ユニバースが違うシャンフロ   作:蛇ヤミー

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久しぶりに書いた鉛筆if、若干……いやかなりキャラぶれが不安……大丈夫と思いたいです。
手を引かれての鉛筆があまりに女子力が足りてなかったので、色々考えてみました。


ペンシルゴンifルート 思惑と小さな想定外(楽永)

「は? 付き添い? ……お前の? なんで?」

 家に帰ったとたん、玄関で待ち伏せしていた瑠美に声をかけられる。

「次の撮影でちょっと私、私物が多くなりそうだから荷物持ちしてほしい。ちなみにお母さんはしばらく研究所にこもり切るって言ってたし、お父さんはここしばらく顔見てないから、消去法で」

「ああ……そういやカジキカジキって呟いてたな、最近……」

 多分船借りてカジキ釣りに勤しんでんだろうな。

「別に荷物持ちくらいならいいけどさ」

 …………なんだろうか、無性に嫌な予感がする。こう、首筋がチリチリするような……殺気じゃねぇか!

 

 

 

 そして当日。

「嫌な予感大当たりかよ……」

 何か数日間瑠美がソワソワしてると思ったら、そういう事かよ。

 

「ハロー瑠美ちゃん! 今日はよろしくね!」

「は、はい!! 今日も永遠様とご一緒できて、こ、光栄です!!」

 アーサー・ペンシルゴン、外道鉛筆……つまるところ天音永遠。

 

 昨日もシャンフロ内で会ったけどそんなそぶり全く見せなかったくせに。

「かたいかたーい。もっとリラックスしていこうよ。なんてったって、私達の仲(、、、、)でしょ?」

「は、はい!」

 

 瑠美に優しい言葉をかけることで周りへの人格者アピールを行いつつ、チラチラこっちを見る時の顔はあくどさに溢れた笑みを浮かべている。

 器用だなおい。

「それで、こちらは?」

 まあ白々しく外道鉛筆は瑠美に尋ねる。

「あ、兄です」

 

「…………どうも」

「なにさぁ! 君もかたいなぁ! もっと男の子ならもっとテンションあげてもいいんだぜー」

「あー緊張で」

「またまたぁ! そんなタイプでもないでしょ? 瑠美ちゃんか色々聞いてるよ? ……楽郎君?」

 

 瑠美、お前一体何話してる。

 

 

 

 撮影が始まってみると、どうやらそもそもの付き添い理由である荷物持ちも、ペンシルゴンに指示されたものだったらしく、俺はただ暇をする形となった。

 

 まわりからマジで何しに来たんだ? みたいな目線が凄い。

 いかに図太かろうが、邪魔だと言う目線を向けられれば俺だって気をつかう。

 

 撮影場所を離れて、少し散歩することにした。

「はぁ…………嫌な予感を信じてこなければよかった」

 適当に面を持っていこうとしたら全力で瑠美に止められたわけだ。

 

「なぁーに深いため息なんかついてるのさ、いっちょ前に」

「げ」

 

「天下のカリスマモデルさんを前に「げ」はないんじゃなぁい? ら・く・ろ・う君?」

「撮影はいいのかよペンシルゴン」

「私の分は先に終わったよ? 残りは瑠美ちゃんと二人で取るのだからもう少し後かな。……というか、ここでペンシルゴン(その名前)はマナー違反じゃない?」

 

ああ、そういや前にガスマスク被って会ったときも互いにユーザーネームだったか……。

 

「…………邪神」

「ん? んー??」

「あー……天音氏?」

「うわ! かった! 嘘でしょ!? 私達の仲でそれはないでしょ」

「俺達の仲ってなんだ。外道同士だろうが。永遠様とでも呼べと?」

「瑠美ちゃんか」

「永遠氏」

「氏いらない」

「呼び捨てろってか」

「おっと、まさか君にそんな気をつかわれるとは思わなかったよ」

「リアルではまともな学生なもので」

「私だってリアルではまともなモデルさんですぅ」

「表面上はな」

「お互い様だね」

 

 とまあ結局どこにいても変わらない会話が始まったことが妙におかしくなってくる。

「……ははっ」

「ふふふ……やっぱり君と話してると面白いね」

 どうやらこいつも同じこと思っていたらしい。

 

「で? わざわざ瑠美を使ってまで俺を呼びだした理由はなんだ? お前の事だからなんか企みがあんだろ?」

「いや? 今回は君の顔を見てやろうと思ってね。なんかこのままだと会うたび毎回顔を隠してきそうだったから」

「マジかよ。そんなことのためにこんな手の込んだことしたのか。……まあ確かに次会うとしても隠す気満々だったけど」

「あはは、じゃあこの方法で正解だったじゃん!」

 そう言ってペンシルゴン――永遠は楽しそうに笑う。

 

 え、マジで俺の顔見る為の仕込だったのか?

 いや、こいつなら裏があってもおかしくないぞ。

 いやあるに決まってる。

 その辺に実はカッツォと隠れてないだろうな……。

 

「いやなんかキョロキョロしてるとこ悪いけど、ほんとに何もないから」

「…………ほーん」

「びっくりするぐらい疑ってるのが丸わかりだよ、楽郎君」

「お前の言う事を一かけらも疑わず信じろってほうが無理だろ」

「確かに」

「自覚ありかよ」

「んー……まあ、そうだね。企みがないと言えばうそにはなるんだけどさ」

「ほら見ろ。キリキリ吐くんだ」

 

「いやいや。前にメッセージ送ったでしょ? 責任とってもらうことがあるって。それ関連だから、今ここで話すわけにはいかないんだよねぇ」

「……あの怖いやつか。マジでなんなの」

 

「さぁねぇ……? 私これから散歩するつもりだけど、誰かが見事にエスコートしてくれたら、案外ぽろっと話すかもなぁ」

「姐さん、焼きそばパン買ってきますか!?」

「それエスコートじゃなくない?」

 

 Pipipipipipipipipi!

 

「ん? これ何の音? お前?」

 

「ああ、瑠美ちゃんとの撮影が始まるよって合図」

 

「はぁ!? じゃあさっさと戻れよ!」

「おやおや、楽郎君エスコートしてくれるって話じゃなかった?」

「ざけんな、瑠美にまで迷惑かかんだろうが。………………っく……ほら、さっさと行くぞ」

 

 とりあえずこのやる気のない奴を走らせるために手を差し出す。

 

 こうやって紳士的に(この後超ダッシュ)手を引いてやれば、さっきのエスコートうんぬんも達成だろうが。

 

「あ、これ走る用の服じゃないからNG」

 

「んなこと言ってる場合か! 遅れたら迷惑だろうが!」

「じゃあ楽郎君、エスコートついでに運んでよ」

「は? 背負ってけってか」

「うーん、もっとスマートにエスコート出来る方法あるんじゃない?」

 

 言われてすぐに何を言いたいのか理解する。

 こいつマジか。

「こいつマジか」

「今まさに心の声がそのまま出たって感じだね」

 

 どうやらその方法以外動かないと言っているような顔で笑うこいつを見て、俺は大きくため息をついて近づく。

「マジでどういう腹積もりかは知らんが……ちゃんとフォローあるんだろうな……」

「そこはお姉さんを信じなさい」

「世界一信用ない言葉だ」

 

 

 俺はそのまま永遠を横抱き――要するにお姫様抱っこする。

 

 

「これで満足か、あぁん?」

「いいね、流石楽郎君わかってる」

 

 ……こっちは慣れないことして割と照れくさいのに、こいつは飄々としてやがる。

 

 つーか若干気分よさげに鼻歌混じりだ。

 

 くっそ、経験値の差でこいつの方が有利か。

 

「つか軽いな……」

「っ! まあね! これでもモデルとして体型には人一倍気をつかってるし!?」

「急に早口になったな」

「うっさいよ。さっさと走れってば」

「へいへい」

 そのまま俺はお姫様抱っこをしたまま撮影現場まで走る。

 ちょっと散歩しすぎたか。

 

 

 急ぎ目に来たお蔭で、思ったより遅れたことを怒っているといった様子ではなかったが、まあ当然驚愕の眼差しを向けられる。

 ん? いやこれ普通にまだ準備中じゃね?

 

「おいこら間に合ったのか? これ」

「あ、ごめん。撮影開始時間を逆算して設定したアラームだったこれ」

「お前っ!!」

 

 そのせいでなんか準備の手止まっちゃってんじゃん!

 そりゃそうだよ、突然付き添いで来た男が、紛いなりにも天下のカリスマモデルをお姫様抱っこで走って現れたんだからさ!

 ほらみてみろ! 瑠美の奴瞳孔開ききってんじゃん!!

 

「いやいや、ありがとね! 楽郎君、この服で歩き回るわけにもいかなかったし、助かっちゃった! ごめんね? 変なお願いして」

 こいつ……俺のどうすんだこれ、という思いをよそに、声を張って説明調のセリフを吐きやがる。

 

 ……ダメだアウェー過ぎてイニシアチブ取り返せる気がしねぇわ。

「はぁ……いや、お気になさらず」

「いいよいいよ敬語とか使わなくて! 瑠美ちゃんのお兄さんだし、私個人としても仲良くしていきたいしね!」

「……了解ー……」

 

 ここぞとばかりに、周りに仲良くなりますアピールをぶちかます永遠。

 こりゃ呼び出しくらうの今回だけじゃなさそうだ……。

 

 

 

 

 

 その後撮影は順調に進み、何事もなく終わった。

 途中瑠美にキツイ詰問をされたが。

 で、帰る直前。

 一応挨拶しておこうと永遠の所に行く。

 

「じゃ」

 

 そして踵を返す。

「ヘイヘイ待ちなよ楽郎君、まさかそれが挨拶とかじゃないよね?」

 

「長々挨拶する事柄あるか?」

「ないけども」

「それにどうせゲーム内で会うだろうが」

 

「あーはいはい。そうだね、今はそれでいいよ。想定内だし……大事なのはこれから」

 

「何だよ想定内って、こえぇな…………ああそうだ、言い忘れてた」

 

「ん? どしたの?」

 俺が付け足すと、永遠は怪訝そうな顔をして軽く身構える。

 最後に何かやらかすとか思ってるんだろうか。

 

 

「いや……正直、流石カリスマモデルって思ったわ。様になってたっつーかかっこよかったつーか……なんつーか、綺麗だったわ。やっぱり、お前すごいな」

 

 

 そう、普段のこいつは置いといたとしても、仕事をこなしているときに永遠は圧巻だった。

 カリスマモデルと言われるだけあると本気で感心した。

 褒めるのは癪だとか思ったが、それよりもこれはちゃんと伝えときたいと思った。

 

 

「――――ッ!! ……ふ、ふふーん! 楽郎君も見る眼があるじゃん! ま、そうしていつもこの天音永遠様を崇めるといいよ!」

 

 

 とはいえ、褒めたらこういう感じに調子に乗るのは目に見えていたので、想像通りの答えが返ってきて少し頬を緩める。

 

 

「へいへい。……じゃ、またな。永遠」

 

 

「~~ッ! またね! 楽郎君!!」

 

 

 また、はいつも通りシャンフロ内で、サンラクとペンシルゴンとして、という意味だ。

 だがまあ、何かにつけて、楽郎と永遠としても会う気は何となくしている。

 

 なんというか、今後忙しい日々になりそうな予感がして首筋がチリチリする。

 殺気じゃねぇか!

 

 

 

 ……つーか永遠、最後なんか妙じゃなかったか?

 

 




 おまけ

「あーもー……途中まで私の想定通りだったのに! 何で最後ああいう事言っちゃうかなぁ! 普段そういう事絶対言わないじゃん! しかもずっと名前で呼んでくれないとか思ってたら、最後の最後に呼んでくるし! もー! もー!!」




この後、鉛筆があの手この手で徐々に徐々に、サンラクに自分のことを意識させていくので、ちゃんと全部書くと何回も書くことになりそう…………でも正直、告白シーン書きたくて仕方ないから、その間の部分すっ飛ばしてもいいです!?


それと、今の所ヒロインちゃん書きたい気持ちが大きいけど、感想欄で多分書かないって言っちゃったしなぁ
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