週間。
元々瑠美と仲が良かったのもあるが、瑠美の方が縁を感じてなのか、以前にもまして二人はよく遊んでいるらしい。
昨日も二人で勉強したらしいが、たまに質問しに来たりしたし、一昨日も瑠美に何を吹き込まれたのか、部屋に突貫仕掛けてきたり。
最近では何だかんだシャンフロ内でも一緒に行動することが増えてきた気がする。
……あれ? もしかしてここ最近毎日一緒にいない?
「あ! サンラクさん!」
と噂をすれば後ろから声がかかった。
「おー……って、サンラクはゲームの名前な」
「そうでした! ごめんなさい楽郎さん! つい、その名前で呼んじゃうんですよね」
「いやいいけども。紅音は今日も瑠美からの呼び出しか?」
紅音――基本的には呼び捨てとかしないんだけど、こいつ頑なに名前呼びを誇示してきたので素直に名前で呼んでいる。
「呼び出しといいますか、今日は私のほうに用がありまして」
「用? なんかあったのか?」
「はい! 今日はすき焼きです!」
「バグかな?」
話が飛んだぞ。
「実は親戚からおいしいお肉いっぱい送ってくれたんです! そしたらお母さんが、どうせならお友達と食べてきたらと言ってくれたので、一緒に食べようと思いまして! お肉はもう陽務さんのお家に入れさせてもらってます!」
「ああ、そういう……」
そういや俺今日冷蔵庫開いてなかったな。
「見てください! お隣のおばあちゃんに今日の事話したら新鮮なお野菜もいっぱい貰ったんですよ!」
そう言って、満面の笑みで学生鞄を開いて見せる紅音。
確かに中には大量のみずみずしい野菜が……勉強道具どうした。
「つーかちょっと待て、お前飯食ってくって、帰り大丈夫なのか?」
紅音はこの辺りから大分外れた場所に住んでいて、毎朝始発に乗って学校に通っていると言ってたはず。
飯食うまでこの辺りにいるとなると、向こうまで行く交通手段は、下手したら終電近くなるんじゃ。
「大丈夫です! 今日は陽務さんのお家でお泊りすることになってます! あ、今日はよろしくお願いします!!」
「あーそういうことなら納得だな……超初耳だけど」
「え? 瑠美ちゃんにはお伝えしてましたけど」
「わざと黙ってやがったな……邪教徒め……」
あいつ最近ペンシルゴンの悪影響受け過ぎじゃね?
そんなこんなでうちに到着。
「……鍵かかってたけど、あいつまだ帰ってきてないのかよ」
「あ、瑠美ちゃんは急なバイトが入ったと言う事で、少し遅くなるそうです! 先に始めてていいって言ってました!」
「マジかよ」
友達がご飯ご馳走してくれるって言ってるのにバイト入れちゃう? 手伝おうとかないのかよ。
これだから邪教徒は。
「とりあえず大変だろうし、手伝う。つっても出来る事は限られるけど」
「大丈夫です! この日のためにお母さんにお料理いっぱい習ってきましたので! 楽郎さんはゆっくりしててください!」
「さいですか」
「なんだったらゲームしててもいいですよ?」
「流石にそんな面の皮厚くないわ。待ってる。つーか手伝えるところあったら言ってくれよ?」
「えへへ、はい。じゃあお料理頑張りますね!」
「おー、楽しみにしてる」
紅音は出来ないことも出来るようになるまで頑張る性格だ。
恐らく問題なくおいしいすき焼きが出来上がるだろう。
ウキウキと台所に向かう紅音を眺めていると、一週間前の事が思わず頭に浮かぶ。
『どうしましょう! サンラクさん! どうやら、私はサンラクさんの事が好きみたいです!!』
身バレとほぼ同時に告白じみた事ブッコんできた紅音。
何やらテンションがおかしな方向に突っ走っていたようなので、一応その場は一旦落ち着かせてはみた。
……しかしあれは、友情的なものか、尊敬的なものか、恋愛的なものか。
そのあたり明言されてはいないものの告白されたことは事実であって……。
思わず顔が少し赤くなる。
とはいえ、言った本人は頭から抜け落ちてるのではないかと思ってしまうほど、あっさりしている……気がする。
「まあ、意識しすぎるのもあれか」
結局俺が手伝えたのは軽い片付けと食器の準備くらいだった。
「まるまるやってもらってすまんな」
「いえ! 私も楽しかったので!」
「そっか」
そして向かい合わせに席に着く。
「……えへへ」
「どうした?」
「なんかこういうの、新婚さんみたいでいいですね!」
「――ッ!! おまッ!?」
唐突にぶっこんできたので対応が遅れる。
このままではマウント取られる!
「……楽郎さん。一週間くらい前に私が言ったことおぼえてますか?」
「お、おう」
「あの後ゆっくり考えましたけど、私、気持ちに変わりはないですから」
「……それは」
その先を尋ねる前に、普段からよく聞く声が玄関から鳴り響く。
「ただいまー!」
「あ、瑠美ちゃん! お帰りなさい! お邪魔してます!」
「うん、ただいま。いらっしゃい」
「瑠美、お前紅音にご飯作らせといて自分はバイトって」
「お兄ちゃん、た・だ・い・ま」
「お、おうお帰り」
「よーしお肉だー!」
「貴様!」
小言を早々に回避しやがった。
……まったく。
「「「いただきます」」」
食べ始めて間もなく、瑠美が唐突に言いだす。
「そうだお兄ちゃん。今日は紅音のファッションショーやるから」
「えっ」
「予告なし突発イベントはユーザーには不評なんだぞ。つーか当の本人が困惑してるじゃねーか」
「だって紅音せっかく可愛いのに、ボーイッシュな服しか持ってないって言うんだもん。もったいないでしょ? 宝の持ち腐れだよ」
「その発言からショーへとはつながらないが」
「幸い紅音と私は体格が近いので、私の服で紅音をコーディネートします。お兄ちゃんにはその審査員になってもらいます。第三者の視点で可愛いかどうかを明言してください」
「え、強制イベント?」
「あわわわ」
逃げられない予感に恐れおののく俺と、慌てる紅音。
「いいお兄ちゃん? 可愛かったらちゃんと可愛いって言うんだよ? 面と向かって」
「? ……はっ、お前、まさか!」
ニヤリと笑う瑠美を見て思い返す。
あの時、紅音の告白イベントは俺の自室でシャンフロのパッケージを見られたことに始まった。
つまり、家の中での出来事……。
――こ、こいつ、あの告白聞いてやがった!
ちょっと待て、だとしたら最近紅音が家に来ることが多くなったのも、何かと部屋を訪ねてくるのも……!
「おいおい、何が頭から抜け落ちてる、だ」
ちらりと紅音を見ると、少し顔を赤くしながらも、いつものように頑張ります! といった表情をしていた。
紅音は、秋津茜は出来ないことも出来るようになるまで一直線に頑張るやつだ。
だから何かを決めたらまっすぐに突き進む奴だということは分かっている。
これ、ほっといたら絶対俺攻略されるな。
――いや、この考えに陥ってる段階で、もう攻略されてるんだろうか。
オチの方が少し、かなりとっ散らかったような気がします。
後、サンラクさんの口調がなかなか再現が難しいです。
ifルートだと瑠美と同級生。でも田舎娘。頑張って両立させてみました。
すんなり書けたらおまけのグループチャットも載せます。
書けたらですが……。