戦闘好きな少女が暗殺教室の一員になるようです。   作:銅英雄

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第1話 転校の挨拶は固定砲台と

月曜日。土日の間に引っ越しも済ませたので、新しい住居からの登校になる。聞いた話によるとE組の校舎はこの山道を登っていく必要があるみたい。A~D組はそことは別の校舎であり、それぞれ本校舎と別校舎と分けられ、E組は後者の別校舎だ。

 

(凄い山道だなぁ……。でも鍛練としては持ってこいなのかもね)

 

そう思いながら歩いているとE組が通っている校舎に着いた。これは本校舎に比べると酷いなぁ……。これは学校側にクレーム入れても良いんじゃないのかな?

 

とりあえず中に入って職員室に訪れる。

 

「失礼します」

 

「ああ、来たか大宮さん。今日からよろしく頼む」

 

「おはようございます、烏間先生。……まぁなるようになりますよ」

 

烏間忠臣先生。私が此処に来る前に殺せんせーについての説明を丁寧にしてくれた人。防衛省という組織に属していてかなり鍛えられている。この人に体育の授業とか教わるのかな?

 

「カラスマ?誰よこの子?」

 

烏丸先生と話していると1人の女性が入ってきた。ふむ、素晴らしいスタイルだね。同じ女として羨ましいかも……。

 

「今日転校してくる大宮さんだ。……というか事前に伝えただろうが」

 

「悪かったわよ!……イリーナ・イェラビッチ。此処では英語の授業を担当しているわ」

 

「彼女はハニートラップの達人だ」

 

ハニートラップの達人……。そんなのが殺せんせーに通用するのかな?疑問だけど、彼女もこの教室において必要な人間だから此処にいるんだろう。

 

「大宮来夢です。これからよろしく御願いします、イリーナ先生」ペコッ

 

「ちょっと聞いたカラスマ!?こんな良い子がまだいるのよ!E組のガキ共はどいつもコイツもビッチビッチ言うのに!!」バシバシ

 

「わかったから背中を叩くな!」

 

仲良いねこの2人……。

 

 

~そして~

 

烏間先生から殺せんせー専用の銃とナイフを貰った。これ等を駆使して殺せんせーを殺すようだ。本当にこれでダメージを与えられるのだろうか……?

 

 

キーンコーン♪カーンコーン♪

 

 

 

予鈴のチャイムが鳴ったので、教室に行く。

 

「そういえばもう1人転校生がいると聞いたんですが、その人は何処にいるんですか?」

 

職員室で私の他にもう1人転校生がいるという話を烏間先生から聞いたんだけど、それらしき人物が見当たらないので訪ねてみた。

 

「……彼女ならもう教室にいるだろう」

 

彼女……ということは私の同じ女の子ということか。その子とも仲良くやれたらいいな。しかし……。

 

(なんで烏間先生は言いにくそうに答えたんだろう……?)

 

そう思って教室を廊下側の窓から覗いてみると教室の後ろの方に大きな機体が見えた。……えっ、もしかしてあの機体が転校生なの?

 

そんな事を考えている内に自己紹介の時間になった。

 

「修学旅行で見た者はいるだろうが、転校生の大宮さんと……ノルウェーから来た自律思考固定砲台さんだ」

 

……なんか物凄い物騒な紹介を聞いた気がする。そりゃ烏間先生も言いにくい訳だ。気になることは彼女?を含めて色々とあるけど、とりあえずは私の紹介をしなきゃね。

 

「大宮来夢です。親しい人は皆ラムと呼んでいますので、皆さんもその様に呼んでください。卒業まで残り1年を切っていますが、よろしく御願いします」ペコッ

 

『自律思考固定砲台です。よろしく御願い致します』

 

自律思考のAIか……。私の師匠も機械を造るのを趣味にしてるらしいけど、こんなAIも造れるのかな?

 

「それでは何か質問はありますか?」

 

殺せんせーが質問タイムを設けた瞬間に殆んどの生徒が挙手する。転校生っていうのは凄く興味を惹かれるってお母さんも言ってたっけ。

 

「ではまずは磯貝君」

 

「ラム……さんは殺し屋なんですか?」

 

「呼び捨てで良いよ。……質問に答えると私は殺し屋じゃないけど、戦いの世界で生きてきた……とだけ言っておくね」

 

私の発言に皆ざわめく。まぁ中学生の子供が戦いの世界に生きてきた……なんて言われても反応に困るだけだよね。でも事実なんだからしょうがない。

 

「では次、岡島君」

 

「好きな男のタイプは!?」

 

次の質問は青春を謳歌する男女ならではといった感じの質問だね。でもそんな事考えたことなかったなぁ……。見滝原では特に気にしてなかったから。でも友人に彼氏が出来たと聞いた時はなんか先を越された気分になったっけ。

 

「そうだね……。一生懸命な人かな?」

 

この答えは嘘じゃない。実際一生懸命な人は見てて良いなぁってなるからね。……とはいえあの弟分達はなんか違う気がするけど。

 

「では次、不破さん」

 

「好きな漫画はなんですか!?」

 

「特にこれっていうのはないけど、バトル物とかは好きかな?」

 

ああいう漫画は見ると新しい戦略や戦術のヒントが生まれるかもだからね。

 

「では次で最後にしましょうか。渚君」

 

最後の生徒は京都で見た神崎さんと茅野さんと一緒にいた男の子だ。……彼からは茅野さんとは別の異質さを感じるね。

 

「あの、このクラスの……E組の事をどう思っていますか?」

 

E組をどう思うかか……。

 

(私を見定める人、私の顔色を伺っている人、そして自分を抑えている人……。見滝原にも私の事を見定める子がいたのを思い出す。教室に来る前に殺せんせーの暗殺映像を見たけど、まだまだ拙く殺せんせーを殺すのは到底無理……。けどこれだけの個性があれば期限までにはもしかしたらがあるかもね)

 

「……色々思ったけど、一言で表すなら可能性の塊って感じかな」

 

「可能性の塊……?」

 

「うん、このクラスは個々の個性が殺せんせーの暗殺成功に繋がると思ってる。誰がどんな個性を持っているかわからないから暗殺成功のヒントを得るために皆と上手くやっていけたらいいな」

 

殺せんせーを殺すのはE組。私はそのサポートになるだろう。これは6年前に魔人と呼ばれる敵と戦った時も私は1人の戦士のサポートを努めた時と同じ。まぁ最終的に私はその魔人に取り込まれちゃったけどね……。

 

まぁつまるところ私は皆の個性を知る必要があるよねってことだ。

 

 

 

渚side

 

今日この暗殺教室に大宮さん……ラムさんが転校してきた。……あと自律思考固定砲台も。

 

固定砲台さんの事は一旦置いといて、クラスの皆はラムさんに様々な質問をした。磯貝君は殺し屋かどうか、岡島君は好きな男のタイプはどんな人か、不破さんは好きな漫画は何か……。岡島君と不破さんの質問は必要なものかわからないけど、ラムさんは普通に答えてくれた。

 

「では次で最後にしましょうか。渚君」

 

質問は僕で最後みたいだ。僕の質問はただ1つ。このクラスをどう思っているか……だ。

 

するとラムさんは可能性の塊だと言ってくれた。エンドのE組と蔑まれた僕達を評価してくれたのは初めてかもしれない。そう思うとなんだか嬉しくなってくる。

 

「そういえば授業中じゃなかったら何時でも殺しに来ても良いんですよね?」

 

「ええ、何時でも大丈夫ですよ。殺せるものなら殺してみなさい」ニヤニヤ

 

殺せんせーはニヤニヤと笑って黄色と緑色の横縞模様……つまり相手を舐めて油断している時の表情になる。この本当にムカつくなぁ……。

 

「じゃあ遠慮なく……」

 

ラムさんは薄く笑った。その瞬間ラムさんの目付きが鋭くなり……。

 

 

ザンッ!

 

 

『!?』

 

消えたと思ったら殺せんせーにダメージを与えていた。

 

「へぇ……。このゴムみたいなナイフで本当に殺せんせーにダメージを与える事が出来るんだ」

 

「にゅう……」

 

これはカルマ君みたいな奇襲?いや、それ以上の精度を感じた。

 

「もういっちょ!」

 

 

ザンッ!

 

 

「なっ……!」

 

「序でにこれも……っと!」パンパンッ

 

「にゅやっ!?」

 

対せんせーナイフで2発もダメージを与えただけじゃなく、対せんせー弾が入った銃での素早い射撃……。

 

「はぁっ!」

 

 

ザンッ!

 

 

「ぐっ……!」

 

「す、すげぇ……」

 

「こ、これもしかして暗殺成功までいっちゃうんじゃ……」

 

ラムさんは人間とは思えない動きで殺せんせーの懐に入り込み更に一撃を与えた。これで地球は救われるの……?

 

「はぁっ…!はぁっ…!触手だけでなく本体にまで……。ラムさん、君は一体何者なんですか?」

 

「私はただの戦闘狂ですよ。……とはいえここまで動いたのは見滝原の舞台装置を相手にした時以来ですけどね」

 

ラムさんが攻撃を止めて間もなく殺せんせーの触手は再生された。これはとんでもない人が転校してきたなぁ……。

 

 

渚sideout

 

 

 

追い込んだと思ったらすぐにダメージを回復した……。殺せんせーはまるで6年前に戦った魔人のような恐ろしい回復力だよ。一気に畳み掛けた方が良かったかな?武器についても色々と考える必要があるね。

 

さておき皆が私の動きを見て唖然としてるけど、これくらいはやらないと殺せんせーは殺せないと思うよ。

 

「殺せんせーを本気で殺すなら今くらいの精度で殺しにいかないと地球が失くなっちゃうよ?」

 

「……全くその通りなんですねぇ。皆さんもラムさんの様な素晴らし暗殺者を目指しましょう。……とはいえここまで追い込まれたのは初めてですよ。どんな殺し屋でも私にダメージを碌に与えられませんでしたから」

 

「まぁ暫くは情報収集に専念しますよ。あくまでせんせーを殺すのは彼等なんだから……」

 

そう言って私は1番後ろの席に座った。……皆から凄い視線を感じる。悪目立ちしすぎたかな?私の力は一般とは比べ物にならないし、暫く大人しくしておこう……。

 

さて、次は固定砲台さんの暗殺だ。どんな技を見せてくれるのかな?




律パートをもう1話します。

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