東方月読命   作:へんなさくらもち

3 / 3
続かない続かないとか言っといてかれこれもう三話目です。
土曜日の降臨でようやくパラドクスを獣神化できました、やっぱり他の轟絶と比べるとパラドクスは割と簡単に感じます(ラスゲから目を逸らしつつ)。少なくともシュリンガーラ極の方が私は苦戦しました。
今回はゆかりん視点です。あと何ヶ所かグダってる所があると思うので注意です。
※見返してみてここ要らないなと思って紫と菫子の会話の所をカットしました。


八雲紫の思惑(対して考えてない)

その日はまさに晴天だった。明るい陽射しを受けて作物も良く育つであろう日の中、幻想郷の賢者にして神隠しの主犯こと八雲紫の心の空模様は、大分雲に覆われていた。

理由は簡単、幻想郷に新たな住民がやってきたからだ。

といってもそれ自体は別に珍しい事ではない、最近で言えば月の兎が二羽越してきて団子屋を営み始めた事だろうか。賢者を住民に入れないのであれば狂気がある振りをしておいてあの三人の中じゃ一番狂気がない退屈なあいつだろうか。

というかそもそも後戸の国って幻想郷の範囲内なのだろうか、それを言うなら私と藍が住んでるこの家も幻想郷の範囲内なのだろうか。

 

「うーん……分からないわ」

 

「紫様、何が分からないのですか?」

 

「藍、後戸の国とか私達の家って幻想郷の範囲内なのかしら」

 

「……………仕事をして下さい、紫様」

 

「自分の分の仕事を私に押し付けるのは止めなさい藍」

 

「嫌なら仕事をして下さい、せめて新しい住民の確認位はして下さい紫様」

 

「はいはい、分かったわよ」

 

額に青筋を浮かべた藍に仕事を押し付けられそうになりながらも私は確認をするべくスキマに飛び込む。

確認というのは、新たにやってきた住民が幻想郷にとって害を成す存在か否かの確認だ。

幻想郷は全てを受け入れる。たとえそれが幻想郷の害だとしても。

受け入れてしまった害をどうにかするのは私達賢者や幻想郷の皆なのだ。

やってきた者に害意があるかどうかの確認は早めの方がいい。

害意があるなら早めに対策を立てて対処すればいいし無いなら歓迎すれば良いだけだ。

閑話休題、話を戻そう。

先程も言った通り幻想郷の住民が増えるのはさほど珍しい事ではない。

問題は別の所にある。

それは……

 

「何で建物ごと此処に来ちゃったのよ……前にもあったけど」

 

そう、その新参者は建物ごと幻想郷にやって来たというのだ。

どんな奴かと新参者がいるであろう場所の上空にスキマを開く。

藍に聞いたところ、その新参者がいる建物は竹林の人里に近い入口を入って直ぐの所にあるのだとか。

開いたスキマを覗いてみると、綺麗に整えられた神社があった。

因みに過去に建物ごとやってきた奴らも神社と一緒に転移して来ていた、なんという偶然だろう。

ふと頭に紫の髪に紅葉の髪飾りをした奴と黄色の髪にバケツみたいな帽子をかぶった二柱の神と緑髪の風祝の姿が過ぎる。

ついでにあいつらのせいで地底の烏が暴走した事とかも思い出す。

あ、思い出したら腹たってきた、後で紫頭の煎餅を拝借しておくとしよう。

そんなことを考えながら上空から神社を見回すが、特に変わった所はない。

 

「じゃあ、そろそろ新参者の顔を拝見させて頂くとしましょうか」

 

境内に立つ人の目線位にスキマを開いてそこから顔を覗かせる。

そうしていたら見つけた。陽射しに照らされる縁側に座るその少女を。

先端に行くにつれて黄色に変色している紫の髪をサイドポニーにし、

紫を基調にしたノースリーブの巫女服の上に半透明の羽織を羽織っている。

右足の方だけ長いソックスを履いていてその上に紫のロングブーツを履いている。

桃色の瞳はぼうと空を見つめていて何を考えているのかあまり分からない。

膝の上に三日月のような杖を置いており、なんと言うか、陽光よりも月光が似合いそうな少女だなと紫は思った。

取り敢えず何か独り言でも呟いてくれないかなと期待して彼女のすぐ側に気付かれないようにスキマを開き、それと自分の両耳付近に開いたスキマと繋げる。

外の世界で言うイヤホンというやつだ。

さて、彼女が何か喋るのを今か今かと待ちわびながら煎餅をパリパリと食べていると、不意に彼女が口を開く。

咀嚼音に声を掻き消されないようにさっさと煎餅を食べきり、彼女の言葉を一言一句聞き逃さないように集中する。

そして、その時は来た。

 

「はぁ…やっぱり理解が追いつかない……」

 

 

しかし耳に飛び込んできたのは、明らかに疲れているような声とため息だった。

 

 

「さっきから頑張って整理しようとしても全然出来ない……訳が分からないよぉ… 」

 

はて、どうしたものかと紫は思考を巡らす。

理解できない事、といえば恐らく此処に転移して来た事だろう。

若い者は、人外と言えどこういった事で困惑してしまうものだ。

つまり彼女は生まれてからまだ大して経ってないのだろう。

彼女の言葉から出来るだけ多くの情報を読み取ろうと、紫はますます集中して彼女の言葉に耳を通す。

そんなこんなでしばらく経ったある時、目の前の少女が意を決したように立ち上がる。

 

「悩んでても分からないものはしょうがない、当たって砕けろ!取り敢えず出来ることからやろう!」

 

「…と言っても何をしたらいいのか分からない、杖から何か出たりするかもしれない、いや出る(確信)」

 

そう言いながら彼女は両手を胸の前で構える。所謂「ぞいの構え」と言うやつなのだろう。

彼女は案外現代っ子なのかも知れない、と紫は呑気な事を考える。

因みに彼女のそういった知識は現世、つまり現代から此処へ夢を介してやって来る女子高生、「宇佐見菫子」から教えて貰ったのだとか。因みにイヤホンも菫子の入れ知恵である。

目の前紫少女はと言うと、杖を力一杯握って唸っている。

 

「何か出ろー何か出ろー何でもいいから何か出ろぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

叫びながら杖をブンブン振り回している彼女。

急に杖の先端辺りにある勾玉がカッと光ったと思った刹那、空気が爆ぜた。

目の前で急に激しい光と轟音に襲われ、油断していたのか紫は目と耳を塞いでしまう。

油断していた所の突然の急襲で先程まで紫少女の利用方法を考えていた紫の頭は混乱を起こしてしまう。

どうやら紫はツクヨミの事を害ある存在だとは思ってないみたいだ。

それから暫くして紫は耳から手を離し目をゆっくりと開ける。

 

「え………なにこれ……どゆこと? 」

 

そこに飛び込んて来たものは、

目を真ん丸と開き、尻餅をつく紫の少女。

境内の所々に小さいクレーターの様な穴が出来ており、穴の中心付近が黒く焦げている。

そして先程の激しい光と轟音。

つまり、これが意味するものは……

 

「……何か出ろとは言ったけど落雷は出なくていいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

先程の尻餅と合わせて考えてみると、この落雷は恐らく彼女も想定してなかったのだろう。

涙目になっておろおろと混乱している彼女とは対照的に、もう冷静さを取り戻した紫は再び考えを巡らす。

 

(さっきまでは問題ないと思ってたけど彼女、まだ力を制御出来てないのね)

 

先程の何か出ろ発言からもそれは察せてしまう。

紫は思った。「普通に大妖怪でも上に入れる位の力を持ってるのに制御出来てないのは非常に不味い」と。

幻想郷を覆う博麗大結界はそこまで頑丈な訳では無い。

力のある妖怪達が戦ってしまうだけで壊れてしまう可能性もあるのだ。

だからこそ今のスペルカードルールがあるのだ。っと、話がずれてしまった。

つまる所、彼女の様な存在は幻想郷の害になってしまうかも知れないのだ。

とここで神算鬼謀の名探偵ゆかりんはある名案を思い付いてしまいます。

それは何かというと、彼女の力の制御を手伝ってあげる、というものだ。

成功すれば、幻想郷のパワーバランスを担える程では無いかもしれないが充分優秀な駒になる。

それに、恩を売っとけば今後何かしら利用するのに助かるかも知れない。

つまる所一石二久侘歌という訳だ。

これはやるしかないと私は意気込み、ぞいの構えをするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーー

 

あれからおおよそ一週間が経った。

あの後もう一日も聞き取り調査(という名のストーカー)をし、

残った約一週間は彼女の制御訓練を手伝った。

初めて直接会ったときは隣に急に現れてみたのだが、彼女の反応は中々に面白く、まだ年若い童の様で可愛げがあったなと思い出す。

そう言えばと私が聞き取り調査をしてた時に彼女が呟いた意外な言葉を思い出す。

 

「おはよ…やっぱり夢じゃなかったかー……」

 

「朝起きたらツクヨミに憑依してて見知らぬ所に転移してるとかこれ絶対夢だと思ってたのに……」

 

憑依や転移と言った言葉。

憑依に関しては例の姉妹が起こした異変のせいでだいぶ耳に新しいが、転移はこのご時世中々耳に入らない言葉である。

だとしてもそこまで意外かと言われれば確かにそうだが、今挙げた二つの言葉はつい最近菫子から聞いた言葉だったからだ。

その話は少し長くなるので割愛したほうがいいだろう。

その話の情報を元に大まかに予測を立ててみたところ、

「ツクヨミは此処に転移してきた憑依者で、彼女の身体には他の誰かの魂が憑依している」、という可能性が高いのだ。

もしそうならやる事を一通り終わらせたら菫子に合わせてあげるのもいいかも知れない、外の世界の人間となら彼女もある程度会話しやすいと思うし、と紫は思う。

因みにだが力の制御に関しては上々である。

 

「さーて、今日もゆかりん頑張っちゃうわよー!」

 

朝にやる仕事を一通り終わらせて、私はスキマに飛び込む。

そして彼女の目の前にスキマを開き、

 

「おはようツクヨミ、いい朝ね」

 

毎日の楽しみであるツクヨミへのドッキリを今日もやる。

今はやる度に驚いてるが、毎日やってたら流石に彼女も飽きてしまうかな、と思いながらも紫は楽しそうな笑顔を浮かべる。

彼女が顔を赤くしているの見ると、私もつられて顔が赤くなってしまいそうだ。

いつもとはちょっと違う気持ちで彼女をからかいながら、紫は笑顔を浮かべていた。

因みにだが、戸棚の煎餅が無くなっていることに気付いた紫頭の神は誰がやったんだ、と憤慨していたそうな。




あれ…勢いに任せて書いたら仄かに百合の香りがする終わり方になってしまったぞ…(不本意)
もしかしたらガールズラブタグが保険じゃ無くなるかも知れませんねこれは……
下手に知的なキャラにしようと思って滑るくらいならいっそネタに走った方がいいのでは?と思い紫はあんな感じになってしまいました。いつスキマ送りにされるか不安です。
あっそうだ(唐突)昨日の降臨でシュリンガーラの極、究極クリアと獣神化を達成できました。
やはりモンストの日は偉大ですね。
誤字脱字、アドバイス等があれば是非感想に書いて頂けると幸いです。

宇佐見菫子:東深見高校の一年生にして超能力を操る程度のオカルトマニア。
幻想郷中に「オカルトボール」という物質をばら撒き、ボールを七つ集めたら願いが叶うと云うデマを吹聴し、ボールを七つ集めた者を鍵として幻想郷を覆う博麗大結界を破壊させようとした「深秘異変」を起こした張本人。因みにこの異変の影響で、幻想郷では都市伝説が具現化する「都市伝説異変」も同時に起こることとなる。オカルトサークル「秘封倶楽部」の会長を名乗っていて日夜オカルト研究に勤しんでいる。実は自分の容姿に自信が無いらしい。異変解決後、夢を見ている間だけ幻想郷に来れる「夢幻病」を患っており、学校にいる間も寝ていて、霊夢からあんまり昼夜逆転してると身体に障るわよと言われる程幻想郷に入り浸ってる。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。