ユニバースが違うシャンフロ   作:蛇ヤミー

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 Twitterで遊んでたらなんやかんやで七夕短編書くことになったので、ちょっと前とったアンケと合わせて即興で光属性書き上げました。
 即興なのでクオリティに関してはご勘弁を。

 付き合って数年後の未来if

 楽郎君大学生、紅音ちゃん高校生設定です!



秋津茜ifルート《未来if》 七夕の夜に願いを(楽紅)

 俺が高校の時に紅音と付き合いだして数年、なんだかんだ俺はもう大学生で、紅音は高三。

 

 早々にスポーツ推薦を決めた紅音は、受験とも無縁で気楽な感じだ。逆に学校で気を使い過ぎて疲れてるくらいだ。

 ……まあ、同じ大学に行けなかったのは、ちょっとだけ残念だけどな。紅音もギリギリまで悩んでたし。

 

 で、紅音にとって最後の夏休み。

 

 色々あって陽務家と隠岐家の合同でキャンプに行こうという話になり。

 幸いと言うべきか当たり前と言うべきか、紅音のご両親に配慮して、場所は大型複合施設内のキャンプ場になった。

 

 (陽務家)だけでキャンプとかやると絶対とんでもないジャングルに連れてかれる。

 

 

 昼間は近場のアミューズメント施設なんかを紅音や瑠美と回っているうちに、気が付けばもう夜だ。

 

 ちなみにうちの両親はキャンプ場についた矢先にそれぞれ虫網と釣竿をもって飛んで行って、まだ帰ってきてない。

 

 ……まあ飯時には戻ってくるだろ。

 

 

 

 そんなどうでもいいことを考えながら、何気なく星空を見上げていると、後ろから紅音に声をかけられる。

 

「楽郎さん楽郎さん!! あっちのロッジで短冊配ってました! 願い事書きましょ!」

 

「短冊…………………………ああ! 今日は七夕か!!」

 

「えっ、今気が付いたんですか!?」

「あーすっかり忘れてた。通りで今日やたら京ティメットとかルストから連絡来ると思ったわ……」

 

 各ゲーム七夕イベントがあるのかぁ……ちょっとだけ惜しいことした気分だ。

 とはいえその呼び出しってあいつらガチ勢すぎるだろ。人のこと言えないわ!

 

 

「むっ、楽郎さん今ゲームのこと考えましたね!? ダメです! 今日は私の事を考えてください!!」

 

 

「お、おう……お前も言うようになりおったな……」

 

「えへへ……これでも瑠美ちゃんとかペンシルゴンさんに鍛えられてますから!」

「紅音……なんか嫌に鉛筆を信用してんな……瑠美はともかく、鉛筆はやめたほうがいいと思うけど」

 

「ペンシルゴンさんは頼りになりますよ? それに瑠美ちゃんがすっごく信頼してますし!」

「いや、あいつは…………まあいいか……」

 

 紅音に邪教の話をするのはよくないな。教育上よくない。

 

「? どういう意味ですか?」

「何でもないよ、忘れてくれ。……ああ、そういえば七夕と鉛筆で思い出したが、あいつなんか七夕のなんかをドヤ顔で話してた気がするなぁ」

「? なんですか?」

 

 何年か前の七夕イベントで鉛筆とかち合ったとき、なんか知らんがドヤ顔された気がする。

 

 

「あー……そうだ確か、彦星と織姫の星が、アルタイルとベガだから、もしも短冊に願い事を書いたとしても、願いがその星に届くまでの距離が開きすぎてて、その願いが伝わるまで数十年かかるとかなんとか……なんだっけ……確かそれぞれ16年後と25年後……だったか?」

 

「そうなんですね!! そんなにかかるのかぁ……あ、じゃあ願い事は二つ書かなきゃですね!!」

 

「いや、あのアホの言うことだから正直あんま信用できないが……というか、仮に本当だったとしても、よくこんなくだらないことであんなドヤ顔出来たなあいつ」

 

「くだらなくないですよ楽郎さん! 私、もう一組貰ってきますね!!」

 

「ちょ、おいっ!」

 そう言って紅音は止める間もなくロッジに走っていった。

 はえーよ。

 

 ~~~~

 

「貰ってきました!! 16年後と25年後ですね!」

「はいはい、ありがとな……しかし、その年数って片道切符じゃね?」

 

「大丈夫です! 神様だから願いが届いたらすぐのはずですよ!」

「神様……だったっけ? いまいち記憶があいまいだ」

 

 俺の記憶にある彦星織姫は大体敵キャラなんだよなぁ。

 文学的な意味もやんわり知ってる気はするけどすぐには思い出せん。

 …………まあいいか。

 

「さて……何を書くか……」

「書きました!!」

 

「はやっ! え、何書いたか聞いてもいいやつ?」

「これです!」

 

 そう言って紅音が見せてくれたのは――。

 

 

『楽郎さんと楽しく過ごせますように』

『楽郎さんと一緒に楽しくいられますように』

 

 

「…………えっと、紅音さん、これ何処に飾るかわかってる?」

「はい! ロッジのおっきな竹に飾ります!!」

 

 あれ、他の地域と合わせて一か月くらい飾りっぱなしにするらしいんだけど……。

 

「……まあ、紅音がいいならいいか……というか、俺も同じ感じでいいな。そもそもそんな先のことわからんし」

 

 俺も紅音と似たようなことを書き込む。

 

 

『紅音と二人、目いっぱい楽しく遊んでますように』

『紅音と毎日楽しく過ごせてますように』

 

 

 

「ぁ………………ふふ」

 

「? どうした、急にニコニコしだして」

 

 

「だって、先のことはわからないのに、それ書いてくれたってことは、私たちが一緒にいることは確定してるって事じゃないですか! それが嬉しくて!」

 

 

「んー……ま、この先どうなるかはわからんが、それだけは……俺と紅音が一緒にいることだけは間違いない気がするわ。……ていうか紅音だってそのつもりで書いたんじゃないのか?」

 

 

「えっと……あはは、私は無意識でした」

 

「……なんかお前らしいわ」

 

 そんなことを言い合いながら、少しの間二人で笑い合う。

 

 その後、不意に紅音が満面の笑みで声を上げる。

 

 

「……楽郎さん!」

 

「ん?」

 

 

 

「えへへ、これからもずっっっっと一緒にいてくださいね!」

 

 

「当たり前だろ?」

 

 

「はい!! ……ふふ、楽郎さん大好きです」

 

 

「……俺も、だよ」

 

 

 ~~~~

 

 

「じゃ、せっかく書いたし、ぶら下げに行くかぁ」

「楽郎さん! せっかくだからすぐに彦星さんと織姫さんにみてもらえるよう、高いところにつりましょ! 高いとこ!」

 

「紅音、ステイステイ! もうだいぶ暗いんだから足元気をつけろって」

「あ! ごめんなさーい!」

 

 

「ったく…………ほれ、手でも繋いどけば安全だろ?」

 

「あ…………ですね!! 行きましょう!」

 

 

 

 こんなやり取りはもう何度も繰り返してる。

 

 だからこそ、先の未来でもこうしているんだろうと思えるんだ。

 

 七夕が、距離も時間も関係なく願いをかなえてくれるなら。

 

 

 

 ――――これからも、こうやって楽しくいられますように――――。

 

 




おまけ

 笑いながらロッジへ向かう二人をジト目で見る人影。

 彼女の名は――陽務瑠美。

「……あの二人は、家族旅行って事ちゃんと覚えてるのかな……近くに私たちいるのに……」

 そう、楽郎と紅音が話していたのは、家族のキャンプ地のすぐそば。
 つまりすべて丸聞こえである。

 ――そして私はいつまで紅音のご両親と気まずい空気を味わってなくちゃいけないのか。

 自分の両親もいない状況で、兄と親友のイチャつきを、親友の両親と黙って聞いていなければならなかった空気は何とも言い難いものだった。

 そんな状況に置かれた瑠美が、腹いせとして今見聞きしていたやり取りを、心酔する外道(天音永遠)に全てぶちまけるまであと数秒。


 ~~~~~~

この後外道たちはこの施設に遊びに来て二人の短冊と記念撮影して楽郎君に送り付ける遊びをしだす感じですかね。

 即興、かつ二次創作なのである程度の解釈違いはご了承ください。
 ……ほんとにネタ無しから即興で書いたのは自分で頑張ったと思いたい……。

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