え? ねずみ年? 関係ありません兎を書きます。
というかカップリングの前に「微」とかつけるの懐かしすぎる。
ちょっと難航した部分もあるので、例のごとく二次創作と言うことで少々のご配慮を……。
サンラク日常if ひとはこれをはーれむともよぶ、かも(微サンエム)
「サンラクサン、そろそろ約束果たしてほしいところですわ!」
「約束?」
「パフェですわ!!」
「あー……そういやそんなこと言った気も……」
いつだったか不貞腐れたエムルをその気にさせるためにそんな餌をまいた気もしないでもない。
とはいえ、最近世話になりっぱなしなのは事実なので、特に断る理由もないが。
「わかったわかった。じゃあこの後行くか……」
「はいですわー!!」
と、いつものようにエムルを頭の上に乗せ、に向かおうとしたとき、後ろから声がかかる。
「ちょっと待つけぇの」
「んあ?」
「ビィお姉ちゃん?」
「おうサンラク、ワリャ普段わちに散々仕事振っといて、エムルだけ優遇するつもりけぇのぉ?」
そう文句をつけるようで、どこか期待した声を出すビィラックにエムルが素直に尋ねる。
「ビィお姉ちゃんも一緒に行きたいですわ?」
「んん! まあ、サンラクがわちにもしっかり礼をしたいと言うんであれば付いて行ってやってもええが!」
こいつも素直に行きたいって言えばいいのに……あれか? 妹の手前変に肩ひじ張ってる感じなのか?
まあ、確かにぶっちゃけ無茶ぶりといってもおかしくない仕事量頼んでるし、かまわないけども。
つか一般企業ならとんでもないブラックだったわ、俺の頼んだ仕事。
「じゃあ、ビィラックも一緒に来てくれるか?」
「まあ! 仕方ないけぇ! ワリャの誘いにのっちゃるけ」
素直じゃねーなぁ……俺が見てもはっきりわかるくらい嬉しそうな雰囲気だしてるのに。
……まあ、触れないでおくのが優しさか。
「ビィお姉ちゃん素直じゃないですわ! すっごく嬉しそうですわ!」
あ、こいつ言いやがった。
「エ、エムルゥ!!」
あ、ケンカするのはともかく俺の頭の上で繰り広げるのはやめてもらっていいっすか?
「それじゃあ私もいーですかぁー?」
適当に仲裁していると、どこからともなく銭ゲバが現れた。
「あ、エルクお姉ちゃん」
「お前はダメ」
当然却下。
「えーひどいですぅー? 私もいーでしょー?」
「サンラクサン、どうしてエルクお姉ちゃんはダメですわ?」
俺の答えを聞いてエムルが不思議そうな声を出す。
ビィラックは大体予想ついてるのか、俺に同意してくれてる感じだ。
「……じゃあ聞くが、エムル、ビィラック。お前ら店についたら何頼むつもりだ?」
「あたしはキャロットパイとスペシャルラビッツパフェを頼むつもりですわ! それと持ち帰りで一等級スイーツ人参!」
「わちはそんなに甘いもんは得意じゃないき、パイだけ頼むつもりじゃ」
「ふむ。……でエルク、お前連れてったら何頼むつもりだ」
「メニューの端から端まで全部をたのみましょうかねぇー。後持ち帰りできるものはラッピングしてもらってぇー」
「帰れ!」
金はあるから買えないことはないが、何で端から端まで頼むんだよ。
「ぷぅ」
ぷぅじゃねぇよ!
「エルクお姉ちゃん……」
「んなこったろうと思うたけぇ……」
流石にエルクも本当に連れてってもらえるとは思ってなかったのか、普通に帰って行ったが、油断も隙もない。
軽くため息をついて、今度こそ店に向かおうとすると。
「あ! 鳥の人! 鳥の人だぞ、ウォットホッグ!!」
「ブィィ!」
「んん?」
今度はなんだ?
声がすると思ったら、猪に乗って足元をちょこまかしてるあわただしい奴が。
確か、レイ氏のパートナーの……。
「エクシスですわ、サンラクサン」
「ああそうだっけ?」
そういやちゃんと名前聞いてなかった気がすんな。
「鳥の人! 後エムル姉! 何してっスか!? 遊びいくっスか!? よくわかんないけどアタイも一緒に行きてぇっス!」
どこかわからないまま一緒に行こうとするんじゃありません。
エムルは結構、修羅場潜ってるからヤバいところ行く可能性もあるんだぞ。
「エクシス……おんどりゃ、毎度毎度騒がしい言うちょるじゃろが」
「げ! ビィラック姉ぇもいた……!」
「おぉん? なんじゃ、いちゃ悪いかのぅ? んん?」
「ぴぃ! ご、ごめんよぉビィラック姉、そんなつもりじゃ……」
「はぁ……でぇ? ワリャ何でここにおるんけ」
「そうですわ? サイガ‐0サンは一緒じゃないですわ?」
言われてみれば、パートナーなはずのレイ氏がこの兎と猪連れてるの見たのって防衛戦の時くらいだった気が……。
「そう! 聞いてくれよ! 最近鎧の人がなんか、ディアレ姉とばっかり一緒にいてアタイにかまってくれなくて暇なんっスよぅ!」
あ……確か何かレイ氏言ってたな……ディアレの秘密特訓がどうこう……てことはアレか? こいつが暇してるのも元を辿れば俺のせいか?
「あー……エクシスっつったっけ? 今からちょいとこいつらに色々奢りにいくんだが、お前も来るか?」
「サンラクサン?」
「いいのか!? アタイも一緒に!? 奢ってくれるって、あの、ウォットホッグも一緒にいい」
「いいぞ」
「やったー! すげーな、ウォットホッグ! 鳥の人太っ腹だ! あ、アザッス!!」
「ああ、かまへんかまへん」
嬉しそうにイノシシと一緒に足元を走り回るエクシスも店に連れて行くことになった訳だが、その様子を見ていたエムルがそっと耳打ちしてくる。
「サンラクサン、なんでエクシスも連れてくですわ?」
「なんというか……まあ軽い詫びかなぁ」
「??」
エムルに理由言うと芋づる式にディアレの隠してることまでバレるから言えない……。
向かったのはいつも行ってるラビッツのカフェ。
ラビッツにある店なのだが、どうも兎の国ツアーのシナリオでも来れる店らしく、椅子もプレイヤー用の高さになってる。
まあこいつらの能力考えると椅子が高かろうがあんまり関係ないんだけどさ。
そんなことを考えていると、その考えを否定するかのような発言が。
「なあなあ鳥の人! アタイも座りたいから抱き上げて座らせて!」
「いやお前兎だろ」
「だってそっちの方が楽じゃん!」
「…………いいけどさ」
言われるがままエクシスを抱き上げ椅子に座らせる。
「む……」
なんかエムルが見てきた気がするが、別に何か言ってくる訳でもなかったので、特に気にせず注文。
エムルとビィラックはさっき言った通りの物を頼み、エクシスはエムルと同じものを頼んで、ウォットホッグとかいう猪と分けて食べて出した。
その猪も人参でいいのか……。
「んんまぁぁい!! アタイ一等級のスイーツ人参もスペシャルラビッツパフェも食べたの初めてだ!」
「そら何よりだ」
エクシスは勢いよく食べている……なんつーか、ちっさい子ども相手してる気分だ。
「つか食い方雑だな……口の周り汚れてんぞ」
「ん! アザス、鳥の人!」
「むぅぅぅ!」
エクシスの口廻りを拭いてると、急にエムルが唸りだした。
なんだなんだ。
「ん? 何膨れてんだ? エムル。……ああ、足りなかったか! 別に追加注文してもいいが」
「プイ! ですわ!」
? 何か急に機嫌が悪くなったな。
そんな俺に様子を見てか、ビィラックが大きくため息をついた。
「はぁぁぁぁぁ……ワリャなんもわかっとらんの」
「わかんのか?」
「ちと耳貸し」
そう言って俺の方をよじ登ってビィラックが耳打ちしてくる。
――――――――。
「……そんなんでいいのか?」
「それがええんじゃ」
納得できたわけでもないが、姉であるビィラックが自信をもってそういうならと、言われるがままもう一本スイート人参を注文する。
そしてエムルの前にまわり、
「ほれ、エムル。あーん……」
俺の言葉に若干耳をピクリとさせ、その後無言で差し出した人参を黙々と食べ始めるエムル。
あまり機嫌が良くなってないぞ、ビィラック。
「おい、あんまり変わってないぞ」
「いや、もう後一歩じゃ。見とりぃ」
そうニヤリと笑い、ビィラックはエムル……ではなく、俺に話しかけてくる。
「おうサンラク、ワリャ食べ終わった後どこ行くつもりじゃ」
「んお、お、あー、なんだ、一回ウィンプの様子を見に行くつもりだが……」
するとエムルの耳が再びピクピク揺れる。
「確か最前線じゃったかのぉ」
どこかワザとらしい言い方と声の大きさでビィラックが言うとエクシスがこれまた元気に話しかけてくる。
「え! 鳥の人最前線行くのか! スゲー! アタイも行きたい!」
エクシスが詰め寄ってくるが、防衛線でのあのビビり方を見るにあまり強くはないだろうし……。
「いや、流石にダメだろ」
うん、というか多少強くてもあの隙あらば蜘蛛と百足が戦争するような場所には連れてけねぇ。
そう断ると、先程までむくれて黙っていたエムルが突然俺の頭の上に乗り高らかに語りだした。
「そーですわ、エクシス!! あそこはとっても危ない所だから、エクシスは連れてけませんわ! あそこに行けるのはサンラクサンの相棒たるアタシくらいですわ!! 相棒の!! ね! サンラクサン!?」
「お、おう」
「おおー!! エムル姉スゲー!!」
「ふふん!」
なんか急に機嫌が直ってる。
チラリとビィラックを見ると、やれやれと言わんばかりに首を振っている。
な、なんだったんだ……。
その後機嫌が直ったエムルと今までのクエストとかをエクシスに話してやり、食べ終わった頃にはエクシスのテンションはすっかり上がっていた。
「エムル姉たちの
と勢いよくウォットホッグを走らせてどこかに行ってしまった。
うーん、確かにああいう時って風になれって言いたくなるよな……。
「んじゃ、わちもそろそろ作業場にもどるけぇ。サンラク、馳走になったけ」
「ん? おう、というか……」
ビィラックもそのまま行こうとするので、少し近づいてこっそり礼を言う。
「なんつーか、こっちこそ助かった」
「ん……まあ、正直今回はエムルの気にし過ぎじゃ……エムルもそれはわかっちょる思うがの」
「んーよくわからんのだが……」
「わからんのじゃったら、ワリャもちと悪いかもしれんのぉ」
そうクスクス笑いながらビィラックは作業場に戻っていった。
答えは教えてくれないのか……。
「さあサンラクサン!! 最前線に出発ですわ!!」
「お前行くの嫌がってなかった?」
「今は
鼻息を荒くして宣言するエムルに少しだけ笑ってしまう。
「ま、頼りしてるわ。いつも通りな」
「ッ!! サ、サンラクサン今何て!」
「あん? いつも通り頼りにしてるって言ったんだよ、相棒」
「~~~~ッ! ……まっかせるですわ!! アタシがいれば
「ひゃくとりき……」
百人力の兎版か?
「サンラクサンにはアタシが付いてますから安心ですわ!!」
「おう」
ったく、さっきの機嫌の悪さはどこに行ったのか……。
ビィラックの言葉に意味は分からんかったが、まあ機嫌が直ったんだから深く気にすることでもないよな。
方言って難しい……。
後勝手な造語。ゆるしておくれ。