の3周年まで、後2日。
サンラク話が続いたので、少々お茶濁し。
カッツォ? あいつの話難し過ぎてなかなか書けないです。
前に二択でアンケ取って、慧瑠に負けたもう一つの方です。
幕末ランカー勝手にクエストってやつです。
この話に関してはもう、ほとんどが想像と妄想でしかないので、ほんとに完全なる二次創作って感じです。(前回のも含めて)
ご容赦くださいませ。
「誕生日? 来週?」
「そうそう、最近ハル、あの人と仲いいからプレゼント渡すのかなって」
どうもラボ内で私と吹雪狩がいい感じだと噂されてるらしい。
いい感じって……昨日も天誅されたんだけど。
「渡すも何も、今誕生日のこと知ったんだけど」
「だから教えてあげたんでしょ? これでプレゼントも選べるよ!」
「んー……」
まあ、前に助けてもらったし、確かにあの後からよく一緒にご飯にはいってるから、普段のお礼も兼ねて、誕生日プレゼントを渡すのはやぶさかではないけど。
「……サプライズってタイプでもないかな……?」
~~~~~~~
「そんなわけで、プレゼントの相談をしたいの」
「本人にですか……」
ほぼ日課である幕末にインし、吹雪狩に声をかける。
いかにここに魂を売り渡したトップランカーとはいえ、遠くから話があると語り掛ければ、一応は聞いてくれる。
「なんかサプライズとか好きではなさそうだから」
「いやまあそうですけど」
「まあ相談と言っても内容は大まかに決まっててね? その相談と手伝いを頼みたいって話」
「本人にですか……?」
珍しく困惑する吹雪狩に私はあくどく笑いかける。
「きっと気に入ると思うよ……?」
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「おいた、銭鳴」
「あ、きたきた祭囃子、待ってたよー」
一週間後、私は京極ちゃんに話をつけて、祭囃子を
「で? 話ってなんだよ」
「いやー、この前見た番組の話なんだけどさ……拍子撃ちでわかるかな」
「っ! 流石に気づかれるか……」
「ああやっぱりそうだったんだ。もしやって思って、一度気になりだしたら止まらなくて」
「ああそうだよ。他の奴らには言うなよ……?」
「んー……ここに入り浸る人はそもそも見てる人も多くないと思うけど」
「まあ…………え、まさか話ってそれだけ?」
「まさか。今からの方が本題」
「本題……?」
「そ、実は祭囃子に相談があってね」
「……相談を受けるような間柄ではない気もするが、一応聞こう」
「どうもどうも。実は、私の知り合いが近々誕生日でね? プレゼントについて悩んでいたの」
「…………どうしてそれを俺に?」
嫌な予感を察したのか、じわじわと私から距離を取る祭囃子。
「まあ最後まで聞いてよ。その人が一番喜ぶプレゼントって何かなって考えたときに、思いついたんだよねぇ」
「………………」
多分私の言ってることは全く理解できていないであろう祭囃子も、何かが妙だとは思っているらしい。
もしかしたら殺気システムが作動しちゃったかな?
「それは、祭囃子くん……き、み」
私がそういうと、納屋の上から、大刀を構えた人物が飛び降りてくる。
「会いたかったですよ! サンラクゥ……!」
「うぉおマジかッ!! 銭鳴お前!!」
「あはは、プレゼント名は名付けて『緊急プレイヤークエスト、レアエネミーの首をとれ!』と言ったとこかなってはやっ!」
私が笑っている間に祭囃子は脱兎のごとく逃げ出していた。
でもごめんね?
今日の包囲網は完璧なんだ。
「よう祭囃子!」
「轟車!? お前もかよっ!」
やばいと判断したのか即座に方向転換をする祭囃子。
でも――。
「だけじゃないんだよねぇ」
轟車がそういうとサンラクの元に多くの武器が降り注ぐ。
「刀雨!? くっそどうなってんだ!?」
妨害を受けてまっすぐ逃げれない祭囃子に対し、私と吹雪狩りは一直線に祭囃子に迫る。
「いやぁ、結構な綿密な談合が行われたんだよ? 色々流したから出費も激しかったしさ」
「とはいえ、一度あなたを天誅したい民は沢山いたので、意外と人が集まりましてねぇぇ!!」
「てことは京ティメットもかよちっきしょー!!」
「あはは、祭囃子……まだまだゲストはいるよ?」
「よっ」
「おいーっす」
「いぃっ! 唯一剣に針千本!?」
「いやー、そういえば極限月下の時の借りを返せてないなって思ってさ」
「俺はなんか面白そうだから」
「ちくしょぉぉぉ!!」
逃げようとするたび、ランカー以外の志士たちが祭囃子の前に躍り出る。
皆祭囃子の装備狙ってた……おっと、違う違う、皆の天がやれっていたんだね、多分。
それでも祭囃子は呪詛を吐きながらも巧みによけていく。
「流石にすごいなぁ」
「だからこそ狩り甲斐がありますよっ!!」
そう言って吹雪狩はさらに走る速度を上げた。
あれ、またAGI上げた?
既に上位ランカーが集まって狙われている状態で、さらに吹雪狩が参入したことで、祭囃子はどんどん追い込まれている。
一応、懸命に対応しているけど、やはり少しずつ削られていた。
「これで、今回のレアエネミー討伐クエストは終わりかなぁ――」
「楽しそう」
「――って……へ?」
隣から聞こえたのは、幕末に入り浸る人間ならだれもが一度は聞く声。
その声の持ち主は私には目もくれず、一直線にランカー入り乱れる場に雪崩れ込む。
「天誅」
「え、レイd」
あ、轟車が途中でやられた。
それにより他の皆も何が起きたのか把握し、混沌が訪れる。
『レ、レイドボスさんだぁぁぁぁっ!!』
「天誅」
「はっ! しめた……!」
「チィッ! 待ちなさいサンラクぅ!!」
祭囃子はレイドボスさん乱入の混乱の隙をついて離脱をしようとしていた。
相変わらず抜け目がない……そんなことを思いつつ、私も慌てて吹雪狩と一緒に祭囃子を追おうと思ったんだけど。
「ダメ」
「いぃっ!? レイドボスさん!?」
祭囃子の先をふさぐようにレイドボスさんが立ちふさがった。
「今度は、ダメ」
「え、もしかして前回遭遇した時に俺が逃げ切ったの根に持って――」
「天誅」
「「あ」」
「楽しい……楽しい」
~~~~~~~~
「「かんぱーい!!」」
「いやぁ……傑作だったね! あ、改めて誕生日おめでとう!」
「ありがとうございます。しかし、本当に傑作でした……まさかあの後、残ってたランカー全員レイドボスさんに天誅されてしまうとは」
「レアエネミー討伐が一転、レイドボスからの逃走に早変わりだったね。何が面白いってその後、私たちの勇者を連れてのレイドボスさん討伐になったことだよね! 祭囃子も参加して!」
「サンラクと隣り合わせで戦った時は当初の目的と違い過ぎて流石に笑いましたよ」
「そんな感じで結局プレゼントにはならなかったから、今日は私が奢るよ!」
「いや、そんなことしてもらわなくても……と言っても押し通すのでしょう?」
「そうそう。おとなしく奢られておきなさい!」
「では、ありがたく」
「よーし今日は飲むぞー!」
この後、本当にしこたま飲んで、結局吹雪狩に送ってもらうことになってしまった。
でもちょっと足元がふらつくだけど、そんなに酔ってはいないんだけどね?
ちゃんと誕生日プレゼントがわりにお支払いもしたし。
「全く……なんでそんな泥酔するまで呑むんですか……」
「おめでたいから?」
「あなたがめでたいわけでもないのに……」
わたしを支えながら、吹雪狩が軽くため息をつく。
むー……あ。
「んふふー……えい!」
「なにするんですか……」
私は首筋に手刀をあてて、いつもの言葉を。
「てん…………ちゅー!」
「なんですか……ほんとに飲み過ぎですよ」
吹雪狩はそんなことを言うけれど、私は全然酔ってなんかいない。
酔ってないったら酔ってない。
「ふっふーん、今ならわたしでも天下のとっぷランカー誠意大将軍を無条件でてんちゅーできちゃうねー!」
「はぁ……全く、そんなこと言ってると、明日は痛い目見ますよ」
「ざんねんでしたー、わたしはどれだけ飲んでも翌日にお酒が残らないタイプー」
「……そういう意味じゃありませんよ。……ふふ、明日の夜は――覚悟していてくださいね」
「んー??」
その時は正直ぼんやりしてたから、軽く聞き流したけど、次の日の夜――。
「どうも銭鳴さぁぁぁん!! 痛い目……見せに来ましたよぉぉぉっ!! 天誅天誅天誅テンチュウテンチュァアッハァァァァ!!」
「わー!! そういうことね!!」
結局天誅されました。
しつこ過ぎでは……? くぅ……覚えてろ……。
ちなみに、酔っぱらった帰り道の一幕を、同じゼミの人に遠目で見られてて
首元に手をやって、抱き着いてる(ように見える)のと
「――……チュー」
「――の夜は、覚悟していてくださいね」
の部分的なやり取りだけ聞き取られて、ゼミ内でより噂になります。
そんな感じです。
未だに幕末でラブコメして天誅を可愛く書いてやりたいと目論んでます。
(無理だろうけど)
さて、後は……光属性と恋愛クソ雑魚ヒロイン……。
ま、ぶっちゃけると、周年は本編メインカプで行こうと思ってるので、前夜祭は秋津茜の予定です。