やっとここまで来た。
「はぁ……はぁ……ついた……」
「ら、楽郎さんごめんなさい。ちょっと楽しくなっちゃいました……」
「いや、大丈夫だ……もうちょっとちゃんと鍛えるわ」
一応なまらせないための運動はやってたけど、足りないか……。
十分ごとの写真撮影のために途中途中休憩があったのが幸いした。
一通り息も落ち着いた後、改めて周りを見渡す。
「しっかし、なんつー場所にある店だ」
そこは鬱蒼とした林の中にあるこじんまりとした洋食店。
普通では見つからないような場所にある、まさに隠れ家的な店だった。
万が一のために店員さんに確認したら、ちゃんと予約が入ってたし、ここで間違いなさそうだ。
店内で待つことも出来たが、なんとなく外で他の奴らを待つことにした。
「まあカリスマモデルともなると、こういうところでしか落ち着いてられないのかね」
「わーなんかこのへん、ゲームの中にあるお店見たいですねー」
「あーわかる気がする」
木々の間から光が差し込み、何処か自然あふれる幻想的な風景にしていた。
ちょっとこの風景を見たいと思ったからこそ、無意識に外で待つことにしたのかもしれない。
「でもちょっと早く到着しすぎましたね」
「まあな。他の奴らからしたらヒントが一つ消えたわけだし、もしかしたらちょっと遅くなるかもな」
そして少しの間、風景にとらわれるように沈黙が訪れる。
「……なあ、紅音」
「はい?」
「ずっとはぐらかしてきたけど、やっぱりちゃんと伝えなきゃって思ってな」
「えっと…………それって」
「緊張するし、多分何回も言わない……というか、言えないから、よく聞いてほしい」
「……はい」
「ずっと紅音にだけ言わせてきたけど、ちゃんと俺からも言いたい。……紅音、俺はお前が好きだ」
「……あ……その、それって……」
「ああ……俺と、付き合ってほしい」
「――~~~~っ!!」
「まっすぐで一直線な紅音が好きだし、明るく元気な紅音が好きだ。……突っ走りすぎて色々抜けちまうところも含めてな。……それと、楽しそうな紅音の笑顔が好きだ。紅音と一緒にいるのは楽しいし……なんつーか、心地いい。だから……俺とずっと一緒にいてほしい」
「~~~~はいっ!!!」
俺の言葉をかみしめるように立っている紅音を見て、一気に緊張がとかれる。
ことのほか俺も緊張してたようだ。
紅音はこんなことを何度も俺にしてくれてたのか……。
「いやー……めでたいんだけどさ。君たちここが集合地点だって忘れてない?」
「ハッ!!」
緊張からとかれて油断している俺の後ろから聞き覚えのある外道ボイスが。
振り向くとそこには、ニヤニヤと笑うペンシルゴンとオイカッツォ。
そしてほぼ無表情なルストとお前が告白されたのかと言わんばかりに顔を真っ赤にするモルドが立っていた。
「い、いつから…………」
「私たちは「緊張するし、多分何回も言わない」くらいから。サンラク君てばそんなこと言った直後に何度も好きだって言ってたねぇ」
「ペンシルゴン、そんなこと言ったらかわいそうだってー」
「私たちは「まっすぐで一直線な」あたりから。三位で残念」
「いやいやルストちゃん、手を繋いでって言ったのに何故かモルド君に背負われてきたのは反則でしょ」
「手は繋いでた」
「ど、どうしてそんなに早く……」
「いやお前たちの経路が一直線すぎたから多分、こいつら場所把握してんなと思って、そこから。データ型のプロゲーマー舐めんなよ」
「私たちは全員の写真から頭の中で大まかな立体地図を浮かべてそこから割り出した。……モルドが」
「えっと……まあネフホロではそう言う空間把握能力が必須だったから」
「ネフホロトッププレイヤーなめんなよってこと」
俺が想像していたよりも数倍早く到着したのはそう言う理由……!
これは、色々と……まずい……。
「いやいや、私としては? 茜ちゃんの応援のためにちょっとしたお手伝いのつもりだったわけなんだけど、まさか告白どころかプロポーズまで行くなんてね」
「プロッ!?」
「え? ずっと一緒にいてほしいってそういう意味でしょ?」
「あ! そう言う意味では! ……や、まて紅音! 別に嫌という訳でじゃなくて!!」
とここまで言った時点で紅音の様子がおかしい事に気付いた。
「……? 紅音?」
とりあえず呼びかけると、バッと顔をあげ――。
「嬉しいです! 楽郎さん!!」
「なッ!!?」
――勢いよく抱き着いてきた。
「私! 楽郎さんにやっとお返事貰えてほんとに嬉しくて! 好きって言ってもらえてほんとに嬉しくて! ……ああ、ダメです! ちゃんと言葉が出てこないです!! 好きです好きです! 大好きです楽郎さんっ!!」
「ちょ、え!? 紅音さん!? ステイステイステイ!!」
「ごめんなさい無理です!!」
「あーこれ、茜ちゃん私達到着してることに気付いてないっぽいね」
「ずっと喜びをかみしめてた感じ」
「文字通りサンラク以外目に入らないってことか」
「カッツォ君そんなに面白くないから店で一品奢りね」
「嘘! 今のはありでしょ!?」
「えっと! ずっと見続けるのはアレですし!」
「モルド顔赤くしすぎ」
「でも言いたいことは分かったかな。とりあえずほっといて中で待とうか」
「サイガさんと京極さんは?」
「京極ちゃんが手を引いて先頭きった結果、道に迷ったみたいだね。私たちのヒントもうないけど大丈夫かな?」
「あー……何かサイガさんは有能そうだし何とかなるんじゃない?」
「それもそうか…………おっと、瑠美ちゃんにバカップルが誕生したことお知らせしたげなきゃ」
「わかってるって! 俺も紅音の事大好きだから!」
「はい!! 私も楽郎さんの事が大好きです!!」
そろそろサンラクさんにも男を見せてもらいたかったところなので。
とりあえず作者様が追加で捗るようなことをしない限りとりあえず次は別キャラ予定です。
……ただ、秋津茜の人気がすごすぎて、ほんとに別キャラ投稿して大丈夫かと不安になりますね……!
一応いろんなキャラのifルートを書けるようにタイトルを「ユニバースが違う」とつけたので、書いたものはここにまとめて書いておきたいんですが、秋津茜は別枠にした方がいいのかな……?
とりあえず一週間後ぐらいに別キャラの話をば……。