「それでは皆さん気を付けて帰ってください」
HRが終わり帰る準備をする。殺せんせーもすっかり教師として馴染んでいるよね。……まぁ私はまだ転校してから1週間くらいしか経ってない訳だけど。
「あっ、ラムさん。良かったら一緒に帰りませんか?」
そう言って私に声をかけてきたのは神崎さん。その後ろには茅野さんと奥田さんがいた。この3人は修学旅行で同じ班だったそうだ。
「良いよ。ちゃっちゃと帰り支度済ませるね」
「あ、焦らなくても大丈夫ですよ」
「ううん、待たせるのも悪いしね」
今日予習する科目の教科書とノートを鞄に入れて準備OK!
「おまたせ。じゃあ帰ろうか」
~そして~
「そういえばラムさんの家ってこの辺りなの?」
「そうだね。E組の校舎まで徒歩10分ってところかな」
「す、凄く近いですね……」
家から学校までが近いおかげでギリギリまで時間を使えるし、いざとなれば殺せんせーみたいに超スピードで学校に行けば良いだけだ。まぁ悪目立ちしそうだから絶対にやらないけど……。
って話してる内に私が住んでるアパートまで来ていた。
「じゃあ私は此処だから」
「え~、折角だからもっとお喋りしようよ~!」
「わ、私も迷惑じゃなかったらラムさんともっと話したいです」
帰ろうとしたら茅野さんと神崎さんに引き止められた。奥田さんはそんな2人を見てどうすれば良いのかわからないようであわあわとしている。
「じゃあラムさんの家で遊ぼう!」
えっ?何これ?私の部屋ゲームとか
ないよ?なのになんで私の家で遊ぶことになってるの?そんな事を考えていると奥田さんが心配そうに話しかけてきた。
「あの、もし嫌だったら言ってくださいね……?」
こ、断り辛い……。別に嫌じゃないけど、寄り道は余り良くないんじゃないかなって話な訳だ……。
「別にいいけど、大したものはないよ?」
「良いの良いの!私達もっとラムさんの事を知りたいしね!」
「はい、ラムさんと仲良くなりたいです!」
「わ、私は修学旅行の時のラムさんの話を2人から聞いてもっとその話を聞いてみたいと思いました!」
そういえば奥田さんは2人と違って潮田君達と2人を助けに来た側だから2人程詳しくわかっていないんだ……。
「わかったよ。じゃあ私の部屋まで案内するね」
3人を連れて自室へと案内する。
~そして~
「お、お邪魔しまーす……」
「お、お邪魔します……」
「お邪魔しまーす!」
……なんか茅野さんが段々と遠慮がなくなっているような気がするのは気のせいであってほしい。
「飲み物持ってくるね」
「あっ、お、御構い無く……」
「いいよ。2人も茅野さんの様にリラックスしてて」
というか茅野さんはリラックスしすぎな気がする……。
えっと、とりあえずジュースとおやつ用に数個作っておいたプリンでいいかな?
「おまたせ」
「あっ、プリン!」
茅野さんがいち早く反応した。プリン好きなのかな……?
「ありがとうございます」
「気にしなくていいよ。3人は御客様なんだからキチンと歓迎しないとね」
という事で頂きます。……うん、良い出来だね。
「美味しい……」
「なんだか優しい味がします……」
「美味しいなんてものじゃないよ!しっとりとしていて滑らかな食感に優しい甘さ、それでいてくどくない。カラメルソースの苦味もこの甘さと凄く良い感じにマッチングして……。これなら何個でも食べられそう!!」
神崎さんと奥田さんが素直な感想を言った後に茅野さんの力説が入った。そ、そんなに美味しかったのかな……?すると茅野さんが捲し立てるように此方に近付いてきた。
「ら、ラムさん!このプリンは何処の御店!?私としたことがこんな美味しいプリンを見落としていたとは……」
「えっと、一応私が作ったプリンなんだけど……」
「て、手作り!?これが!?明らかにプロレベルだよ……」
なんか茅野さんが少女漫画にありそうなショッキングな表情をしていた。
「ラムさんって料理得意なんですか?」
「1人暮らしだから最低限の事は出来るつもり。御弁当も作ってるしね」
「おかわり!!」
「早っ。もう食べたの?」
茅野さんの食欲……この場合はプリン欲?に気圧されて予備のプリンを持ってきた。まさかこんなに好評だとは……。また作っておこう。
~そして~
「じゃあ3人共気を付けて帰ってね」
それから私達が色々と話し込んでいる内に空が暗くなり始めていた。時間が経つのは早いものだ。送ろうとしたけど、3人がそれは悪いからと言って遠慮していた。
「はい、今日はありがとうございました」
「プリンありがとう!」
ちなみに茅野さんには御土産としてプリンを3つ渡しておいた。無茶苦茶嬉しそう……。
「あの、もしラムさんが良かったらなんですけど……」
「どうしたの?」
「これからもこの4人で集まりませんか!?」
奥田さんがそんな提案をする。確かに私もそろそろクラス内のグループとかに属した方が良いかなって思っていたからこの提案は私にとっては魅力的だ。それに……。
(茅野さんの異質さの正体を見極める為という意味でも奥田さんの提案は悪くないからね……)
「私は良いよ」
「賛成!」
「わ、私も……!」
「じゃあこの4人でグループ結成ですね!」
こんな感じで『ラムちゃんグループ』が結成された。これを機に私は3人からラムちゃんと呼ばれる様になった。
次回はロヴロ回になるかな……?